「雄二‥‥これどういうこと?」
「・・・答えてもらおうか?」
「そうだな。どうなんだ?」
「‥‥い、いや待てよ?俺が悪いのか!!?」
☆★時は遡り☆★
☆★4分前☆★
(‥‥『!!今!!』だ)
遊佐さんの召喚獣が空振りした武器(剣)の隙を逃さず左から銅へと何とか叩き込んだ。
僅かにダメージを与えて、素早くその場から飛び退る僕の召喚獣。
「っっ」
『Aクラス 遊佐 葵 VS Fクラス 吉井明久
保健体育 58点 VS 29点 』
「やっぱり凄いですね、副会長。作戦会議の時に副会長のことも出しとけば良かったです。」
上からの僕の召喚獣の攻撃を受けとめつつ、遊佐さんが言った。
「それは買いかぶりすぎだよ遊佐さん。僕が今こうして戦えてるのはBDEクラス達の協力のお陰だし」
「いいえ。確かにBクラスは強いですけど、それは予測も対応も出来る強さです。対策を練ることのできる相手は、強くても怖くはないです」
「僕のことは予測できない、と?」
「ええ。だって副会長って、おバカですから」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
結構傷ついた。
「冗談ですよ。点数は低くても観察処分者であり召喚獣の扱いに長けている。単純に強いだけよりも、私達にとっては余程脅威になるってことですよ」
勿論一番怖いのは、そんな副会長を最大に活かして戦局を動かすFクラス代表さんでもありますけど、と呟く遊佐さん。僕がそこまで脅威なり得るかどうかは疑問が残るけど、こうしてこちらの内情が知られてしまっているのは僕達Fクラスにとってはかなり不利なことだ。
弱ったな。
体育祭後、Aクラスに挑む勝負が不安になった、なんて弱気な考えが一瞬頭をよぎった。
「副会長、少しいいですか?」
勝負中でもあるにも関わらずさっきから話が続くような気がする。勿論、召喚獣は常に動かしているが。
「副会長は、吉井明久君達FクラスはこれからAクラスに挑むのですよね?‥‥それはわかっていますが、勝つつもりでいるんですか?」
この台詞は僕達がFクラスでありながら上のクラスへと勝負を挑む、そんな時に毎回のように聞いたと思う。
先程はどこか弱気になったが、確かに言える。
「うん。勝つよ」
「つもりというわけでもなく確信ですか、一体どこからそのような気持ちが出てくるのでしょう?」
別に遊佐さんが怒っているわけでもない。呆れているわけでもない。
どこか、ただ、何かを気にしているだけのようだ。
「正直確信なんてしてないよ、ただ強がっているだけかもしれない。でも、どこか不思議と今ではFクラスでよかったと胸を少しだけ晴れる自分がいたりしてね」
どこか臭いことを言ってないか不安になってきた。
「Fクラスにいて、代表があいつで、どこまでもついてくるバカな鎖で結ばれた奴もいて、何も疑わない集団までいる。」
普段思っても言わないことを言ってしまってはないか?
