もしもアニメのアズールレーンに指揮官が出てきたら〜2nd season 海上の誓い〜   作:白だし茶漬け

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2匹の鳥

 

 _なぁ、お前って次は何になりたいと思ってる? 

 

 いきなりダチがそんな事言ってきた。しかも変な質問だったから何言ってんだお前と答えてやった。

 

 ダチは笑って俺への質問に答えるようにその質問に答えた。

 

 _俺は鳥になってみてぇよ。自由で、空を飛んで自由にどこへでも行けるしな

 

 あ、そういう系? しかし俺はその問いに意外と感じていた。何故ならこいつは自由そのものと言っていいほど気楽で、奔放で、なんのわかだまりも縛りも無いように思えたからだ。

 

 意外だな、お前はもう自由じゃないかと尋ねた。するとダチは何かを隠すような笑顔で鳥になりたい理由を喋った。

 

 _そっか、そう見えるのか。でも俺自身自由とは感じて無いんだよなぁ。血の呪縛って奴かね? それよりもお前は次は何になりたいんだ? 

 

 俺は……

 

 何も無い平原でいたその日、俺の答えを遮るように2匹の鳥が俺達の間を飛び去った。

 

 

 

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 ___

 

 

「うっし、着いたぞ〜。ここが俺達の目的地だ。ルート案内を終了しますよっと 」

 

 目的地である塔……というよりその近くにある何かの施設にたどり着き、カーナビのナビゲーションが終了した感じ見たいに棒読みでセイドはそう言いながら体を伸ばし、ようやく一休み出来ると体で言っていた。

 

 それはそうだ。後ろに振り返るとそこら中にセイレーンだった物が転がっている。頭を撃ち抜かれたり心臓を撃ち抜かれたり、とにかく1発で命を撃たれ、血なまぐさい赤い物を垂れ流して倒れていた。もう振り返りたく無いほどひでぇ光景だ。

 

 それ以上に怖いのが前にいる男だ。この光景を作り出した奴でそれを涼しい顔して銃を撃つわ乱れ撃つわで見てるこっちがしんどい。まぁ相手がセイレーンだからそんなに抵抗感は無いんだが、何かあれセイレーンと言うと怪しいんだよなぁ……赤い血とか特にそうだ。

 

 確認されたセイレーンが流す血は黄色だ。だけどここにいるセイレーンは全員赤だ。それが何を意味するのか分からないが、それがセイレーンではなくこれは人じゃないかと思ってしまう。

 

「おーいどしたー? 早くしないと置いてくぞ〜 」

 

「あ、あぁ 」

 

 セイドに呼ばれ、ようやくこの街の中心にある塔の近くの施設の中へと入っていく。扉という物が無く、何者かに壊された形跡があった。勿論俺達では無く、別の奴だ。

 

 中に入って最初に目が入ったのは受付場見たいな広いエントランスだ。特にこれといった特徴も無く、奥に通路やら扉やらある程度だ。

 

「えーっと……アレはどこだ〜? 」

 

 受付場にあったタブレットをセイドは操作すると、何やら目的の物がどこにあるかを探っていた。

 

「なぁ、何探してんだよ 」

 

「ん? それはマーレに口止めされてるから流石に言えないな〜。まぁどうせお前も直ぐに見るだろうしな 」

 

「……前から思ってたけどよ。お前ら何でそんなにマーレの言うこと聞くんだ? 生き返らせてもらった恩返しか? 」

 

「それもあるが……やっぱアレかな。あいつが目指す世界に賭けているのもあるな 」

 

「目指す世界? 」

 

「……あいつな、自分を犠牲に世界を救おうとしてるんだよ 」

 

「は? 世界を救うって……誰から? 」

 

「この世界仇なすもの全て 」

 

 セイドはその場を凍りつかせるほど強く冷たい言葉を放った。それを聞いた俺は寒くも無いのに体の内側から氷を入れられたように震えた。

 

「仇なすものって……何だよ。セイレーンか? 」

 

「まぁもしセイレーンがそれなら問答無用で潰すな。だけどそれだけじゃない。アイツは全部から世界を守るつもりなんだよ。例えば……そうだな、人間とかな 」

 

「んだよそれ……じゃあなんだ? もし人間が世界を滅ぼすつもりならそいつらを倒すつもりなのかよ! 」

 

「そうじゃね? まぁ死んだ俺にはもう知ったこっちゃねぇけどな 」

 

