夜天宿した太陽の娘   作:吉良/飛鳥

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幽霊は、塩を混ぜた酒をぶっ掛けたら死ぬんじゃだろうか?Byアインス      幽霊が死ぬって矛盾がハンパないわByエステル


軌跡87『殲滅者との再会と、幽霊事件と』

Side:アインス

 

 

ルーアン周辺で起こっている『白い影』の目撃情報を集め、そしてそれを解決する為に行動していたのだが、まさかお前と遭遇するとは思わなかったよシュテル。

私の感覚だと、十年振りかな。

 

 

 

「貴女の時間だとそれ程の時間が経っているのですね?

 私の方はアレからまだ二~三年と言った所です……とは言ってもプログラム生命体なので容姿は全く変わっていませんが。

 しかし十年ですか……高町なのははきっと美しい女性に成長している事でしょうね?」

 

「いや、私の時間が十年経っているだけで、あの世界でどれだけの時間が経っているのかは分からないからな?……彼女が美しい女性にと言うのは激しく同意するが」

 

《って言うかアインス、此の子誰なの?》

 

《ん?あぁ、レヴィと同じマテリアルの一人で、『知』を司っているシュテルだ。……お前も挨拶をしておけ》

 

《そうね♪》

 

 

 

――シュン!

 

 

 

「おや、姿が……成程、それが人格交代ですか。人格交代をすると、アインスは半実体化する訳ですね」

 

「まぁ、こうなったのは最近なんだけどね。

 それよりも、初めましてシュテル。アタシはエステル。エステル・ブライトよ!」

 

「貴女がアインスが宿っているエステルですか……レヴィから話は聞いています。

 私はシュテル、『知』を司るマテリアルです、以後お見知りおきを」

 

「うん、宜しくね♪

 で、それは良いんだけど……それ、何?」

 

 

 

「「「「「「「「「「にゃ~~~ん 」」」」」」」」」」×沢山

 

 

 

「おや?」

 

 

 

……何時の間にやらネコまみれか。

いや、前はこんな事にならなかった筈だが、エルトリアに行ってから猫に好かれる何かを身に付けたのかなシュテルは?……と言うか、頭とか肩に普通に乗っているぞオイ。

 

 

 

「……如何したモノでしょうか、エステル・ブライト?」

 

「いや、アタシに聞かれてもねぇ……それと、エステルで良いわよ?」

 

「……了解です」

 

 

 

結局、シュテルに群がっていた猫達は、シュテルが懐から取り出した煮干しを与える事でどうにかした……何だってそんな物が懐から出て来るのかと言うのは、突っ込んではイケナイ事なのだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜天宿した太陽の娘 軌跡87

『殲滅者との再会と、幽霊事件と』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エステルとシュテルの挨拶が済み、猫達も何とかした後は、再び私が表に出てマノリア村に。シュテルも『半年はこちらに居る事になるので、御一緒させていただきます』と言う事で一緒にだ。

で、『白の木蓮亭』でテレサ先生と子供達の事を聞いたら、『全焼したマーシア孤児院の跡地に、先日やっと新しい建物が出来た』と言う事を教えてくれた……良かった、孤児院の再建が出来たんだな。

 

なので早速、孤児院にやって来たのだが……これは、実に見事に再建したな。

 

 

 

《あんなに黒焦げだったのに……良かった。》

 

《あぁ、そうだな》

 

 

 

「ん?姉ちゃん誰?」

 

 

 

っと、声を掛けて来たのはクラムか。

誰って……そう言えばこの姿で会うのは初めてだったな。久しぶりだなクラム、私だよ、アインスだ。エステルのもう一つの人格さ。覚えてるだろう?

 

 

 

「え?アインス姉ちゃん!?前と全然違うじゃん!!」

 

「いやぁ、二ヶ月ほど前から、人格交代をすると髪が銀色になるだけではなく、容姿まで完全に変わるようになってしまってな?そして、更に服まで変わるようになってしまったのだ」

 

「嘘だろ、そんな事ってあるのかよ?」

 

「ふむ、簡単に信じられるものではないか……ならば、これでどうだ?」

 

 

 

――シュン!

