唯一無二の魔剣使いで世界最強   作:モノノ怪

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■で隠したけど、タイトルでネタバレしてるじゃんか、というツッコミは無しでお願いします(笑)

次回には魔剣を出せるかな?

それでは本編をどうぞ


■■使いの芽吹き

 全員が参加を表明した以上、戦いの方法を学ばなければならない。どんなに現地人より強力でも力の使い方を知らないただの学生がいきなり魔物や魔人族とは戦えない。

 

 それを予想していたらしいイシュタル曰く、この【神山】の麓にある【ハイリヒ王国】にて受け入れるためんの体制は既に、整っているらしい。

 

 王国と聖教教会は密接な関係であり、創造神エヒトの眷属であるシャルム・バーンなる人物が建国した最も伝統のある国ということだ。国のすぐ後ろに教会があるのだから教会との繋がりの強さが分かる。

 

 そうして俺たちは案内され、教会の正門にやってきた。これから下山してハイリヒ王国に行くためだ。

 

 教会は神山の頂上にあるらしく、見た事も無いような荘厳な門を潜ると、目の前に雲海が広がっていた。あまりにも美しく雄大な青空に思わず感嘆の声をあげる。

 

 あたりをキョロキョロとしながらイシュタルに促されるままに進むと、俺達が召喚された時に見たような台座が柵に囲まれてそこにあった。

 そして全員が案内されるまま台座に乗ると、イシュタルが何かを唱え出す。

 

「彼の者へと至る道、信仰と共に開かれん__"天道"」

 

 イシュタルが唱え終わると同時に足元が輝きだす。台座が動き出し、地上へと向けて下っていく。

 

 先程の"詠唱"で台座に刻まれていた魔法陣を起動したらしい。思わず「すげ〜…」と言葉が漏れ出る。他の生徒たちもアトラクションに乗ったように楽しげに騒いでいる。

 

 しばらくして、地上が見えてくる。巨大な国が目に飛び込んでくる。あそこがハイリヒ王国だろう。

 

 王宮に付くと、真っ直ぐに王座の間に案内された。

 教会に負けない程豪華な廊下を歩く。途中にすれ違った騎士や文官らしき人物、メイド等からは期待を込められた視線を向けられた。王国の人物も、事情を把握しているらしい。これでは、どう足掻いても最初から断る選択肢がなかったのでだろうと思う。

 

 巨大な両開きの扉の前に来ると、扉の前にいた2人の兵士が勇者一行が到着したことを告げて、中からの返事が来ないうちに扉を開いた。

 

 扉を潜った先には、レッドカーペットと、その奥の中央に玉座があった。玉座の前には、覇気と威厳のある初老の男性が佇んでいた。その隣には王妃と思われる女性と金髪碧眼の美少年、美少女が立っている。これを絵にするだけでも価値のある絵になるだろう。

 レッドカーペットのサイドには騎士と文官がざっと綺麗に整列している。

 

 俺達は玉座の手前に付くとそこで止められ、イシュタルはそのまま国王の隣へと進んだ。

 イシュタルがおもむろに手を差し出すと国王は、その手を恭しく取り、軽く触れない程度のキスをする。いきなりの冒涜的な光景に目を背ける。男同士のそんな場面などみたくない。

 だが、これで教皇の立場がはっきりした。やはり神が実際にいる関係上、教皇の方が立場は上になるだろう。

 

 国王の名は、エリヒド・S・B・ハイドリヒといい。王妃をルルリリアと呼ぶらしい。美少年の名はランデル王子、王女はリリアーナという。

 

 その他の高い地位にいる者の紹介もされたのだがその途中、ランデル王子はがチラチラと香織を見ていたのが印象的だった。

 

 その後は、晩餐会が開かれた。勇者一行はやはり花があるらしく、様々な人物に話しかけられていた。出てきた料理を見て黄泉竈食(ヨモツへグイ)なんかも警戒していたのだが、すぐに帰れる見込みがない上にファンタジーだからそんなホラーもないだろうと食事をした。非常に美味であったと言っておこう。

