咲 オーラスの向こう側   作:影法師

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第三局一本場

二本場でドラは{④}

親は和って人だけど…正直脅威とは思えない。

…だって彼女の打ち方はデジタル擬きでしかないのだから。

だからこそ…特急券等を鳴かせなかったら良いだけだ。

 

{四}{③}{⑤} {5}{5}{7} {中}{中}{中} {發}{發}{發} {白}

 

さて…どうするべきだろうか?

…普通に行く大三元狙い……?

 

    和

    {東}

咲{④}   元気少女

 

駄目みたい。

これどう頑張っても私が振り込む奴でしょう。

咲がいきなりセオリー無視してるし。

 

{四}{③}{⑤} {5}{5}{7} {中}{中}{中} {發}{發}{發} {白}{④}

 

さて、どうやって乗り切ろうか。

実際余った{四}は捨てておきたい気がするが、それだと元気少女に拾われる危険性がある。

かと言って{7}はつながりそうだからパスしたい。

…いや、此処は繋がる関係無しにこれかな。

 

{中}

 

{四}{③}{④} {⑤}{5}{5} {7}{中}{中} {發}{發}{發} {白}

 

{中}を捨てて一瞬どうだと思うが、皆は特に反応してこなかった。

…良かった国士無双聴牌とかじゃなくて。

 

{四}{③}{④} {⑤}{5}{5} {7}{中}{中} {發}{發}{發} {白}{7}

{四}{③}{④} {⑤}{5}{5} {7}{7}{中} {中}{發}{發} {白}

 

繋がるって言ったけど、重なるとは思わなかった。

取り敢えずこの状態なら如何にかして上がりを作れそうだね。

 

{四}{③} {④}{⑤} {5}{5} {7}{7} {中}{中} {發}{發} {白}{⑤}

{四}{④} {⑤}{⑤} {5}{5} {7}{7} {中}{中} {發}{發} {白}{四}

{四}{四} {⑤}{⑤} {5}{5} {7}{7} {中}{中} {發}{發} {④}

 

七対子聴牌。

安いけど手の入り方的にこれ以外にそれたら痛手を食らう可能性が高いからしょうがない。

 

{中}{發}{③}{白}

 

{四}{四} {⑤}{⑤} {5}{5} {7}{7} {中}{中} {發}{發} {④}{⑦}

 

五巡目立直は中々怖いけど…そうだね。

大丈夫そうかな?

…目の前の和は降りる気がするし、元気少女は…ああうん。

 

{④}{⑤}{9}{4}

 

出すでしょこれ。

 

「立直」

 

{中}{發}{白}{③}{横⑦}

 

{四}{四} {⑤}{⑤}{5}{5} {7}{7} {中}{中} {發}{發} {④}

 

どうせ{①}-{④}の待ちの可能性もある以上、ひっかけられる期待はしていない。

それに立直してドラを切る事を目の前の和はしない筈、というか降りろ。

咲はどうせ槓狙いで適当な牌持ってるから大丈夫。

 

「じょ?!さっきから二人共手が早いじぇ!?」

「そんなにはやいですか?」

「当たり前だじぇ!」

「あはは…」

「…偶然です。偶然に決まっています」

「…こんなの、当たった方が事故だじぇ!」

 

そう言いながらも{④}を強打する。

確かに当たったら事故だ、でもどうせ安いから勘弁してほしい。

 

「ビンゴ。それですよ元気少女ちゃん、立直一発七対子…咲裏ドラは?」

「乗ってるよ?」

「じゃあドラ4。16000ですかね?」

「…元気少女ってなんだじょ…」

 

裏が普通に乗って高かった。

ごめんね元気少女ちゃん。

 

元気少女 09000

和 25000

咲 33000

陰 33000

 

さて東場第三局。

私としては此処をさっさと駆け上がって元気少女を飛ばして終わりたいんだけど…

 

「…っ」

 

流石にそうはさせてくれないらしい。

咲の眼がさっきからずっとこっちを見ている…というかさっきの手だってそうだ。

白暗刻とか私が捨てる巡目が少し遅かったら嶺上開花されてた。

…そろそろ、あれをやるべきかな?

ドラは…うん、今回は関係なさそうな{③}。

 

{一}{一}{九} {①}{⑨}{1} {1}{5}{6 }{9}{東}{西} {北}

 

国士無双でも狙えそうな配牌…いや、今回狙っても良い事なさそうだけど。

…というか、このまま国士上がると咲の±0がなぁ…少し手伝ってあげるかな?

