がっこうぐらし!を買ったので初投稿です。
生命の神秘! 15歳でママと化した柑橘類先輩.mp4なRTAはーじまーるよー。
前回は楓くんの腕の骨が折れた……(折れてない)なところで終わりましたね。今回はとうとう楓くんがパパになります。認知して♡
現在地はばんだ荘、時間にして23時。
怪我を心配したシャミ子が付きっきりで居てくれたお陰で食事に手間取ることはなかったようですね。ですがシャミ子に「あーん」をしてもらったことだけは許しません(99割ギレ)
それではミカン姉貴の元に呪いの件で話を付けにイキましょう。シャミ子と共に二階に上がると闇堕ち薬を持った桃と鉢合わせるので、三人でミカン姉貴の部屋に突入します。
不用心にも鍵が掛かっていないので中に入ると、ミカン姉貴はベッドの上の端に体育座りしていました。原作では荷物を纏めていたので単純に意気消沈しているだけのようですね。
かつて会話が出来ていた筈の悪魔と交渉しようとするシャミ子に説得を受けるミカン姉貴の横で、闇堕ち薬を咀嚼してる桃の背中をさすっておきます。石を砕いて作った薬ってなんだよ(疑問)
魔法少女の中にいる以上他の魔力を敵と認識するかもしれないと警告されますが、二人は行く気満々です。根負けしたミカン姉貴も協力することにしましたね。
悪魔の名前はウガルルといい、古代メソポタでは門柱なんかに彫り込むと家を悪から守ると言われているらしいです。
しかしウガルルは魔法少女の素質があったミカン姉貴の魔力を栄養に育ち始めて制御不能になったのだとか。その件で力になった桜が、周りを無差別に破壊する呪いを『笑える感じにする呪い』にする結界を作ってこうなったのでした。
そう……(満身創痍)ここで楓くんの怪我がバレたらRTA終わるナリ……。
──そんなウガルルを説得する為にと、シャミ子たちは三人で川の字に並んで寝ることになりました。これ楓くん居る?
……あ、ミカン姉貴が眠るまで手を握ってほしいと言ってきましたね。左腕のダメージが
──オラッ! 睡眠! まんじりともせずシャミ子を受け入れろ……(矛盾)
では三人が寝るまで倍速。完全に寝入ったミカン姉貴の手をほどいて……ほどっ、ほどいて…………流行らせコラ、流行らせコラ!
……左手が使えない楓くんが貧弱すぎる。なんとか起こさないようにしながら手をほどいて、あとはシャミ桃に任せて外で待機していましょう。
夜風が染みて泣けるぜ(一般やけ酒遅刻警官)
少しするとミカン姉貴を心配してやってきた杏里ちゃんが来るので、少し話をして中に入れます。ミカン姉貴をちょっとだけ起こす作業が必要になってきますから、来ないと困るし帰られても困ります。えっ、楓くんにやらせろ?
……この人の場合だと、寝てる女の子を触る旨の選択肢が出ないんですよ。楓くんは純情少年だからね、仕方ないね♂
──来たわね。
心配なのはわかるけど、女の子がこんな時間に出歩いちゃあ……駄目だろ!(マジメくん)
腕の心配までしてくれるとか杏里ちゃんは神的にいい人だから!(手のひらドリル)
ミカン姉貴の部屋の前で二人が会話をしています。ベコベコに凹んでるドアノブ付近を見てギョッとしている杏里ちゃんは、楓くんから何が起きているかの説明を受けていますね。
……なんでため息をつくんですか。
楓くんが杏里ちゃんに「天然! 人たらし! モイモイ! 頭マルベーニ!」と罵倒されました。頭マルベーニは言いすぎやろ……!
それでも手伝うと言ってくれるんだから杏里ちゃんって神だわ。
今回は攻略しないけど(無慈悲)
お前、あいつのことが好きなのか……?(青春)といういつもの会話を流して数分。
早速とミカン姉貴たちの元に向かおうとした杏里ちゃんですが、急に振り返ると楓くんに近付いてつま先立ちになり、顔を近付けて────。
──チュッ!(ファルコン・キッス)
???????????(音割れポッター)
なんで? なんで? なんで? まだ愛情度4じゃーん! 前にランダムイベントでキスしてきたの愛情度6の時じゃーん!