 

 晩餐会が終わったあとそれぞれ1人ずつに部屋が与えられた。その内装は煌びやかで、貴族にでもなった気分だ。ハジメの部屋に行こうと思ったのだが、ベッドに横になった途端に意識がなくなった。どうにも予想以上に疲れが溜まっていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 案内された翌日からすぐに訓練所に案内された。

 まず、全員に銀色のプレートが配られた。それを眺めていると昨日紹介された騎士団長メルド・ロギンスが説明を始めた。

 

 騎士団長が訓練をずっと見ているのはいいのかと思ったのだが、仮にも救世主を半端な者に預ける訳には行かないらしい。

 

 団長本人も、「面倒なことを副団長に押し付けることができて良かった」と豪快に笑っていた。仕事を押し付けられた副団長に黙祷を捧げる。

 

「よし、全員に配り終わったな? これは、ステータスプレートと呼ばれている。自分の客観的なステータスを数値で表してくれる便利なものだ。身分証明にもなるから、失くすなよ? プレートの1面に魔法陣があるだろう。そこに自分の血を1滴垂らせば所持者が登録される。ああ、原理とかは聞かれても分からんからな? 神代のアーティファクトの類だ」

「アーティファクト?」

 

 アーティファクトが聞き慣れないのか光輝が質問する。

 

「ああ、アーティファクトってのはな、今じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具の事だ。まだ神が地上にいた頃に創られたとされている。そのステータスプレートは、この世界に昔から唯一普及している物だ。普通は、アーティファクトが見つかれば国宝にされるんだが、身分証のためにそれだけが特別だ」

 

 確かに、偽装できない身分証明書は全面的な戦争をしているこの世界では、重要な物だろう。納得しながら騎士から渡された針を指に少し刺し、血を魔法陣に垂らす。すると、一瞬だけ魔法陣が光り、ステータスが表示される。

 

 如月優樹 17歳 男 レベル:1

 天職:■■使い

 筋力:■■

 体力:■■

 耐性:■■

 敏瞬:■■

 魔力:■■

 魔耐:■■

 技能:言語理解・剣術・物理耐性・縮地・■■適性・■■契約・■■魔法

 

 なんだこれ。

 

 天職もステータスも1部を除いた技能も黒く塗りつぶされて見えない。いくらなんでもこれはありえないだろう。

 

 混乱している中メルド団長から説明がなされた。聞き逃す訳にはいかないと、耳をそばだてる。

 

「全員見れたか? 説明するぞ。まず、最初にレベルがあるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限が100でそれがその人間の限界になる。つまりレベルは、人間が到達できる領域の限界値を示していると思ってくれていい。レベル100とは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだ」

 

 どうやらレベルが上がることによってステータスが上がるのでは無く、ステータスが上がることによってレベルが上がるということだ。

 

「ステータスは日々の訓練や魔法具などでもあげることができる。それと、後でお前達専用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ国の勇者だからな、国の宝物庫大開放だぞ!」

 

 どうやら魔物を倒すことによってステータスが上がる訳ではないらしい。もっともこんな変なステータスが上がるかどうかも分からないが。

 

 その次に天職についての説明がなされた。話しを聞く限り技能と連動しているらしく、天職の範囲の中では無類の才能を発揮するらしい。技能欄にある剣術を見る限り、剣を使う天職だろう。なぜ天職が剣士などではないのか一切分からない。

 

 その後、メルド団長の呼びかけでステータスを報告することになった。早速光輝がステータスを見せに行く。

 

「ほお〜、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か……技能も普通は二つか三つなんだがな……規格外な奴め! 頼もしい限りだ!」

 

 メルド団長が言う通りチートの権化だった。ステータスはレベル1にして平均100で技能の数も言語理解を除いて、12個だ。

 団長のレベルは62で、ステータスは平均300。この世界ではトップクラスなのだが光輝は既にその3分の1、訓練を始めればすぐにでも抜くだろう。

 

 遂に報告の順番が回ってきた。

 

