ギアスではありません!!   作:火影みみみ

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ギアスではありません!!

 私には普通の人とは違う特別な秘密があった。

 一つは前世の記憶があること。

 特筆することのない普通の女子大生だったけれども、今はブリタニアって国の貴族の次女ってことになってる。

 当然ブリタニアのことなんて知らなかったし、イギリスの昔々の国名がブリテンだったからそこ関係かな?って予想できるくらい。

 前世の世界よりもやや未来的なこの世界、何よりショックだったのは転生十年目で日本が侵略されてなくなったこと。

 前世の故郷がなくなったのはかなり精神的に来るのもがあって、丸一日ほど寝込んでしまった。

 お茶や白米、味噌汁にお寿司……、楽しみにしてたのになぁ……。

 

 二つ目は私には普通の人には見えないものが見えると言うこと。

 説明するとややこしいのだけど、私の視界に入ったもの全てに説明欄、……いやステータス画面みたいな物が見えてしまう。

 例えば他の人間を見てみれば年齢性別出身地は勿論のこと、学歴やその人が歩んできた人生の概要、得意分野苦手分野や趣味嗜好、更には潜在能力や健康状態など一目見るだけで丸裸にしてしまう。

 初めてこれを見たときは驚いたけれど、それ以上に家のメイドの何人かに【父の愛人】という忌まわしい称号が着いていたことに驚いた。何してんだあの父親。

 正直言ってかなりすごい力なのは分かったけど、同時に前世の記憶があって良かったと心のそこから安堵した。

 

 この力は強力な反面、かなり危険だと理解できたから。

 

 だってそうでしょ?

 もし何も知らない子供がこんな力を手にしたら絶対に他人に話す、その後どうなるかなんて子供の頭じゃわからないから。

 良くて狂人扱い、最悪消されるか一生飼い殺しコースなんてことも考えられる。

 考えすぎじゃないか?と思わなくもないが、実はこの世界超能力が実在しちゃったりする世界なのだ。

 

 ある日テレビに映ったブリタニア皇帝を見た時に【ブリタニア皇帝】や【嘘嫌い】のほかに【ギアスユーザー】なんて称号も見えたのが切っ掛けだった。

 何のことかわからなかった私はよく目を凝らして見てみると個人の能力欄の項目に【記憶改編のギアス】と言うものを見つけてしまった。

 説明を読むと【目を見た対象の記憶を自在に改編するギアス、ただしふとした切っ掛けで記憶が戻る危険がある】とあった。

 

 やべぇ、皇帝超能力者かよ。と驚いていたら直ぐ側にいたナイトオブワンにも【近未来予測のギアス】何てものがあった。なんだこの世界は。

 ともかく、ギアスって言う超能力がある以上、私のこれも危険視される可能性が高い。(因みに私のこれはギアスではなかった)

 

 だから私はこの力を隠すことに決めたし、ついでに自分がどこまでできるのか試すことにした。

 画面越しでもステータスが見えると言うことは、鏡越しでも見えること。つまりは私自身のステータスを見ることもできることになる。

 ただし、画面越しだと精度が落ちるようで直接見た時と比べて情報量がやや少なくなった。

 

 確認した限り、私のステータスは平均的な少女と変わりないものだったけど、肉体面での潜在能力値が割りと高いことが記されていた。

 なので私は体を鍛える事にした。ステータスには疲労値や回復率、栄養素の過不足なんてのも表示されるのでトレーナーがいなくても一人で鍛えることができた。

 

 ただし、順調だった訳でもなかった。

 

 私の家族は父と母に加え姉がいる。これがまた嫌な奴で、隙あらば私のことを殺そうとしてくる。

 たまーに食事に毒を混ぜてくるし、この前だって学院で階段から突き落とされたし、……無傷で着地したけど。

 正直なところ、一秒たりともこの家に居たくなかった。

 父は浮気魔、母は性格悪い、姉は母の生き写しでさらに輪をかけて性格が悪い。居るだけで精神力を浪費していくような牢獄にだれがいたいというのか。

 

 なので私は家を飛び出した。

 

