夜天宿した太陽の娘   作:吉良/飛鳥

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ナイアルが20代だと言うのは異議ありだByアインス      ドレだけ若く見積もっても30よね?Byエステル     容赦がないねByヨシュア


任務21『最後の依頼は雑誌の取材?』

Side:アインス

 

 

掲示板の依頼を達成して、いよいよカシウスが残してくれていった最後の依頼なのだが、最後の依頼は一体どんな内容なんだアイナ?

 

 

 

「アインスが最後の依頼は何ぞやだって。」

 

「其れは今から説明するわね。――リベール通信って知ってる?あそこの取材に協力してほしいのよ。」

 

「え?其れってこの前かったあの雑誌じゃない?へ~~、面白い偶然もあったのモノね。」

 

 

 

だな。

準遊撃士に成る為の最終試験の日に買った雑誌だ――リベールのあらゆる事をサーチした上で雑誌の記事にすると言う、中々の取材力がある出版社だったと思うんだが。

 

 

 

「取材協力と言うと……具体的に何をすればいいんでしょうか?」

 

「危険な場所に取材に行くから、腕の立つ案内人が欲しいそうよ。詳しくは本人達から聞いてみて。確か、ホテルに居た筈だから。」

 

 

 

何ともアバウトだな。

だが、此れがカシウスが残してくれた最後の依頼だと言うのなら、必ず完遂しなくてはだ――此処までは上手くやって来たが、最後の最後でシクジッタとなったら笑い話にもならないからな。

最後の依頼も、バッチリと決めてやろうじゃないかエステル

 

 

 

《そうね、バッチリ行きましょう!》

 

《その意気やよしだな。》

 

さて、最後の依頼を消化するか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜天宿した太陽の娘 軌跡21

『最後の依頼は雑誌の取材?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リベール通信の記者はホテルに居るとの事だったのでホテルに行ったんだが、其処には居なくてロビーのボーイに聞いたんだが、如何やら居酒屋に行ったらしいな。

こんな真昼間から居酒屋と言うのは如何かと思うが、あそこはレストランも兼ねてるから厳しい事は言えないな。

無精ひげに短めのぼさぼさ髪の男との事だが……エステル、ヨシュア、カウンター前に居る男がその条件にピッタリ当てはまると思うだが、どうだ?

 

 

 

「アインスがカウンター前に居る人が怪しいって。」

 

「エステル、その言い方だと何かの事件の容疑者に聞こえるからね?……取り敢えず、声を掛けてみよう。

 あの、すみません。」

 

「あん、何だお前さん達は?」

 

「貴方、ひょっとして……リベール通信の記者さん?」

 

「その通りだが、何で知ってやがるんだ?俺は人を取材するのは好きだが、詮索されるのは嫌いでね。如何言う要件だい、一体。」

 

 

 

……なんだその無茶苦茶な理論は?

取材するのは好きだが詮索されるのは嫌いって、『お前の事は聞かせろ、だが俺の事は聞くな』と言う事か?……只の我儘と言うか、自分勝手と言うか……いや、ある意味で仕事根性が見事なのかも知れないが。

其れでだ、ヨシュアが遊撃士協会から来たと言う事を言ったら、『待ちくたびれたぜ!』とか言って、『カシウス・ブライトは何処だ?』と探してたが、エステルが『本人は来られない』と告げると目に見えて落胆していたな。

あわよくばカシウスに取材しようと思ったのに、その当てが外れたと言った所か。

 

 

 

「チックショウ……当てが外れちまったじゃねぇか!」

 

「良く分からないけど……まぁ、そんなに悲観しないでよ。アタシ達が確りと代わりに務めさせて貰うから♪」

 

「仕方ねぇ……今回は其れで手を打つか………………今、何て言った?」

 

「そんなに悲観しないでよ?」

 

「そうじゃねぇ!『代わりに務めさせて貰う』だ!どういう事だそりゃ!」

 

「だから、アタシ達が代理の遊撃士なんだけど。あ、此れ紹介状ね。」

 

 

 

で、エステルは紹介状を男に渡したんだが、何だろう何かとっても面倒な事が起こる気がしてならない。

 

 

 

「オイオイ、冗談きついぜ……お前等みたいなガキ共が遊撃士だってのかよ?」

 

「が、ガキですってぇ!?」

 

 

 

あぁ、こうなる訳か。

まぁ、エステルもヨシュアも十六歳――世間的に、特に目の前の男からしたら尻の青いガキと言う認識なのだろうさ……だから、そんな子供が遊撃士である事が信じられない。

其れは未だしも、そんな連中がカシウスの代理だと言うのが信じられないと言った所だろうな。

ふぅ……エステル、少し変わってくれるか?