「むう〜? なんだこれは? こんなのは見た事がない」

「そう…ですか」

 

 メルド団長にも分からないらしい。つまり前例がないということだ。

 

「技能を見れば剣を使う天職だろう。ステータスが見れるようになるまで剣を使えばいいだろう」

 

 そう言って渡されたプレートを見ながら離れる。ずっと見ていると何か、記憶に引っかかる物がある。それは今世の記憶では無い、前世の方だ。十数年過ぎたことによって記憶もだいぶ薄れているが、何とか思い出そうとしていると

 

「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職だ。鍛冶するときに便利だとか……」

 

 歯切れ悪くそうハジメに言う団長。どうやらハジメも何か問題があったらしい。

 

 それに教室でもハジメに絡んでいた檜山大介が食いつく。

 

「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か? 鍛冶職でどうやって戦うって言うんだよぉ? メルドさん、その錬成師って珍しいんですか?」

「……いや、鍛冶職の10人に1人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」

「おいおい、南雲〜。お前、そんなんで戦えるわけ?」

 

 檜山が実にねちっこくハジメと肩を組む。

 

「さぁ、やってみないと分からないかな」

 

 そう言ってハジメは、抜け出そうとするが

 

「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ〜?」

 

 メルド団長の表情から分かっているだろうに、わざわざハジメに聞く檜山。これ以上は見過ごせない。ズカズカと間に割って入って檜山に自分のプレートを見せる。

 

「うわっ、いきなり何すんだ! ……これ如月のステータスか? ……ギャハハッなんだよこれ! 全然分かんねーじゃねぇかよ〜」

 

 俺のプレートを見て最初は困惑していた檜山だが、膝をバンバンと叩きながら馬鹿にしてくる。ハジメより絡まれることは少ないが、雫と幼馴染な関係上やっかみは多い。今回はそれを利用して、ハジメから視線を逸らさせる。

 

「優樹……ありがとう」

「おう、友達だからな」

 

 ハジメからの感謝を受け取る。そのまま次の話題まで待とうと思ったのだが、ここで畑山先生が怒りの声を発する。

 

「こらー! 何を笑っているんですか! 仲間を笑うなんて先生許しませんよ! 早くプレートを如月君に渡しなさい!」

 

 先生のその姿に毒気を抜かれたのかプレートを返してくる檜山。

 

 畑山先生は、俺達2人に向き合うと励ますように肩を叩いてくる。

 

「南雲君、如月君気にすることはありませんよ! 先生だって非戦系? ですから。ステータスだってほとんど平均です。南雲君達2人だけではありませんからね!」

 

 そう言って差し出されたステータス見る。

 

 畑山愛子 25歳 女 レベル:1

 天職:作農師

 筋力:5

 体力:10

 耐性:10

 敏瞬:5

 魔力:100

 魔耐:10

 技能:土壌管理・土壌回復・範囲耕作・成長促進・品種改良・植物系鑑定・肥料生成・混在育成・自動収穫・発酵操作・範囲温度調整・農場結界・豊穣天雨・言語理解

 

 自分の目が死ぬのを自覚する。見てみればハジメも同じようになっている。

 

 ステータスは低いし、ハジメと同じ非戦系天職なのは分かるが、魔力は光輝と同じだし技能の数など光輝よりも多い。食料問題は戦争についてまわるものだが、先生がいれば一気に解決する。つまり先生も十分チートだ。

 

「あらあら、先生ったら止め刺しちゃったわね」

「な、南雲くん! 大丈夫!?」

 

 反応がなくなった俺達に対して雫は苦笑いし、香織がハジメに駆け寄る。先生は「あ、あれ〜?」と首を傾げている。ハジメに対する嘲笑は止まったが、上げて落とされたせいで余計に疲れてしまった。

 

 そうしてひと段落着いた俺達全員は、宝物庫に案内されるのであった。

 




おかしい、なんかハジメがヒロインみたいになってしまった。

次回は、オリジナル回にするために、遅くなるかも知れません。
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