…………いや、まあ、これはレギュ違反ではないので別にいいんですが……。
まさかこのタイミングでされるとは……。傷に障るので触れる程度だったのが幸いですかね、楓くんは完全にフリーズしてますけど。
意思でもあんのかってくらい友愛度が参考にならなくなってきましたが、私は元気です。そもそも愛情度1でもセーブ&ロードで告白を成功させられるゲームなので今さらな気もしますが。
──では杏里ちゃんが部屋に入ったのでもう一度倍速。
ミカン姉貴の中の中でいなり……ではなくウガルルと話を済ませ、現実世界に戻ってきたシャミ子たちが起きるのを待ちます。
暫くすると杏里ちゃんが呼びに来るのでいざ鎌倉。起きた三人に何がどうなったのかの説明をされ、ウガルルがわりとギリギリで踏み留まっているということを知らされます。
雑な魔法陣に雑な依り代、挙げ句レモン汁をぶっかけた唐揚げを供物にしていたらしく、ウガルルは存在を保てず溶けてしまったのだとか。
そら唐揚げにレモンはいかんでしょ。悪魔によっては反旗を翻されますよ。
ウガルルがミカン姉貴の中に居て魔力で育ったのならミカン姉貴は実質ママでは? と杏里ちゃんに言われてますね。皆してこっちを見るな。
──改めて考えを纏めてもどうすればいいのかわからないので、最終兵器を呼びましょう。小倉ァ! 天井裏の妖怪! ドレミファビートの感染者は何処だァ!(異物混入)
当然の権利のように天井裏に住み着いてる小倉が現れると、梯子を使って降りてきます。
そしてアパートの壁にウガルルを現実に呼び出す為の式を書き始めました。借家の壁になんてことを……この野郎醤油瓶!(正論)
一応は桜もウガルルの事を案じていたようですが、ミカン姉貴の中に溶けたウガルルを固める方法を確立できなかったようです。
小倉は質のいい依り代・正確な魔法陣・魔力を含んだ飯があればどうにかなると言っていますが夜中やし無理やろ~と諦めムードですね。
ですが意外となんとかなるんだよね、これゲームだから(野暮)
先ず質のいい依り代を作る為の土はシャミ子が桜の所有していた山から持ち帰っていますし、正確な魔法陣は桃が書けます。
魔力を含んだ飯ならリコくんが作れるし、土に混ぜて使う錬金術の材料である幻獣の
……そういえば小倉って杏里ちゃんのことを友達だと思ってるのに実家が精肉店なのを知らないんですよね。小倉さんもしかして学校で相手から話しかけてきたのが杏里ちゃんだけだったとかそういう理由で友達認定してる?
……いや、よそう、私の勝手な推測で皆を混乱させたくない。
──んだらば行動開始。シャミ子には杏里ちゃんの家からお肉を分けてもらってリコくんに調理してもらいに行きました。
残った我々で魔法陣と依り代作成をしましょう。杏里ちゃんとミカン姉貴が体育祭メンバーに連絡をしている裏で、しれっと小倉が良ちゃんを面子に加えていました。
小学生を夜中に起こすのは……やめようね!
楓くんと良ちゃんと小倉で粘土を作り、残りで巨大魔法陣の作成に移ります。
シャミ子が戻ってくるまでにある程度を終わらせますが、片手でこねるのって難しいんじゃないんですかね。
ミカン姉貴に左腕の怪我がバレるとウガルルが消滅するか呪いが爆発するので、杏里ちゃんのディフェンス
戻ってきた頃には粘土も出来上がり、魔法陣も体育祭のホモ子たちの協力もあって完成しています。依り代作りも粘土をこねこねしてパパパッと作って、完成!
