夜天宿した太陽の娘   作:吉良/飛鳥

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所詮は雑魚でしかない――一撃で葬ってやるByアインス      やり過ぎないでよ?Byエステル     でも、やり過ぎは決定事項かなByヨシュア


軌跡19『めっちゃ頑張ってる新米遊撃士』

Side:アインス

 

 

パーゼル農園での依頼を完遂してロレントに戻って来たのだが、アイナから新たなにカシウスの仕事を貰う前に、先ずは掲示板に張られた依頼から消化しなくてはな。

それらを熟したこそ、一流の遊撃士になれると言うモノだからね。

取り敢えず、薬の材料採取と、兵士の訓練は終わったので、今は街道灯の交換だが何と言うか、此れまでは温い依頼だったな?特に兵士の訓練はイージー・モード以外の何者でもないんじゃないのか?

エステルとヨシュアのコンビが見事なコンビネーションだったとは言え、準遊撃士に成りたての二人に負けるとか、大丈夫か関所の兵士は?関所を護ってるのがあの程度では不安しかないんだが……

 

 

 

《まぁ、アレじゃない?今回は新米準遊撃士が相手って事で油断したんじゃないの?……まぁ、訓練とは言え油断するのは如何かと思うけど。》

 

《うん、その考えはとっても正しいよエステル。

 それより、この状況は如何したモノだろうな?……ヨシュアは街道灯の交換をしているから。現れた魔獣は私達で撃滅するしかないんだが……》

 

《なら、此処はアインスのアーツとアタシの棒術のコンビネーションで一気に倒しましょ!》

 

《了解した。丁度新しいクォーツを手に入れた事で使えるようになったアーツを試したいと思っていたからね。》

 

《……くれぐれもアーツで辺り一帯を焼け野原にしないでよ?》

 

《あぁ、善処しよう。》

 

《それ、基本的に信じちゃいけない奴よね?》

 

 

 

うん、信じちゃダメだ。『善処したがダメでした』とか言う奴が居るからな。

だが安心しろエステル、何処までだったらやって良いか自分で分かっているからね……精々、二度とこの辺りには出てこようとは思わなくなる位の恐怖を与えてやるだけさ。

 

 

 

《うん、其れは其れで安心できない。ティオの農園での事考えると余計に。》

 

《ふふふ……魔獣にトラウマを植え付けるのがクセになってしまいそうだよ……》

 

《やめてアインス、同居してる人格がドSのバイオレンスとか笑えないから。》

 

 

 

いやまぁ、冗談だけどね?

取り敢えず、ヨシュアが安全に作業できるようにちゃっちゃと終わらせるか……尤も、ヨシュアならば仮に私達が仕損じた飛び猫に襲われても即返り討ちにするだろうけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜天宿した太陽の娘 軌跡19

『めっちゃ頑張ってる新米遊撃士』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果だけを言うのならば、本当に楽勝だった。

エステルの棒術と私のアーツの波状攻撃に加え、火属性のアーツをエステルの旋風輪に付与した新技『超火炎旋風輪』を使ってみたら、飛び猫が全部焼き猫になってしまった……まぁ、生きてたけどな。

其れだけならば、強力なアーツクラフトが出来たでいいんだが、まさか通常の旋風輪とは違い、棒での攻撃の後に、棒を回転させる事で発生した炎の輪を飛ばす攻撃が追加されるとは思わなかったよ。

 

 

 

「君とアインスが一緒だと、マダマダとんでもないクラフトが出来そうで少し怖いよ……その内、桜花無双撃にアーツを付与した『風神桜花無双撃』とかやりそうだし。」

 

「風神桜花無双撃……その名前良いわね!付与するアーツの属性ごとに、水神、炎神、風神、地神、時神、空神、幻神ってめっちゃイケてるわ!