「ふざけるなお前! 」

 

 あまりの怒りでセイドに掴みかかろうとしたその時、後ろにも目がついているかのようにセイドは俺を水に左腕を回し、その手に持った銃を俺の額に狂いなく向けていた。

 

「ふざけるな……か、じゃあお前ら人類は今何してんだ? セイレーンという人類の敵がいながらやれアズールレーンとレッドアクシズに別れて戦っていたわ、こそこそと上層部が何か企んでいるわでどうなってんだ? その言葉そっくりそのままお返ししてやるよ 」

 

 セイドはタブレットの操作を止めて体を振り向かせ、銃口を額に当てた。

 

「何言ってんだ……! そもそも上層部が何か企んでるってどういう事だよ。それがお前らが上層部を襲った理由なのか? 」

 

「……そうか、お前は何も知らないのか 」

 

 悪びれるように銃口を下げたセイドは何か言いたそうにしていたが、寸前のところで口を閉ざした。

 何かあるのかと聞き出そうとしても、セイドは何も答えてはくれず、ただ奥の部屋まで歩いていった。

 

「直ぐに分かるさ。ほら、目的の物はどうやら塔のてっぺんらしいぜ。エレベーターがあるといいな 」

 

 セイドはまた笑ってこの場を乗り切った。だがその笑顔は、ハリボテの様に薄っぺらかった。

 

「にしても……高すぎだろあの塔……何メートルあるんだ? 」

 

 

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 同時刻にて

 

 2本の牙のような刀が男に襲いかかり、男はその牙を1本の刀だけで凌いでいた。刀と刀がぶつかり合い、鈍い音を弾けさせ、静かな霧の海の中で踊るような斬撃が舞っていた。

 

「少々やるな。だが当方には遠く及ばない 」

 

「及ばなくともその命は絶ってみせる……!」

 

「まるで飢えた獣の様な剣技だな 」

 

 一撃一撃が鉛の塊のように重い斬撃の高雄と、獲物を刈り取る狼の群れの様に止まらない斬撃を起こす江風は明らかに本来の性能とは掛け離れていた。

 

 性能だけではなく姿形、そして艤装も変貌しており、まるで昔のマーレの様だとロドンは感じていた。

 

「それが【META】という代物か。存外侮れない力だな 」

 

「そんな事言う暇があるのか? 」

 

 江風から背後からロドンの背中を刺すべく刀を突き出すが、ロドンは江風の目を見ずとも背後から襲いかかる刀の位置が分かっていたかのように……いや、最初から分かっていたのだ。そうでなければ、相手の攻撃を見ずに防御するという芸当は出来ない。

 

「背後から当方を殺すのはやはりこの筋しか無い。殺気が刀から伝わるこの感じ……昔の戦争を思い出すな 」

 

「くそ……だが私の他にももう1人いる! 」

 

 今度は高雄が両手で刀を振り下ろし、殺気の纏った刀を受け止めようと左手を上げた瞬間、ロドンの勘が止めろと叫び、咄嗟に防御を止めて右に瞬間移動の如く素早く移動した。

 

 ロドンがいた所に高雄は全身全霊を持って刀を振り下ろすと海は真っ二つに割れ、一瞬だが溝が深い滝が生まれた。

 

「ちっ……! 」

 

「ほぅ……破滅への片道切符を貰う力ではある 」

 

「当然だ。アイツの為に……そして貴様らを倒す為の力だ! 」

 

「何度も言うがそんな力では当方には勝てん。当方達にも負けられぬ理由がある故な 」

 

「世界を掻き乱して何が負けられない理由だ! ほざくな! 」

 

「そうだ。当方達は世界を掻き乱している要因だ。だがそれは今に始まった事では無い 」

 

 戦いながらロドンは昔の事を脳裏に過ぎらせ、2本の刀を受け流し続けた。

 

「世界は多かれ少なかれ人類が生み出している爪にかき乱されている。政治、経済、事件、戦争……全ては人から生まれ、悠久の間それは消える事が無く繰り返されている。何とも哀れな物だ 」

 

「何が言いたい……! 」

 

「今の貴様達なら分かるだろう。セイレーンという敵がいながら人類は何も変わらなった。 自己の為に他社を踏みにじり、保身に縋った人類の醜さを。当方はそれをよく知っているからな…… 」

 

「……確かに人類はいつまで経っても愚かなままだった。そうしてあの悪魔……いや、脅威が産まれてしまった 」

 