 

 

 

《アインス?》

 

《こう言った手合いには強烈な一撃をかましてやった方が巧く行くんだ……そう言うのはお前よりも私の方が得意だからな。だから代わってくれ。》

 

《……分かった、任せるわよアインス。》

 

《任された。》

 

 

 

――シュン……

 

 

 

「見た目で判断するのは如何なモノかと思うぞリベール通信の記者よ。マスコミの本質とは、表面の奥底にある真実を伝える事ではないのか?」

 

「なんだ?髪の色と、其れに話し方が変わりやがっただと?」

 

「驚かせてしまったか、だとしたらすまなかった。

 私はアインス・ブライト。先程までお前と話していたエステル・ブライトのもう一つの人格だ。私達は、所謂『二重人格』でね。」

 

「に、二重人格だと!?」

 

 

 

まぁ、私達の場合は可成り特殊な例だがな。

お互いの事を認識してるだけでなく、人格が交代して髪の色が変わるなんて言うのは世界中を探しても、その数は片手の指で足りる位のレアケースさ。

因みに、隣に居るのはヨシュア・ブライト。私とエステルの…………弟だな。

 

 

 

「アインス、今の間は何?」

 

「いや、私は兎も角エステルがお前の姉だと言うのは少々無理があるかなぁと。」

 

《ちょっとアインス!アタシの方があの家には先に居るの!だからアタシの方がお姉さんなの!!》

 

《そうは言っても、ヨシュアの方が誕生日先だよな?》

 

《良いの!父さんから聞いたけど、東方の方の文化じゃ、年齢よりも段位とか位とかが上の人を兄さんとか姉さんとか呼ぶって!だから、あの家では私の方が先輩だから私がお姉さんなの!》

 

《さよか。ならもう少し姉らしく振舞ってくれ。》

 

《対応が塩!》

 

 

 

しょっぱい試合ですみませんってか。

さて、リベール通信の記者よ、私達の名前を聞いて何か気付かなかったか?

 

 

 

「何って……ちょっと待て、お前さんアインス・ブライトって言ったか?……まさか、カシウス・ブライトの……」

 

「気付いたか……そうだ、私とエステルはカシウスの娘だよ。そしてヨシュアはカシウスの息子だ――カシウスの代理の遊撃士は、その子供達だったと言う訳さ。

 確かにカシウスと比べれば実力はまだまだだし、お前からしたら子供も良い所だろう――だが、かの英雄の子供達が代理と言うのは、お前にとっても美味しいとは思わないか?」

 

「俺にとっても、だと?」

 

 

 

時代を担う英雄の子供達の事を何処よりも逸早く取材できるんだぞ?これ程美味しいネタは無いだろう――今は未だ大したネタにもならないかも知れないが、私達が何か大きな事件を解決したらどうだ?

何処よりも早く私達の存在を報じていたリベール通信の株は大上がりになり、私達を取材したお前の社内での評価も上がるだろう?

言っておくがな、私達は未だ準遊撃士だが、既に並の正遊撃士を凌駕するだけの力を持っている――エステルはヨシュア以外の同世代には負けない程の実力がある上に、棒術に関してはカシウス並みだ。

ヨシュアも本気を出したら正遊撃士でも敵わない実力を秘めているし、私に至ってはカシウスと互角に戦えるレベルだぞ?

 

 

 

「はぁ!?カシウス・ブライトと互角だと!?マジかオイ。」

 

「大マジだ。」

 

私がカシウスと互角だと聞いて驚いていたが、私に言わせて貰うなら、私と互角に戦えるカシウスが何者なんだって話だ……闇の書とまで呼ばれて、数多の世界を滅ぼして来た私と互角に戦えるとかカシウスは本当に人間か?

実は限りなく人間に近い人間じゃない何かじゃないよな?