 ヨシュアは、ネーミングセンスも抜群に良いんじゃないの?シェラ姉の『銀閃』みたいに、二つ名を考えてみたら?」

 

「エステルは『陽光』、アインスは『銀天』で如何かな?」

 

「あ、其処で考えるのは自分のじゃなくてアタシとアインスのなんだ……」

 

 

 

自分の二つ名と言うのは、考え辛いのかも知れないな……にしても、私が銀天でエステルが陽光とは、本気でヨシュアのネーミングセンスは抜群だと思う。

もしもヨシュアが夜天の魔導書の主だったら、一体私にどんな名を付けてくれたのかと思うね。

 

さて、残る掲示板の依頼は『キノコ狩り』なんだが、依頼者のオーヴィッドによると、ホタル茸と言うのはマルガ山道にあるとの事なので、此れに関しては、カシウスが残して行った二つ目の仕事を終えてからだな。

マルガ山道は意外と広いから、キノコ一つを探すのも一苦労だからね。

 

で、アイナに次の仕事の事を聞いたら、今度の仕事は物品運搬の仕事だったんだが、依頼主がまさかロレント市長であるクラウスだったとはね。

 

 

 

「えっ、市長さんからの依頼なの?」

 

「良いんですか?僕達に任せてしまって?」

 

「簡単な仕事だと聞いているわ。

 まぁ、詳しい仕事内容は市長さんから伺ってちょうだい。」

 

 

 

ザックリしてるなぁ……ならば、早速市長邸に向かうとしようか?

仕事の内容が分からないのではやりようもないからね……と言うか、依頼内容は出来るだけ正確かつ詳しくしてほしいモノだな?依頼主に詳細を確認しに行くと言うのも一手間だからね。

 

 

 

「あ~~……其れは確かに。」

 

「如何したのエステル?」

 

「気にしないで下さいアイナさん。多分、アインスの言った事に反応してるだけですから。」

 

 

 

ヨシュア、正解だ。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

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・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

で、市長邸にやって来た訳だが、クラウス市長は居るのだろうか?……そう言えば、ロレントの市長と、ベルカの覇王は同じ名前なんだな。

 

 

 

「おぉ……エステル君とヨシュア君か。」

 

「あっ、市長さん!」

 

「お邪魔します。今日は遊撃士協会から来ました。」

 

 

 

如何やら、クラウス市長は在宅だったようだな。――まぁ、依頼を出しておきながら、詳細は伏せていたのだから、其れを私達が聞きに来る可能性があった以上、外出するとは考えられないけどね。

此れで外出していたら、其れこそ『貴様どんな神経してるんだ?』と言うレベルだからな。

 

 

 

「うむ、話は聞いておるよ。

 カシウスさんの代わりに仕事を引き受けてくれるそうじゃな?」

 

「うん、その心算だけど……ゴメンね市長さん。父さんがいい加減な約束して……」

 

「いやいや、カシウスさん程の人ならば多忙を極めるのは当然じゃろう。

 それより……こんな所で話をするのもなんだな――詳しい話は書斎でさせて貰うよ。」

 

 

 

取り敢えず、クラウス市長は可成り真面な人だから安心だ。彼のような人が市長であれば、ロレントは安泰だろうね――で、クラウス市長の書斎にやって来て、其処で改めて仕事の詳細をだな。

 

 

 

「……頼みと言っても、そんなに難しい事じゃないんだ――正直、ギルドに頼むのも厚かましいとは思ったんだがね?中々手が空かないモノでな。

 つい頼んでしまったんじゃ。」

 

「運搬の仕事と聞きましたけど、何を運べばいいんでしょうか?」

 

「うむ。

 北のマルガ鉱山から、セプチウムの結晶を此処に届けてほしいのじゃ。」

 

 

 

セプチウムの結晶か……確か、私達が良く手にするセピスと同じ物で、正確には宝石にするほど大きくないセプチウムをセピスと言うのだったか?

で、このセピスを加工したのがクォーツだったな。

 

 

 

《成程、何となく理解できたかも。》

 

《何となくじゃなくて、ちゃんと理解しような。》

 

《善処するわ。》

 

《それは、信じちゃいけない奴だったな。》

 

其れは兎も角として、クラウス市長の話によると、マルガ鉱山ではセプチウムの一種であるエスメラスが採れるが、特別大きな結晶が出たから鉱山長に保管して貰ってあるとの事。

つまり私達は其れを取りに行けばいいと言う事か。

 

 

 

「ってな事をアインスが言ってるんだけど、此れで間違いないかしら市長さん?」

 

「其の通りじゃ。どうかな、頼めるかね?」

 

「宝石の運搬か……魔獣退治とは違って、別の意味で緊張しそうだけど……うん、でも何とかやってみるわ!」

 

「有り難い!それでは、此れを持って行ってもらおうかの。」

 

 

 

そう言って手渡されたのは『市長からの紹介状』か――此れを見せれば、鉱山に入る事が出来ると言う事だろうな。……と言う事は、次の仕事に必要な物は此れで揃った訳だから、早速マルガ鉱山に行こうかエステル?

