咲 オーラスの向こう側 作:影法師
「…それで、何で私は此処にいるんです?学生議会長さん」
朝、私は昨日出会った彼女達に出会わない様に祈りながら登校し、全員に捕まらず良かったと思った束の間。
結局お昼に学生議会長に職権乱用され、食堂に集まる事になった。
「いやぁ。私達の部活見たでしょう?」
「そりゃあ麻雀打つ以上見ましたけど、それがどうかしました?」
「人数も集まり悪いし、結局大会にも行けそうになくてね?」
「えぇそうでしょうね。麻雀が上手い人は風越に行くと聞きましたし、龍門渕?でしたっけ。其処もあると聞きました」
私がそういうと、目の前の学生議会長が口を閉じる。
そして代わりに隣にいた…眼鏡が私に対して質問をしてきた。
「其処まで解っていながらどうしてこの学校に来たんじゃ?あの腕なら引く手あまた…いや、有名になる事もあっただろうに」
「…?前提が間違っていますよ眼鏡さん」
「め、めが?」
「私は別に麻雀をやりに高校に入った訳じゃないんです。唯高校ってどういう所だろうって思って偶々此処に来ただけですから」
私がそういうと、今度は彼女達が首を傾げた。
「…別に、私は中卒で出て行って、賭け麻雀で食べていくのでも良かったんですよ。唯、あのお人好し達がせめてと言ってきましたから」
「……確かに、貴女の運は超人的よ?だけど、それを裏で生きていくのとどう関係が…」
「私の昔のお父さんは裏プロでしたから。腕には少々自信があって…と、すみません。ちょっと失礼しますね」
「ちょっと、まだ話は…」
私は立ち上がって、咲の元へ歩いていく。
「…何してるんです?」
「あ、えっと…えへへ。一緒に本を読もうかと思って…いいでしょ?」
「別に良いですが…そろそろお昼休み終わりますよ?」
「…そういえば最近午後の授業サボってるって聞いたけど…」
…それと同時に咲に捕まれ、私はズルズルと教室へ連れていかれた。
☆☆ ☆ミ
さて帰ろうと鞄を持ち、校門から出て行こうとすれば…私は肩を掴まれ、ゆっくりと学校へ引き戻された。
思わず顔を見れば、其処には怒り顔でこちらを見つめる…ピンク髪の少女の姿。
「…えっと、誰です?申し訳ないですが告白とかはお断りして…」
「っ!昨日散々戦ったのに覚えてないんですか!?」
「…も、勿論覚えてますよ!当たり前じゃないですか…」
「じゃあ、私が昨日食べていたのはなんでしたか?」
その言葉を言われて私は考え…そして一つの結論を出す。
「勿論タコスですよね?」
「それは優希の方です!やっぱり覚えてなかったじゃないですか!」
「えっ、だって他の人食べてなかったじゃないですか!横暴です!?」
そのまま私は咲が本を読んでいた所へ連れていかれ、そのまま彼女は私を離してから私に対して吼える。
「…っ!私は悔しい!あんなに飄々としてて!しかも運もあるのに!本人はそれを気にもしない!!しかも午後の授業を休む不良でもあって!」
「…いや、それは…うん」
「そんな人間に!私の望んでいた才能が全部あって!……本当なら…になりたいのに…名前すら憶えてもらえない程…私は……」
最初は怒って…そして段々泣いている彼女には悪いが…そろそろ脚が痛くなったから座る。
「…私は人間として失格でしたから。…別に、覚えなくてよかったんですよ」
「何を…」
「少しだけ昔話をしますね?」
「…」
「私は宮永家の一人ではありません。それどころか、私は本来生まれてはいけない人でした」
私がそういうと、彼女はそんな事無いと言わんばかりに首を振る。
「私は自我が芽生えてすぐに、麻雀に触れました。役も何も分からないまま対戦する事になり、相手は闇プロの父親、当然引き分け程度で終わりました」
「…え?」
「そして今度は役等を覚えて賭け麻雀。色んな事を覚えて帰ってきましたが…そうですね。試合には勝ちました」
今考えればわかる。
彼らだって歴戦の裏プロだった筈なのに、三歳の頃の私に負けた彼らはきっと…
「勝てたなら、良かったじゃないですか」
「全然よくないですよ。その時の点数は合計で100点差。危うく殺されそうになったんですから」
「……」
「そしてその後私の父親が殺され、私が500億程持って露頭に迷っている時に、照という少女に出会いました」
「…?」
私はその時を思い出す。
…ああ、とても可愛くて…幸せそうな表情だったな。
「妹と麻雀が出来る事が嬉しいと言っていました。そして私は彼女に連れていかれ…何故か麻雀をする事になりました」
「本当に謎ですね」
「えぇ。結果は当然私の勝ち。“アリアリ”だったら負ける筈も無いんですから、当然です」
「ありあり?じゃあ今度は喰いタン等を無しにすれば…」
そしてその後、後ろで見ていた両親にイカサマがバレ、普通に戦って勝ちました。
…まぁ、其処は言わなくても良いでしょう。
「後は諸々有って、私が麻雀で100を超える死体を生み出した頃に協定が生まれ、私は宮永の一員になったと…どうでしたか?」
「…そんな事信じられると思いますか?」
「まぁ思いませんね。だから話したんですよ…」
「…?」
「信じない人に言えば、私の血にまみれた人生も…唯の
そう言って私は手を振って立ち去ろうとし…足が痺れて倒れこむ。
…そしてそのまま連行され、痺れが取れる頃には部室へ連れこまれていた。