夜天宿した太陽の娘   作:吉良/飛鳥

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『レイヴン』……長い付き合いになりそうだByアインス      確かにそんな感じがするわByエステル


軌跡48『ルーアン支部での手続き完了!』

Side:アインス

 

北街区に戻る為にラングランド大橋に戻って来た所で声を掛けられたんだが……声を掛けて来たのは、頭の色が派手な、DQN全開な下級チンピラと言った感じの連中だな。

 

 

 

「えっと、アタシ達の事?」

 

「おっと、こりゃあ確かに当たりみたいだな。」

 

「ふん……珍しく女の声が聞こえて来たかと思えば……」

 

「あの……何か御用でしょうか?」

 

 

 

そのチンピラ共に向かってクローゼが至極当然の質問をブチかましてくれた……まぁ、結論を言うのならば低俗なナンパなのだろうが、若しかしたら違うかもしれないから一応は聞いておかないとだね。

 

 

 

「へへ、さっきからここ等をぶらついてるからさ、暇なんだったら俺達と遊ばないかな~って。」

 

 

 

でもって、答えは最悪のナンパだったか……個人の自由故にナンパをするなとは言わないが、ナンパをする相手は選ぶ事をお勧めするぞ?私やエステルをナンパするのは兎も角、クローゼを下手にナンパしたらエライ事になるだろうからね。

 

 

 

「え……あの……」

 

「何よ、今どきナンパ?悪いけど、アタシ達ルーアン見物の最中なの。他を当たってくれない?」

 

「お、その強気な態度……俺ちょっとタイプかも~♡」

 

「ふぇ?」

 

「見物がしたいんだったら、俺達が案内してやろうじゃねぇか。

 そんななまっチョロい小僧なんか放っておいて、俺達と楽しもうぜ。」

 

 

 

駄目だコイツ等話が通じない。

其れと『なまっチョロい小僧』と言うのは若しかしてヨシュアの事か?……そうだとするのならば、マッタク持って人を見る目が無いと言わざるを得ないな?

私やカシウスには勝てなくとも、ヨシュアの実力は一線級であり、お前達の様なチンピラなど其の気になれば文字通り瞬殺してしまうだろうからね。

其れは其れとして、さて如何したモノかなコイツ等は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜天宿した太陽の娘 軌跡48

『ルーアン支部での手続き完了!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なまっちょろいこぞーって、よしゅあのこと~~?

 なにを言ってるんだ、おばかさんだな君たちは!よしゅあはなまっちょろくなんてないぞ~~?よしゅあもえすてるもとっても強いんだぞ~?

 どれくらい強いかっていうと……エルトリアにいるモンスターくらいだったらたぶん倒せちゃうくらいだ!」

 

 

 

と思ってたら、レヴィが割り込んで来た……まぁ、ルーアンまでの道中でエステルとヨシュアが魔獣と戦うのを見ていたから二人の強さは理解……してるよな?この子の場合、理解はしてないけど感覚で分かってる可能性が否定できないからな。

 

 

 

「それに、えすてるの中にはクロハネが居るからその気になればこの街そのものをふっとばすことだってできるんだぞ?おまえ達みたいなざこてきなんていちげきだぞ!あ~っはっはっはっは!!」

 

「……絶好調ねレヴィ?ヨシュアを悪く言われてカチンと来たけど、レヴィのおかげで怒りが霧散しちゃったわ。」

 

「此の状況でそんな風に堂々としてられるとは、凄いですねレヴィちゃん?」

 

「えっへん!」

 

「一応は褒めた事になるから、其れは間違ってはいないのかな?……尤も、彼等にはあまり良いモノじゃなかったみたいだけどね。」

 

 

 

そうだな。

レヴィにバッサリ切られた三人組は如何にも『怒ってます』と言った感じだからなぁ……レヴィならば返り討ちにするだろうが、大事になると面倒なので自分からご退場願うとするか。

 

《と言う訳で、最早お馴染みになった感があるが行くぞエステル。》

 

《オッケー。》

 

 

 

――ボッ!!