 

 

 

《多分人間だと思う。……父さんは、突然変異的に生まれた挑戦士なんだと思うわ。何だっけ、スーパーサイヤ人とかみたいなモノだと思うわ。》

 

《カシウスだったらスーパーサイヤ人3の孫悟空と互角に遣り合えるんじゃないかと思ってる私が居る。》

 

《父さんの戦闘力はドレ位よ……》

 

《ドレだけ低く見積もっても十六億は下らないだろうな。》

 

まぁ、其れは兎も角、記者の男は私達がカシウスの子供達だと聞いて驚いてはいたが、一応の納得をしたみたいだね――私とカシウスが互角だと言うのが決定だったみたいだがな。

 

でだ、エステルと交代して話を進めたんだが、男の名前は『ナイアル・バーンズ』……リベール通信きっての敏腕記者と来たか。――で、目的地は『翡翠の塔』か。

 

 

 

「名前くらいは聞いた事があるだろ?」

 

「な~んだ。聞いた事があるどころか、この前仕事で入ったばかりよ。」

 

「おっ、そりゃ都合が良いな?

 具体的には、その塔の屋上に俺達を案内して貰いたいんだ。雑誌に載せる写真を撮りたいんでね。」

 

「ふ~ん……随分とモノ好きね?」

 

「『俺達』って事は、他にも同行する人が居るんですね?」

 

「相棒のカメラマンが居る。オーバルカメラの調子が悪いってんで、工房に行ってる筈だが……ったく、随分遅いじゃねぇか。」

 

「急いでるんだったら工房まで迎えに行った方が良いんじゃない?どうせ、このまま取材に行くんでしょ?」

 

「其れもそうだな……よし、工房で奴を拾ってから塔に向かうとするか。」

 

 

 

何やらナイアルの相棒とやらが工房に居るらしいが、今のはナイスな対応だったぞエステル。確かにこのまま取材に行くのならば、此処で待っているよりも工房まで迎えに行って、其れから翡翠の塔に向かった方が効率的だからね。

まぁ、エステルの場合は其処まで考えた事ではなく、自分の思った事を口にしただけなのだろうが、其れが正解に繋がってるのだから凄い事だ。

究極の直感は究極の理論と合致すると言うが、エステルの直感は、正にそのレベルなのだろうな。

 

で、工房に行ったら、ナイアルの相棒と思しき女性が、盛大にやらかしてくれてみたいだな?

カメラの修理代は兎も角、置時計を壊したって……おまけに修理代と合わせて置時計の弁償代までナイアルが払う羽目になるとはな……ナイアルの今日の運勢は間違い無く『大凶』で間違いないな。

2000ミラの出費は経費で落とすにしてもきついだろう――1ミラは主の居た世界での100円に相当するみたいだから2000ミラ=200000円って事になるからな。

 

そしてナイアルにリベール通信に金銭的な大打撃を与えたこの女性は『ドロシー・ハイアット』か……新人のカメラマンとの事だったが、取材経験が豊富と思われるナイアルとコンビを組まされていると言う事は、カメラマンとしての腕は確かと言う事なのだろうな。

そうでなければ、敏腕記者とコンビを組まされるはずがないからね。

 

 

 

《ナイアルが貧乏くじ退かされた可能性はないの?》

 

《エステル、其れは思ってても絶対に言っちゃダメだ。》

 

《そうなの?》

 

《そうなの。》

 

 

 

「何で俺がこんなトンチキ娘の面倒を見なくちゃならねぇんだ……マッタク、あの髭編集長め。」

 

「まぁまぁ、きっとそのうち良い事有りますよ。」

 

「お前が言うなお前が!!」

 

 

 

マッタクだな。

まぁ、面子も揃った事だし出発だ。

 

 

翡翠の塔までの道のりには多数の魔獣が出て来たが、そんなモノは私達の敵ではない……行くぞエステル!!