「だが優海だけは違う! アイツの為なら死ぬまで戦う! 」

 

「ならば言葉は不要。ここが貴様達の終点だ 」

 

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 __

 

 _

 

 戦いはもう一箇所行われ、KAN-SENとセイレーンの戦いが行われていた。霧の向こうから押し寄せるセイレーンに対し、KAN-SEN達は戦っていた。

 

 艦載機の機銃で身体を撃ち、主砲で吹き飛ばし、持てる武器全て使ってセイレーンを倒していった。だがKAN-SEN達はある違和感を抱いていた。

 

「ねぇ、これ本当にセイレーンなの……? 」

 

 違和感を感じたイントレピッドは、尋ねるようにそう呟いた。

 

「貴方も感じていましたか。見た目セイレーンに酷似してるのに、まるで全く別物と戦っているような…… 」

 

「それに何だか意志の様な物も感じる。うっすらとだが…… 」

 

 セイレーンは基本的に思考能力と言った意志は無く、オブザーバーやピュリファイアー等と言った上位種が意志を持っており、量産型等にはそれがない。

 

 だが明らかに装備が量産目的である事のにも関わらず、今戦っているセイレーンには意志の様な物を感じ取り、それが違和感の正体だとKAN-SEN達は気づいていた。

 

「まるで……人間の様な 」

 

「馬鹿言わないで下さいヴェスタルさん! 人間が……人類が何でこんな所に…… 」

 

「ですが、街があるということは人が住んでいてんじゃ…… 」

 

「この破壊された跡地はセイレーンの物です! そしてあれはセイレーンの新型です! きっとそうに違いありません! 」

 

 ヴェスタルやヘレナが思っている事を否定するように言い放ったエセックスは広範囲爆撃で目の前にいるセイレーンをまとめて打ち倒し。爆風で周りの霧が晴れつつあった。だがその晴れた霧の先には、まだセイレーンが取り囲んでいた。

 

「まだいるのか…… 」

 

「くっ、エンタープライズ先輩達は大丈夫なの……? 」

 

 エセックスが心配していたエンタープライズとホーネット、そしてヨークタウンはここでは別の場所で戦っていた。

 

 その3人が戦っているのはセイレーンでは無く、黒い艤装を背負ったKAN-SENらしき……いや、KAN-SENだった。だがKAN-SENとは何か逸脱した存在である。

 

 3人で向かっているにも関わらず、謎のKAN-SENには攻撃が当たらず、逆に疲弊されている3人は焦りに焦り、状況は苦しくなるばかりだった。

 

「こいつ強すぎでしょ! こっちは3人でやってるのに! 」

 

「完全に動きが読まれている。まるでこっちの動きの癖が分かっているかのような…… 」

 

 攻撃するタイミングや進行方向すら読まれ、3人は苦戦を強いられていた。

 

「こうなったら……奥の手使っちゃおうかな! 」

 

 ホーネットはマントをなびかせながら右手で銃を作るように人差し指をKAN-SENに向け、ホーネットの艤装の甲板から複数の艦載機が飛び出した。

 

「数打っちゃ当たるってね! 」

 

 合計7つの艦載機が謎のKAN-SENに向けて機銃を打ちながら飛び立ち、易々とそれを空中で回避し続けるKAN-SENは無表情でいなし続ける。だが、ホーネットはニヤリて笑い、腰に付いているリボルバー型の銃を持ち、自分が発艦させた艦載機に弾丸を当て、爆発させた。

 

 流石に爆風までは回避するのは難しいのか謎のKAN-SENはバランスを崩し、ホーネットはすかさずまた次の艦載機をぶつける様に突撃させ、さらにもう一発艦載機に当てて爆発させた。

 

「何て無茶苦茶なやり方なの、ホーネット…… 」

 

「エンプラ姉よりはましだと思うけどな〜! ささ、早く追撃追撃! 私の撃っていいから! 」

 

 ホーネットに続き、ヨークタウンとエンタープライズもホーネットの艦載機に攻撃を当て、連鎖的な爆発で爆風は3人の所まで届き、熱い熱風と衝撃に備えた。

 

 手応えは十分にあった。そう3人は確信したが、爆風の中黒い鳥が翼を広げた瞬間消えると、その中から謎のKAN-SENが飛び出し、海に着地した。

 

「嘘……あれで無事なのヤバいでしょ…… 」

 

「この程度、あの人の為ならどうということは無い 」

 

