【仮名】必ず僕達がお前を治す。   作:紅の覇者

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ようやく登場することができたぁぁぁ!!!

ちょうどキリのいいところまでですので、少し短めです!!


22話『鬼でもあり医者でもある』

 どうして、ここに炭治郎が………!?

 

 炭治郎が鬼舞辻無惨の肩を掴んでいるのを見て、真っ先に思った。まさか、こいつも浅草で任務があったとかなのだろうか。

 

 それに、今のこいつの表情………。恐らくだけど、炭治郎も気付いているな。目の前の男が鬼舞辻無惨であるということに。憎しみが篭っている表情で睨みつけているのが証拠だ。

 

 きっと、僕が感じた胸騒ぎがあの時と似ていると同じように、炭治郎も自慢の鼻で匂いに気づいてたんだと思われる。

 

 それよりも、この現状………。ハッキリ言って不味いな。炭治郎は今、鬼舞辻無惨にしか視界に入っていない。麗さんや瑠璃ちゃん、なんなら僕のことにすら気付いていない。

 

 炭治郎はそのまま、葵枝さん達の仇をとるべく、刀に手をつけようとする。しかし………

 

 「お父さん………だぁれ?」

 

 「ーーーーーーーーッッ!?」

 

 瑠璃ちゃんの声で、炭治郎はようやく周りにいる人間に気付く。それと、同時に鬼舞辻無惨が人間のふりをして暮らしていることも理解するはずだ。

 

 因みに、当然のことながら僕が鬼舞辻無惨の傍にいることも炭治郎は気づき驚きの表情を浮かべる。

 

 炭治郎はあまりの衝撃を受け、動揺してしまったのか、息を上げて言葉を出さなくなってしまった。

 

 「あら?どうしたの?……お知り合い?」

 

 「いいや、困ったことに少しも………知らない子ですね。」

 

 麗さんの言葉に、鬼舞辻無惨は困った表情を装いながら言葉を出していく。

 

 「人違いでは………ないでしょうか?」

 

 

 "スグニ、シャガメ!!"

 

 

 「ーーーえ?」

 

 突然、勘が僕に危険信号を出しながらしゃがめと叫びだす。なので、反射的に僕は膝を曲げて、すぐにしゃがむとーーー

 

 

 ーーースカッ

 

 

 「は?」

 

 「…………………チッ」

 

 しゃがんだ瞬間、僕の頭が先程まであった場所に何かが凄い速さで通り過ぎ、勢いよく風が起こる。よく見ると、鬼舞辻無惨の腕だった。

 

 攻撃が外れた鬼舞辻無惨は小さく舌打ちをした後、その隣を歩いていた2人の男女の内の男性の方の首に目掛けて引っ掻いた。勿論、これも目に止まらぬ速さでだ。

 

 

 「「ーーーーーーーーッッ!?」」

 

 

 炭治郎も鬼舞辻無惨が行った行動が視界に映ったのか、僕と同じように驚いているのかが分かる。

 

 「うっ……」

 

 「あなた、どうかしましたか?」

 

 鬼舞辻無惨に引っ掻かれた男性は痛そうに唸りながら女性の方に倒れ込む。女性は男性を支えながら心配そうに声をかけるがーーー

 

 「ウガァァァァァァ!!」

 

 「やめっ!!」

 

 

 ーーーガブリ

 

 

 「キャアアアアアア!!?」

 

 顔中に血管を浮かべ、豹変した顔つきで男性は雄叫びを上げながら女性に襲いかかり、肩に目掛けて噛み付く。

 

 あの表情は…………禰豆子ちゃんが僕達に襲いかかった時と同じ表情!?まさか……….今、この瞬間に、鬼舞辻無惨はこの人を鬼にしたのか!!

 

 てことは、僕はあとコンマ秒しゃがむのが遅かったら、禰豆子ちゃんやあの男性みたいに鬼と化していたのかもしれなかったということ。そう思うと、心臓が激しく動いているのを感じる

 

 男性に噛み付かれた女性の肩からは血が溢れ、それを見た周りの人達はザワザワと騒ぎ始める。これはまずいぞ!!

