夜天宿した太陽の娘   作:吉良/飛鳥

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……やっと序章が終わったかByアインス      いやぁ、長かったわね?Byエステル    漸く次で第1章だねByヨシュア


軌跡26『事件解決?そして、新たな事件』

Side:アインス

 

 

セルべの葉を頼りにやって来たミストヴァルトで、遂に市長邸の強盗事件の犯人を見つけて追い詰める事が出来た――が、ヨシュアが投降勧告をしてもそれに応じなかったのだから、此れは実力行使しかないだろうね。

其れじゃあエステル、前に教えてやったセリフ言ってみようか?

 

 

 

「覚悟は良いわね悪人共、アンタ達に明日を生きる資格は無いわ……お祈りは済んだ?トイレは?部屋……じゃなくて、ミストヴァルトの隅でガタガタ震える準備はOK?

 まぁ、出来てなくても別に関係ないけどね?アンタ達の終着駅はもう決まってるし。地獄を楽しみな。」

 

 

 

棒術具を脇で挟みながら、指を鳴らして処刑宣言……バッチリ決まったが、此れはエステルのキャラではないな。もっと別の決めゼリフを考えておく事にしよう。

 

 

 

「地獄だって?はん、お前みたいな脳天気女にやられるかっての!」

 

「分かってないわねアホの子!アタシ達に見つかった時点で、アンタ達は詰んでるって分かってる?

 ぶっちゃけアンタ達に逃げ場とかないから。仮にこの場から逃げても、ミストヴァルトの中って、割と凶暴な魔獣が住んでるから無事に出るのは難しいのよ?」

 

「其れも、森の奥に行けば行くほどね……まぁ、エステルは五年前にこの森に単身で突撃した訳だけど。」

 

「アインスも居たんだけど、其れでも単体になるのかしら?」

 

「人格は二つでも、身体は一つだろう?なら単体だよ。」

 

「漫才始めるなって言いたい所だけど、ヨシュアは警戒を怠ってないし、エステルも意識してる訳じゃないけど無自覚に警戒してるのは見事だわ。

 さぁてと……悪い事した子には、ちょっとお仕置きが必要ね?お姉さんが、お灸をすえてあげるわ。」

 

 

 

――パァン!

 

 

 

《相変わらずの鞭捌き……アインス、シェラ姉の方が悪役に見えるんだけど。》

 

《多分容姿と服装と武器のせいだろうなぁ……露出の高い衣装と鞭の組み合わせと言うのは、大抵の場合悪の組織の女幹部の格好だからね。》

 

だがまぁ、今ので奴等は怯んだみたいだから、一気呵成に攻めて終わらせるとするか。

取り敢えず私達のターゲットはジョゼットだな……さんざんっぱら馬鹿にしてくれた事に対する報いをたっぷりと受けて貰うとしようかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜天宿した太陽の娘 軌跡26

『事件解決?そして、新たな事件』

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのアホの子はアタシがやるわ!ヨシュアとシェラ姉は手下達の方をお願い!」

 

「ちょっと、エステル!?」

 

「いえ、此処はエステルに任せましょうシェラさん。

 あぁ見えてエステルの実力は、同世代では僕以外には負けないレベルですし、アインスも一緒だから大丈夫だと思いますから。」

 

「……言われてみればそうね。

 分かった、其の子は貴女に任せるわエステル、アインス。その代わり、啖呵切ったんだから確りと結果を出しなさいよ?」

 

「任せといてシェラ姉!」

 

 

 

エステルの力だけでも、相手がカシウスかヨシュアレベルでなければ負ける事はないし、私も出張ったその時は、相手がカシウス以上でない限り勝利は絶対だ。

さて、エステル先手必勝と行きたい所だが、此処は少し趣向を変えて最初はジョゼットの攻撃を避ける事に専念しようか?

 

 

 

《へ?最初に一気にバコーンって思いっきりやっちゃった方が良いんじゃない?》

 

《相手が近距離戦型なら其れも良いんだが、彼女の武器は導力銃の様だからな……先ずは徹底的に回避して、『お前の射撃なんぞ当たらんわ』って感じにしてやるんだよ。》

 

恐らく一発避けただけでも驚くだろうが、其れが連続すれば避けられた事に焦って、余計に狙いは甘くなるからね。――そうだな、先ずは十発ほど避けるとしよう。

飛び道具の避け方は前に教えてやったから、其れ位は可能だろう?

