【完結】まちカドまぞく/陽夏木ミカン攻略RTA   作:兼六園

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そろそろ終盤に差し掛かるので初投稿です。



part19

 

 主人公がヤムチャ視点なゲームのRTAはーじまーるよー。とうとう単行本3巻が終わり、RTAとストーリーに一区切りつきます。

 

 前回は闇系のバイトからシャミ子を救いだしたところで終わりましたね。今回はシャミ子が自分の夢に潜り記憶を探るところから始まります。

 

 店長とリコくんが前回のお詫びを兼ねて話があるらしいからと家に来るイベントはミカン姉貴が居ないので重要な話だけどキャンセルだ。

 このRTA見てる人は皆単行本全部持ってるだろうしへーきへーき(偏見)

 

 

 一応ざっくり説明すると、リコくんは店長が10年前に開店準備をしている時に桜の手で連れてこられた他所の魔族です。

 桜は2~3日天災が起きるから家から出るなと伝えて消えたらしいですね。

 

 リコくんが言うにはコアは動物型で且つ動き回るそうで、桃たちが探している水晶型とはどう違うのかと話し合いになります。

 

 で、なんやかんやあって店長が考案したたまさくらちゃんのモデルの猫が桜のコアなんじゃね? となります。

 猫ちゃんは壁に消えねえだろっ! 

 

 そして清子さん曰く、優子はその猫と話したことがある筈だとか。

 だから、シャミ子が自分の夢に潜って記憶を探る必要があったんですね。

 

 

 それでは倍速。シャミ子は桃の部屋でソファに寝転がりますが、外からは何やってんのかまったくわかりません。カスタムモードで魔族スタートだったりすれば同行できるんですが、もちろんプレイヤーの私は見ることができます。

 

 シャミ子は現在大量の点滴スタンドと注射器に追いかけ回されてますね。自分でも忘れていた嫌な記憶が点滴と注射で、魔力修行の時に筋肉注射の痛みを知っているような発言。

 

 この回を見てからあの回を見返すと色々と察して悲しくなりますね。

 

 トラウマに追われてるシャミ子を助けようにも手を出せないでいると、リリスさんの発言から桃がある提案をします。

 寝てるシャミ子を背負って、学校の小倉ァ! 専用ラボに向かいましょう。

 

 桃は性能面が檀黎斗のやべーやつこと小倉の力を借りて、一時的に闇堕ちしてシャミ子の眷属になることで夢に潜れるかもと言います。

 

 

 一方その頃、シャミ子は恐らく桜の指示でアロンの杖で無双してると思います。逃げ回ってる暇があったらさっさと突っ込んで、奴等をぶちのめして来いィィ!!(突然興奮する走者)

 

 メレンゲめいた姿から杖の力で形を取り戻した桜は、シャミ子に助言して10年前の真実を知る為に当時の記憶をサルベージさせます。

 

 当時の記憶の病室で判明したのは、桜のコアがシャミ子の魂を補強している事実でした。良ちゃんの分まで呪いを背負って魂の構造がスッカスカなこともあり、シャミ子は桜や清子さんの想定よりも死にかけていました。

 

 天災が過ぎ去り暫く平和だし自分も消えそうだしで、シャミ子を生かす方法として自分のコアを使うことを選んだんですね。

 

 そんなお陰でなんとか生きてこられたのですが、それはそれとしてスケベな体になりやがって……! これも桜のコアの成果か! オラ! なにが夢魔だ! 

 栄養が全部胸にいってるんじゃねえかよこのいやらしまぞくがよ! 

 

 

 ……魔力のへそくりが無くなって消えそうな桜は、シャミ子がコアを必要としないくらい強くならないと出てこられません。

 

 桜を連れ帰らないと桃を笑顔にできないと悩むシャミ子に桜はそうでもないと、桃には町や自分以上に大事なものが出来たと言い、ついでに町の平和を守ってくれと言い残して消えました。

 

 ヒロインのついでに町を守れなんてウルボザみたいなこと言いますね。

 しかもシャミ子目線で楓くんを見てたからか、なんかアドバイス的なのをしてるし。

 

 そんなこんなで帰ろうとするシャミ子ですが、トラウマに追い詰められていますね。しかし、ピンチのシャミ子の元になんと闇堕ちした桃──†ダークネスピーチ†が駆けつけてきました。か、かっこいいタル~! 

 

 古傷が剥き出しなのアーイイ、アーイイヨイヨイイヨー

 

 

 ──桃の手助けで戻ってこれたシャミ子からしたらいつの間にか小倉ラボに来ているわけですが、今度は別の問題が発生しています。

 

 小倉の薬で無理やり闇堕ちしてきたため、迅速に光側に引き戻さないといけません。ミカン姉貴のボウガンでぶち抜くショックで闇堕ちから戻すことには成功しますが、あまりの緊張にラボが呪いの被害に遭います。

 

 楓くんを操作して運動神経クソザコの小倉を担いで逃げましょう。

 小倉は小倉で軽いですね、1.15シャミ子くらいしかありません(1シャミ子=35kg)

 魔法少女の闇堕ちを(たの)しい実験と言い切るなんてとんでもないモラルハザードだよ。実験モンスター。グシオン。

 

 

 全員で帰った後日、闇堕ちするのに飲んだ薬の影響が落ち着いた頃、桃は桜のことを聞いています。コアがシャミ子を生かしていることや町を守るのを頼まれたことなどを教えられました。

 

 桃は強くなるためにも町を守るお願いをやってみたらどうだとシャミ子に言います。

 

 桜を探すためにシャミ子に関わっていた桃からすれば、居場所がわかった以上この町に固執する理由はないのですが──もはやそういう問題ではないんですね。今ではそれよりも大事な、町よりも大切なものが出来たわけです。

 

 これからはシャミ子たちの暮らす、この極々小さなまちかどだけを全力で守れたら────。それが姉との約束を守ることにも繋がる、新しい桃の目的になるのではないでしょうか。

 

 

 それでは桃色魔法少女の笑顔CGをスクショしながら今partはここまで。いやあ原作の時点で感動できる話をプレイできるなんて……やっぱ……まちカドまぞくを……最高やな! 