 

 「炭治郎!!」

 

 「あ、あぁ!!」

 

 俺は炭治郎に声をかけたあと、この場から離れて女性の方に足を運ぶ。遅れて、炭治郎も僕の後に続く。

 

 

 「「おりゃあ!!」」

 

 

 僕と炭治郎は同時に、女性を襲う男性に勢いよくタックルを食らわして、ひとまず女性から離れさせる。その後、僕は怪我を負った女性の元に駆け付け、炭治郎は被っていた頭巾を外してそれを男性の口の中に突っ込む

 

 「あなた!!」

 

 「奥さん……、今は自分のことを優先にしてください。今、応急処置をします。」

 

 僕は瑠璃ちゃんに行ったのと同じように、傷口を消毒して布を巻いていこうとしたが、出血が酷いことに上手いようにはいかなかった。

 

 炭治郎は未だに暴れ出す鬼と化した男性を押さえ込み、僕は止血剤を女性に投入する。

 

 「麗さん危険だ。向こうへ行こう」

 

 瑠璃ちゃんは涙を浮かべ、鬼舞辻無惨に抱きつき、表情を明らかに青くした零さんに鬼舞辻無惨は言葉をかけてこの場から離れようとする。

 

 「クソっ………!!」

 

 今すぐにあいつのことを逃げられないように追いかけたいが、まだ女性の血は止まる気配はないい。この場から離れる訳にはいかないし、ただ鬼舞辻無惨が姿を消すのを眺めるだけだった。

 

 

 「鬼舞辻無惨!!俺はお前を逃がさない!!どこへ行こうとも!!」

 

 

 僕と同じように男性を押さえ込んで、離れられない炭治郎はせめてと言わんばかりに鬼舞辻無惨に向かって大声で叫ぶ。

 

 

 「地獄の果まで追いかけて必ずお前の頸に刃を振るう!!絶対にお前を許さない!!」

 

 

 「炭治郎…………」

 

 家族を殺され、妹を鬼にされた元凶が目の前にいるのに、それを逃げられるのを眺めることしか出来ない炭治郎にとって今はとても辛く悔しいことだろう。

 

 炭治郎の叫び声に鬼舞辻無惨は少しだけだが、こちらの方に顔を向ける。

 

 「ん?」

 

 鬼舞辻無惨は炭治郎の何かを見て、何か反応を示した。何を見てるんだ?………耳飾り?鬼舞辻無惨は炭治郎が普段から付けている父親の形見である耳飾りを見て動揺していた。

 

 

 どうして耳飾りなんかを………??

 

 

 「貴様ら何をしている!!」

 

 「酔っ払いか?離れろ!!」

 

 「下がれ下がれ!!どけ!!」

 

 人混みの中から、何人かの警察官が声を上げながら現れる。街中でこんだけ騒げば当然か。

 

 それよりも、まずい………。鬼という存在が警察にバレてしまうかもしれない。

 

 「ダメだ!拘束具を持ってきてください!頼みます!」

 

 男性を押さえ込んでいる炭治郎は警察官に拘束具を持ってくるようにお願いするが、警察官共は聞く耳持たずで、炭治郎を男性から剥がそうとする。ここで、炭治郎を剥がしてしまえば、きっと男性は周りにいる人たちを襲いかかってしまう。

 

 「やめてください!!俺達以外はこの人を押さえられない!!」

 

 それを分かってか、炭治郎は警察官の手を必死になって拒む。確かに、炭治郎の言う通り、この場でこの人を押さえることは僕達だけだ。警察官が束になったところで無意味だろう。被害が広がるだけだ。

 

 「あっ、なんだこいつの顔、これは!?」

 

 「正気を失っているのか!?」

 

 警察官共は、暴れる男性の顔を見て怪訝な表情を浮かばせながら言葉を出していく。

 

 「少年を引き剥がせ!!」

 

