もしもアニメのアズールレーンに指揮官が出てきたら〜2nd season 海上の誓い〜   作:白だし茶漬け

107 / 159
お久しぶりです。最近軽傷ながらコロナにかかってしまい、なかなか思うように書けずにいました。

ですが軽傷故なのか大分楽なのでご心配なく。

今回のお話では、セイレーン作戦ではお世話に?なっているアビータが出てきますが、現存のアビータでは無くまだ出てきていない種類のアビータを、私勝手ながらの解釈等で登場させています。

それでは、どうぞ


霧を翔ける隼

 

人は死ぬ間際に走馬灯って奴を見る。自分の人生が頭の中で滝のように流れ込んで見る現象だ。

 

だが、それは死に対して諦めて奴が見るやつだ。俺は一瞬何故かリアの姿が目に浮かんだが、それはもう吹き飛んだ。

 

「俺は……こんな所で死ぬ訳には行かねぇよ! 」

 

考えろ、この塔の高度は何メートルだ?地面は鉄で受け身は取れても体の半分が粉々になるだけだ。滅茶苦茶痛いと思うが死ぬよりはマシだ。覚悟を決めて受け身の体制を取ろうとしたが、その瞬間壁の向こうにに巨大な穴が開き、その奥から巨大な艦載機がに乗ったエンタープライズがいた。

 

「ジンっ! 」

 

「エンタープライズっ! 」

 

咄嗟にエンタープライズに手を伸ばし、エンタープライズは俺の手を握った。

 

エンタープライズはそのまま俺を艦載機に乗せた。

 

「大丈夫か!? 」

 

「あぁ 」

 

「よし、それじゃあ今から外に…… 」

 

「いや、ダメだ!俺をこの塔のてっぺんに連れてってくれ! 」

 

俺は1番上を指を指すと、エンタープライズはそれを否定した。

 

「何を言ってるんだ! 」

 

「あそこには俺が知りたい情報があるんだ!頼む 」

 

「……分かった 」

 

エンタープライズは不満ながらも塔の最上階まで艦載機を上昇させ、崩れた階段の所に戻り、帽子の奥でセイドの安堵した目が写った。

 

「おっ、戻ったか!」

 

「なんとかな! 」

 

「んじゃあはやくあの部屋に入れ。そこが一番安全だ 」

 

「あいよ 」

 

エンタープライズの艦載機から部屋の前に飛び降り、でかい風穴が空いた先に黒い艦載機に乗ったあの白髪のKAN-SENがセイドの事を親の仇の様な鋭く、冷たい眼差しを向けていた。

 

こっちに向けられてる訳じゃねぇのに威圧感が俺の神経所か細胞までも震えさせ、一刻も早くここから逃げたい気持ちが溢れてくる。こいつ……何者だ?装備や服装が何処と無くエンタープライズに似てるが……明らかに風貌が違いすぎる。

 

その事を確定するかのように謎のKAN-SENは機銃を撃ち込み、セイドは咄嗟に俺を庇うように前に立つと機銃を全て撃ち落とした。

 

「おーお、怖いな。カービス、早く中に入ってろ 」

 

「あ、あぁ……。エンタープライズ、ここは頼むぞ 」

 

「了解した 」

 

俺はこの場を後にして部屋に入り、戦場にはエンタープライズ、セイド、そして謎のKAN-SENの3人になった。

 

……頼んだぞ。

 

___

__

_

 

「ユニオンの英雄さんが援護してくれるとはな。頼りにしてるぜ 」

 

「勘違いしてもらっては困る。お前たちテネリタスが敵だと言う事は変わらない 」

 

「まぁそうだよな。だがアイツを守る。それだけは約束する 」

 

「貴方は何故はそれほどまでに…… 」

 

「死んだダチとの約束だ。アイツだけは死んでも守る。それだけは信じてくれ 」

 

まぁ、ここで信じて貰えなかったら最悪2対1になりそうだが、その程度なら大丈夫だ。キツイのは変わりないけどな……出来ればエンタープライズには信じてもらいたいが……

 

「そいつの言う事を信じるな 」

 

エンタープライズ……いや、目の前の奴が口を開け、言葉を発した。俺にとってはとんでもなく嫌な言葉だけどな。

 

「そいつはいずれ指揮官の驚異になる。その為に私はここに来た。今からでも遅くない。その男を共に倒そう 」

 

アイツはそう言いながら俺に向けて黒い矢を打ち続け、俺は塔から身を投げ出して外へと飛び出し、艤装の一部をスラスターの形状に変形させ、奴を見下ろすように空中で静止した。

 

「随分な言い草だなエンター……いや、コードGって言えば良いのか?まぁどっちでも良いけどな 」

 

「お前の言葉は聞いてない。……さぁ、私と共にセイド……いや、指揮官の敵を殲滅しよう 」

 

前から言っている指揮官てのは恐らくカービスの事じゃなく、優海の方で間違いないだろう。やっぱりアイツ……違う世界線から来たので間違いないだろう。

 

エンタープライズも『指揮官』という言葉が誰を指しているのか分かっているようだ。エンタープライズは武器を少しづつ下ろしていき、迷っている目をしながらコードGの話を静かに聞いた。

 

「あの人は沈みゆく貴方の心を救った人だ。その人を守る為に戦っているんじゃないのか?」

 

