あと1……か2partなので初投稿です。
女の子を泣かせる様な悪い男は懲らしめてやらないとねぇ! なRTAはーじまーるよー。
前回は店長もろとも楓くんが魔封波──! されたところで終わりましたね。
今回は封印先の暗黒空間から再開です。はい、暗黒空間です。現在画面は真っ暗です。近くに店長っぽい気配は感じるのですが、画面が暗い暗い暗い! Don't cry! ので、ちゃんとゲームが進んでいるのか分かりづらいんですよね。
この状態から一分以内に脱出できた場合、紅玉ちゃんがちょっと描写できないレベルで凄惨な事をされて生き血をぶっしゃーなっしー! された事になるので間違いなくリセ案件です。
愛情度の上昇が9で抑えられた場合なら4分くらいで店長がウガルルに助けられるときに一緒に外へ放り出されるのでご安心を。
楓くんはあくまで店長の封印に巻き込まれたオマケなので、バク像から店長が解放されると同時に弾き出されるんですね。
んだらば倍速。暗闇ではやることが無さすぎるし、段々画面の奥にしげるが見えてきて困るのではよう解放してくれや(切実)
──なんで等速に戻す必要があるんですか。
画面から……光が、逆流して──ぐわあああああ!!(富竹フラッシュ)
どうやらウガルルが店長を救出し、封印空間がこわれちゃ^~うしたようです。
だからって真っ暗な画面に急に光を映すのは……やめようね!
ブルーライトカットの眼鏡をしていなければ即死だった……。ただでさえゲームが原因で胃に穴が空いた件で妹に心配されてるのに、視力まで落ちたら本格的♂入院生活を送らされてしまう。
光の後、暗転して画面が店内に戻りました。結構勢いよく弾き飛ばされてテーブルに腹を打ちましたが、死んでないので問題ありません。
どうやら流血沙汰にはならなかったようで、紅玉ちゃんは無事でしたね。
何故かヘヤノスミス──じゃなくて部屋の隅で体育座りして
やたらと深い呼吸を繰り返しながら、ミカンママは楓くんに抱き付いて離れません。
そら生身の人間が封印されたらどうなるかなんて前例が無い以上、楓くんは死んだものとして扱う方が後腐れありませんからね。
生きてると分かり実物が目の前に現れた場合は、どのヒロインの√でもこうなります。
頭にハテナマークが浮かんでる楓くん、恐らくミカンママに対する好意はあるけど逆に向けられてることにはまだ気付いてないですね。
それにしてもすっかり震えちゃって……なんて酷い、いったい誰がミカンママをこんな風にしたんだ……!(すっとぼけ)
ミカンママを慰める楓くんを余所に、魔封波されてる内に紅玉ちゃんとリコくんのいざこざを
ともあれ封印を緩めるのに血を流した紅玉ちゃん、薬で気絶させられた連中、夢に潜ったシャミ子とウガルル、封印されてた店長と
ベンタブラック*1よろしくな暗黒空間に数分とはいえ閉じ込められて、心身共に疲れきってる楓くんは隣の自室にさっさと帰ります。
晩飯の前に仮眠を取っている裏では、原作通りに良ちゃんがジキエルに絡まれたりシャミ子が桃に自分のしたことを告白しているでしょう。
自分の悪事に罪悪感を抱くまぞくと、それを肯定する魔法少女というのはなんとも歪な関係です。
多魔市以外の魔法少女からすれば、最強格の魔法少女のコアを所有し、強い魔法少女二人を陥落させ、戦闘能力なら間違いなくトップクラスのまぞくまで仲間に居るというのは恐ろしいなんて話ではありません。
リコくんを仕留める為だけに行動していた紅玉ちゃんだからこそまあまあ穏便に話が済んだだけであって、これで普通の魔法少女が来ていたら派手に一悶着起きていたことでしょう。
そんなシャミ子たちが戻ってくる頃にはジキエルくんも小倉に捕まり、友達になろう……(ねっとり)と時を止めてくる吸血鬼みたいな事を言われてるんでしょうね。成仏してクレメンス。
