夜天宿した太陽の娘   作:吉良/飛鳥

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何だかんだで40話だByアインス      40羽ね!Byエステル      エステル、字が違うよByヨシュア


軌跡40『宿屋での一幕と夜の見回りと』

Side:アインス

 

 

ヨシュアを探して三千里と言うのは嘘だが、釣り場にも宿屋にも居ないとなると、残る場所は只一つ……昼間、ロイドを捕まえた場所しかないだろうさ――ヴァレリア湖畔から出る事が無いと言う条件がある中ではな。

その予想通りヨシュアはロイドが釣りをしていた場所に居たのだが……夕陽に照らされた美少年と言うのはとても絵になるなうん。オーバルカメラが有ったら百枚ほど撮っているな。

このヨシュアのブロマイドは、一枚千ミラの価値が付くかもだからね。

 

 

 

《何その悪徳商売?》

 

《悪徳商売とは酷いなエステル……経済効率のいい仕事と言ってくれ。

 こう言ったら何だが、私が元居た世界だったらヨシュアは絶対に超絶人気のイケメンアイドルになれると思う。……歌や演技がどの程度かは知らないが。》

 

《ハーモニカじゃダメ?》

 

《……案外行けるかもな。》

 

それにしても、何か考え込んでいるようにも見えるが如何かしたのだろうか?……ヨシュアが、深夜の仕事の事で悩むとは思えないが、だとしたら何に悩んでいるのか?

一番可能性が高いのは、エステルがやらかさないか心配してる、次点で人質の身の安全、大穴で恋愛の悩み……実は大穴が其れ程大穴ではなかったりするのだが、まぁ其れは其れとしてな。

ヨシュアは自分からエステルに言う事はないんだろうな……今の関係を壊したくないと言った所なんだろうけれどな。……エステルが自覚してくれると良いんだが、現状其れは望み薄だしなぁ?何か切っ掛けがあると良いんだが、此ればかりはな。

 

 

 

《アインス、何考えてたの?》

 

《いや、少しばかり世の中は中々ままならないモノだなぁと考えていただけだ……まぁ、気にする事でもないさ。――其れよりも、ヨシュアに声を掛けてみないか?》

 

《そうね。》

「よっ、少年。」

 

 

 

いや、其れは如何なんだエステルよ?

少年って、お前だって少女な上に、誕生日的にヨシュアの方が年上だからな?学年で言ったら完全にヨシュアの方が一つ上だから……と言うか同歳である期間の方が短い筈なんだがなぁ?

歳が同じだった期間に出会ったから、ヨシュアの方が実は年上であると言う実感がないんだろうなエステルには……まぁ、五年も経ってるんだから今更だけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜天宿した太陽の娘 軌跡40

『宿屋での一幕と夜の見回りと』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな所で、何をたそがれておるのかね?」

 

「はは……たそがれてなんかいないけどね。

 もう釣りは良いの?今からが入れ食いじゃない?」

 

 

 

だが、そんなエステルにも普通に対応してしまうのがヨシュアなんだよな……先程までの何かに悩んでいたように見えたのが嘘みたいに、いつものヨシュアだな。

 

 

 

「うん、もう充分。久しぶりに堪能しちゃったし、釣果が良すぎたから宿の御主人に引き取ってもらった位だし……若しかしたら、今晩のご飯にアタシが釣った魚が出るかも知れないわよ?」

 

「其れは凄いね?ドレだけ釣れたの?」

 

「えっとねヴァレリアバスが三匹、ロックが五匹、レインボウが五匹、スネークヘッドが四匹、ガーウェルズが三匹、地球が一匹よ。」

 

「合計二十一匹か、大量だね。……って、地球って何?」

 

「湖底や海底の岩に針を引っ掛けちゃったのを地球を釣ったって言うんだって。アインスが教えてくれたわ。」

 

「成程……確かに、『岩に針を引っ掛けた』って言うよりも、『地球を釣った』の方がユーモアが利いてて面白いかも知れないね。――狩猟で狙いを外した時は、『地球を狩った』って言うのかな?」

 

 

 

其れは聞いた事が無いが、地球を釣ったがありならば其れもまたアリだと思うな私は……ふむ、ヨシュアは中々ユーモアのセンスもあるみたいだ。

エステルがイケイケのボケで、ヨシュアがクールな突込み……ネタ次第では美少女&美少年の漫才コンビも行けるかもしれないな?ボケと突っ込みの両方が出来るキャラとしてシェラザードを入れても良いかも知れん。

