唯一無二の魔剣使いで世界最強   作:モノノ怪

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あけましておめでとうございます。
これからも頑張って行きたい作者です。

今日は、ハジメ視点を短めですが用意しました。
いやぁー大変だった。

では本編をどうぞ。


sideハジメ 決意

 ガラガラと大きな音と共に崩れる橋。投げ飛ばされたと思ったら、僕の代わりに崩落に巻き込まれ落ちていってしまった友人の姿。

 

「優樹っ! はあっはあっ……夢……」

 

 飛び起きて、夢だと気づく。あの六十五階層で起きた悲劇から既に五日が過ぎていた。

 

 あの後、宿場町ホルアドで一泊し、早朝には馬車に乗って王国へと戻った。とても訓練を続ける事ができる状態ではなかったし、例えステータスの分からない無能であったとはいえ勇者の同胞が死んだ以上、国王にも教会にも報告は必要なのだろう。

 

「訓練、行かなきゃ……」

 

 ベッドから起き上がり準備をする。悪夢の影響なのか体がだるい。もしかしたら友人が恨んでいるのかとも思ったが、そんなことをするような人物では無いと自嘲する。

 

 帰還を果たし優樹の死亡が伝えられた時、王国側の人間は誰も彼もが愕然ちしたものの、それが"無能"の片割れの優樹だと知ると安堵の吐息を漏らしたのだ。

 

 それは国王やイシュタルでさえ同じだった。強力な力を持った勇者一行が迷宮で死ぬなどあってはいけないこと。迷宮から生還できない物が魔人族に勝てるのかと不安が広まっては困るということらしい。

 

 だが、国王やイシュタルはまだ分別のある方だっただろう。中には悪し様に優樹を罵る者までいたのだ。

 

 もちろん、公の場で発言したのではなく、物陰でさも貴族同士の世間話という感じではあるが。やれ死んだのが無能で良かっただの、神の使徒でありながら死んで当然だの、それはもう好き放題に貶していた。あまりにも酷い行為に何度錬成で地面に埋めてやろうかと考えた。

 

 実際メルド団長がもし優樹とハジメがいなかったらこの場にいる全員が死んでしまっていただろうと言わなければ飛びかかっていた。

 

 その言葉を聞いた途端に今まで貶していた貴族が掌を返して惜しい人物を無くしたとか言い出して、腹が立ったが。

 

 メルド団長の発言によって自分も無能レッテルが剥がされ、クラスメイトからもちょっかいをかけられなくなったのは訓練がやりやすくなったので助かったのだが。

 

 クラスメイト達は図ったかのようにあの時の誤爆の話をしない。自分の魔法は把握していたはずだが、あの時は無数の魔法が吹き荒れており、"万が一自分の魔法だったら"と思うと、どうしても話題に出せないのだ。それは、自分が人殺しであることを示してしまうから。

 

 結果、現実逃避をするように、あれは優樹が自分で何かしてドジったせいだと思うようにしているようだ。死人に口なし。無闇に犯人探しするより、優樹の自業自得にしておけば誰もが悩まなくて済む。クラスメイト達の意見は意志の通達を図ることもなく一致していた。

 

「ふう……少し休憩するかな」

 

 錬成の後を均して休憩する。あの日の晩、決めたのだ。迷宮攻略に参加し、優樹を探すと。まだ優樹は生きている。なんとなくの勘だが、そんな気がする。だから会って謝りたい。

 

「……八重樫さんは、大丈夫かな」

 

 あの崩落が起きた日、彼女は奈落の下に行こうとしてメルド団長に押さえつけられそこからずっと起きていない。

 

 彼女にも謝らなければいけない。もっとも優樹を好いていたのは彼女なのだから。八重樫自身は上手く隠しているようで気づいたのは自分以外いない。

 

 その好きな人をハジメが奈落に落としたようなものなのだ。どんな罵詈雑言も受け止めるつもりだ。

 

「ふぅ、休憩終わり!」

 

 思考を断ち切り訓練を再開する。優樹が落ちてから、彼が言ったように少しずつではあるもののステータスが伸びるようになっていた。今のステータスがあれば優樹は奈落に落ちなかったかもしれないがもう過ぎてしまったのだ。今はステータスを伸ばしていつかのために備えるのみ。

 しばらく訓練をしていると城が少し騒がしい事に気づく。なんだろうと思っていると、

 

「あれは……天之河くんと坂上くん?」

 

 いつもの勇者一行の二人が少し急いだように何処かに行くのを見つける。もしかしたら八重樫が起きたのかもしれないとその場を片付け追っていく。

 

 あの二人も優樹が奈落に落ちた後何か感じるものがあったのか、訓練に身が入ったものになった。

 二人とも訓練着のまま急いでいたようで、あちこち汚れている。

 

 そんな二人だが、部屋の入口で硬直していた。何があったのだろうと後ろから部屋を覗き自分も硬直する。

 

「……なんでやねん」

 

 現在彼女達は、今にもキスができそうな程近づいていた。

 つまり、激しく百合百合しい光景が出来上がっているのだ。なんとなく周りに百合が咲き誇っている気がする。

 

「あんた達、どうし……」

「す、すまん!」

「じゃ、邪魔したな!」

 

 天之河と坂上の二人が食い気味に話し逃げ去る。あまりのスピードでついて行く暇がなかった。

 

 ぎぎぎと、振り返り一言。

 

「えっと、僕そういうのは否定しないよ!」

 

 硬直している二人に叫ぶように言い、逃げ去る。その後ろから今まで聞いたことがないくらいの大きな声で声が聞こえた。

 

「さっさと戻ってきなさい! この大バカ共!」

 

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