最終回なので初投稿です。
ファイナルラストアンコールなRTAの最終回、はーじまーるよー。
前回はミカンママとウガルルちゃんと楓くんが三人で眠るイベントをスキップしたところで終わりましたね。今回は二人が泊まった次の日の朝から再開です。
ぶっちゃけ友愛度が10/10ならもうその辺で告白すればそれでこのRTAも終わるのですが、折角なので放課後にムードのある場所でやろうと思います。これを、専門用語で『ロス』と言うんですね(変則メガトン構文)
というか編集しながら前partで飛ばした添い寝ムービーを見返してたんですが、ウガルルが居なかったら間違いなくミカンママに逆レされてたのおハーブですわね。
別にレギュ違反ではないけど、初夜後に告白はなんか違う感あるので逆レされてたらリセットだったかもしれへんわ(適当)
──そんなわけで起きます。
まぶたを開ければ目の前にはミカンママのご尊顔が……いや近いっすね。まるで何十分も『待て』を指示された犬が餌を前によだれを垂らしているみたいだぁ……(直喩)
そら友人だった時から呪いがあろうが関係なく親切だった相手に恋愛感情を抱いたと思ったら、目の前で封印されて消失したんですもん。
仮にミカンママじゃなくても愛情と独占欲全開の激重ヒロインになりますわよ。
背中にへばりついて両腕と両足でだいしゅきホールドしてるウガルルごと体を起こし、ミカンママに挨拶をしておきましょう。
寝ぼけ眼の楓くんを見ながら妙に艶っぽく笑っていますね……今夜にでも告白しないと明日の朝日が拝めなさそうなので、学校タァイムをさっさと終わらせるべく朝食と弁当の用意をします。
ついでにミカンママの分も作ろうと思うので、ミカンママに弁当箱を持ってくるよう言いつつ、遅れて起きたウガルルに布団を畳むよう言っておきます。しかしなんというか……楓くんって専業主夫が似合いそうですね……。
少なくともミカンママに主婦をさせて仕事に出てるイメージが湧かない。
だし巻き玉子と塩鮭をジュージューになるまで焼くからなぁ?(KBTIT)している楓くんに後ろから抱き付くウガルルを窘め、弁当箱と鞄を手に制服に着替えてきたミカンママを部屋に招きます。ラブコメ小説かなんか?
んだらば食事だのなんだのを済ませ、学校にイキますよーイクイク。
ちょっと早めに出ることで、シャミ子たちと鉢合わせて「昨夜はお楽しみでしたね」したのを目撃されないで登校できるんですね。
まあ杏里ちゃんとか小倉辺りには『あっ、ふーん(察し)』されるかもしれませんが。恋する乙女のパワーは凄いわね~。
──と、学校に到着したので早速と倍速します。はようRTAの計測を終わらせてゆったりイベントを視聴したいのでぇ……。
放課後、ミカンママには夜になったら桜ヶ丘公園の例の場所に来るよう伝えておきます。どこぞの露出まぞくの時といい、告白スポットとして優秀すぎるってそれ一番言われてるから。
その間にデパートに向かってプレゼントの購入をしておきます。
完全に時間潰しの無駄行動ですが……いいだろお前最終回だぞ(無敵の人)
件のプレゼントですが……内緒です。渡す直前までは伏せたり隠したりして意地でも見せません。尤も勘のいいクソホモにはバレてるかもしれませんので、モザイクの画像はピンキーにしておきます(広域殲滅魔法)
──更に倍速を重ねて夕方までかっ飛ばしましょう。夕陽が傾き夜の帳が顔を覗かせてきたところで約束の場所に向かいます。
前回のイベントで真っ暗闇に対する恐怖を覚えるようになった楓くんですが、逆に街灯や星が明るい夜は余裕になりました。
若干ゃ明るさが心許ない街灯の下を歩いてミカンママの元まで向かい、夜の町並みが見下ろせる高台にたどり着きます。
