【完結】まちカドまぞく/陽夏木ミカン攻略RTA   作:兼六園

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お前たちのRTAって、初投稿じゃないか?



part26.5

 

 例えガバだらけでも……RTAを完走できるはずだ! 俺に、走者としての資格があるのなら! なRTAはーじまーるよー。

 

 前回はミカン姉貴がミカンママとなり、ウガルルを出産したところで終わりましたね。

 今回は怪我を診てもらうべく病院に行くところから再開です。

 

 行く時は行けっ行くって言えよ(KBTIT)

 

 翌日が休日ということもあって、朝からシャミ子が甲斐甲斐しく楓くんを世話してますね。まるでヒロインみたいだぁ……。

 

 あっそうだ。今回は本編ではなく原作イベントが始まる前のフリー行動を病院に向かうことで消費している様子を等速で垂れ流しているだけなので、興味がないホモはpart27をマイページおっぴろげて神妙に待ってろ! 

 

 

 しかし楓くんはエロゲー主人公にしては難儀な性格してますね。

 女性に対して誠実すぎるってそれいち。

 

 これはRTAだからハーレム願望がない主人公で嬉しいには嬉しいのですが、小倉やリコくんの難易度がおかしいだけで、このゲームは複数人を同時攻略するのはさほど難しくないんですよ。

 

 つまり通常プレイなら杏里ちゃんも纏めて美味しく頂いても(問題)ないです。

 

 RTAが終わったあとのデータで全員攻略も夢じゃない程度には楓くんがイケ魂なので、今partで杏里ちゃんとの関係を修復しておくのもやぶさかではないでしょう。

 

 自分が好きな相手と自分を好きな相手のどっちを選ぶか決めかねてるとか少女漫画の主人公みたいな悩み抱えてんなお前な。

 

 ──楓くんは女の子だった……? 

 

 尤も、何故か楓くんを楓ちゃんにするTSMODが有志のホモに作られてるので間違いではないのですが。

 なんでこんなもん作ったんだよ(困惑)

 

 データを使うのを自由にさせたばかりに、才能あるホモの魔の手が楓くんを襲う! 

 

 私の言ったデータ使用の自由とは『楓くんで他のヒロインを攻略していいよ』であって『性別を女の子にして百合させていいよ』ではない。

 申し訳ないがブライト博士みたいに明後日の方向へと超解釈するのはNG

 

 

 

 ──では改めて行動開始です。

 

 楓くんの上半身に若干ゃ興奮気味なシャミ子に危機感を覚えながら着替えを手伝ってもらい、チャイムが鳴ってから部屋を出ます。

 

 扉の先には先日約束をしていた杏里ちゃんが居ました。チェックのシャツにショートパンツが健康的エロスを醸し出している+7538315(名護さんは最高)

 

 テニス部で足腰がしっかりしているのも相まって大変えちえちですも!(変態糞ノポン族)

 

 

 かつてシャミ子もお世話になっていた例の病院に向かっていますが、杏里ちゃんはこちらを見ないし終始無言のままでいます。

 

 そら(昨日の夜中に告白と変わりないキスをしたら)そう(気まずくも)なるよ。

 

 でもそうやってショートパンツを穿いてきたのは誘ってるからでしょ? 分かっちゃうよおじさんエスパーだから。RTAエスパー。

 

 病院に到着して診察される様子は倍速。

 痛み止めと打撲用の湿布を処方されるので、杏里ちゃんと帰り道を歩くついでに公園にでも寄り道します。ベンチに座って休憩すると、杏里ちゃんが寄り添ってきました。

 

 楓くんはミカンママが好きだけど杏里ちゃんの想いを無下に出来ず、杏里ちゃんは別の人を好きな楓くんを好きになった自分に自己嫌悪しながらも感情を抑えられない……と。

 

 

 ──くっそめんどくせぇなこいつら(禁句)

 

 

 まあ『RTA終わったら杏里ちゃんも美味しく頂くからちょっと待っとけ』は走者である私の言い分だから楓くんが知る由もないわけでして。

 

 …………二人を纏めて選べるような清々しいエロゲー思考の主人公だったらこんな事にはなってないので楓くんが全部悪いですね(責任逃れ)

 

 ──原作の杏里ちゃんなら他人の色恋沙汰では応援する方だと思いますが、相手が長年の幼馴染ならまあこうもなりますよね。

 

 あと視線を上に向けろさっきからなに杏里ちゃんの脚をチラチラ見とるんじゃ。

 

 ……というか楓くんが気付いてないだけで、この人ヒロインのほぼ全員からロックオンされてるんですよね。杏里ちゃんだけの問題じゃないから、ここで結論を出したところでそのうちまた違う娘と似たような話をすることになるんですよ。

 

 なのでもう終わり! 閉廷! 

