イズハ提督が着任しました。   作:DELUHI

42 / 42
正式な伝達のもと、宿毛湾泊地には、駆逐艦が配備される事になったのだが…


駆逐艦、着任!

 後日、正式な伝達のもと、宿毛湾泊地には、戦力増強のため、大本営から駆逐艦が配備された。

 

 配備された駆逐艦は、

 

 朝潮、敷波、潮、時津風、舞風、山風。

 

 の6名だった。

 

 執務室において、整列し、武中へ着任の挨拶をそれぞれ述べる。

 

「く、駆逐艦、あ、朝潮です。勝負ならいつでも受けて立つ覚悟です……」

 

 朝潮型1番艦朝潮。

 背中辺りまで伸ばした黒髪。

 サスペンダー付きのプリーツスカートを身に纏う。

 ひたむきな軍人気質を匂わせる雰囲気。

 

 しかし、挨拶はぎこちなく、語尾に近付くにつれて声のトーンが下がる。

 

 明らかに怯えてると、見るからに分かる。

 

(なぁ、瑞鶴。怯えてるだろこれ)

 

(大丈夫よ。気にしすぎ)

 

 武中は目配せで、瑞鶴とやり取りする。

 

「アタシ…じゃなくて、私の名は敷波です。以後よろしくお願いします」

 

 綾波型2番艦敷波。

 茶髪で短めのポニーテール。

 茶色のセーラー服。

 

 個性を殺してまで、口調を変えての挨拶。

 

「と、特型駆逐艦…綾波型の潮です。もう下がってよろしいでしょうか…」

 

 綾波型10番艦潮。

 長い黒髪に色白の肌。

 青色のセーラー服。

 

 微妙に声が曇っており、後ずさっている。

 恥ずかしさからなのか武中に怯えているのか。

 言うまでもない、後者である。

 

(態度に出てるぞ!? 絶対怯えてるだろ?)

 

(大丈夫大丈夫。緊張してるだけよ)

 

 再び武中は目配せでやり取りする。

 

「陽炎型駆逐艦10番艦。時津風……です」

 

 陽炎型10番艦時津風。

 黒髪のショートヘアーで、頭には小さな煙突型の帽子。

 青と白のワンピース型セーラー服。

 

 何とも可愛いらしく、笑顔が似合いそうだが、その表情は強ばっている。

 

「こんにちは……陽炎型駆逐艦、舞風です。暗い雰囲気は苦手です…はい…」

 

 陽炎型18番艦舞風。

 金髪のショートポニーテール。

 白の半袖ワイシャツに黒のブレザーベストで白手袋を着装している。

 

 自己紹介とは裏腹に、既に暗い雰囲気を漂わせている。

 

「あたし…白露型駆逐艦……その八番艦。山風…」

 

 白露型8番艦山風。

 

 緑色で長い癖のある髪を上でまとめている。

 青と白の制服。

 

 武中とは目を合わせようとせず、そっぽを向いている。

 

(瑞鶴……!)

 

(大丈夫、自己紹介で巻き返しましょ)

 

 武中は、咳払いをして、自己紹介を始める。

 

「宿毛湾泊地所属、武中正義だ。ここは、皆仲良くがモットーなんでな。くれぐれも喧嘩するんじゃねぇぞ。分からない事があったら、何でも聞いてくれ」

 

 武中は笑顔を浮かべると、駆逐艦達は悲痛な表情を浮かべる。

 

 武中が浮かべた笑顔は、猟奇的な表情そのものだった。

 

 武中は駆逐艦達の反応を見て、轟沈した。

 

※※※※※

 

 午後8時、宿毛湾泊地食堂。

 

「ひゃははは! それはウケる!!」

 

 明るい紫髪の跳ねた長髪。

 白の和装を着た艦娘が爆笑する。

 

 飛鷹型2番艦隼鷹。

 

 武中とは、飲み仲間である。

 

「ちょっと隼鷹、言い過ぎよ…ね、提督」

 

 黒髪のストレートロング。

 白の和装を来た艦娘が、武中の肩に手を添える。

 飛鷹型1番艦飛鷹。

 

「提督は、優しいんですけどね」

 

 黒髪のロングヘアーで、白の弓道着を身に纏う艦娘は、日本酒を一口啜る。

 祥鳳型1番艦祥鳳。

 

「貴方の笑顔で差し迫られたら、怖いけどね」

 

 瑞鶴は、落ち込んでいる武中に追い討ちをかけるような一言を放つ。

 

 当然、武中はより一層に落ち込む。

 

「俺…やって行けるか不安になって来たぜ…」

 

 豪快かつ唯我独尊の武中から、その言葉を聞けるとは思っていなかった3人は流石に心配する。

 

「これは重症ね…」

 

 瑞鶴は言い過ぎたと、口を噤む。

 

 いつもなら、冗談で返してくれるからと言って軽率な発言をしてしまった。

 

「初対面だから、仕方ないですよ! あっ…」

 

 飛鷹が励ますが、その言葉も武中にとっては禁句だ。

 慌てて自分の口を塞ぐ。

 

「その内、慣れるって! 飲もう飲もう! いつもの面子呼んでさ!」

 

 隼鷹はそう言って、他の飲み仲間である艦娘達に電話をかける。

 

「はぁぁぁ……」

 

 武中は溜め息をしつつも、日本酒を水のように飲み干す。

 




次回は、宿毛湾泊地の飲み会!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:5文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。