 流石のダメージは受けたようでコートが少し焼け焦げ、そこから見える皮膚も少し傷ついていた。傷ついた所を痛む事も気にする事もせず、謎のKAN-SENは弓をエンタープライズに向け、エンタープライズも同じ構えを取った。

 

「あの人とは指揮官の事か? 教えてくれ、何故指揮官を狙う。何が目的だ 」

 

「答える必要は無い。ましてやお前だけには…… 」

 

「……? 何を言って」

 

 瞬間、謎のKAN-SENは何かを察知したのか攻撃の構えを解き、すかさず艦載機を呼び出してはその上に乗り、この場から離脱した。

 

「逃げるつもり!? 」

 

「お前らに構っている暇は無い……! 」

 

 KAN-SENは3人にいる地面に向けて黒い矢を放ち、矢は地面に突き刺した瞬間に爆発を起こして視界を奪い、艦載機の駆動音が耳に入り、黒い艦載機はそびえ立つ塔に向かった。

 

「しまった……あそこには代理指揮官が……! 」

 

「追いかけるぞ! 」

 

「待って2人共。どうやらそう簡単には行かないみたいね…… 」

 

 ヨークタウンが爆煙の向こうから気配を感じ、その気配は最悪な方向に当たっていた。あのKAN-SENが何かしたのか、それとも狙っていたのか分からないが、爆煙の向こうにはセイレーンがこちらにゆっくりと向かっていた。

 

 ざっと数えても数十はおり、3人だけではかなりキツいだろう。だが今行かなければ謎のKAN-SENはジンとセイドがいる塔に辿り着いてしまう。それは避けられない事であり、ならばこっちも塔に向かってジンを守るとエンタープライズ達は考えたが、この数では塔に向かう事は叶わない。

 

「あぁもうこんな時に! 」

 

「一応代理指揮官さんにはあのセイドがいるけど…… 」

 

「いまいち信用出来ないんだよね! だったら速攻で倒して私達もあそこに行く! だよね、エンプラ姉! 」

 

「あぁ。待っていてくれ……代理指揮官……」

 

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 __

 

 _

 

「あぁ……無理。もう無理、しんどい。いやマジで 」

 

「いやもうちょい頑張れよ……というかマジで高いなここ。今何階ぐらいだ……? 」

 

 まさの塔にあったエレベーターがぶっ壊れて今階段で何百段の螺旋階段で、俺達2人はグロッキー状態寸前になっていた。足がパンパンになるわ息切れになるわセイドに至っては階段でぶっ倒れていた。

 

「というかお前本当に人間か……? 疲れて無いのか? 」

 

 倒れたセイドが引き気味でそう訪ねてきた。

 

「まぁ体力には自信あるからな。というかお前英雄って呼ばれた癖にこの程度で音を上げるのかよ? 」

 

「うるせぇ……お前が異常なだけだ……ぜぇ……はぁ……ちょっと休憩しようぜ、いや本当に 」

 

 どうやらマジで疲れているようだ。このまま最上階に行って目的の物がなんなのか先に知ることも出来るが……ここまで守ってきて貰ってそれは無いという良心が叫び、俺は仕方なく倒れているセイドの隣に座った。

 

「しゃあねえな。気が済むまで休んでろよ 」

 

「おう、あんがとな 」

 

 セイドは壁際に背中を倒れ込み、楽な体勢だ息を整えた。

 

「あぁ〜歳は取りたくねぇな〜 」

 

「ん? お前今何歳なんだ? 」

 

「そうだな〜マーレが言うには俺が全盛期の時の姿で復活させたって言ってたから……23かその辺だろうな 」

 

「おぉ、俺と同い年か 」

 

「お、奇遇だな。……お前さ、子供とかいんの? 」

 

「は? 何言ってんだお前 」

 

「良いからさ! どうなんだよ 」

 

「……居ない 」

 

「じゃあ彼女は? 」

 

「それもいねぇな〜 」

 

「ふーん、気になる奴とかもいねぇの? 」

 

「さっきから何だよ! 」

 

「ただの暇つぶしだって 」

 

 セイドはにししと笑い、俺は気になるヤツは居ないといった。

 

「それよりもお前はどう……ってそうか、7代目がいるって事は子供とか妻とかいるのか 」

 

「そ! まぁ、俺は7代目、つまりマリンとはちょっとしか会ってねえし、アイツが赤ん坊の時に俺死んだからな〜 」

 

「え……何で……? 」

 

