暇つぶしになれば幸いですm(_ _)m
いつか、どこかで、
終局特異点‐『冠位時間神殿ソロモン』。魔神王ゲーティアが行おうとした三千年をかけた大偉業は、一人の少女の手によって否定された。全ての戦いが終了し、崩壊する神殿の中、カルデアの観測もなく、可愛い後輩もいない。
そんな誰も見ていない場所で、もはや消えるだけの残滓となった魔神王ゲーティアは、誰でもない
「―――私の夢は潰えた。―――この神殿に座し、行った膨大な時間は、無為となった」
彼は立香に敗北した。
「ここで何をしようと敗北は覆らない。おまえを殺したところで結果はなにもかわらない。……これは、何の意味もない戦いだ。以前の私では、考えようのない選択だ」
だが―――立香は、誰でもない彼を理解した。
「わたしがあなたでも、同じことをするよ」
「――――そうだとも。私にも意地がある。
誰でもない彼は限りある命を得て、ようやく
「だからこそ―――この探求の終わりを始めよう。人類焼却を巡るグランドオーダー。人類最後、
誰でもない彼は、そうして立香と戦い、立香の元に最後まで残っていた6騎のサーヴァントの手によって、打倒された。
そして、
「(なんだ…これは…)」
人類焼却式は否定され世界は救われた。けれど、彼の見た未来において世界は“漂白”され滅んでいた。その未来を見た時の彼の絶望は、言葉に出来ない。そして、彼は理解する。これが嘗ての彼の主‐ソロモンが抱いた絶望だった。
「(そうか…これが、これを、私にも乗り越えろというのか…)」
それが
彼は最後の力を振り絞る。いや、もう力なんて欠片も残っていなかったが、それでも誰かに背中を押されているような感覚がして、振り絞ることができた。
その力を彼は立香と共に最後まで戦った6騎のサーヴァントに託した。
今より滅ぶ彼に世界は救えない。けれど、今、背を向けて駆けていく少女が再び世界を救う為に立ち上がることを彼は未来など見なくても確信した。
「故に…託そう。…お前たちに、神ではない、人間たちに…」
誰も彼の言葉には答えなかった。彼もまた返事など求めなかった。
人類に絶望した彼は最後の最後に人を信じた。信じることができた。
「………ああ、悪くない気分だ」
悔しがりながらも、そんな強がりを言って消えた。
エピローグ的な、どうして立香ちゃんはサーヴァントを召喚できるの?に答える話です。
この物語自体が彼のちり際の話を見た上で、考えてたものですので、短いですが投稿させて頂きました。
また続きを読みたいと言ってくれる方がいてくださいましたので、本編も書いていこうと思います。
ただ私は定期更新が苦手な奴ですので、一気に書いて一気に投稿になると思います。
気長に待って貰えると幸いですm(_ _)m