 

 

 

エステルの掌に炎を宿す……今回は火属性と幻属性を一緒に使ってみたんだが、時属性との併用が黒炎だったのに対し、幻属性との併用だと蒼炎になるのか。

クォーツの色的に銀の炎になるのかと思ったから意外だったな。

 

 

 

「!?行き成り手に炎が!?戦術オーブメントのアーツか!?」

 

「其れを利用した手品って所かしら?って言っても、この炎は実際に熱いしモノを燃やす事だって出来るんだけど。

 だから、やろうと思えばアンタ達をこんがりとステーキにする事位は簡単にできる訳なのよ此れ……ヨシュアをなまっチョロい小僧とか言った事もムカつくし、ウェルダンにしてやろうかしら?」

 

「すてーきだったら、僕はうぇるだんじゃなくてミディアムが良いな~?ちょっとピンクなぶぶんがあるけどちゃんと火がとおってるミディアムってさいこーにおいしーよね!」

 

 

 

そう言う話じゃないから、お前は少し黙ってようなレヴィ。

 

 

 

「レヴィ……ま、君は其れで良いんだろうね。

 さて、僕がなまっチョロい小僧なのは良いとして、エステル達に手を出すと言うのなら……僕も手加減は出来ませんよ?」

 

「「「!!!」」」

 

 

 

此れは……ヨシュアから発せられたのは殺気か?

其れも、余計な感情は一切含まない純粋なまでの殺意のみで練り上げられた殺気……あの三人にだけ向けたみたいだからエステルもクローゼもレヴィも気付いてないが、私には分かった――僅かな余波ではあるが身の危険を感じたよ。

其れを直接喰らった三人組は、心臓を鷲掴みにされ、死の恐怖を感じた事だろう……此れだけの殺気を放てるとは、間違いなくヨシュアは過去に日常的に戦う生活を送っていたのだろう――そうでなくては、純粋な殺気を放つ事など出来ないだろうからね。

だが、ヨシュアの殺気と私が宿してやったエステルの炎の効果でチンピラ共は戦意喪失だったのだが、其処に市長の秘書と市長が現れ、エステルとヨシュアが遊撃士だと分かると、捨て台詞を残して去って行った。

『今日の所は見逃してやる。』、『次に会ったら只じゃおかねぇ。』、『け、アバヨ!』……捻りも何もあったもんじゃないな。

 

 

 

「分かり易いくらい陳腐な捨て台詞ね……ヨシュア、捨て台詞とは?」

 

「一、負けて悔しい方が吐く。

 二、言ってからもっと良いセリフを思いついて後悔する。

 三、言われた方はどんな捨て台詞を吐かれようとも、次に会った時には捨て台詞どころか其れを言った相手自体を完全に忘れている――で、合

 ってるかな?」

 

「はい、大正解。って言っても、アインスの独断と偏見による基準だけどね。」

 

 

 

確かにそうなんだが、間違ってはいないと思う。

其れでだ、市長であるダルモアとその秘書であるギルバートと挨拶を交わしてから遊撃士協会に向かったのだが……ダルモアとギルバートからは

何やら宜しくないモノを感じたな?

何かとは言えないが、アイツ等の事は表面上の態度で判断しない方が良さそうだ……一見すると人当たりの良い好人物に見えるが、其の通りで

は無いだろうからね。

 

 

 

《アインス、其れってどういう事?》

 

《ダルモアもギルバートも、対外的には可愛い子猫の皮を被っているが、その皮の中身はゴジラ……だと強過ぎるから、闇道化師のサギーである可能性があるって事さ。》

 

《子猫の中身が闇道化師のサギー……其れはマジで詐欺ね。サギーだけに。》

 

 

 

うん巧い!座布団一枚だな。

その道中、クローゼが『不用意な場所に案内してしまった』と謝って来たが、其れはクローゼが謝る事ではない――ヨシュアも『君が謝る事ではない』と言っているしな。……取り敢えず、奴等のたまり場には近付かないようにするのが上策だね。

 

そんな訳で遊撃士協会に戻って来たのだが……

 

 

 

「いらっしゃい。遊撃士協会にようこそ……おや、クローゼ君じゃないか。」

 

「こんにちは、ジャンさん。」

 

「また、学園長の頼みで魔獣退治の依頼に来たのかい?ああ、判った!学園祭の時の警備の依頼かな?」

 

「いえ、其れは何れ伺わせて頂くと思うんですけど。今日はエステルさん達に付き合わせて貰ってる最中なんです。」

 

 

 

受け付けに居た眼鏡の青年……クローゼが『ジャンさん』と呼んでいたのを考えると、彼がカルナが言っていたルーアンの遊撃士協会の受付のジャンなのだろうね。クローゼとは顔見知りだったのか。

 

 

 

「あれ、そう言えば……学園の生徒じゃなさそうだけど……待てよ、その紋章は……」

 

「初めまして。準遊撃士のエステルです。」

 

「同じく準遊撃士のヨシュアです。」

 

「あぁ、君達がエステル君とヨシュア君か。いや~ホント良く来てくれた!