振り返ったミカンママ──いえ、陽夏木ミカンは楓くんを待ちわびていたように嬉しそうな表情でこちらに歩いてきます。それでは……いかで、我が心の月を……。
一旦帰ってからここに来たのでしょう、制服からオシャンティな私服に着替えているミカンは楓くんからの言葉を待っています。
あとは告白コマンドを実行し、友愛度10/10の数値により確実に成功する告白を見届け──イベントが始まる合図の暗転でタイマーストップ。
これで、無事(ではないけど)まちカドまぞくRTAの計測が終了しました。
タイムは7時間53分31.5秒。
ガバさえなければ7時間を切れていましたが、他に完走している人は居ないのでどちらにしろ私が世界最速です。やりましたわ。
再走は私の胃に負担が掛かるのでもうしませんが、これから走る人は私と楓くんを反面教師に頑張って下さい。
失踪したらアンギョン和田川に沈めます。
それでは本RTAはここまで。残りの時間はイベント鑑賞会の時間となるので、ほな……また……(足元から粒子になって消えるアレ)
◆
「ごめん、待たせたか」
「ううん、そうでもないわよ」
町の家々や街灯が明るく輝き、それらを見下ろせる高台。そこに立っていた鮮やかなミカン色の少女に、青年は話し掛けて近付いた。
「昨日の今日で、わざわざこんなところに呼び出して──多分お互い、何を言うつもりかはわかってると思う」
「……そうね」
「それでも、ちゃんと自分の口から言いたい」
懐から手のひら大の紙袋を取り出して──楓は真っ直ぐ少女を見て言った。
「初めて会ったあの瞬間から、ずっと……ずっと、君に惹かれていた」
「うん」
「シャミ子たちの手助けをするために、この気持ちに蓋をしていようと思ったけど……それでも君のことも助けたいと思っていた」
「……うん」
深く息を吸って、吐く。それから紙袋の中身を、一歩近づいて少女──ミカンの髪に取り付ける。
「──これ、って……」
それは、白い花が付いた髪留めだった。前髪を留める用のバレッタと呼ばれるそれに付いている花の種類は──蜜柑の花。
そのままミカンの頬を両手で押さえて、僅かに上を向かせて自分と目を合わせると、楓は優しい声色で思いの丈をたった一言に込めた。
「貴女が好きです」
待ちわびたその言葉に、ミカンは思わずきょとんとした顔をして、遅れてダムが決壊したかのように涙をボロボロと流し始める。
「ずっと、俺の隣に居てほしい」
「──か、えで、くん……っ」
嗚咽を漏らしながら、屈んだ楓とコツンと額を擦り合わせて、鼻と鼻でキスをするように優しく顔を近付ける。吐息が口許に掛かり、楓の頬にミカンの涙が垂れて流れた。
「私から、離れないって……約束してくれる? もう居なくなっちゃ駄目よ? 私とウガルルと、貴方で、幸せになれるの?」
「なれるよ。幸せになれる。だって俺には君が居るんだから。だから──俺を離さないでくれるか?」
街灯から伸びた二人の影は、一つに重なって離れない。まぶたを閉じたまま、楓の温もりを確かめるミカンは小さく頷きながら答える。
「うん。……うん、分かった。もう離れない。離さない。ずうっと、一緒」
そこまで言い、一度楓の前から顔を戻して、艶やかな表情で触れるような軽い口付けをして──それからふにゃりと破顔させて言う。
「────大好きよ、楓くん」
暗い寒空の夜、夏色の少女は、秋色の青年と結ばれる。二人は心に春色の柔く暖かな感情を募らせて、改めてその影を一つに重ね合わせた。
皆もまちカドまぞくRTA……走ろう!
ウチもやったんやからさ!(同調圧力走者)
ともあれこれまでのご精読、お気に入り登録、評価投票等、誠にありがとうございました。
あとついでに他作品の方も登録して高評価入れといてください(強欲な壺)