 「わかった!!」

 

 そう言って、更に炭治郎を引き剥がそうとする警察官たちが1人、1人と増えていく。いくら、鍛えている炭治郎でも引き剥がそうとする男共が増えれば抵抗するのも厳しくなっていく。

 

 

 「やめてくれ!!この人に誰も殺させたくはないんだ!!邪魔しないでくれ!!お願いだから!!」

 

 

 引き剥がそうとする力が強まっても、炭治郎は必死に抵抗しながらお願いの声をあげる。しかし、それでも警察官共はやめようとはしない。

 

 こうなったら…………

 

 「奥さん、少しだけここで待っててください。」

 

 僕は女性に声をかけたあと、炭治郎達の方へと駆け付ける。

 

 その際、懐から注射器を手に取る。容器の中には、毒が入っている。とは言っても、数時間ほど全身に痺れが起きて身動きが取れなくなる程度のものではあるが。勿論、命に支障はない。

 

 これを、警察官共にぶち込んで炭治郎と男性を、ここから離れさせる。もし、これをした場合、社会的に僕は罪人扱いとなってしまうが、そんなことを気にしている場合ではない。

 

 この状況をなんとかできるならば、上等だ。

 

 

 「この人から離れやがれぇぇぇぇ!!!」

 

 

 炭治郎達を引き剥がそうと必死で、僕の存在に気づいていない警察官達に注射器の針をぶっ刺そうとした瞬間ーーー

 

 

 「惑血 "視覚夢幻の香"」

 

 

 ーーーブワッ!!!

 

 

 「「ーーーーーーーーッッ!?」」

 

 

 唐突に傍から女性らしき声が聞こえたあと、僕達の周りに美しい何十種類にも及ぶ花紋様が現れ、覆い尽くす。

 

 「なんだ、この紋様は!?」

 

 「周りが見えない!!」

 

 突然に現れた花模様は次々と野次馬共含め、警察官すはも払い除ける。気がつけば、この場にいるのは僕と炭治郎と鬼と化した男性だけになっていた。

 

 なんだ、これは。まさか、攻撃か!?

 

 警戒した僕はすぐさま、いつでも刀を抜けるようにさやに手をかける。炭治郎も同じく警戒するが、男性を押さえつけているので特に何も出来ない。

 

 「あなたは………、あなた達は鬼となった者にも『人』という言葉を使ってくださるのですね。そして、助けようとする。」

 

 すると、僕達を覆う花模様から2人の男女が現れた。女性は、誰もが1度見たら記憶に忘れることはないだろうと思わせるほど美しく、魅力的な容姿をしている。葵枝さんみたいな感じだ。

 

 そして、男性の方は、見た目的には僕達と年齢がそう変わる無い風に見えるが、こちらも女性からすればかっこいいと思わせるような容姿をしている。しかし、何故だろうか。めちゃくちゃ敵対剥き出しの視線を僕達に送り付けるかのように睨み付けてくる。

 

 この2人のどちらかが、もしくは両人がこの花紋様を出したと思われる。

 

 「ならば、私もあなたを手助けしましょう。」

 

 女性は静かに言葉を出す。よく見てみると、彼女の手には引っ掻き傷のようなものがあり、そこから血が出ている

 

 すぐに手当しなくては!!、と思い駆けつけようとするが

 

 「問題ありませんよ。」

 

 僕の行動の意図を察したのか、女性は僕に止まるよう声をかけながら出血している方の腕を上げる。そして、その後に起こった光景を見て、思わず僕は足を止めてしまった。

 

 なぜなら、少しずつ、彼女の傷が塞がってきているからだ。本来ならば、あの傷ならば完治するのに数週間はかかるはずだ。

 

 つまり、この人は……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そう。私は鬼ですが医者でもありあの男………鬼舞辻を抹殺したいと思っている。」




次回もお楽しみに。(⋆ᵕᴗᵕ⋆).+*ペコ

キメツ学園編読みたいか、どうか。

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