そして、痛感する。
自分の無力さを........。
2週間後。
相手提督は、本部で事情聴取という名の拷問を受けている。
俺は........。
「イ........じゃなくて、提督。そろそろ執務の時間よ」
叢雲は、間違いながらも、俺を提督と呼ぶ。
そう。
俺は、この佐世保鎮守府を任されてしまった。
元の世界に帰るアテもない。
なら、ここで生きて行くしかない。
新たな仲間達と。
「叢雲、すまないんだが........今日の執務は終わってる」
元いた世界が激務だったからな。
楽でしょうがない。
「じゃあどうするの?」
「残ってくれた艦娘達の様子を見に行くよ」
あれから、前任者が所有していた艦娘のほとんどは本部へ行ったのだが、残ってくれた艦娘もいる。
不知火、曙、加賀、瑞鶴だ。
立ち直ることが出来たが、不知火はそうもいかない。
生き地獄を目の当たりにしたからだ。
俺はノックして、不知火がいる部屋に入る。
「何か........用ですか......」
布団を被り、部屋の隅で震えている不知火は、俺を睨んでいた。
そういう目付きにもなるだろう。
「様子を見に来ただけだ」
俺は机に置かれている食事に目をやると、手は付いていない。
「司令........私は........」
不知火は泣き出してしまった。
「何も言わなくていい。今は心を落ち着かせるんだ」
思ったよりも酷い精神状態だ。
妹........いや、家族を目の前で失った苦しみが分かるからだ。
「君は悪く........」
「........してください........」
俺の言葉を不知火が遮る。
「解体........してください........」
解体。
それは、人間に例えるなら安楽死だ。
解体されれば、資材へと変わる。
ただの鉄くずに........。
「俺にそんな事は出来ない........」
「どうせ........私は........兵器です........代わりなんて........」
「確かに兵器だ。代わりなんていくらでもいる。でもな........。君は君だ。俺は一人の人間として見ている。だからそんな事を言わないでくれ」
俺は不知火の頭を撫でる。
「俺は........もう二度と仲間を失いたくないんだ........」
あんな事は、二度とあってはいけない。
自分が無力だったばかりに、仲間を死なせ、妹まで........。
「俺が指揮する以上........。絶対に死なせない。約束する」
この子達を護る義務が俺にはある。
「だから........生きてくれ........」
俺が言える最大の言葉だと思う。
不知火は泣き出して、うずくまってしまった。
俺はその場を立ち去った。
傷は癒えても心の傷は簡単に癒えないか。
『兄さんだけでも........生きて........』
俺の頭を過ぎる。
「スズハ........」
俺は拳を握り締める。
ここでも無力なのか........と。
おまけ
原案 DELUHI
手直し YOSHI、ICHI
助言担当 SPA
この4人で描いてます。YOSHIは艦これをやってるので唯一の救いです笑
お疲れ様です。
基本不定期ですが、出来上がり次第、どんどん上げていきます。
色々と御容赦願います。