 ボース支部から連絡があって、今か今かと待ちかねていたんだ。……勿論、エステル君のもう一人の人格であるアインス君もね。」

 

 

 

ルグラン老人が連絡を入れていてくれたのだろうな……カルナが私の事を知っていたのだから、ジャンが私の事を知らない筈がないが、人格交代で驚かせる事が出来ないのは少しツマランな。

でもって、この青年の名は矢張りジャン。ルーアン支部の受付で、私達の監督を含めて色々サポートしてくれるとの事だ……ルグラン老人とは違った好感が持てる青年だな。

……『あの空賊事件を見事解決した立役者だからな』と言うのは、少々プレッシャーを掛けられた気がしなくもないが、其れだけ期待されてると言うのならば、其れに応えるまでさ。

 

 

 

「空賊事件って……あのボース地方で起きた?私、『リベール通信』の最新号で読んだばかりです。

 あれ、エステルさん達が解決なさったんですか?」

 

「あはは……まさか、手伝いをしただけだってば。」

 

「実際に空賊を退治したのは王国軍の部隊だからね……まぁ、空賊の大半はアインスが戦闘不能にした訳なんだけど。」

 

 

 

はは……其れは否定出来ないなヨシュア……実際に、逃げるカプア一家を護る為に立ち塞がった空賊共は私が範囲魔法で一撃殲滅しまくったからね。数多の世界を滅ぼして来た闇の書の力を甘く見るなだな。

トまぁそんなこんなで転属手続きを済ませ、私達の所属はボースからルーアンに代わった訳なのだが……ジャンの『この忙しい時期にルーアンに来てくれた。』、『もう逃がさないからね』と言うのが少し怖い感じがしてならない――せめて無茶振りをしてこない事を祈るのが吉なのかもな。

 

 

 

《イメージで作り出して引いたおみくじが大凶だった。》

 

《其れじゃあ其れは二つに破って燃やしてしまおうな。》

 

 

 

ジャンの話を聞くと、どうにも『王家の偉い人』がルーアンに来ているせいでルーアン市街の警備の強化をダルモアが依頼した事で、警備を強化する為にルーアン所属の遊撃士が駆り出されて人手不足なのだろうな。――その穴を埋めるのが、私達の役目なのだろなきっと。

更に其処から、私達に絡んで来た連中は、ルーアンでも札付きの悪の集まりである『レイブン』だと言う事が分かった……レイブン――『渡り鴉』とは随分と洒落た名前だが、鴉は渡りはしないから的外れな名前だな。

ジャンが言うには、少し前までは大人しかったけれど、最近になってタガが緩んでいるみたいだとか……なんにせよ人手不足みたいだから、私達に出来る事は何でもやらねばだなエステルよ?

 

 

 

「アインスも『私達に出来る事なら何でもやる』って言ってるから任せてよジャンさん!」

 

「何かあったら、遠慮なく僕達に言いつけて下さい。」

 

「よっしゃー!僕も頑張るぞ!!」

 

「あぁ、宜しく頼むよ……って、この青髪の子は?」

 

「此の子はレヴィって言って、ボースからこっちに来る間に出会った子で……ちょっと色々と特殊な子だから一緒に旅をしてるの。

 こう見えても、めっちゃ強いから魔獣相手でも余裕でかっちゃうのよ!」

 

「そーだ、僕は強い!」

 

「何か、事情がある訳か……分かった、深くは聞かないよ。この事は、他の支部にも連絡は入れておくけどね。」

 

 

 

レヴィの事も何とかなったみたいだな――此れが普通の子供だったらギルドに預けるんだが、レヴィは普通ではないから私達と一緒に居た方が良いしね。

転属手続きも終わったからギルドから出ると、もう夕方になっていたか……夕陽で茜色に染まった町並みは、昼間とは違った趣があるな。

 

 

 

「もう夕方ぁ……スッゴク綺麗な夕陽ねぇ!」

 

「此処の夕日は格別だな。白い街並みによく映えてる。」

 

「む?ひるまみたお日さまよりもゆーひのほーがおっきくみえて真っ赤になって、すっごくきれーだぞ!」

 

「ふふ、私も大好きです。」

 

 

 

其れは分かる気がする。

ルーアンは直ぐ近くが海だから他の都市よりも日没が遅い……水平線の彼方に太陽が消えるまで夜は訪れないからだが、其れだけに水平線に太陽が沈んで行くダイナミックな夕焼けを見る事が出来るからね。

 

 

 

「そうだ……そろそろだと思いますよ。」

 

「え、何が?」

 

 

 

――カンカン!カンカン!

