イズハ提督が着任しました。   作:DELUHI

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イズハ提督が着任しました。
イズハ提督が着任しました。プロローグ


 俺は........

 

 勝ったんだ........。

 

 皆の仇を........。

 

 俺が........

 

 体の感覚はない。

 

 俺は満足だ........。

 

 俺は目を閉じると、意識が遠のいていくと思いきやすっきりと目が覚める。

 

 体を起こし、辺りを見渡す。

 

 潮の匂いに照りつける太陽。

 

 見渡す限りの海。

 

 後ろには見慣れない建物がある。

 

「ここは........一体........?」

 

 俺は死んだのか? 

 

 いや........それにしても........

 

 海といえば、ウォルト国くらいだと思うが........。

 

 まずは情報が欲しい........。

 

 俺は腰に手を当てると、ハンドガンを抜いて弾倉を確かめる。

 

 弾は6発........。

 

 心もとないが........。

 

 俺は後方にある建物に踏み込んだ。

 

 一見して木造建て。

 

 見張り等はいないらしい。

 

 俺は階段を見付けて、慎重に登っていく。

 

 人の気配はないようだ。

 

 影から廊下を覗く。

 

 部屋があるな。

 

 調べるか。

 

 そう思った矢先、ドアが開いたため、開けた者と一緒に部屋へ押し込める。

 

 手を後ろに回して、ハンドガンを後頭部に突き付ける。

 

「大人しく........」

 

 俺は目を疑った。

 

「こ、子供........!?」

 

 女の子だと!? 

 

「はわわわわ........!」

 

「す、すまない........」

 

 俺は少女を放す。

 

 すると........

 

「不審者なのです!」

 

 と、叫ばれた。

 

 俺は部屋を慌てて飛び出すと、少女達が部屋から出てきていた。

 

「まずい........!」

 

 何がまずいかと言うと、これだけの女の子がいるということは、俺は確実に不審者だ。

 

 敵地ではなく、居住区画だったらしい。

 

 俺は慌てて逃げると、水色の髪色の少女が行く手を阻む。

 

「来ないと思ったら、こんなところで何をしているのかしら?」

 

 少女は俺を知っているようだった。

 

「何者だ」

 

 俺はハンドガンを少女に向けてしまう。

 

「私は特型駆逐艦、5番艦の叢雲よ。貴方は?」

 

「シェルタ帝国軍第53変種殲滅部隊所属、イズハ大尉だ」

 

「はぁ? 何言ってるのか分からないんだけど」

 

 シェルタ帝国を知らない? 

 

 ここは一体........。

 

「とにかく、執務室に来なさい」

 

 俺はハンドガンをしまい、叢雲について行く。

 

 敵地でないなら........いや、まだ安心は出来ないが。

 

 執務室に案内されると、叢雲から説明を受ける。

 

「今日から貴方は提督よ。何も聞いてないわけ?」

 

「提督? 何だそれは」

 

 聞いた事がない。

 

 俺は叢雲から説明を受ける。

 

 ここは佐世保鎮守府といって、防衛拠点らしい。

 

 彼女達は艦娘と言って、深海棲艦という化け物と戦っているらしい。

 

 そして、何より驚いたのは、俺の経歴が変更されていた。

 

 全く身に覚えがない。

 

「なるほどな。ここは........俺の知らない世界らしい」

 

「とりあえず、あんたは提督! いい?」

 

「あ、ああ」

 

 すると、執務室の扉が開く。

 

「おやおや。そいつが、新しい提督か」

 

 白の軍服を着た肥太った男が入って来る。

 

「あんたは?」

 

「おいおい。口の利き方に気を付けろ? 俺は大佐だぞ?」

 

 俺は睨み付ける。

 

「まぁいい。それより約束を覚えてるだろうな?」

 

「約束?」

 

「何だ叢雲、説明してないのか?」

 

 叢雲は俯いたまま、拳を握りしめている。

 

「次の演習で俺に負けたら、この鎮守府の提督を俺にするって事だよ」

 

「何だと?」

 

「せいぜい、首を洗って待っていろ」

 

 男は高笑いしながら、執務室を後にする。

 

「叢雲、どういう事だ?」

 

「私達の提督は失踪したのよ........」

 

「失踪?」

 

 叢雲から詳しい経緯の説明を受ける。

 

 佐世保鎮守府は、数ヶ月前までは戦績が良かったが徐々に戦績が低下したとの事だ。

 

 すると、前任者は失踪し、数ある支部、さっきの男が権限を渡す条件を提示してきたらしい。

 

 何かと理由を付けて、艦娘を引き抜いていったとの事だ。

 

 前から決まっていた契約書を持って。

 

 どうする事も出来ない彼女達は、新しく来る提督を待っていたとのことだ。

 

「私達は落ちこぼれのレッテルを貼られて、いい笑い者よ」

 

「落ちこぼれか........気にするな 」

 

 何かと縁があるらしい。

 

「なるほどな。何とかしよう」

 

「え?」

 

「俺だって軍人だ。何より、ああいう奴は俺は嫌いなんだ」

 

 絶対に彼女達を救ってみせる。

 

「それで、演習はいつなんだ?」

 

「1週間後よ」

 

「充分だ」

 

 俺は早速、叢雲の知恵を借りて情報収集に当たった。

 

 不思議だったが、文字が読めた。

 

 有難い。

 




以前の作品について興味がある方は気軽に聞いてください。

作中に過去編として、出ますが、それでも良ければ見ていってください。
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