戦艦グレードアトラスターの砲撃により轟沈した巡視船「しきしま」は、【幽霊船】として復活した!

日本向けて迫るグラ・バルカス帝国の大艦隊に対し、乗員の怨念と異世界連合艦隊の無念を晴らすべく、幽霊巡視船「しきしま」はグ帝艦隊の前に姿を現す──!

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しきしまをメインにした二次創作が無くて可哀想じゃー、と思って単発投稿。

……しきしまって、何だっけ?


「しきしま」の逆襲。

 その日、戦艦グレードアトラスターによりフォーク海峡に沈んだ巡視船「しきしま」は、港町カルトアルパスの沖合いに(よみがえ)った。

 

 それも、幽霊船として。

 

 幽霊船となった「しきしま」は海底からゆっくりと浮上、その姿をフォーク海峡、カルトアルパス港の人々の前に現した。

 

 「しきしま」は、共に海底に沈んだ瀬戸艦長などの乗員たちの怨念、共に戦いながらもグラ・バルカス帝国に一矢も報いられなかった異世界連合艦隊とミリシアル帝国軍の無念を背負い、再び海面に姿を現したのだ。

 

 共に沈んだ異世界連合艦隊総数60隻の軍艦、それに乗っていた乗組員数万名の魂と融合した「しきしま」の目的はただ一つ。

 

 自らを沈めたグラ・バルカス帝国、そして戦艦グレードアトラスターに復讐すること。

 

 異変に気付いたカルトアルパスの住民が海上の「しきしま」を指差し呆然とするなか、「しきしま」はカルトアルパス港、そしてフォーク海峡から去っていった。

 

 

 

 

 

 数日後……

 

 

 グラ・バルカス帝国軍対日攻略連合艦隊は日本を目指し、海を埋め尽くさんばかりの大艦隊で海上を突き進んでいた。

 

 作戦参加戦力は第二次大戦レベルとはいえ、戦艦・巡洋戦艦32、空母98、巡洋艦106、駆逐艦828、その他艦艇多数の総数1000隻以上からなる大艦隊である。

 

 これに加えて航空戦力もまた第二次大戦レベルだが、戦闘機や爆撃機、攻撃機をはじめとする艦上機3200機、やはり大軍勢だ。

 

 

「巡洋艦『キタルファ』、轟沈!」

 

「4番艦が爆発炎上! 応答ありません!!」

 

「攻撃機隊との通信途絶!」

 

「空母『マルカブ』『シェアト』が沈みます!」

 

 

 だがその大艦隊はいま、神聖ミリシアル帝国の南海上で死闘を繰り広げていた。空母から全ての戦闘機・爆撃機・攻撃機が発艦し、戦艦たちが主砲から火炎を吐き出して、駆逐艦と巡洋艦が魚雷を乱れ撃ちする。彼らは一隻の白い船と戦っていた。

 

 

「第4航空戦隊の全空母が爆沈!」

 

「何なんだよ、あの白い船は!?」

 

「クソッ、誰かアレを止められないのか!」

 

「飛行機がハエのように墜とされてるぞ!」

 

「ああっ、船が沈む! 誰か助け、ガガッ──」

 

「幽霊船だ! 白い悪魔だ!!」

 

 

 グラ・バルカス帝国の大艦隊はカルトアルパスから出港した、幽霊船の「しきしま」と遭遇し、文字通りの激戦を繰り広げていた。

 

 怨念の塊と化した「しきしま」は、幽霊船になる前と比べて、明らかに強かった。

 

 艦隊の軍艦は「しきしま」の前にどんどん撃沈され、近づいた飛行機はバタバタと撃ち落とされていく。

 

 幽霊船「しきしま」はFCS制御の35ミリ・20ミリ機関砲の他にも、異世界連合艦隊の怨念から様々な攻撃手段を受け継いでいた。

 

 アガルタ法国魔法船団の怨念から受け継いだ【艦隊級極大閃光魔法】を、「しきしま」は尽きる事のない人々の怨念を魔力に変換し、それを乱れ撃ちが如く撃ちまくる。

 