「…………昔さ、人類同士の戦争がめちゃくちゃあったの知ってるか? 」

 

「あぁ。学校で習ったよ 」

 

「そう、セイレーンが出てきてからは表立っての戦争は無いが、それ以前はやばかったんだぜ? 平気で一般人徴収して戦わせるわクソ寒い時に外で寝るのを強いられるわで……生きてるのが辛かったわ 」

 

「セイド…… 」

 

「その点セイレーンには感謝だな。人類の敵が生まれて、仮初だが他陣営同士の協力は出来ていた。だが技術や装備を求めて略奪とな繰り返した。それじゃダメだと思って俺はある日、ユニオンに行ったんだ。協定を結ぶ為にな 」

 

「それが……アズールレーンの始まり 」

 

「お? もしかして教科書に載ってたり!? 」

 

「あぁ。アズールレーンの基礎を作った男としてお前が載っていたよ 」

 

「マジか!! へへ、いや〜それってつまりピチピチの女子高生が俺のハンサム顔のことを知ってるって事だよな? いやーモテモテだなぁ 」

 

「いや、お前の顔ほとんどその帽子で見えない奴使われてるからあんまし顔は覚えられてねぇぞ 」

 

「ちくしょうぅぅぅぅぅぅ!!!! 」

 

 ガチで悔しがっているセイドは反響する塔の中で叫び散らかし、思わず耳を塞いだ。

 

「うるせぇ! だいたい子供いるってことはおめぇ奥さんいるだろ! 」

 

「いや〜やっぱモテてるって悪い気はしないしさ。あ、勿論俺は妻一筋だぜ? でも意外だな、お前結構純情なんだな 」

 

「いや人として当たり前のような気がするがな…… 」

 

「はは、良い父親になれそうだな 」

 

 父親と聞いた瞬間、俺の心は沈んだ。

 

「……なれる訳ねぇよ 」

 

「ん? 」

 

「……俺の親父は最低な野郎だ。昔から監禁紛いな事をして跡取りに必要な知識とか教え込まれたり、毎日殴られたりもした。まともな父親じゃなかったよ。そんなまともな父親を知らない俺が、良い父親になんかなれる訳ねぇよ 」

 

 父親の背中を見て育つ。という言葉があるが、俺にとって父親の背中は憎しみの象徴だ。だから良い父親がどういうものなのかは、ドラマや本とかのフィクションの世界でしか知らない。だからもし俺が子を授かったりしたら……どう接すれば良いか分からずじまいになりそうだ。

 

「だから俺は結婚する気もねぇよ 」

 

「……似てるな、アイツに 」

 

「……? そういえば、俺を誰かと似てるって言ってるけど誰なんだ? 」

 

「知りたいか? 」

 

 俺は興味津々に頷いた。するとセイドは帽子を脱ぎ、まともに見る素顔を見せてくれた。

 

 セイドの姿は意外にも綺麗に綺麗な顔立ちであり、イケメンというより美青年みたいな顔だ。太陽の光を浴びれば綺麗に光そうな金色の髪に、透き通る程綺麗な赤い目。

 

 というかロドンの顔はかなりいかつく、ロイヤルの人物なのに重桜の武士の出で立ちなのに、こいつと来たら本能に血縁関係があるのか疑うほどだ。

 

「ん? どした? 」

 

「いや……意外な顔だなって 」

 

「はは。イケメンだろ?」

 

「いや……どっちかと言うと……カワイイ系? 」

 

「うぐっ……やっぱお袋の方に似てるからそうなったか……! いや別に文句は無いけどなぁ 」

 

 セイドは自分の顔に触れた。

 

「その帽子はその顔を隠すためか? 」

 

「いや、これは俺のダチがくれたもんだ。俺が……殺したけどな 」

 

「はっ? 」

 

「教えてやるよ。アズールレーンが始まった事や、俺が親友を殺した事全部な 」

 

 そう言ってセイドは立ち上がり、塔を登りながら過去を話した。

どのテネリタスが好き?

  • ロリママ創造者の2代目 ラハム
  • 人類最強の天然3代目 アトラト
  • 食いしん坊な絶対守護者4代目 シーア
  • 武士道と極める騎士5代目 ロドン
  • 風のように自由なガンマン6代目 セイド
  • 完璧で究極のアイドル7代目 マリン
  • おっとり包容力で全知全能の8代目 ミーア
  • 元人間のセイレーン 10代目マーレ
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