 

 

 

「其れも良いかもね。あ……そうだ。はい此れ。

 も~~、読書するとか言って置きっぱなしにしちゃってさ。勿体ないオバケが出るわよ~。」

 

「……あぁ……丁度読み終わったばかりでさ。

 目が疲れたから、気分転換に散歩してたところなんだ。」

 

 

 

そうか、目が疲れたから散歩をしていたのか……なんて、そんなのが通用すると思ってるのかお前は?付き合いの浅い人間ならば、其れで納得してくれるかもしれないが、私とエステルはもうお前と五年も一緒に居るんだぞ?

 

 

 

「こーら。」

 

「な、なに?」

 

「まーた、一人だけで何か溜め込もうとしてるな?分かるんだってば、そーいうの。勿論、アインスにもね。」

 

「………………………」

 

「大体ね、フェアじゃないわよ。

 ヨシュアだって、アタシが落ち込んだ時は慰めるくせに。

 アタシじゃ、父さんみたいに頼りにはならないと思うけど……それでも、こうやって一緒に居てあげられるんだから。」

 

 

 

エステルの言う通りだな。

私達ではカシウスの様に頼りにはならないかも知れないが、だがしかしこうやって一緒に居る事ならば出来る……一人で溜め込まず、もっと私やエステルを頼ってくれていいんだぞ?

 

 

 

「アインスも『もっと私やエステルを頼れ』だってさ。」

 

「…………ごめん…………」

 

「こう言う時には、ありがとうでしょ?

 ヨシュアって頭は良いけど、肝心な事が分かってないんだから。」

 

「はは、本当にそうだな……ありがとう、エステル。」

 

「うむうむ、苦しゅうない。あ、そうだ。ハーモニカを一曲。お礼はその辺りで良いわよ。」

 

「仰せのままに。『星の在り処』で良いかな?」

 

「うん。」

 

 

 

何時もは調子に乗るエステルを諫めるのがヨシュアの役目なんだが、今回の事は自分が原因だから諫めずに乗っかったのか……まぁ、折角だから私もヨシュアのハーモニカを堪能させて貰うとしようかな。

 

 

 

~~♪

 

 

 

演奏が始まり、金色のハーモニカが独特の旋律を奏でる。

夕陽がヨシュアをハーモニカを茜色に染め、まるで一つの絵画を見ているようだ……その光景が、ハーモニカの演奏をより良いモノにしてくれているのは私の錯覚ではないだろう。

茜色に染まったヴァレリア湖に響く『星の在り処』のメロディ……実に心に染みわたる。ベルカ語で言うのならば『Wunderbar(見事だ)』だな。

 

 

 

「えへへ、なんでかな。

 ハーモニカの音って、夕焼けの中で聞くと何だか泣けてくるよね。……アインスなんて涙腺崩壊したんじゃないかってくらいに涙ダバダバよ?」

 

 

 

オイコラ、適当な事言うな?

誰が涙ダバダバか。確かに闇の書の管制人格だった頃は、あの優しい主を殺してしまう事が辛くてよく泣いていたし、主にも『ホントにアインスは泣き虫やなぁ?』と言われた事があるが、今は泣いてないぞ?お詫びして訂正しろ。

 

 

 

「……相変わらず、何も聞かないんだね?」

 

「…………………あは、約束したじゃない。

 話してくれる気になるまで、アタシからは聞かないってね。其れに五年も経つんだもん。なんか、どーでも良くなったし。」

 

「そう、五年もだよ……如何して何も聞かずに一緒に暮らせたりするんだい?

