咲 オーラスの向こう側 作:影法師
「……待ち人来る!」
「というより連れられて来たんですけどね…それより私はどうして咲が此処にいるか聞きたいんですけど?」
「えっと…それは…」
「咲の意思で来たのなら兎も角、私の様に無理矢理連れて来たのなら…私は話も聞かずに帰りますが」
「まって陰!」
私の一言に対して叫んで止めたのは、咲だった。
「…確かに私は、無理矢理連れてこられたよ。本を無理矢理借りた生徒会長の手によって」
「ちょ?咲?此処は私を弁護してくれる所じゃ…」
「…だけど、私は……ねぇ、陰」
咲が何かを言いかけ、私の方をじっと見つめる。
「…私が麻雀するのは、可笑しいかな?」
「いえ。全然可笑しく無いですよ。寧ろ…そうですね」
私が咲に対して、とある雑誌を出す。
それは、私達の姉である照が不思議な笑みを浮かべながら写真を撮られていた。
「家で勝てなかった照が高校王者となってる方が一番可笑しいです」
「…っ!」
「咲、もし麻雀をするなら±0なんてやってられませんよ?貴女が例え+5000点で終わらせても、照は雑魚を狩って+56くらい上げてきます」
「…なら、私は…」
「えぇ。雑魚を全て薙ぎ倒す為に」
靴下を脱いで大会に挑めばいい…そう言おうとしたが。
「陰を飛ばせるまで実力を付ければ良いんだね!」
私のお姉ちゃんはどうやら狂戦士らしい。
そんな事を思いながらも、直ぐに雀卓に座った咲を見て…偶にはそれも良いかなと思った。
☆{一}☆{九}☆
「陰以外の二人にルールを説明するね?これからするのは私達の
半荘で私達の持ち点数は100000点、陰は1000点で二翻縛り。これだけ」
「…何時も思うんですが、私の縛り緩くありませんかね?暗槓嶺上自模で終わりますよね?」
「……もう突っ込まないわよ。それで?私達はどうすれば良いの?」
少しワクワクとした表情で学生議会長が咲に対してルールを聞くのを見つつ、私は隣にいるピンク髪の少女に目を向け…苦笑した。
…凄い納得がいってない様な表情してる。
「…こんなの、私達の誰かが自模したらすぐ飛んでしまうじゃないですか」
「まぁ、それはやってからのお楽しみかな?…じゃあ、やろう?」
そう言って賽子を回す起家の咲を見つつ、私は微笑みながら雀卓を撫でる。
…今日は、負けれるかなと思いながら。
ドラは…{1}…ね。
{一}{三}{三} {①}{②}{③} {①}{②}{③} {1}{1}{2} {3}
私の手牌を見て、思わずため息が出る。
…これだったら三色純チャンドラ3で終わりかな?
{一}{三}{三} {①}{②}{③} {①}{②}{③} {1}{1}{2} {3}{1}
「立直」
「っ!早…運が良いですね」
「……」
学生議会長
咲{東} ピンク髪
{横三}
{一}{三}{①} {②}{③}{①} {②}{③} {1}{1} {1}{2} {3}
両立直が出来たのは良いけど、相手から出る事は絶対無いだろう。
…というより、デジタル打ちである二人から出たら、私は迷わず彼女達と縁を切るだろう。
だからこそ自分の番で自模らなければいけない。
「…っ…お姉ちゃんだったらこの後ポンでもしてくれるのに…!」
「流石にそれを一般人にさせるのは無理じゃない?番飛ばしなんてしたことないでしょうし」
「…っ…一般人…」
「和、抑えて…流石に和まであっちに行ったら私が疲れるのよ…」
そんな話をしながらも、彼女達は安牌を捨てていく。
…こちらに字牌が来なかったのが、私の勝因でしょうかね。
「自模。両立直、一発自模、一盃口、純チャン三色ドラ3。合計で16000.8000」
「…はっ?そんな手を貴女最初から張ってたの?燕返ししたとかじゃなくて?」
「よくイカサマ知ってましたね。最近の学生はそういうの詳しいんですか?」
「…早く次に行きましょう」
私達の素っ頓狂な話題は、ピンク髪の少女によって終わらされた。
咲:84000
ピンク髪の少女:92000
学生議会長:92000
陰:33000
東二局、親は私でドラは…{西}。
…ドラ絡めを混一色するなら混一色か三暗刻かな?
そう思いながら開けた配牌だが…
{五}{五}{赤五} {①}{③}{③} {⑦}{2}{3} {5}{6}{南} {西}{4}
思ったよりも配牌が悪い。
…これだと{西}を捨てるかどうかで変わってくるんじゃないのだろうか?
{南}
{五}{五}{赤五} {①}{③}{③} {⑦}{2}{3} {4}{5}{6} {西}
取り敢えずの{南}を捨て、私は一巡を祈るような気持ちで見て…ピンク髪の少女の捨て牌を見て思わず破顔した。
四風連打をしないなんて、我が家では考えられないなぁ。
「……っ…」
「あー…これは…」
「…?」
{南}
{五}{五}{赤五} {①}{③}{③} {⑦}{2}{3} {4}{5}{6} {西}{4}
{南}{⑦}
{五}{五}{赤五} {①}{③}{③} {2}{3}{4} {4}{5}{6} {西}
…手牌が揃っているというのも考え物だね。
第二巡でこういう牌を切るというのは中々きつい。
そう思いながら自分の手番を待っていると…
「っ!ポン!」
学生議会長が咲の捨て牌をポンし、私の番を飛ばす。
…やるじゃん。
{南}{白}{②}
{■}{■}{■} {■}{■}{■} {■} {横東}{東}{東}
「…それもポン!」
{南}{白}{②}{②}
{■}{■}{■} {■}{■}{■} {■} {横①}{①}{①} {横東}{東}{東}
学生議会長が2副露した時点で、もう聴牌している事は確定だろう。
…だけど、肝心の上がり牌が分からない。
いや、もしかしたらあり得るのだろうか?だけど…分からない。
{五}{五}{赤五} {①}{③}{③} {2}{3}{4} {4}{5}{6} {西}{③}
…聴牌はした。だけど…何かが可笑しい気がする。
何が可笑しいと聞かれたら分からないが…だけど、少しだけ不思議な違和感がある。
「立直」
{南}{⑦}{横西}
{五}{五}{赤五} {①}{③} {③}{③} {2}{3}{4} {4}{5}{6}
{①}-{②}待ちだが…{①}は枯れているから実際は{②}の単騎待ちだ。
…本来ならドラの{西}待ちの方が良かったけど…何か嫌な予感がしたのだ。
そして…
{五}{五}{赤五} {①}{③} {③}{③} {2}{3}{4} {4}{5}{6} {②}
「自模。立直自模ドラ1のみ。裏は…乗ってませんでしたね。2000オールです」
「…うわぁ。その待ちなんだ…ドラの西捨てて…」
「…失礼ですが学生議会長さん。手牌見して貰って大丈夫ですか?」
「……はぁ。バレてたかぁ」
{一}{二}{三} {②}{③} {西}{西} {横①}{①}{①} {横東}{東}{東}
倒した手牌を見て、私の勘が当たっていた事が分かる。
…あの人、地獄単騎待ちが好きな人なのか。
確かに{④}でロンする事が出来るけど…ポンした{①}は大丈夫と思ってしまう筈だ。
「東、ドラ2、チャンタですか。…危なかったですね」
「昨日は普通に打ってたからバレないと思ったんだけどなぁ…本当、隙が無いわね」
咲:82000
ピンク髪の少女:90000
学生議会長:90000
陰:39000