 「しきしま」が魔法陣を形成し、巨大なビームが剣のように空を切ると、飛来した戦闘機、爆撃機が落とした爆弾、海中を走る魚雷、戦艦から放たれた砲弾すらバタバタと撃ち落とした。

 

 それどころか、怨念の塊である「しきしま」は実体がなく──ようするに()()()()()()()()()されるため、「しきしま」に命中した砲弾や爆弾は何もなかったように「しきしま」を貫通していく。

 

 さらに「しきしま」は【艦隊級極大閃光魔法】にありったけの魔力を注ぎ込み、戦艦の分厚い装甲すらブチ抜くビームを艦隊に何発も何発も乱れ撃ちした。

 

 

「戦艦『コルネフォロス』が爆発!」

 

「艦隊戦力の40パーセントを喪失!!」

 

「第三次攻撃隊850機は全滅しました!」

 

「畜生、畜生、畜生!!」

 

「嘆く暇があるなら撃て!!」

 

 

 次々に沈むグラ・バルカスの軍艦、炎を噴きながらバタバタと墜ちていくアンタレスやシウス、リゲルなどの飛行機、そしていくら攻撃しても平然としている、幽霊船「しきしま」。

 

 だが唯一、艦隊旗艦の戦艦『グレードアトラスター』とは互角な死闘を繰り広げていた。

 

 いくらビームを受けようが、ミリシアルの怨念から生まれた20.3センチ魔砲弾を何発も喰らおうが、相変わらず豆鉄砲な35ミリ・20ミリ機銃弾を受けようが、グレードアトラスターは「しきしま」への反撃の手を緩めない。

 

 しかし「しきしま」は自らを沈めた張本人たるグレードアトラスターに、このままでは埒が明かないと考え、新たな行動にうって出る。

 

 

「おいおいおい、ウソだろ!?」

 

「白い悪魔が飛ぶぞ!!」

 

「バケモノめ!!」

 

 

 なんと幽霊船「しきしま」は、()()()()()()()()()

 

 どこからか、バルチスタ沖大海戦で空に散った空中戦艦【パル・キマイラ】の初号機とその艦長ワールマンの怨念を引き寄せたらしく、「しきしま」はパル・キマイラの能力すら手に入れたのだ。

 

 浮かび上がった幽霊船「しきしま」は、物理攻撃無効化により対空砲火をいっさい受けることなく戦艦グレードアトラスターの上空に飛来。

 

 そして、パル・キマイラ初号機の怨念から受け継いだ最終兵器、【超大型魔導爆弾ジビル】を10発もグレードアトラスターに投下した。

 

 グレードアトラスターは閃光の直後、立ち上るキノコ雲に飲み込まれた。雲が晴れたとき、その海にグレードアトラスターの姿はなかった。

 

 グレードアトラスターを葬った「しきしま」は【艦隊級極大閃光魔法】と【ジビル】を駆使し、グラ・バルカス帝国軍対日攻略連合艦隊の全艦艇1000隻と全航空機3200機を駆逐した。

 

 生存者はいなかった。

 

 辛うじて、偵察衛星から事のすべてを見守っていた日本だけが、現場の目撃者となった。

 

 

 

 

 

 

 その後の幽霊船「しきしま」は、空に浮かんだまま、一路西を目指して飛んでいった。

 

 「しきしま」の怨念と無念は、まだ晴れていない。

 

 空飛ぶ幽霊船は西へと舵をとり──

 

 

 

 ──怨念の源、グラ・バルカス帝国本土を目指し、一直進に飛んでいった。

 

 

 

 諸悪の根源、グラ・バルカス帝国を火の海にし、すべての怨念と無念を晴らすべく。

 

 彼らの復讐が完全に果たされる日は、そう遠くない。




グ帝艦隊は規模を水増ししました。どうせなら揚陸艦と海兵隊も連れさせてきて、「しきしま」の餌食にすべきだったかなぁ

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