はえ~すっごい完成度……。
しかし、元は土なのに飲み食い出来て√次第では主人公くんとおせっせするんだからこの依り代も凄いですね。流石は高級素材ボディ。
それではウガルルが目覚めるところで今partはここまで。ちなみにウガルルの初期友愛度はこのイベント終了時点でのミカン姉貴の友愛度÷2なので、今回は友/5愛/0ですね。
◆
ミカンの心の中に侵入するためにと三人で並んで眠っているシャミ子たちの元に居座るほど、自分の肝は据わっていない。
手持ち無沙汰で外に出てきたが、だらりと力無く垂れている左腕の傷が夜風に染みる。
「──楓?」
手すりにもたれ掛かってボーっとしていると、カンカンと階段を踏む音がして、遅れて杏里のやや困惑した声が聞こえてきた。
「……杏里、なんで来たんだ」
「だってミカンが心配で……っていうか楓こそ部屋に居なよ、怪我してるのに」
「ミカンの呪いの元凶と話を付けることにしたんだよ。シャミ子と桃が心に侵入したから、今は部屋で並んで寝てる」
杏里が自分の後ろのドアを見る。以前の闇堕ち騒ぎで桃が破壊したドアノブの凹みを見て、明らかにギョッとしていた。気持ちはわかる。
「……なら、部屋の中で待ってればいいじゃん。外けっこう寒いよ?」
「女子が並んで寝てる空間に一人は流石に……無理。訴えられたら負ける」
「いや誰も訴えないから」
呆れた顔で杏里はため息をつく。この顔は、昔から何度か見ている。
「よくもまあ、自分を傷つけた相手に対して親切になれるよね。いくら天然で人たらしでも限度があると思うんだけど」
「怒ってるのか?」
「ちょっとだけ。あとは……嫉妬」
──嫉妬? と聞き返す前に、杏里は自分の右手を掴んで続けた。
「手伝ってあげるから、一個だけ答えて」
「なんだ」
「ミカンのこと、好きなんだよね」
「──ああ、そうだ」
……偽るべきではないだろう。杏里が今になってなぜこんな質問をしてきたかもわからないほど、自分は馬鹿ではない。
「……即答かぁ~。誰彼構わず親切しては小さい頃から女子に勘違いさせまくってたあの楓の方から相手に惚れるなんてねぇ……」
「杏里、今わりと怒ってるだろ」
そこまで言わなくてもいいだろうが……。尤も、現在進行形で彼女の気持ちを踏みにじっている側の言えた台詞ではないか。
「じゃ、ちょっくらミカンたちの様子見てくるよ。でもちよももがいるなら、シャミ子への危険はないんじゃない?」
「そうだな」
壊れたドアノブに手を置いて開けようとしている杏里は、ふと思い出したように振り返りこちらに近づいてくる。
「────」
「……杏里?」
胸がぶつかる程に寄ってきた杏里がつま先立ちになり、自分の頬に手を置いて下を向かせてきて────鼻と鼻が当たって、唇が重なった。
二秒も経たない──触れるだけのそれが、やけに長く感じた。顔を離した杏里は、嬉しいような、悲しんでいるような表情を混ぜた顔をしている。
「──っ」
幼馴染からの好意を嬉しく思う反面、自分が今、とてつもなく残酷な事をしているのだと。そう思わずにはいられなかった。
──杏里に呼ばれて数分。
当然だが、部屋に入ってから一度も自分は杏里の顔を見られていない。
ミカンの中にいる呪い──ウガルルという古代メソポタの悪魔をもう一度正しい手順で召喚し直そう……という話なのだが、どうにも先程の光景が脳裏を支配していて集中出来ていない。
……切り替えなくては。
「──さて、いざウガルルの再召喚となると素材のリストアップが面倒だな……」
「適任がちょうどよく居るだろう」
「ああ、あの人ですね!」
「あの人? ……誰?」
杏里の疑問の声に一瞬顔を見てから、シャミ子と二人で天井を見上げる。
「小倉さ~ん!」
「へいまいどー!」
バンと音を立てて天井裏に繋がる蓋が開かれて、上から梯子を使った小倉が降りてくる。
自分もシャミ子も嫌なことに慣れてしまっているが、呆れている桃とミカンに反して杏里は扉の破損具合を見たとき以上に驚いていた。
「──いや、なんでだよ」
……全くだ。
──小倉の尽力もあって、話はトントン拍子で進んだ。魔力料理を作れる人がいないと言っていたが、どうやらリコの事は知らないらしい。
料理の件はシャミ子に任せ、自分は小倉が水を注ぐ土を片手でこねている。
視界の奥には巨大なシートにいつぞやの魔法陣を描いている桃がいた。
それとなくミカンの視界から自分の体を遮ってくれている杏里が、小倉に代わって水を流している。
ちらりと顔を見ると、不意に眼が合った。