 男なら、背負わにゃいかん時はどない辛くても背負わにゃいかんぞ!(イニ義)

 

 

 ──話が終わるので、帰るまでを倍速。

 

 これ次のイベントまでに怪我治るんですかね? まあアクションや筋力を要求される事は無いから大丈夫ですが。多分きっとメイビー。

 

 そしてやっぱり楓くんは杏里ちゃんのおみ足をチラチラと。お前脚フェチかよォ!? 女性はその手の視線に鋭いんだからやめロッテ! 

 

 こ、このガキ……! 楓くんが運動部の引き締まった太ももとふくらはぎに負けるわけないだろ……っ!(スクショ連打)

 負けヒロインを自覚しながら体で誘惑するなんて杏里ちゃんはほんま魔性の女やでぇ。

 

 ──二人で並んで帰路を歩き、ばんだ荘に到着してから部屋のドアを開けます。玄関の前には女物の靴が一組置いてありました。

 

 居間に向かうと、そこには通い妻スタイルのシャミ子が洗濯物を畳んでいますね。

 

 ポニテ! エプロン! スーパーベストマッチ! な格好しているシャミ子は楓くんと杏里ちゃんに気付いておらず、畳む前の楓くんのワイシャツを一枚手に取り匂いを嗅いでいます。それ洗濯してるから洗剤の匂いしかしませんよ。

 

 楓くんたちに気が付いたシャミ子が大慌てで誤魔化していますが、可愛いのでOKです! 

 

 それでは楓くんの服を脱がせて湿布を貼り付ける辺りで今partはここまで。次回からはようやく単行本5巻に突入するのでお楽しみに。

 

 

 ◆

 

 

 病院を出てから暫く、自分と杏里は無言のまま歩いている。それでも数分して不意に袖を引かれて視線を向けると、杏里が指を向けた先には昔遊んだ記憶のある公園が残っていた。

 

 休憩がてら二人で小さく感じる公園のベンチに座り込む。日差しの暖かさが眠気を誘うが、今寝たら風邪を引きかねない。

 

 木々の隙間から覗いてくる太陽をぼーっと見上げていると、右肩に杏里の頭が置かれた。気を遣っているのか重さは感じない。

 

 眠たげな眼差しで砂場を見ながら、杏里はぽつりと呟いた。

 

「夏休みの前から、楓が誰かを好きになったことはわかってた。それがミカンだってわかって、なんとなく『そうだろうな』って気がしてた」

 

「────」

 

「馬鹿だよねぇ。ずーっと前から好きだったのに、恥ずかしくて言いづらくて──気付いたときには取られてたんだもん」

 

 楓は私のだったのにねぇー、と。静かな声で独占欲を露にする。そんな杏里は、肩から頭を退けると自分を見てふにゃりと笑った。

 

「楓が幼馴染じゃなかったら、素直に祝えてたのにね」

 

「……君が幼馴染じゃなかったら、こうやって話すことも無かったと思うぞ」

 

 自分はミカンが好きだが、杏里から想われてる事も嬉しく思っている。この感情は、恐らくずっと引きずる事になるだろう。

 

 

 ──公園を出て帰路を歩く。

 ばんだ荘に到着してドアノブを捻ると、鍵が掛かっていなかった。

 

「……ああ、シャミ子か」

「シャミ子がなにか?」

 

「いや、朝から着替えを手伝ってくれたりしてたから、そのまま部屋に残ってるんだろう」

 

「楓、服脱がせてもらってたの……?」

「事実だがその言い方はやめろ」

 

 腕が痛むんだから仕方ないだろう。

 そっと扉を開くと、たたきに自分の物ではない靴が一組揃えて置かれていた。

 

 なんとなく忍び足で居間に向かうと──そこには髪をポニーテールに縛り、エプロンを身に付けたシャミ子が自分の服を畳んでいた。

 

 朝起きた時はただの私服だったから、わざわざ病院に行っている間に取りに行ったのだろう。よく見れば部屋のあちこちが綺麗になっている。

 