 あの日、父さんに担ぎ込まれたボロボロの傷だらけの子供を……昔の事を一切喋らない得体の知れない人間なんかを……どうして君達は、受け入れてくれるんだい……?」

 

 

 

っと、此れは確かにヨシュアの言う通りなのかも知れないが……愚問だな。

 

 

 

「「そんなの当たり前じゃない。(当たり前だろう。)だってヨシュアは家族なんだし。(家族なのだからな。)」」

 

 

っと、思わずハモってしまったが、私もエステルもお前の事は本当の家族だと思ってるんだ……其れだけは、間違いのない事だと言っておくぞ。

 

 

 

「アインスが、『私達が家族なのは間違いない』ってさ。

 其れと、前にも言ったけど、アタシ、ヨシュアの事ってかな~り色々と知ってるのよね。――本が好きで、武器オタクでやたらと要領が良くて……人当たりは良いけど他人行儀で人を寄せ付けない所があって……」

 

「ちょ、ちょっと……」

 

 

 

ふふ、ヨシュアが少し慌ててるが全て事実だろう?お前がエステルを見ているように、エステルもまたお前を見ていると言う事さ。

 

 

 

「でも、面倒見は良くて、実は可成りの寂しがり屋。」

 

「……………………!」

 

「勿論、過去も含めて全部知ってる訳じゃないけど……其れを言うなら、父さんの過去だってアタシ、あんまりよく知らないのよね。十年前にリシャール大佐から聞いたけど、なんか実感ないし。

 だけど、だからと言ってアタシと父さんが家族である事に変わりはないじゃない?」

 

 

 

リシャールが話してくれたカシウスの功績ぐらい覚えておこうなエステル?……だが、エステルの言う事も間違ってはいないさ。――其れは多分、カシウスの性格とか、クセとか、料理の好みとか……そう言った肌で感じられる部分をエステルが良く知っているからだろうさ。……エステルもマッタク同じ事を言ってるがな。

 

 

 

「ヨシュアだって、其れと同じよ。」

 

「……………………本当に、君には敵わないな。初めて会った時……飛び蹴りを喰らった時からね。」

 

「え?そ、そんな事したっけ?」

 

 

 

そう言えばしてたな?……いや、あれは実に見事な飛び蹴りだった。スマブラだったら強烈な吹っ飛び性能を持った空中横スマッシュ技になっていたかもしれん。

格ゲーだったら、ジャンプ中に→+強Kで出る特殊技だな。其れも、コマンドを入力した瞬間に、飛び蹴りは出てないのに攻撃判定が発生してると言う鬼性能のな。

 

 

 

「あ、あはは……幼い頃の過ちって事で。」

 

「はいはい。

 ……ねぇ、エステル。」

 

「なに、ヨシュア?」

 

「今回の事件、絶対に解決しよう。

 父さんが捕まってるかどうか、まだハッキリしてないけど……其れでも、僕達の手で、絶対に。」

 

「うん……モチのロンよ!」

 

「ふふ、そろそろ宿に戻ろうか?食事の準備も出来てる頃だろうし。」

 

「うん、お腹ペコペコ~~。しっかりゴハンを食べて、真夜中に備えなくちゃね。」

 

 

 

だな、そうしよう……身体を共有してるから、私も空腹を感じているからね。……ヴァレリア湖の幸を使った天丼とか出て来たら最高だな。

で、宿に戻る途中でエステルが改めてヨシュアに『実録・百日戦役』を差し出したのだが、ヨシュアはもう読み終わったので如何しようか悩んでたのだが、此処で予想外な事に、エスエルが『自分でも読めるかな?』と言って、ヨシュアが『大丈夫だと思う』と言って、エステルが貰う事になった。

エステルが自ら本を読もうとするとは、明日の天気は雨か?嵐か、はたまた雪か吹雪か、それとも槍か。

 

 

 

《アインス、アタシを何だと思ってんの?》

 

《元気溌剌な天真爛漫で論理的思考を司る左脳が機能してない代わりに直観力を司る右脳の稼働率が200%の美少女だが、其れが何か?》

 

《褒められてるのか馬鹿にされてるのか分からないわ此れ。》

 

 

 

一応褒めてるんだけどな――其れに、エステルの直感力は天性の鋭さがあるから論理的思考が無くとも問題はないんだ……究極の直感と究極の理論は同じ結果に辿り着くと言われているからね。

其れで、改めて宿に戻って来たのだが……なんか凄い事になってるな此れは?

 

 

 

「き、君達……助けてくれたまえ。流石に……もう限界だ……」

 

「うっわー、すごい!少しだけ見直しちゃったわ。」

 

「確かに、シェラさんに付き合って意識が残ってるのは珍しいかもね。」

 

 

 

オリビエがシェラザードに酔い潰されていた……が、ヨシュアの言う様に意識が残ってるのはレアケースだ。シェラザードに付き合って意識が残って居るのは、私が知る限りカシウスとアイナだけだからな。

其処からテンプレ通りにシェラザードに絡まれてしまったが、此処はヨシュアがオリビエを生贄に捧げてターンエンド!……爽やかな笑顔で、オリビエの事をサラッと生贄にするヨシュア恐るべし。

取り敢えず、何か言い残す事はあるかオリビエ?