 

 ────いやよくねぇンだわ。なんやねん杏里ちゃんの友愛度8/3って。なんやねんシャミ子の友愛度7/2って。試走の時はこの時点じゃまだ誰も友/6にすらなってなかったんだが??? 

 

 ……楓くんがいい子過ぎるんだよなぁ。相手に対して真摯すぎるってそれいち。

 ヒロイン全員に笑顔で対応する好青年だから友愛度がガバガバになるんやろがい! 

 

 

 ◆

 

 

「なんだか、どっと疲れたわね」

「桃が闇堕ちするとは思わなかったな」

 

 シャミ子が夢に潜り、桃が闇堕ちした後日。二人の会話を邪魔しない方がいいと思い、私は楓くんの部屋に通されていた。

 

 下の部屋は上より少し広く、中央にちゃぶ台があって、部屋の隅に敷布団が畳んで置かれている。なのに出されたお茶はレモンティーなのだから、なんだかシュールで少し笑ってしまう。

 

「あの二人は大丈夫かしら」

「気にすることでも?」

「ほら、桃って結構空気読めないから……」

「……本人には言うんじゃないぞ」

 

 わかってるわよ、と言って湯気の立つレモンティーを一口飲む。

 

 ふと楓くんが手元の携帯のメッセージを確認するのに下げた顔を見る。瞳に画面の光が反射して、小さく輝いていた。

 

「誰から?」

 

「幼馴染の子。喫茶店の情報を教えてくれたから、そのお礼をしたんだよ」

 

「ふぅん」

 

 その子とは、夏休み明けに会うことになるのかしら。楓くんが楽しそうに話すその顔を見るのは、あまり面白くない……と考えるのは、流石に醜すぎるわね。バチリと目があって、当然のように微笑まれる。

 

「ねぇ、楓くん」

「……なに?」

 

「私の呪いをどうにかしたいって言ってくれたけど、貴方はこの力が怖くないの?」

 

「いや、別に」

 

 楓くんはそう言って、あっけらかんとした顔で首を傾げた。

 

「別に、って……この呪いは桜さんの助力が無かったら、いつか人を殺していたかもしれない力なのよ? どうにかしたいと言った楓くんにも向けられるのに、どうしてそう言えるの?」

 

「前は話せたんだろう? なら、きっと、その悪魔に悪気は無いんじゃないかと思ってね。

 それに──その呪いは君のお父さんが君と工場を想っての結果だというのなら…………これは『誰が悪い』って話じゃないんだと思う」

 

 いつか、君の中の悪魔とも話してみたいんだよね。そんなことを言って笑う楓くんは、お茶請けのオレンジクッキーをつまんで食べる。それから一息ついて、私の質問への答えを言った。

 

「俺は君も、君の呪いも怖くないよ」

 

「──そう、なんだ」

 

 はっきりと断言されると、不思議と心の奥が軽くなったような気さえした。

 

 私自身怖いと思うこの力を、受け入れてくれる人が居たことは無かったからだと思う。

 桃や桜さんがこの力に対処できる人なら、楓くんは受け止める人──なのだろうか。

 

 

 カッと顔が熱くなる。

 心拍数が早まる。

 楓くんの顔を直視できない。

 

 

 ──でもそれすら心地いい。

 

「……楓くん」

「どうした、ミカン」

「私、ここに来てよかった──」

 

 言い終える前に、突然扉を叩く音がする。一瞬体を震わせて驚いた楓くんは慎重に開けた。その先に居たのは、鳥の羽まみれのシャミ子と桃だった。

 

「…………話が終わった直後に鳥に群がられたんだけど、ミカン、なにしたの」

 

「……あっ、心拍数上がったのに何も起きないと思ったらそっちに行っちゃってたのね……」

 

 闇堕ちのせいか暗い雰囲気の桃と、その後ろで同じく羽まみれのシャミ子が入ってくる。

 楓くんと話をする余裕が無くなってとりあえず羽を取り除いていると、二人が何を話していたのかを教えてくれた。

 

 桜さんがシャミ子を生かすためにコアを埋め込んだ事や、町を守るお願いをしたこと。加えて、桃がそれを手伝うことなど。

 

 なんだかんだ四人でちゃぶ台を囲むことになり、追加のクッキーとレモンティーを出す楓くんの手伝いをして台所に立つと、ティーポットを揺らす楓くんが湯気を見ながら話しかけてくる。

 

「ミカンは二人の手伝いをするのか?」

「そうね、シャミ子の護衛も続けないといけないし、これから忙しくなるかも」

 

 お皿にクッキーを乗せると、ティーカップにポットの中身を注いで続けた。

 

「シャミ子の手伝いをしながら、ミカンの呪いをどうにかする。今はこの二つを目標にするよ、だから──まあ、その……」

 

 ほんのりと、顔を赤くして私を見る。

 

 

「これからも、よろしく」

「……うん、頼りにしてるわね」

 

 

 ──なんの力もない男の子を、力のある桃たち以上に信頼する日が来るなんて、きっと誰も想定していない。私でさえ、そう思っていたのだから。

 





ヒロインの楓くんへの友愛度

・シャミ子
友/7
愛/2

・ちよもも
友/6
愛/1

・ミカン姉貴
友/6
愛/1

・小倉ァ!
友/1
愛/0

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