 

 

 

《モチのロンよ。

 導力銃の攻撃は狙った所に真っ直ぐに飛んでいくから、銃口の角度をちゃんと見てれば何処に撃って来るか分かる――撃って来る所が分かってしまえば避けるのは容易。でしょ?》

 

《その通りだ……来るぞ。》

 

 

 

――パン!

 

 

――スっ……

 

 

 

「んな、導力銃の攻撃を避けただって!?」

 

「そんな驚く事でもないでしょ?って言うか、アタシでも出来るんだからヨシュアやシェラ姉だって普通に出来るから多分。」

 

「ふ、ふん!そんなハッタリが通じるもんか!今のは偶々、偶然に決まってる!ボウガンの矢よりも速い導力銃の攻撃を避けるなんてマグレだ!」

 

「マグレ……そう思うなら当ててみれば?」

 

 

 

よし、避けた後の対応は悪くないぞエステル。

そうやって挑発してやれば、相手はムキになって狙いが単純になると言うモノだからな……まぁ、エステルの場合狙って挑発してる訳じゃないのが若干恐ろしいんだが。

 

其処からはエステルの見事は回避術のお披露目会だ。

只左右に動いて避けるだけじゃなく、側転、バック宙と言ったアクロバティックな回避に加え、所謂『マトリックス避け』まで使ってジョゼットの攻撃を避ける、躱す、回避する。

フェイトやレヴィの様な雷光の素早さはないから、回避と同時に反撃は出来ないが、其れでも此れだけの回避術があると言うのは、相手にとっては嫌なモノだろうね。

実際に、ジョゼットの顔には可成りの焦りと言うか困惑が浮かんでいるからな。

 

 

 

「クソ、なんで当たらないんだよ!まさか、本当に僕の攻撃を見切ってるって言うのか?」

 

「だからマグレじゃないって言ったじゃない?一回避けたのがマグレだとしたら、十回連続で避けたのは何になるのか説明して貰いたいわね?」

 

 

 

で、物の見事に十発回避成功だ。

まぁ、其れが出来たのはジョゼットの銃の腕が稚拙であった事も大きいがな……恐らくだが彼女は、銃の扱いの基本を身に付けただけで、実戦経験は皆無に近いのだろうね。

故に狙いは単純だし、当たらないと焦りが生まれる……プロの強盗ではなかったが、戦いのプロでもなかったか。

ならば私達が負ける事はないな。

エステル、次にジョゼットが何か言って来たら、何でも良い、適当に挑発して攻撃させろ。そんでもって今度は其れは避けずに棒術具でガードするんだ。

 

 

 

《オッケー、やってみるわ!》

 

 

 

「く……当たりさえすればお前みたいなノーテンキ女なんて!!」

 

「当たりさえすれば倒せるっての?なら、当ててみなさいよ。アタシは動かないでいてあげるわ!」

 

 

 

……悟空vsフリーザ様かなこのやり取りは。

だが、其れは悪くないぞエステル?そう言われたら、ジョゼットは必殺を狙って頭か胸を狙って来るだろうからな――二択であっても、距離が近いから防御は容易だしね。

 

 

 

――カキィィィン!!

 

 

 

「そんな、棒術具を回して導力弾を弾いただって!?」

 

「あのねぇ、此れ位で驚いてどうすんのよ?

 こう言っちゃなんだけど、アタシの父さんだったら只弾くだけじゃなくてアンタに撃ち返してるからね?――多分連射されても、父さんだったら其れを全部防御した上で全弾撃ち返すと思うわ。」

 

「うっそだぁ!?お前の父親何者だよ!!」

 

「何者だって言われても、カシウス・ブライトだって言うしかないんだけど?」

 

「カシウス・ブライトだってぇ!?……って事はお前はあのカシウスの子供って事なのか!?」

 

「そうなるわね?……って言うか名前で気付きなさいよ?アタシの事をノーテンキとか言ってくれた割に、アンタだって注意力が足りなんじゃない?