 

 

 

「やっほー!久しぶりねクラム!会いたかったわ!!」

 

「エステル姉ちゃんに変わった!?……って事はマジなんだ!?――二重人格ってのは聞いた事があったけど、見た目が全く別人になるってのはオイラも初めて見たぜ」

 

 

 

まぁ、世界中を探してもこんな事になるのは私とエステルだけだろうけどな。

その後、クラムが私達が来た事を伝えると、マリィとダニエルとポーリィが出て来て、私が表に出てやったら大層驚いて居たな……子供と言うのは純粋でいい。

クラムは『ヨシュア兄ちゃんは一緒じゃないの?』と聞いて来たが、流石に居なくなったとは言えないので、『用事で』と誤魔化しておいた。

で、子供達はシュテルを『誰?』と聞いて来たのだが、シュテルは自己紹介をすると同時に『アインスの妹です』なんて事を言ってくれた……何故にお前が私の妹になるのか?

 

 

 

「我等マテリアルは闇の書の構成素体……であるのならば、闇の書の本体とも言うべき貴女の妹に当たるのではないかと」

 

「合ってるような、間違ってるような微妙な所だなそれは」

 

《シュテルって、もしかしてナチュラルにボケかますタイプなのかしら?》

 

 

 

もしかしなくてもそうだよ。しかもシュテルは表情が余り変わらないから、冗談なのかマジなのかを判断し辛いんだ……せめてもう少し表情が豊かになってくれると良いんだがな?

 

 

 

「はぁ、王にも同じ様な事を言われたので、笑顔になった事があるのですが、物の見事に表情筋がつってしまい、その日は顔が一日中痛かったですねぇ」

 

「いや、どれだけ表情筋硬いんだお前は?」

 

まぁ、表情豊かなシュテルと言うのは、それはそれで想像出来ないのだがな。

 

そんなこんなやってる内にテレサ先生がやって来て『よく来てくれました。さぁ、中に』と言って新しい孤児院の中に招いてくれた……折角来たのだから、テレサ先生の好意に甘えさせてもらうとするか。

 

 

 

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・・・

 

 

 

その後は、子供達と交流し、良い時間になったので晩御飯にお呼ばれして今はディナータイムだ。

ここで、孤児院の放火事件に事を発する、ルーアンでの一件を話したら、クラムは特に喰い付いて来たな――私がレヴィのバルニフィカスをオール代わりにしてダルモアを追った件には目を輝かせていたからね。

 

しかし、テレサ先生の料理は美味しいな。派手さや華やかさはないが、そんな物がなくてもこの料理にはテレサ先生の真心を感じる事が出来る。

私に母親は居ないが、『母の味』と言うのはこう言うモノなのかもな。

 

 

 

「テレサ先生でしたか、この料理は実に美味です。王の料理すら上回っていると言っても過言ではないでしょう」

 

「でしょう?先生の料理はリベールいちだもん!」

 

「ぜっぴんなのー♪」

 

「そんな事よりさー、市長はどうなったんだよ?」

 

「何とか追い付いた私達だったが、ダルモアの乗る船に飛び移った所で、大波で船が揺れてバランスを崩して川に落ちてしまったのだが、そこに女王親衛隊のアルセイユが現れてな……中隊長のユリアが、ダルモアを逮捕すると宣言してダルモアはお縄になった訳だ」

 

そして、子供達と話していたらすっかり遅くなってしまったので今晩は孤児院に泊まる事になった。

子供達の部屋に布団を敷いて貰い、私とシュテルはそこで寝る事になったのだが……布団が一つしかないからシュテルと同じ布団で寝る事になるとは思わなかったよ。

まぁ、それはそれとして……ヨシュアが心配かエステル?