 

 

 

って、此れは鐘の音?あぁ、そう言う事か。

跳ね橋が上がる時間が来たと言う事だな……橋の近くまで移動して見物したが、此れは何ともダイナミックなモノだ。……スマホやインターネットが存在していたら、間違いなくSNSで話題になっていただろうな。――尤も、この世界でも口コミや雑誌などで割と知られてはいるのかも知れないけれどね。

 

 

 

「はぁ~~……なんて言うか圧巻ね。あれ、ドレ位の間跳ね上がってるモノなの?」

 

「三十分位だと思います。

 早朝、昼前、夕方の三回、通る船がなくなるまでですね。」

 

「成程、比較的人通りの少ない時間帯だね。」

 

「ふふ、初めて来られた方は最初は戸惑われるらしいですけど。」

 

「へ、なんでとまどうの?」

 

 

 

レヴィよ、其れを聞くのかお前は……いや、純粋に疑問なのかも知れないけど、此れ位はせめて察して欲しいんだがな?と言うか察してくれ。

紫天の盟主はユーリでも、紫天の三つのプログラムである王と知と力の基礎を作ったのは私だからな……自分が作った力の構成体がこんなアホの子とか少し悲しくなってくるから。

 

 

 

「レヴィ、アタシ達はクローゼからこの橋が跳ね橋だっていう事を聞いて知ってたわよね?」

 

「うん、知ってた。」

 

「だけど、ルーアンに来た人すべてが其れを知ってる訳じゃない。其れは分かる。」

 

「うん、分かる。ぜんいんが知ってたらおかしい。」

 

「其れじゃあが、レヴィがこの橋の事を全然知らなかったとして、其れが突然目の前で跳ねあがったら如何なるかしら?」

 

「とってもびっくり!おどろき、もものき、さんしょのきだぞ!」

 

「つまり、そういう事。吃驚して戸惑っちゃうのよ。」

 

「おー!そういう事か!エステルのせつめーはわかりやすいな!」

 

「勉強は苦手なのに、なんでか子供に説明するのは得意なんだよねエステルって……僕は、あんまりそう言うのが得意じゃないから、其れについてはエステルの事を少し尊敬するよ。」

 

 

 

案外エステルは保育士とか向いてるかも知れないな……手の掛かる悪戯小僧に、結構なレベルのお仕置きをしそうではあるけどね。

 

 

 

「エステルさんなら、先生の所の子達とも直ぐに仲良くなれるかもしれませんね……クラム君だけは、少し時間が掛かるかも知れませんけど。

 あ、そう言えば……エステルさん達は、今夜の宿は如何されるんですか?」

 

「う~ん……ギルドの二階に泊らせて貰う手もあるけど、やっぱり最初位は優雅にホテルに泊まりたいかも。」

 

 

 

其れは同感だ。

ギルドの二階にある休息室も悪くは無いんだが、其れでもホテルと比べたらベッドの質が段違いだからね……ロレントのホテルですらそうだったのだから、ルーアンではその差は更に大きい事だと思う。

だが、クローゼによれば、『この時期は観光シーズンで直ぐに一杯になってしまうから、急いで部屋を取った方が良い』と言われ、一路ホテルへ!

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

で、『ホテル・ブランシュ』に来て、ヨシュアが『今からでも部屋は取れるか?』と聞いた所、如何やら良いタイミングだったらしく、ついさっき最上階の部屋がキャンセルされたとの事で、その部屋を進められた。

最上階だと値段が高いのではと思ったが、キャンセル空きなので通常料金で良いのだとか……可成り良心的な料金設定みたいだが、其れよりも私達が遊撃士だと言うのが大きかったみたいだ。

『いつもお世話になってるいるからサービスしますよ』と言っていたからね……成程、軍と違い市民と近い遊撃士だと、こう言った美味しい話があったりする訳か。――無論、ちゃんと仕事をしていればこそだけれどな。

 

 

 

「えへへ、其処まで言われちゃ、お言葉に甘えちゃうしかないわね。」

 

「其れじゃあ、その部屋をお願いします。」

 

「才女ー会……たのしみだな!」

 

 

 