 あぁ、アホの子だから仕方ないか。」

 

「誰がアホの子だこの脳天気娘!」

 

「アンタだアンタ!って言うか脳天気娘って言うな!」

 

「ならお前も僕の事アホの子って言うな!!」

 

 

 

小学生の喧嘩か!口喧嘩のレベルが低すぎるぞマッタク。

まぁ、お蔭でジョゼットには大きな隙が出来たから、攻勢に転じるぞエステル!お前の棒術がドレだけなのか、ジョゼットに教えてやれ、実戦でな。

 

 

 

《オッケー!サポートは頼むわよアインス!》

 

《ふ、任せておけ。》

 

一気にジョゼットに肉薄して、攻撃開始だ。

エステルの棒術はカシウスには及ばないとは言え、普通に免許皆伝レベルだから生半可な相手では対処する事は出来ん――其処に、私のアーツの補助が加われば尚更な。

 

 

 

「棒術具の先に炎が!?……此れが物理攻撃とアーツの同時使用!?……く、見間違いじゃなかったのかよ!」

 

「ふっふーん、物理とアーツの同時攻撃を見間違いって決めつけた時点でアンタの負けよアホの子!ほらぁ、ボディがお留守だぜ!!」

 

 

 

うん、良い攻撃だな。

棒術でジョゼットの導力銃を弾き飛ばしてから、中段突き→カチ上げ→振り下ろしのコンボが炸裂してジョゼットを吹っ飛ばす……カチ上げで顎を打ちぬかれ、振り下ろしで後頭部を強打されては暫く真面に動けまい。

特に、顎への一撃は脳に効いてるだろうしね。

駄目押しとして、弾き飛ばした導力銃壊しとくか。喰らえ、ファイアボルト!

 

 

 

――ボンッ!

 

 

 

「あぁ、僕の導力銃!」

 

「ダメ押しってやつね……さてと、まだやる?」

 

「こっちの方は片付いたから、大人しく投降する事を進めるけどね。」

 

「……そ、そんな馬鹿な……」

 

「ふふん、参ったか♪遊撃士を舐めるんじゃないわよ。さて、アレは返して貰うからね。」

 

 

 

そうだね、返して貰うとしようか……アレは女王陛下に献上する大事な物だからな。

何よりも、危険極まりない鉱山で働く鉱夫達が、文字通り命がけで掘り出した極上品だからね……盗賊風情が私欲の為に手にしていいモノではないんだよ。

 

 

 

「あぁ、僕のセプチウム……」

 

「「アンタ(お前)のじゃなくて、ロレントの人達全員の物!!まったく図々しい!!」」

 

「え?何か今声が重なってたような……」

 

「其れは気にしちゃダメよ?エステルとアインスって言う二つの人格があるから、偶に声だけ両方表に出る事があるだけだから♪

 其れは兎も角、セプチウムも無事取り戻した事だし……告白タイムと参りましょうか。

 面白い名前を言ってたわね?確か『カプア一家』とか……」

 

「さ、さぁね?何の事やら……」

 

 

 

いや、この期に及んですっとぼけはないだろ普通に?と言うか、とぼけ方が若干雑と言うか……まぁ、彼女が言っていた事を録音していた訳ではないから、『知らぬ存ぜぬ』と言われてしまうと困るけれどね。

 

 

 

《そうなんだけど、シェラ姉に此れは悪手でしょ?》

 

《だな……相手が強情で強気である程、シェラザードは『其の気』になるからね。》

 

あ、早速鞭での一発が出た……ギリギリ当たらないようにするのがポイントだな?ギリギリ当たらなかった方が、やられた側の恐怖心は大きいモノになるからね。

 

 

 

「あ、危ないじゃないのさ!」

 

「口を開く心算がないなら、身体に聞くしかないじゃない?大丈夫、優しくしてあげるから♡」

 

「ひっ!ち、近寄るな、あっち行けーーっ!!」

 

 

「(ヨシュア、シェラ姉完全に楽しんでるよね?)」

 

「(触らぬ神に祟りなし、だね。)」

 

 

 

マッタクだな。

絵面的には露出の高い衣装を着た褐色肌銀髪の女が鞭を振りかざしてショートカットの少女を追い詰めてる……うん、この場面だけ見たら間違いなくシェラザードが悪役だな。悪役200%だ。

 

ん?……危ない、シェラザード!

 

 

 

「シェラさん、危ない!」

 

「シェラ姉、アインスが危ないって!!」

 

 

 

――ダダダダダ!!

 

 

 

導力砲か此れは!エステル、上に注意しろ!

 

 

 

「上って……んな、此れって飛行艇!?」

 

「あはは、形勢逆転だね!」

 

 

 

仲間が居たのか……よもや飛行艇を有してるとは思わなかったけれどね。

流石にこんな物を持ち出されたら生身ではどうしようもないかも知れないな?……私が表に出れば飛空艇1隻を破壊する事は可能だが、其れをやったら、エステルの身体が全身筋肉痛で動けなくなるだろうからなぁ、確実に三日間は。

 

 

 

《其れは止めて……だったらアーツは如何よ?》

 

《アーツでも出来るが、アーツでやったら乗ってる連中がもれなくあの世へのハッピーな片道切符を手にする事になってしまうんだが……それでも良ければ。》

 

《やっぱやめて、遊撃士が犯罪者相手とは言え人殺したとか問題にしかならないから。》

 

《だよね。》

 

だが、向こうもこれ以上はやる気はないみたいだな?