考えるようにまぶたを細めて、杏里はいたずらに成功した子供のように舌を出した。「悩め」とでも言いたいのか、はたまた。
ともあれ、長年の付き合いからして悪意が無いことだけはわかっている。
「──明日、病院に行くからな」
「…………ん」
言葉少なに作業を続けると、上の階から扉の開閉音が聞こえてくる。
戻ってきた小倉の後ろには、パジャマ姿の良ちゃんが立っていた。
「
「……お兄……この人だれ?」
「天井裏の妖怪だよ」
「楓くんもなかなか言うよねぇ」
……無意識に気が立っていたか。
兎に角、ウガルルとミカンの為にも作業を続けるとする。
気がつけば体育祭の女子たちも参加していて、粘土を作る傍らで魔法陣作成も進んでいた。
シャミ子が戻ってくる頃には魔法陣も完成して、今度は粘土を固めながらウガルルを作って行く。自分は見たことが無いが、なるほどこんな見た目をしているのか。
闇堕ち薬のお陰でまだシャミ子の眷属でいる桃が、シャミ子と共に魔法陣の上で眠っている風のウガルルを起こそうとする。
「……おにい」
「ん。眠いか、終わったら早めに戻りな」
「うん……」
小さくあくびを漏らして、良ちゃんが右腕に寄りかかる。
自室の扉横の壁に背中を預けて立っている自分の横で、うつらうつらと船を漕いでいた。
──果たして、無事にウガルルを召喚することには成功した。しかし、なんと情けないことか。自分がいったい、何をしたというのか。
眼前で呪いを解くことに成功し、静かに喜びながらも新たなまぞくとなった悪魔──ウガルルに今後の行動を教えているミカンが、眩しい。
そんなミカンが、ウガルルを連れて歩み寄ってくる。左腕が動かせないことを悟られないようにしつつ、獣のような長髪を揺らすウガルルが見上げてくるため対応した。
「……初めまして、ウガルル」
「んがっ、はじめましテ?」
「俺は楓、こっちは良ちゃん。今のところは、ミカンの──友達かな」
右腕を支えにしながら、良ちゃんがウガルルに眠気まなこで会釈する。首をかしげるウガルルは、自分を見上げて不思議そうに鼻を鳴らして腹に顔を押し付けた。
「ウガルル、なにやってるのよ……」
「……お前、知ってるゾ。見たことないけド、知ってル」
「哲学か?」
──確か外の光景は見ることが出来なかったと聞いている。つまり、感覚で……なんとなく自分の存在を感じ取っていたのだろう。
「最近のミカンが動揺したとキ、いつもお前いタ! ……と思ウ。なんでダ?」
「楓くんは私の呪いを、あなたを助ける為に力を貸してくれたのよ。だから一緒に居た──いや、居てくれたのね」
「んが……そうなのカ?」
しみじみと、呟くようにミカンが言う。それを聞きながら頭に疑問符を浮かべているウガルルが、自分の腹に顔を埋めたままでいる。
良ちゃんがシャミ子に呼ばれて二階に上がっていったのを見送ってから、右手を頭に置いて優しく上下に動かした。
……何故かなつかれている。
可愛くないと言えば当然嘘になるが、杏里が言っていた「ミカンは実質ママじゃん」という言葉が引っ掛かってしまっていた。
「……なあ、ミカン」
「なあに?」
「俺は、何か力になれていたのか?」
粘土作りは力になることに含まれているのかという疑問はさておき、ウガルルを撫でながらそんなことを聞く。
ミカンは少し悩むそぶりを見せたあと、ウガルルの頭に置かれた右手を取って、そっと握ってから自分の言葉に返した。
「なっていたわよ。なっていたから、私はこの町から出ていく選択肢を取らなかった」
「出ていく、か」
「ええ。だから、そうやって悲観しなくてもいいの。貴方に力が無くても──貴方は私たちを救ってくれたじゃない」
ミカンは右手を掴んだまま、自身の頬にもって行って押し当てた。そしてウガルルを挟みながら、自分に寄りかかってきて────
「──ありがとう、楓くん。ウガルルと私は、確かに貴方に助けられました」
そう言って、花のような笑顔を浮かべた。むぐぐ、とウガルルが唸って悶える声が聞こえて来るのを合図に、夜空の星の下──自分とミカンは、小さな声で笑う。
──明日、杏里と話を付けよう。そう決意するのも同時だった。自分はミカンと杏里を同時に選べるほど、器用ではないのだから。
ヒロインの楓くんへの友愛度
・シャミ子
友/7
愛/2
・杏里ちゃん
友/9
愛/4
・ちよもも
友/7
愛/2
・ミカンママ
友/10
愛/5
・ウガルル
友/5
愛/0
・良ちゃん
友/5
愛/0
・小倉ァ!
友/4
愛/0