 

 

 

「了解したわ!喰らえ、超火炎旋風棍!!」

 

「遅い!!」

 

 

 

私のアーツとエステルのクラフトの合わせ技ならば大抵の魔獣は撃滅できるし、ヨシュアの実力ならばそんじょそこ等の魔獣に後れを取るなんて事は絶対に有り得ないからな。

全戦闘パーフェクト勝利で翡翠の塔に到着だ。

 

 

 

「わぁ……結構高い建物ですねぇ?此れって何階建なのかなぁ?」

 

「う~ん……この前は二階までしか行かなかったから……規模からして五~六階位じゃないかしら?」

 

「五階建ての筈だよ。ウチにある資料にそう書いてあった。かなり前に調査されたけど、その後は放置されてたみたいだ。」

 

 

 

GJヨシュア。事前に調べておくと言うのは大事な事だよ。

そう言えば、他の地方にも似たような塔があった筈だと思ったが……

 

 

 

「アインスが他の地方にも似たような塔があった筈だって。」

 

「あぁ、其の通りだ。

 ボース、ルーアン、ツァイスにも同じ様式の塔が建ってるらしい――なんでも、リベール王国が建国された時代のモノらしいぜ。」

 

「へ~~、そうなの……歴史のロマンを感じちゃうわね。」

 

「其れを伝えるのが今回の仕事だ――ドロシー、ローアングルで何枚か撮れ。」

 

「あいあいさ~~!」

 

 

 

歴史のロマンを伝えるのが今回の仕事とは、言ってくれじゃないかナイアル――その記者魂は本物だな。

尤もそれ以上に驚いたのはドロシーの撮影技術だ――天然ぽややん子だと思ってたが、カメラを構えると雰囲気がガラリと変わったからな……此れがプロと言うモノか。

 

 

 

「押し、写真もとれたし行くとするか……頼んだぜ、カシウス・ブライトの子供達だって言う、スーパールーキー。」

 

「任せなさい!どんな魔獣が現れたって、アンタ達には指一本触れさせないから!」

 

「僕達の後から離れないで下さいね?」

 

 

 

そして塔に入って屋上を目指したのだが……党内の魔獣もハッキリ言って相手ではなかったな――私が出張らなくてもエステルとヨシュアの連携が見事に刺さっていたからね。

豪のエステルと静のヨシュア、正に最高のコンビと言えるかもしれないな。

まぁ、宝箱を開けたら現れた魔獣は、見るからにヤバ気だったのでエステルと交代したんだが……ハッキリって余裕だった。全体攻撃を仕掛けてきたが、そんなモノは障壁で跳ね返すだけだ!!

 

なので、簡単に矢圧してやりましたとさ。

其れで、屋上に到着した――流れる風が気持ちいいな。――雲一つないし、此れならば最高の写真が撮れるだろう……だと言うのに、ヨシュアは何だってそんなに難しい顔をしているんだ?いや、お前もまた感じたんだろうな、此の妙な気配を。――変わるぞエステル。

 

 

 

《へ?》

 

《文句は後で聞く。》

 

 

 

――シュン

 

 

 

「隠れていないで出てこい……其処に居るんだろう?」

 

「アインスの言うように、隠れても無駄です……出てきた方が身のためですよ?」

 

《へ?アインス、ヨシュア?》

 

 

 

黙って見ていろ……正解は、おのずと現れるからな。

 

 

 

「で、出て行きます!今すぐ出て行きますから!!」

 

 

 

そんなセリフと共に屋上にある柱の陰から現れたのは、髪をオールバックにして眼鏡を掛けた男性……何やらアタフタしているが、コイツは一体何モノだ?

見た目に反して、コイツからは途轍もない闇の力を感じる――敵対の意志はないみたいだが、取り敢えず警戒しておくに越した事はないだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:???

 

 

ふむ、此処までは計画通りだな……ヨシュアが私の目の前に現れたくれたのだからね。

しかし、私が思っている以上にヨシュアは強くなった……剣聖の下に送り込んだのは正解だったと言う訳だね――ならば、そろそろ最終段階だ。

ヨシュア、全ての真実を知った君がどうなるのかが楽しみで仕方ない……まぁ、精々頑張りたまえ。

君がドレだけ足掻こうと、私を超える事は出来ぬ……最後の時が訪れる其の時まで私の掌で踊っているが良い……私の、最高傑作よ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

新作は何が良い?

  • IS:楯無逆行モノ
  • IS:ハーレム無しヴィシュヌヒロインモノ
  • ガンダムSEEDとISのクロス
  • 作者初の小説である遊戯王小説の再構成モノ
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