 

{一}{一}{九} {①}{⑨}{1} {1}{5}{7} {9}{東}{西} {北}{北}

 

最初の自模は北。

迷わず{西}を捨てつつ、今回だけは周りを気にせずにのびのびと打つ。

私にはラス親あるからいいや…みたいに思ってると思われてたら最高だ。

 

{一}{一}{九} {①}{⑨} {1}{1} {5}{7}{9} {東}{北}{北} {一}

{一}{一}{一}{九} {①} {1}{1} {5}{7}{9} {東}{北}{北} {一}

 

「槓」

「ちょ。陰!?」

 

{九} {①} {1}{1} {5}{7}{9} {東}{北}{北} {1} {■}{一}{一}{■}

{九} {1}{1}{1}{5}{7}{9}{東}{北}{北} {■}{一}{一}{■}

 

咲が何かを言おうとしたけど、私は態と無視をする。

だってこの手、結構難しいし。

 

{九} {1}{1}{1} {5}{7}{9} {東}{北{北} {9} {■}{一}{一}{■}

{九} {1}{1}{1} {5}{7}{9}{9} {北}{北} {■}{一}{一}{■}

 

{九} {1}{1}{1} {5}{7} {9}{9} {北}{北} {9} {■}{一}{一}{■}

{1}{1}{1} {5}{7} {9}{9}{9} {北}{北} {■}{一}{一}{■}

 

手が漸く揃ったのを見て、私は漸く安堵の溜め息を吐いた。

…大丈夫、他の皆からきっと出てくるだろうし…うん。

 

{西}{⑨}{①}{東}{九}

 

{1}{1}{1} {5}{7} {9}{9}{9} {北}{北} {■}{一}{一}{■}

 

これ相手からしたら流し満貫狙っているようにしか見えないね。

…ああいや、幸先が良かった清老頭にも見えるかな?

 

「…き、切れないじぇ…流石に切れないじぇ…」

「此処で進まないとトップ目が…だけどもし…」

「…私の上がり牌が…」

 

咲が何か言ってるけど私は知りません。

相手に持たれて崩れる様な待ち方をしている方が悪いのだ。

…照とか、当たり牌止めて四暗刻したら泣かれたなぁ…

 

「…うーん…流石にまだ…平気…だよね?」

 

咲が{9}を捨ててくる。

…何をもって大丈夫だと思ったのだろうか…?

 

「それ槓です」

「うぇぇ!?」

 

{1}{1}{1} {5}{7} {北}{北} {1} {横9}{9}{9}{9} {■}{一}{一}{■}

 

「お、もう一個槓です♪」

「それ私の奴!」

 

{5}{7} {北}{北} {6} {■}{一}{一}{■} {横9}{9}{9}{9} {■}{1}{1}{■}

 

「うぇ!?」

「あ、学生議会長おはようございます」

「あ、うん。おはよう」

 

私の後ろで声を上げた学生議会長の口を塞ぐ為に挨拶をする。

そして私は…{6}を切った。

 

「ちょ!?」

「……陰…」

「二人共何かありました?」

「「何でもない」」

 

しょうがない。

此処で嶺上開花したら計算が狂って咲が±0にならなくなってしまうのだ。

…だからこそ、私は見送りした。

何故なら…

 

{5}{7} {北}{北}({横6}) {■}{一}{一}{■} {横9}{9}{9}{9} {■}{1}{1}{■}

 

どうせ引いてこれるのだ。

この感覚に慣れたくは無かったが…今はもう、慣れてしまった。

 

「自模。三槓子のみで…」

 

計算合ってるかな?

20の2…32が二つで……ってあ、頭0だ!

 

「いやギリギリ足りてた!110符の2翻で3600と1800(インパチ)!」

 

元気少女 07200

和 23200

咲 29400

陰 40100

 

東場第四局。

私の親でドラは…ああいや、もう何も関係なかった。

 

{一}{五}{九}{①}{②}{③}{1}{東}{東}{東}{南}{北}{白}{中}

 

「…あの?」

「九種九牌…終わりですね」

 

彼女の眼を見ず、そのまま立ち上がって礼をした。

というかこのまま半荘まで行っても良いんだけどそれだと間違いなく南一局で元気少女が飛んで終わる未来しか見えない。

 

「…半荘か東風か決めてなかった筈です。まだ…」

「……別に良いけど、和さん一人でどうするつもりなんですか?」

「…え?」

「そこの元気少女は東場…いえ、後半になると段々ペースが落ちていく子でしょう?」

「あたりだじぇ!?一体どうしてわかったじょ?」

「聴牌速度が遅かったからですよ。一局目は聴牌、二局目一向聴、三局目では…三向聴くらいでしょうか?」

 

私が考えながら言えば、元気少女は当たりだじぇ…としなしなと座った。

 

「…まだ咲さんが…」

「家のお姉ちゃん。±0大好きなんですよ、それにもう靴下履いてるし」

「……それと何の関係があるんですか?」

「点数見てます?」

「…っ!」

 

和が思わず点数を見てから、彼女はこちらを見つめ返す。

…本当にこんなことが出来るのか、それとも…自分の勘を信じて偶然だと言い張るのか。

 

「……」

「学生議会長さん。そろそろ雨が降りそうなので私は帰ります」

「あ、わ…私も帰ります!えっと和ちゃんごめ…」

「お姉ちゃん。死人に鞭打ちは駄目ですよ」

 

私は咲の口を抑えて、そのまま出ていく。

私が出て行った後の麻雀部は、やけに静かだった。

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