いや、ジョゼットはやる気だったが、飛行艇内から現れた男……キールと呼ばれた男がロレント進出は中止だと言っているし、如何やらボースで何やら起きた様で、此処は撤退すると言う訳か。

 

 

 

「め、面倒な事?」

 

「良いから早く乗りな!グズグズしてると置いてくぞ!」

 

「く……!」

 

 

 

ポジション的に、ジョゼット達の方が飛行艇に近い場所に居たから、必然的に飛行艇には乗られてしまったか……エステル、少し変わってくれ。

 

 

 

「あ、うん。」

 

 

 

――シュン……

 

 

 

「形勢逆転とか言っていたクセに、結局は尻尾を巻いて逃げ出すか?……まぁ、其れも良いだろう。

 私達は目的であるセプチウムの奪還は果たせたからな。……お前達を確保できなかったのは残念だが、お前達程度の強盗ならば、私達が捕まえずとも、何れ何処かで遊撃士か、或いは軍に捕まるのが関の山だ。

 この場は逃げおおせて、精々束の間の自由を謳歌するが良いさ。」

 

「お前、アインス……ふん、此れで勝ったと思うなよ!何れ決着を付けてやるからな!」

 

「勝ったと思うも何も私達の勝ちだ。

 セプチウムは取り返したし、戦闘では略完封、飛行艇と言う予想外の戦力はあったが、結局は加勢する事無くこの場から離脱……お前達は何も得る事なくこの場から去るが、私達はセプチウムを取り戻した。

 さて、この場合勝ったのはどっちだろうな?」

 

 

「……流石はアインス、口の方も中々だわ。」

 

「此れでも、今回は抑えてる方だと思いますよシェラさん?アインスが本気で毒舌かましたら、今の10倍は罵詈雑言が出てくると思いますから。」

 

 

 

オイコラヨシュア、私の事を『歩く毒舌マシーン』みたいに言うなよ?

嘗ての経験から、相手を諦めさせたり、絶望の底に叩き落すのが得意なだけだ……尤も其れも、あの白き小さな勇者には全く通じなかったけれど。

 

 

 

《いや、前に父さんが居ない時に来た、押し売りのオッサン撃退した時の毒舌マシンガントークを聞くとヨシュアが正しい気がするわ。》

 

《あぁ言う輩に容赦はしないのが私の主義なのでね。》

 

 

 

そんなこんなをやってる内に飛行艇は飛び去ってしまったか……ジョゼットの奴が何か叫んでたみたいだが、飛行艇のエンジン音に掻き消されて、何を言ってるのかサッパリ分からなかったな。

 

 

 

「参ったわね……あんなモノまで出してくるとは。あはは、一本取られちゃった♪」

 

「笑い事ではないだろうシェラザード……まぁ、今回はセプチウムを取り返す事が出来たから、其れで良しとすべきだな。」

 

「其れなのに、あそこまで煽った君に驚きだよアインス。……それにしても、彼等は空賊だったみたいですね?」

 

「えぇ、その様ね。如何やらボース地方を根城にしてる連中みたいだけど……まさか、ロレントみたいな田舎に出張して来るとは思わなかったわ。」

 

 

 

空賊だろうと山賊だろうと如何でも良い……次に会ったその時は、問答無用で叩きのめすだけだ。そうだろうエステル?

 

 

 

《当然!特にあの生意気なアホの子は、絶対にギタギタのパーにしてやるんだから!》

 

 

 

ギタギタのパーって、其れどんな状態だ?

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

ロレントに戻ってセプチウムを市長に返して、報告の為にギルドにだな。因みに、ロレントに戻るまでにエステルとは人格交代済みだ。

 

 

 

「大変な事があったわね……まさか空賊が現れるだなんて……逃がしてしまったのも無理ないわ。」

 

「いや、今回はアタシのミスだわ。もっと用心して然るべきだった。マダマダ先生の域には遠いわね……」

 

「シェラ姉の責任じゃないよ……飛行艇が出てくるとか予想外だったし。」

 

「僕も迂闊でした……」

 

 

 

迂闊と言うのならば私もだな。

あの場に居た連中を無力化した事で、何処か気が抜けていたのだろうな……だから、シェラザードが攻撃される直前まで飛行艇の存在に気付く事が出来なかったのだからな。

……此れは、鈍った勘を取り戻さなくてはだ。

 

 

 

「いや、アンタ達は良くやったわ。市長邸の現場検証も完璧だったしね。……アイナ、推薦しても良いんじゃない?」

 

「そうね、私もそう思います。」

 

「推薦?」

 

「如何言う事ですか?」

 

「其れはね、此れを受け取って頂戴。」

 

 

 

此れは……『正遊撃士資格の推薦状』?