「シャミ子、ちよももの部屋で料理もしてるとか言ってなかったっけ」

 

「最近は自炊させてるらしいが、桃が米を炊くとピンク色になるらしい」

 

「は?」

「俺も同じ反応をしたよ」

 

 玄関の方に背を向けているためかシャミ子がこちらに気付くことはなかった。

 そうして様子を見ていると、シャミ子は畳む前の自分のワイシャツを手に取る。

 

 葛藤するように尻尾をぐねぐね動かしていると、決心したのかワイシャツを顔に押し付けて深呼吸を始めていた。

 

「……なにをしてるんだ、シャミ子」

 

「──ピィィィッ!?」

 

 ヤカンのような悲鳴をあげたシャミ子は正座を崩してへたり込んだ。間を置いて振り返り、自分や杏里と視線を合わせる。

 

「か、楓くん!?」

「ただいま」

「お邪魔してるよー」

 

 人のワイシャツを抱き締めながら驚いているシャミ子を落ち着けて、握られたそれをシワにならないうちに伸ばして畳む。

 

「これは……その──そう、あれです! 

 ちゃんと臭いが取れているかの確認です! 決して楓くんの匂いを嗅ごうとしたとか、そんなんじゃないですから!」

 

「あー……ふーん」

「杏里、どうかしたか?」

「うんにゃ、なんでもない」

 

 尻尾を暴れさせながらよく分からない言い訳をしているシャミ子を見て、なにか合点が行ったように声を出した杏里。

 

「……それより、怪我はどうでした?」

 

「シャミ子がすぐ冷やしてくれたから悪化はしてないよ。今日貼る分と明日からの朝と夜用で、湿布を一週間分もらってきた。あとは痛みが酷くなったとき用の痛み止めを四回分」

 

「──そうですか。よかった……」

 

 ホッとしたようにため息をついて、切り替えるように畳んだ服をタンスに仕舞う。

 エプロンの紐を結び直すと、自分に向き直って聞いてきた。

 

「今日の晩御飯、私が作りますね」

「そこまでしなくてもいいんだぞ」

「私がしたいだけですから」

「……それなら、頼むよ」

 

 やはり、頼られると嬉しいのだろう。今までは自分がシャミ子の世話をしていたからか、逆転するのは新鮮な気がする。

 鼻唄を奏でながら冷蔵庫の中身を吟味しているシャミ子を見た杏里が、自分の横であっけらかんとした態度で言った。

 

「完全に通い妻じゃん」

「──通い妻!?」

 

 シャミ子のおうむ返しが部屋に木霊する。

 

「どう見ても通いづまぞくじゃん」

「通いづまぞく!?」

 

 聞き慣れぬ造語に目を丸くしたシャミ子は、通いづまぞく……と呟いてから自分の方を見てきてはほんのりと頬を染めた。

 

「まあ、やぶさかでは無いですが……」

「脈ありみたいだけどどうなの?」

「ノーコメント」

 

 ふぅん? と言って口角を緩める杏里だが、疲れたように体を伸ばすと続ける。

 

「じゃ、私はそろそろ帰るよ。

 今度いいお肉持ってきてあげるから、栄養取って早く治してね」

 

「ああ。送ろうか?」

「玄関までね。怪我人が無理するなっての」

 

 普段の癖で杏里を家まで送ろうとしたが止められる。それもそうか。

 

 靴を履いてズレを整えた杏里は、手先を曲げるジェスチャーで屈めと暗に言ってくる。

 右手を壁に突いて屈むと、あの時のような、触れるだけのキスをしてきた。

 

「──杏里」

「……これで最後、もうしないよ」

 

 最後だと言いながら、口惜しむように、ついばむように数回唇を触れ合わせる。

 

「もし、仮に──ミカンにフラれたら、その時は私が幸せにしてあげるよ」

 

「そうか。それは……頼もしいな」

 

 まぶたを細めて、杏里は笑う。

 ガチャリと音を立ててドアノブを捻り、扉を開いて外に出る。

 

 ──あ、と。思い出したような声と共に振り返ってから自分を見て言う。

 

「──人の脚何回も見すぎ。楓のえっち」

「…………ごめん」

 





ヒロインの楓くんへの友愛度

・シャミ子
友/8
愛/3

・杏里ちゃん
友/10
愛/5
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