 

 

 

《まぁね……ヨシュアはちゃんとご飯を食べてるのかな?ベッドの中で眠れてるのかな?周りに支えてくれる人は居るのかな?》

 

《エステル……ヨシュアは抜かりのない奴だからきっと大丈夫さ。だから、私達はヨシュアの無事を信じて、一日でも早くヨシュアを見つけ出して、ブライト家に連れ帰ってやろうじゃないか。

 そして、お前を置いて行ってしまった事をみっちり説教してやらねばだ。最低でも二時間コースでな》

 

《そうね……そうよね!!》

 

 

 

まぁ、乙女のファーストキスを最悪なモノにした事を考えると、二時間の説教では済まないかも知れんがな……取り敢えず再会したら、一発殴られる事位は覚悟しておいた方が良いと思うぞヨシュア。

エステルはやらないかも知れないが、カシウスは間違いなく一発行くと思うからな。

 

 

 

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でもって翌朝。

ル・ロックルからグランセルに戻って来て早々にルーアンまで行き、そして白い影の調査を行うと言う中々の強行軍だったせいか、珍しく遅くまで寝てしまった様だ。

既にシュテルは起きていてテレサ先生の手伝いをしており、そろそろ朝食らしく、テレサ先生からは『クラムを呼んで来て貰えますか?』と頼まれた。

それ位ならば大した事ではないので、庭にクラムを呼びに行ったらクラムは畑の草むしりの真っ最中だった。

 

「テレサ先生にやるように言われたのか?」

 

「違うよ、オイラが自分からやってるんだ。

 オイラさぁ、孤児院を守るって言いながら馬鹿な事ばっかしてただろ?だからちっとも上手く行かなくて……そん時にさ、ヨシュア兄ちゃんがさ『君には君にしか出来ない事がある』って言ったんだ。

 それを聞いてさ、オイラ考えたんだ……オイラに出来る事、それって先生を笑顔にしてあげる事なんだって」

 

「だから、テレサ先生が笑顔になれるように、大事な畑の手入れをしていると言う訳か……偉いぞクラム」

 

《…………》

 

 

 

クラムが頑張っている姿に、エステルも何か思う所があるみたいだが、強引に表に出て来ないと言うのは色々と踏ん切りがつかない感じか……もう一つ何かあれば、幽霊の恐怖を越えられそうな気がするんだがな。

 

 

その後、朝食を済ませた所で、例の件について聞いてみたら、目撃したのはポーリィとダニエルだったらしく、ポーリィ命名の『白いオジちゃん』は、変なマスクを付けていたらしく、ポーリィ曰く『お空でくるくる踊ってて、とっても楽しそうだったの。でね、ポーリィが『こんばんわ』って言ったら、お辞儀してあっちの空に飛んでっちゃったのー』との事……あっちの空とは、東か。

これだけを聞くと、子供の戯言にも聞こえるが、子供は純粋故に無意味な嘘は吐かない……子供が嘘を吐くのは、悪い事をしてしまった時にそれを隠そうとする場合か、大人に構って欲しい時だ。少なくともポーリィはそのどちらにも該当しないだろうから、彼女の言っている事は真実と言って良い。

 

 

 

「変な仮面を付けたマントを纏った白い男……怪しい事この上ありませんが、その男がその後現れたと言う事は?」

 

「いえ、それ以来その男性が現れた気配はないのですが、その子達が嘘を言っているとも思えなくて……あんな事件もありましたし、念のために協会にお知らせした次第なんです」

 

「そうだったのか……だが、知らせてくれたのは正解だったよテレサ先生。

 ポーリィの証言のおかげで、少なくともこの白い影とは意思の疎通が出来ると言う事が分かったからね……意思の疎通が出来るのならば、なんとかなるかもしれないからな。

 よく話してくれたポーリィ、お手柄だった」

 

「えへへ~~♪」

 