こんなセリフ、赤いゴリラなんかに聞かれたら記憶がなくなるまで殴り続けなきゃならない。
「これで勝てないはずがないんだ。‥‥なんてね」
「‥‥‥‥‥‥‥」
最終回か何かかな‥‥なにいってるんだか僕は。
しばらく、妄言を吐き続けたことを恥ずかしながら遊佐さんの口が開くのをじっと待っていた。
「あ、そんなに赤面しなくていいですよ!?とても感動しましたよ!?」
もう、やめてくれ、死にたくなる
「そうですか、そうですか副会長」
気がついたらお互いの召喚獣は停止していた。
「なるほど、いいですね」
「な、なにかな」
「よくわかりました!」
何かに納得をしているのか、何だかよくわからないけど、見ていてあんまりいい気にはなれない状態である。
「ふふふ、副会長なら会長を任せられます。」
「そりゃ、副会長だし」
副会長が会長を助けるのは当たり前だし普通だ。
「会長って彼氏とかいませんよ?」
「う、うん、それ僕には関係ないよね?今関係ないよね?」
何をニヤニヤしながら言っているんだこの子は‥‥。
「僕には関係ないって!?‥‥副会長に彼女っていませんでしたよね?」
「うん、この話は終わりにしよ?」
「あんな、才色兼備な会長さんを逃すなんてそれこそおバカですよ?」
「うん、この話は終わりにしようって言ったよね?」
「生徒会の副会長がFクラスで、吉井君で良かったです。会長を頼みます!」
「この話はやめよって言ってるよね!?聞いてるの!?」
「ホントに‥‥良かったです」
この話は‥‥ってまた言おうと思ったけど最後の言葉、あんな嬉しそうで救われたような目で、言葉で言われたら言い返せないと思う。
それでも、
「遊佐さん、僕は会長のことを尊敬しているし好きだよ?でもそれは、異性に対する好意的なものではないからね。」
ましては僕はFクラスといいかけたがこれは余計かな。
「大丈夫です、わかってますよ、彼氏になれとかは言いませんよ!というか副会長の気持ちが聞けて良かったです。会長のこと好きなんですね」
「うん、」
尊敬や、友情的な意味でね
「そんなんで異性として好きと認識するなら遊佐さんだって僕は好きだし尊敬もしてるよ」
「あ、は、はい、そ、そうですぅか、急に好きとか聞くとドキドキしますのでやめときましょうか」
「それを遊佐さんが言うかな?」
お互いにこれ以上言うことはなく、意識は召喚獣へのほうに戻る。
「いきますよ?副会長」
「うん、勝たせてもらうよ」
武器を構えどちらかが動き出したら始まるだろう。
「残り少ない“時間が”許すまで!!」
へ?
★☆★☆
相手の攻撃を‥‥接触をあわせ、力でそのまま‥‥‥!!!!!
「押し潰せ!!!」
『Aクラス 霧島翔子 VS Fクラス 坂本雄二
保健体育 122点 VS 163点 』
召喚獣は点数によって力がでるが、力の使い方、だしかたはよくわかっている。俺の戦い方は基本相手の攻撃に合わし自分の攻撃をぶつける、そこに生じるのは力は勿論、技量が試される。
召喚獣とはいえ誰よりも喧嘩なれしているからそのぶつかり合いにも優勢にたつことができる。それがFクラス代表の俺の戦い方だ。
今の攻撃で横たわわっている翔子の召喚獣。トドメをさすには今しかない。
「くらえぇえええー!!!!!!」
★☆★☆
『Aクラス 木下優子 & Aクラス 久保利光
保健体育 141点 & 147点 』
『Fクラス 水谷衣楠 & Fクラス 吉井 鈴
保健体育 232点 & 161点 』
水谷「点数では勝ってても徐々に詰められている‥‥」
鈴「‥‥‥‥‥‥」(おかしい、確かに詰められてきているけど‥‥このままじゃ結果的にAクラスのほうが負けるはず)
久保「いいよ、どっからでもかかってきなよ」
水谷「防戦ばっかでいいのかい?それでは勝てないと思うけど?」
優子「いいえ‥‥」
鈴(‥‥これって、‥‥‥モンハンでいうリタイア‥‥そうか!)