善は急げと言うからね。

 

 

 

「そうね、早速行きましょう!!」

 

「え?ちょっと待ってよエステル、アインス!!」

 

「ほらほら、置いてくわよヨシュア!!」

 

「あ~~……マッタク、こうと決めたら突っ走るんだから……其処が良い所でもあるんだけど、其れに付き合わされる方の身にもなって欲しいよ。」

 

 

 

ヨシュア、其れは願うだけ徒労だ。

私もエステルも、一度決めた事は絶対に曲げない頑固さがあるし、決めた事を達成する為にはトコトン突っ走る性質だからね――尤も、其れが出来るのは、お前と言う存在が有るからだけどなヨシュア。

 

 

 

《其れ、ヨシュアに言う?》

 

《いや、言わなくて良い……と言うか、私の言葉ではヨシュアは喜ばないだろうからね。》

 

《そうなの?だったら、誰の言葉なら喜ぶのかしら?》

 

《其れは、お前の言葉だよエステル。》

 

《アタシの?何で?》

 

《其れに対する答えは私は持ち合わせていない……其れは、お前自身が見つけなければならない問題だからね。》

 

まぁ、精々悩めエステル。悩むのは十代の特権だと、何かで読んだ記憶があるからね。悩んで悩んで、悩み切って出た答えこそが真実と言えるからね。

 

 

 

で、マルガ鉱山に到着だ。

その道中で、オーヴィットが所望してた『ホタル茸』を見つけることが出来たのは僥倖だったね。

 

 

 

「よう、此処はマルガ鉱山だ。関係者以外は帰って貰おうか?」

 

 

 

だが、鉱山の入り口に立っていた鉱員に居浮く手を阻まれてしまったか……まぁ、鉱員からしたら、私達は少女と少年のコンビにしか見えないだろうから、この対応も仕方ないか。

だが、生憎と私達は関係者なんだよな……エステル、お前が持つ最強のカードを出せ!!

 

 

 

「ふっふ~ん、関係者だもんね!

 この紹介状が目に入らぬか~~!!此処におあす御方を何方と心得る!恐れ多くも先の大戦の英雄であるカシウス・ブライトのご子息にあらせられるぞ!

 一同、頭が高い!ひかえおろ~~!!」

 

「エステル、何それ?」

 

「え~と、アインスから教えて貰ったのよ……確か『水戸黄門』だったかしら?

 水戸黄門って言う偉い人が、助さんと格さんって言うお供と一緒に全国を回って、悪人を懲らしめる話だったと思うわ……で、水戸黄門のお約束が、印籠って言うのを出して、悪人を平伏させるとこみたいなの。

 だから、今回は其れをちょっと意識してみたわ。」

 

「良く分からないけど、取り敢えず紹介状の事は分かって貰えたみたいだよ。」

 

 

 

だな。

だが、詳しい事は中に入って親方さんに直接聞くしかないとはね――で、親方とは誰だ?私達は鉱山長に会いに来たんだかな?

 

 

 

「親方って誰?アタシ達は鉱山長に会いに来たんだけど?」

 

「その鉱山長が、俺達を束ねるガートン親方よ。

 七曜石の鉱脈を発見するのが三度の飯よりも好きな穴掘りだ。今日も地下の坑道に潜ってると思うぜ。」

 

 

 

其れはまた何との仕事熱心と言うか、仕事の鬼だな?

其れだけ七曜石の鉱脈を見つけると言うのは魅力的で、達成感のあるモノだろうな……取り敢えず、ガートンとやらと会わねばだな……ガートンと会わなければ、何をロレントまで運べばいいのかも分からないからね。

 

 

 

まぁ、依頼自体はそこまで難しい事でもないから、今回も余裕でクリア出来るだろうさ――何よりも、エステルとヨシュアが一緒ならば、本気で大概の事は何とかなると思うからね。

さてと、発掘現場と言う名の迷路を攻略してやろうじゃないか……目的は、パーフェクト勝利以外にはありえないからな!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

新作は何が良い?

  • IS:楯無逆行モノ
  • IS:ハーレム無しヴィシュヌヒロインモノ
  • ガンダムSEEDとISのクロス
  • 作者初の小説である遊戯王小説の再構成モノ
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