そうか、今の私達は準遊撃士、言うなれば見習いの身だ――そして、正遊撃士なるためには、王国にある全ての地方支部で推薦を受ける必要があるのだったな。

此れは、ロレント支部の推薦状か。

 

 

 

「此れ……良いの?そんなモノ貰っちゃって?」

 

「正遊撃士になるには、其れなりの実績を上げる必要があるって聞きましたけど……」

 

「代理の仕事と今回の活躍。実績としては充分だと思うわ。……但し、あくまでロレント地方での実績だけどね。」

 

 

 

他の地方支部でも実績を上げて推薦を貰う必要があると言う訳か……良いね、最高だ。目標がハッキリしている方がやる気も出ると言うモノだからな?……残るボース、ルーアン、ツァイス、グランセルでも推薦を受けて見せるさ。

 

 

 

「でもでも、スッゴク嬉しい!ねぇヨシュア、こうなったら他の地方にも行くっきゃないよね?」

 

「ハハ、言うと思った。賛成だけど……僕達だけじゃ決められないよ。父さんが帰ったら相談してみよう。」

 

「うん!」

 

 

 

其れが上策だな。まぁ、カシウスなら笑って『その意気だ、行ってこい』と言ってくれると思うがな。

 

 

 

――ジリリリリリリリ!!

 

 

 

っと、支部の通信機が受信合図だ……何ともけたたましいモノだな?主の居た世界の『携帯電話』とやらは、着信を知らせるのに美しい音楽を奏でていたから余計にな。

其れにしても、滅多な事では鳴らない通信機が鳴るとか、何かあったのだろうか?

 

 

 

「はい、此方遊撃士協会。リベール王国ロレント支部です。あら、御無沙汰しております………………………本当ですか?

 そ、其れは大変な事になりましたね。」

 

《何かあったのかな?》

 

《如何やら、その様だな。》

 

「えぇ、確かに先日から出張で出掛けておりますが……何ですって!?

 し、失礼しました……俄かには信じられませんが……えぇ、分かりました。家族には、私から伝えておきます。

 大丈夫です、本人達も遊撃士ですから。……はい、何か判ったらよろしくお願いします。」

 

「アイナさん、何かあったの?」

 

「珍しい事もあるもんね?アンタが其処まで驚くなんて。で、何処からの連絡だったの?」

 

「ボース支部からよ……大変な事が起こったわ。

 定期飛行船『リンデ号』が、ボース地方で消息を絶ったの。」

 

「「「!!!」」」

 

 

 

どういう事だ、其れは?

 

 

 

「アインスが、如何言う事だって。」

 

「未だ詳細は分からないわ……現在、王国軍が出動して、大規模な捜索をしているそうよ――そのせいで、他の定期便も運航を見合わせているらしいの。」

 

「成程ね、其れで発着場が混雑してたのか。」

 

「そ、それで…………」

 

「アイナさん?」

 

「エステル、ヨシュア、そしてアインス……気をしっかり持って頂戴。……行方不明になった定期船に、カシウスさんが乗っていたらしいの。」

 

「……え?」

 

「まさか……!」

 

「嘘でしょう?」

 

 

 

消息を絶った定期船に、カシウスが乗っていた、だと?

 

 

 

「乗客名簿に名前があったらしいの。

 リベール遊撃士協会、ロレント支部所属、正遊撃士……カシウス・ブライト、45歳って……」

 

 

 

乗客名簿に名前があったのならば略確定か……カシウスならば大抵の事は如何でも出来ると思うのだが、そのカシウスが乗って居ながら消息不明になったと言うのは穏やかではないな?

一体、ボース地方で何が起きたと言うんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

新作は何が良い?

  • IS:楯無逆行モノ
  • IS:ハーレム無しヴィシュヌヒロインモノ
  • ガンダムSEEDとISのクロス
  • 作者初の小説である遊戯王小説の再構成モノ
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