「裏のない純粋な笑顔と言うのは素晴らしいものですね。『守りたい、この笑顔』とは正にこの事だと思います」

 

 

 

うん、それは間違ってないと思うぞシュテル。

 

 

 

話を聞いた後は、皆と少し遊んでから孤児院を出発だ。

それじゃあ皆、また遊びに来るからな。

 

 

 

「アインス姉ちゃん、そん時はさ、ヨシュア兄ちゃんも連れて来てくれよな?」

 

「勿論だクラム。その時は用事があるとかぬかしても、首っ玉掴んで連れて来るから安心しろ」

 

《アインス、それバイオレンス過ぎるんじゃない?》

 

《なら、棒術具の先に引っ掛けて担いでくる。》

 

《いや、狩りで仕留めた獲物じゃないんだから!!》

 

《よし、最終手段!ルガール運送業者究極奥義、ギガンテックプレッシャーで連れて来よう!》

 

《止めて、ヨシュア死んじゃう!!》

 

 

 

まぁ、全部冗談だがな。と言うか、アイツは早々簡単に死なない……いや、カシウスとロランスのタッグに一人で挑んだら流石に死ぬかもしれんな。

さて、そろそろ行くか。

テレサ先生、色々とありがとうな。

 

 

 

「本当にまた、何時でもいらしてくださいね。

 ……アインスさん、少し時間があったら、どうか学園のクローゼに会いに行ってあげて?あの子は貴女の事をとても気にしていましたし、エステルさんの事も、とても心配していたから」

 

「……あぁ、そうさせて貰うよ。」

 

《クローゼが、アタシの事を心配してくれてたんだ……》

 

《お前とクローゼは友達だろう?友達の事を心配するのは当然だよ……と言うか、クローゼは今は学園に居るんだな。あのままずっと城に居るのかと思ってたんだがな》

 

《お姫様と学園の生徒の二重生活ってどんな感じなのかしら?》

 

《さてな、それはクローゼにしか分からんよ。》

 

そして、孤児院を発ったのだが、孤児院を発つ前のシュテルはまたしても何故かネコまみれになっていた……本当になんなんだその謎スキルは。

しかし、ポーリィの証言のおかげで意思の疎通が出来るらしい事は分かったが、踊ったり挨拶したりと、大凡幽霊らしくないな?幽霊と言うよりはオリビエの様なお調子者と言った感じだ。

何れにしても、まだ情報が少なすぎる……此れで三件中二件の情報は得たので、残る一件を当たってみるか。此処まで来たらトコトンだ。

 

 

 

「…………アインス」

 

「如何したシュテル?」

 

「足の生えたサメの様な生き物が砂浜を走り回っているのですが……それと、人らしき姿も見えました」

 

「なんだと!?」

 

《あんですってー!?》

 

 

 

此れは、誰かが魔獣に襲われていると見て間違いないだろう。

シュテル、合わせろ!

 

 

 

「了解しました。」

 

「喰らえ、滅殺剛旋風輪!!」

 

「ディザスターヒート!!」

 

 

 

私の一撃と、シュテルの三連直射砲がクリーンヒットして魔獣は吹っ飛んだが、海辺の魔獣だけにシュテルの炎属性の一撃は効きが甘かったようでまだ健在なようだな。

だが、少なくとも怯ませる事は出来たから襲われた居た者達を助ける事は出来たか。

 

「大丈夫か?コイツは私が引き受けるから早く逃げろ!って、お前達は!!」

 

揃いの黒い装束に、これまた揃いの短剣……お前達、レイヴンか!……シュテルとの再会に続いて、今度はお前達とか――全くもって、予想外の再会が続くものだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continuity 

 

 

 

 

 

新作は何が良い?

  • IS:楯無逆行モノ
  • IS:ハーレム無しヴィシュヌヒロインモノ
  • ガンダムSEEDとISのクロス
  • 作者初の小説である遊戯王小説の再構成モノ
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