 ある程度の家財と私が信用している使用人を連れて日本……いや、エリア11へ留学するという口実であの家から逃げ出した。

 これに関してはあの姉の妨害もあまりなかった。精々使用人なしで留学させられる位だったけれど、流石にそれは貴族としてはあり得ないので父が却下した。

 

 齢十六にして漸く日本へとやって来た私。

 変わり果てた富士山や侵略の果てにスラムに追いやられた魂の同胞達を見て心に来るものがあったが、そらは敗戦国故致し方なしと割りきる事にした。

 

 そうして肉体的にも精神的にもキツい出来事を乗り越え、本日からアッシュフォード学院に通えることになった私だったのですが本日からクラスメイトになった方のなかにちょっとどころかかなり厄い人を見つけてしまったのです。

 

「本国から転校して来ましたリオン・ゼブルと申します、よろしくお願いいたします」

 

 転校生恒例の挨拶は我ながら完璧だったと言わざる負えません。一切の違和感なくごくごく普通のブリタニア学生だったと言えるでしょう。

 

 そのクラスにいたとある人物を見つけてしまうまでは。

 

 思わず一瞬思考が停止しました。そして同時に自分の運のなさを呪いました。

 

 《ルルーシュ・ランペルージ(本名:ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア)》

 【捨てられた皇子】【復讐者】【シスコン】

 

 何でこんなところにいらっしゃるんですかねぇ……ルルーシュ殿下。

 

 

 

 ……

 …………

 ………………

 

 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。

 それは日本へ妹と共に人質として引き渡され、侵攻の際に亡くなったとされたブリタニアの皇子。

 当然当時の私もそのニュースは知っていたし、同時に生きていることも理解していた。

 

 だって、ルルーシュ殿下の写真が流れる度におもいっきり現在地とか出てたし、死んだ人には必ず付いてた【故人】表記がなかったんだものそりゃわかるよ……。

 

 でも、だからどうした? という話になる。

 皇族の生き死になんて私には関係ないし、さして興味を引かれるようなものでもなかったのですぐに忘れ去っていた。

 アッシュフォード学園についてもそう、学園のパンフレットでも見れれば在校生徒名簿にまで辿るとことは造作もないことだけれど、一々調べるか? ということになる。

 今のところ命を狙われるヘマはしてないし、必要もなかったから見なかっただけのこと。

 ……まぁ、それが巡り巡ってこんな事態を引き起こした原因ともいえるが。

 

 例えるなら、私は全てを調べることができるパソコンを内蔵しているようなもので、私自身がそれを操作しない限り知ることはできないと言うこと。

 簡潔に言うと、見てないものは分からない、と言うこと。それがこの力の唯一の弱点と言える。

 目を瞑ってしまえばなにも見えないし、知ることもない。誰しもが知っていることだけれど、私にはとてもよく実感している。

 

 ……まぁ、それが幸せかどうかは議論の余地があるけどね。 

 

 閑話休題。それで、ルルーシュ殿下と面識を持つことになってしまったけれど、冷静に考えればどうということはない。

 彼はこの学園においてはルルーシュ・ランペルージであり、その妹のナナリー皇女もナナリー・ランペルージとして扱われるのは確認し済み。

 あちらが私の能力を知るよしもないので、私も知らないふりをして彼らを一般生徒として接しているうちは何の問題もない。

 やや精神的にくるものがあるけど、ここでやっていくのならこれくらいは許容範囲内だ。

 

 

 

 

 ……まぁ、この人が後々に私の人生に深く関わって来るなんて、この時の私には想像も出来なかったわけだけど。

 過去や今は読めても未来は読めない。それもまた、この力の弱点なのかもしれないわね。

 




五年前に作って眠らせておいた作品が急に刺してきた件orz
あれっすね。いつか投稿しようととりあえず最大限遠い日付にして、ほったらかしていたのが原因っすね
公開してしまったものはしょうがないので、更新予定はないですがこのままにしておきます。
今年の最後あたりに、違う作品は投稿します。
一個づつでもいいから、完結させたいな(願望)
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