レヴィ、なんか字がオカシイ。何だその、滅茶苦茶頭の良さそうな女性ばかりが集まってそうな会は?何か?紫式部と清少納言と小野小町とクレオパトラとお市の方と稲姫が女子会でもやってるのか?……其れは其れで見てみたい気もするがな。

 

 

 

「ふふ、良かったですねエステルさん、ヨシュアさん、レヴィちゃん……そして、アインスさん。私、そろそろ学園に戻ろうかと思います。

 急がないと、寮の門限に間に合いそうにないので……」

 

「あ、そっか……夕方までって言ってたよね。う~ん……名残惜しいけど仕方ないか。」

 

 

 

で、此処でクローゼとはお別れか……エステルの言う様に、名残惜しいが門限では仕方ないな。

 

 

 

「良かったら、学園まで送ろうか?」

 

「ふふ、大丈夫です。通いなれてる道ですから。」

 

 

 

ヨシュアが学園まで送ろうかと提案したが、それはやんわりと断られてしまったな……受けてくれたら、もう少しだけ一緒に居る事が出来たのかと思うと、少し残念だ。

ま、クローゼとしては私達に負担を掛けたくなかったのだろうけどね。

別れ際にクローゼは『今日は付き合ってくれてありがとうございました』と言っていたが、ありがとうは寧ろこっちの方だ……ルーアンの街を案内して貰ったしね。

 

 

 

「アインスが、『ありがとうは寧ろこっちの方だ。』ってさ。」

 

「そんな、大した事はしてません。

 そうだ、皆さんは暫くルーアン地方に居るんですよね?良かったら、来週末にある学園祭にいらっしゃいませんか?」

 

「ガクエンサイ?」

 

「名前から察するになんかの行事みたいだね?」

 

「嶽炎砕?」

 

 

 

レヴィ、だから字がオカシイって。何か必殺技っぽくなってるから。――とは言っても私も学園祭とやらが何であるかはよく知らないけどな。

クローゼが言うには、『学園側の許可を取って、生徒が自主的に開くお祭り』との事で王立学園の伝統行事だとか……ふむ、祭りと言うのならば参加しないと言う選択肢はない。

祭りとは、参加して楽しまねば損だからね。

 

 

 

「あ、そーいうのアタシメッチメチャ好きかも!出店とか、演し物はあるの?」

 

「出店といえば、たこ焼き、焼きそば、そーせーじー!そーせーじには、ケチャップをたっぷりかけて食べるのがおいしー!」

 

「タコ焼きと焼きそばは良く分からないですけど、ソーセージは有るかも知れませんよレヴィちゃん。

 他にも色んな屋台や演しモノがあるので、結構本格的なんですよ。」

 

「行く行く!ぜーったい行く!って言うか、アタシも一緒にお祭りの準備をしたいくらい!」

 

「ちょっとエステル……さっきギルドで忙しくなるって聞いたばかりなのを忘れたのかい?」

 

「うぅ……其れがあったか。」

 

「まぁ、学園祭の当日だけなら、良い息抜きにもなると思うし……其れまでしっかり仕事しようね。」

 

「ふぁーい。」

 

 

 

だが、ギルドが忙しいのならば其方を優先すべきか……ヨシュアのアメとムチ的なやり方は見事だな。――恐らく、私とカシウスを除いたら、エステルの事を一番知ってるのはヨシュアなのかも知れないな。

クローゼはそのまま学園に帰って行ったか……学園祭の事もあるから、そう遠くなく再会できるだろうね。

 

 

 

「出会いには恵まれたし、最上階の良い部屋も取れたし……やっぱり、マノリアの展望台でジークを見たのが良かったのかも。」

 

「ハハ、そうかも知れないね。」

 

「ブルーファルコンはF-ZEROくっしのさいきょー機体だけど、ホワイトファルコンはどーだー!?」

 

 

 

いや、知らんよ。

取り敢えず先ずは、最上階の部屋に荷物を置くか……長旅だから、結構な大荷物だからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 




キャラクター設定



ジャン

・ルーアン支部の受付の男性。
 丸眼鏡と赤茶色の髪が印象的な好青年といった感じで実際可成りの好青年。ボースのルグランから話を聞いていたのでアインスの事は知ってたりする。

新作は何が良い?

  • IS:楯無逆行モノ
  • IS:ハーレム無しヴィシュヌヒロインモノ
  • ガンダムSEEDとISのクロス
  • 作者初の小説である遊戯王小説の再構成モノ
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