優子「負けるのはあなたたちよ?」
★☆★☆
<PPPPPPPーー!!!>
「な、なんだ?」「お、おいこれって」
サイレン、笛と同時に召喚獣の動きが停止した。
皆はその場で教壇に立っている高橋先生の方へと目線を向け始めた。
「‥‥‥ああ、そうか、そういうことか」
どこか少しだけ離れたところでBクラス代表がそう呟いていた。
高橋「そこまでです!!今残っている召喚獣の数を数えます」
遊佐「‥‥“タイムアップ”ですよ。」
タイムアップ??そういえば始めのルール説明の時に(前回の話を参照)
高橋「数が少ない順に数えていきます。
Cクラス、代表の戦死により0
Eクラス、同じく0
Dクラス、5名」
雄二「なるほど、あの時、“このままでいい”と言っていたのはこれのことか」(前回参照)
優子「あら、貴方なら途中からわかっていたでしょ?」
雄二「さあ、どうだろうな」
雄二と会長がいち早く何かを理解している中、まだついていけてない人がいる。
僕である。
高橋「3位は‥‥‥Bクラス、7名」
「「ぉぉぉおぉぉおぉぉ!!!」」
どこか盛り上がりにかける‥‥3位というのはまあ、こんなもんなのかもしれないけど。
明久「‥‥‥つまり、Aクラスはこれを始めから狙ってたということ?」
やっと思考が追い付いた。点数が皆ほぼ同じだったのも戦死者が少なかったのもこれが狙いだったのか。
遊佐「いえ、始めからではないです。明らかにほとんどのクラスから攻撃を受け始めてからでしょうか?」
どうやってその攻撃の中でAクラス全員に作戦が伝わったのだろうか。まあ、それはどうでもいいことなのかな。
高橋「2位は‥‥」
高橋先生がそう放ったら僕だけではなく、大体半分くらいの生徒は周りを見渡した。二位は誰なのか‥‥。
高橋「‥‥‥」
「「‥‥‥‥‥‥」」
高橋「Fクラス、11名」
周りを確認したところ残っていたのは
自分を含めて、
雄二・ムッツリ・秀吉・水谷さん・鈴・FFF団の5人
大川君はやられてしまったのか。
先ほどと違って盛り上がりすらしない。
元々Fクラスが勝っても周りが盛り上がることはあまりないんだけど、僕達Fの人たちが盛り上がっていないのはどこか寂しい。二位という結果は充分素晴らしいと思うけど、と思いつつ、本人の自分はそう感じていない。
「雄二‥‥これどういうこと?」
「・・・答えてもらおうか?」
「そうだね。どうなんだ?」
「‥‥い、いや待てよ?俺が悪いのか!!?」
僕とムッツリーニと水谷さんはふと、Fクラス代表へと矛先がいく。
雄二「大丈夫だっ、落ち着け明久」
明久「大丈夫って何がだよ」
気がつくと高橋先生本人や側に教員が何か騒いでいる。
何かあったんだな、と腕を組ながら水谷さんがそう雄二に呟く。
Aクラスも自分達の勝利は確定の中、騒がしい教員に不自然な不安を覚える。
高橋「失礼しました。‥‥‥訂正があります。先程の順位に見直しがありました」
「どういうことだよ」「俺らの勝ちじゃないのか?」
会場がどよめき始めた。
今関係はないが、体育着の僕達は泥だらけであり、今日の疲労があったりするわけでこういう話はなるべく早く終わらせてほしいわけである。
高橋「二位は‥‥いえ、1位の発表をします。
1位は‥‥」
「っっ(ゴクリ)」
高橋「AクラスとFクラス両方です」
え、
一同「「はぁぁいいいああああああ!!??」」
後書き
長かった体育祭、何とか終えることができました。
いや、とてもながかったです。
実はこれでもかなり種目を削ったほうなのですが‥‥
棒倒しとかしっかりと描きたかったというのが一番心残りですね。
次回からやっとA戦へと踏み込めます。
何度も言いますが長かったです。
やっと、会長の木下優子、書記の遊佐さん
そして、副会長の吉井明久。この戦いが始められます。
後、生徒会メンバーも考えなくてはならないですよね。
大川君は前の作品で読者からアドバイスで手に入れた男の子ですし、そろそろもう一人か二人ほしいですね。
この話からの人はこんにちは。
全話見てる人はお久しぶりです。
またの更新をお待ちください。