 

 

 

「ありがとう!そしてさようなら~~!!」

 

 

 

其れはちょっとキャラが違うかな?『草薙さんごめんなさい』と言わなかっただけ良いのかも知れないが……取り敢えず、オリビエをシェラザードの生贄にして、カウンター席で晩御飯を堪能した。

晩御飯のメニューはヴァレリアバスの唐揚げ、レインボウのカルパッチョ、ガーウェルズのフリッターを乗せたガーリックライスで全部美味だったな。

部屋も素晴らしくて料理も美味しい……SNSで拡散出来ないのが残念でならないな。

序に、店主が『おまけだ』と言って付けてくれたレインボウの骨せんべいがこれまたとっても美味しかった……シェラザードの方にも出していたから、きっと良い酒の肴になっただろうさ。

ただ揚げただけじゃなく、ガーリックパウダーと塩と胡椒でパンチの利いた味付けになっていたからね。

 

 

 

「は~~……美味しかった~~!」

 

「本当に美味しかったね……僕ももうお腹一杯だ――って、エステル、ご飯粒ついてるよ?」

 

 

 

……おいこらヨシュア、エステルの口元に付いた飯粒を取るのは良いとして、其れを普通に食べるな?其れは普通に間接キスだからな?否、其れが悪いとは言わないけどね?

無自覚の動作と言うのは何よりも厄介なモノなのかも知れないな――尤も、ヨシュアもエステルも間接キスの事実に気付いてないみたいだけどね。

 

 

 

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・・・

 

 

 

そんな訳で深夜帯になったのだが……オリビエは完全に酔いつぶれて役に立ちそうにないな?この状態では、今動く事が無理なだけでなく、明日も二日酔いで碌に動けない筈だ。

完全にグロッキーだな此れは。

 

 

 

「流石の超マイペース男も、酔ったシェラ姉には勝てなかったか。」

 

「いやぁ、飲んだ飲んだ。最近色々あって飲めなかったから、久しぶりに堪能しちゃったわ♡」

 

「もう、完全に素面だし。シェラさん、何か特殊な訓練でも受けているんじゃないんですか?」

 

 

 

本気でシェラザードのアルコール分解能力は如何なっているのやら……アレだけ飲んだら、普通は二日酔い確定なのだがな。……其れを言ったらシェラザード以上に飲むのに全く酔わないアイナは何者なのだと言う話になるのだけれどね。

アイナはあれだ、人の形をしたウワバミだ。そうでなければ、あの異常な酒の強さの説明が付かないからな。

シェラザード自身は『ゲテモノ酒の類は昔から飲んでいたから、其れで強くなったのかしら?』とか言ってるが、そんなモノで酒に強くなるのか?ヨシュアも『其れは違う気がする。』と言っているしな。

 

 

 

「其れよりコイツ、如何するの?暫く使い物になんないわよ?」

 

「此のまま寝かせておきましょう。……此処から先は、空賊達と直接対決になる可能性が高いわ――やっぱり、只の民間人を巻き込む訳にはいかないからね。」

 

「え……それって……」

《シェラ姉、もしかして巻き込まない為に態と酔い潰したとか?》

 

《いや、其れは絶対に無い。アレは確実に自分が楽しむために飲んでいた……此れは、言うなれば結果論だよ。》

 

《あぁ、やっぱりそうよね。》

 

 

 

「ちょっとエステルもヨシュアも、なんで若干ジト目で見てる訳?」

 

「いやぁ、尤もらしい事言ってるけど、アインスと協議した結果、此れは結果論であってシェラ姉は普通に飲むのを楽しんでたような気がするって。」

 

「絶対ナチュラルに楽しんでたね。」

 

「さてと、夜も更けて来たわ。早速、宿の周囲を回りながら張り込みを始めるとしますか。」

 

「あ、誤魔化した。」

 

「誤魔化したね。」

 

 

 

胡麻貸したな。……ではなく誤魔化したな。

 

 

 

「えぇい、おだまり!