──さて、そろそろ今partも終わらせたい所さんなのですが、このイベントが終わったあとの夜は大体あるイベントが続けて始まります。
それは『主人公くんが封印に巻き込まれてから解決したあと、最も友愛度が高いヒロインが部屋に泊まりに来る』というもので、この場合は確実にミカンママが自室に来ます。
一応言っておくと泊めようが泊めまいがイベントスキップで飛ばすのでタァイムには影響しません。楓くんなら悩みながらも泊めてあげる筈なので、私は彼の意見を尊重しますが(限界オタク)
……等と言っていたらインターホンが鳴りましたね、それでは改めて今partはここまで。おまけを挟んで次々回が最終回となります。
◆
「──かっ、え、で……くん……!」
自分の行動が間違っていたことに、封印空間の暗闇から解放されてから一分も経たない内に気がつく。店の制服を着たままのミカンに痛いほどに抱き締められたが、その体は震えていたのだ。
──咄嗟だったとはいえ、庇われた相手がどう思うかまでを考えていなかったのは浅慮と言う他ない。喜ばれるなんて思った訳ではない。しかし、ミカンを泣かせるつもりなんてなかった。
「よかった……無事で、よかった……っ」
「──ごめん。俺が浅はかだったよ」
すんと鼻を鳴らして泣くミカンにされるがままでいる。真面目な話だが、ミカンがぴたりと体を密着しているせいで、どこに手を置けばいいのかわからない。手持ち無沙汰で宙を漂う両手をぐっと握り締めて、下に降ろそうとして──
……視線を上げた先に立って居る桃とシャミ子、加えてついでとばかりに小倉がジェスチャーで自分のことを囃し立てていた。
自分ではわからないが、間違いなく三人に対して渋い顔をしている事だろう。そうしてため息をついてから、自分はぎこちない動きでミカンを両手で抱き締め返す。
「っ──!」
「本当にごめん。君を守れればそれでいいと思ったけど、こんなのただの自己満足だよな。もう二度と、こんなことはしないよ」
トントンと背中を叩き、あやすように耳元で言う。こんなことはしないと言ったが、流石に二度もこんな目に遭いたくはない。
それからミカンが落ち着いた頃、封印に巻き込まれた自分も含めて疲れている全員が一度解散しようということになり、自分は店の隣の自室に帰った。ゴミ掃除のノルマが終わっていないリリスさんは大丈夫だろうか。
思った以上に疲れていたのか、一度仮眠を挟んでから夕食を作ろうとしていたのに、気付けば畳んだ布団に体を突っ込んだまま深く寝入っていたらしい。壁の時計は既に9時を示していた。
「……寝過ぎたな」
軽く伸びをしてから遅い夕食を作ろうと立ち上がった直後、不意にインターホンが鳴って意識がそちらに向いた。誰だろうかと思いながら寝起きのふらつく頭と足取りに気を付けつつ、鍵を開けてドアノブを捻り扉を開く。
「どちらさま」
「……楓くん」
扉を開けた先に居たのは──暖色系のパジャマにカーディガンを羽織ったミカンだった。
小間物か何かを入れているのか、小さいポーチを手にしている。
「──今日、貴方の部屋に、泊まってもいい……かしら。その……さっきの出来事が頭をちらついて、眠れなくて……」
「……なるほど」
「あっ、それと──」
ミカンが立っている場所をずらすと、後ろから灰がかった色合いのパジャマを着たウガルルまで立っていた。
「ウガルルも居るの。……だめ?」
「んがっ、オレも一緒に寝るゾ!」
「……仕方ないか」
扉を開けきって、二人を迎え入れる。飛び付いてきたウガルルを撫でながら、どこか浮わついた雰囲気のミカンを招いた。
「──いらっしゃい」
「……お、お邪魔します……」
夕食は軽めにして、さっさと寝るとしよう。
そう考えながら、扉の鍵とチェーンを閉めた。
陽夏木ミカン
友/10
愛/10