 取り敢えず、昼間に話を聞いた外れの桟橋まで見回りをするわよ。」

 

「はい、分かりました。」

 

「其れじゃ、レッツゴー!」

 

 

 

取り敢えずは桟橋までな。

そう言えば、何かをする時って大概の場合エステルが号令をかけているような気がするが……エステルは割と直感でグイグイ引っ張って行くタイプのリーダーなのかも知れないね。

そんなリーダーの補佐役に理論派のヨシュアとか、ホントに再考過ぎるなこの二人は。

 

 

 

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・・・・・・

 

・・・

 

 

 

結果だけ言うと、桟橋には誰も居なかった。

空賊兄妹が現れると言う確証はないが、ロイドの情報が正しければ現れる筈……連中は街道から来るとの事だったので、其方も見張れるように宿のベランダに陣取る事にした。

此処ならば身を屈めてしまえば角度の関係で街道からは見え難くなるから張り込みには持って来いだ……私に周囲から認知されにくくなる『認識阻害』の魔法が使えれば更に盤石だったのだが、其れは追々覚えて行くとしよう。

さて、件の兄妹は現れるか……ん?

 

 

 

「あ、アレは……」

 

 

 

エステルも気付いたみたいだな?

 

 

 

「さてと、少し早い時間に着いたか。」

 

「そうだね。あーあ、昼間だったら此処で食事とか出来るのにさ。」

 

「無茶言うなよ、俺たちゃお尋ね者なんだぞ?ほれ、さっさと行くぞ。」

 

「あ、待ってよキール兄!」

 

 

 

……アホの子とその兄か。

ロイドの情報と違いアホの子は今日はジェニス王立学園の制服ではなかった様だが、夜だからだろうな――人目に付きにくい夜であれば、制服よりも目立ちそうな空賊の服でも問題ないだろうしな。

 

 

 

「あの僕ッ娘と、その兄貴か……」

 

「外れにある桟橋に向かったみたいだね?何をする心算なんだろう?」

 

「其れは、見てのお楽しみってね。気付かれないように近付くわよ。」

 

 

 

まぁ、そうなるだろうね。

しかし何だろうな……私の中にある無数の経験が告げている――今戦うかどうかは別として、この先必ず戦う事になるであろう強敵が今宵現れるだろうと。

只の勘違いならば良いのだが、もしも現実だとしたら其れは一体どんな相手なのか……取り敢えず、何かあった時の為に何時でも真空波動拳(ビーム砲Ver)を撃てるようにしておくか。

 

 

 

《其れ、撃って大丈夫なの?》

 

《滅殺剛波動の方が良かったか?》

 

《技名的にはそっちの方がヤバい気がするわ!》

 

 

 

ストⅢの豪鬼のスーパーアーツは滅殺剛波動一択だと思ってる……其れ位性能がヤバいからね。其れとも確実にスタンできる電刃波動拳の方が良いだろうか?

 

 

 

《一撃スタンは魅力だけど、もしも外れたらヴァレリア湖の魚がみんな死んじゃうから其れは無しの方向で。》

 

《確かにヴァレリア湖の魚が全て感電死してしまったら大問題だから、電刃波動拳は止めておくか。》

 

『ヴァレリア湖の魚が一晩で絶滅』とか笑えないニュースだしね。

さて、桟橋では一体何が起きると言うのだろうな?――私の勘が正しければ、空賊兄妹の前に誰かが現れる筈なんだが……果たして鬼が出るか蛇が出るか、だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:???

 

 

「……ん?」

 

「如何かなさいましたか少尉?」

 

「いや、何でもない。」

 

あの空賊兄妹と会う為にヴァレリア湖畔に向かっている最中だが……とても大きな気配を感じたな?――闘気は抑えているようだが、その巨大で強大な気配は隠し切れないと言った所か?

尤も、俺かカシウス・ブライト位しか気付く事は出来ないだろうがな。

俺の修羅をも凌駕する存在……何者かは知らんが、相当の使い手である事は間違いない――もしも俺達の障害となる存在であるのならば、全力を持って排除する必要性があるかも知れんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

新作は何が良い?

  • IS:楯無逆行モノ
  • IS:ハーレム無しヴィシュヌヒロインモノ
  • ガンダムSEEDとISのクロス
  • 作者初の小説である遊戯王小説の再構成モノ
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