「それは…… 」

 

「迷う必要は無い。指揮官の障害は全て排除する。指揮官の命を奪う奴ら、指揮官の幸せを阻害する奴らは全員敵だ。さぁ、一緒に…… 」

 

エンタープライズは悩み、その間にコードGはエンタープライズの目の前まで移動をしていた。

コードGの深淵のような目にエンタープライズは圧倒され、冷や汗をかいてたじろいでいた。

「わ、私は…… 」

 

「別にどっちでも良いんだぜ?俺は 」

 

「セイド…… 」

 

「俺らテネリタスとお前らKAN-SENは敵同士だって分かっているんだ。だったらここで協力する理由は無い。だが、敵になるからには……容赦はしねぇぞ 」

 

敵になるなら手心は必要ない。殺すか殺されるか、敵っていうのはそういう物だ。一応2対1になった時の為に少し距離を空け、俺の得意距離になる様にスラスターを吹かした。

 

さて、後はエンタープライズの選択次第だ。悩め悩め〜?お前は俺とは違って選択する時間がある。悔いも残せるし、そうしない時間さえある。俺なんか、後悔する時間も選択する余地も無かったからな……

 

「私は…… 」

 

___

__

_

 

「何だ……ここ。司令室……か?にしては随分と機械類が多いな 」

 

塔の最上階にある部屋の中に入ってまず目に映ったのは大量のモニターだった。モニターにはこの街の状況や霧の発生源が事細かく記されており、エセックス達やヨークタウン達がいる場所、はたまたロドンがいる場所までも映し出されていた。

 

「うし!場所は大体分かった。皆無事だな…… 」

 

とりあえず安否確認出来てほっとしたが、皆セイレーンに襲われていてジリ貧の状態だ。何とかしたい所だが、ここからでは何も出来そうにない。司令室何だから通信機器があると思ったが、生憎それはぶっ壊れていた。

 

「ちっ……くそっ!! 」

 

舌打ちしながら壊れた通信機器をぶん殴り、やり場のない歯がゆさで情けなさが込み上げてきた。

 

「いや……何も出来ない訳じゃ無いよな! 」

 

そうだ、ここには情報がある。少なくとも、セイレーンに関してなにかわかる筈だ。ここにある資料を漁りに漁り、中にはセイレーンの技術や武器、中には量産型や上級セイレーンの設計図らしきものもある。

 

ここは宝の山か……?これを持ち帰れば対策も出来るし、戦況も有利になる。とにかく片っ端からデータを手に入れ、気になる資料を読み漁っていくと、ひとつの端末の中にあるフォルダ名が目に入った。

 

そのフォルダ名は……『テネリタス』。

 

思わず端末を手に取り、そのテネリタスのフォルダを調べると、俺は目を疑った。

 

﹁メンタルキューブ性能実験:コードネームテネリタス01﹂

 

エックスに対抗する為、めぼしい人体にメンタルキューブを投与した結果。被検体O-049のティアマト・テネリタスが他の被検体とは規格外の数値を得た。

 

結果、彼女の活躍により紛争は彼女がいた陣営が勝利した結果地位を得り、戦闘データも収集完了。

今後も彼女の動向を探る。

 

﹁メンタルキューブ性能実験:コードネームテネリタス16

ティアマトとメンタルキューブの適合率は94%を維持し、これは人類で唯一であった。

そこで我々は彼女にはメンタルキューブの因子を持った人口精子を彼女の子宮に注入し、彼女の遺伝子を持った子孫を繁栄することになった。

 

これにより、彼女の適合率を受け継いだ被検体が生まれ、メンタルキューブの新たな反応が予想される。

この提案に彼女は受け入れた。

 

﹁メンタルキューブ性能実験:コードネームテネリタス25﹂

 

彼女に子供が産まれた。性別はメスだ。名をラハムと名付け、我々はこの被験体をO-046bと呼称する。だが、彼女はこの呼称に嫌悪感を抱き、被検体の名前を呼んでと要望した。仕方なく、我々は被検体の事をラハムと呼んだ。

 

ラハムも素晴らしい適合率を見せてくれた。戦闘能力、空間認識能力を一般の数十倍の能力があり、メンタルキューブの因子の力なのか、生物を具現化する力もあった。

 

調査した結果■〇×▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲◇◇......

 

ERROR:破損したファイルです。

 

 

﹁メンタルキューブ性能実験:コードネームテネリタス168﹂

 

世代を超える事にテネリタスの体内に存在するメンタルキューブ因子が弱まる事が発覚した。それに伴い、5代目辺りから数値のピークに達し、6代目からの適合率は70%にまで減少。

 

このまま続ければ次の世代の適合率は40%前後だと予想される。

 

﹁メンタルキューブ性能実験:コードネームテネリタス196﹂

 

当該実験の中止を発表。

 

要因:個体差による適合率の不安定さと、時系によるメンタルキューブ因子の劣化。

 

人類にメンタルキューブを扱うことはやはり不可能に近かった。めぼしいサンプルではあったが、7代目に置いて実験は終了する。

 

 

「…………は?何だ……これ? 」

 

書いてる事をざっくり言えば、テネリタスは全員メンタルキューブを埋め込まれた……と言うより、初代テネリタス当主の奴が何者かにメンタルキューブを埋め込まれ、そして次世代にメンタルキューブを取り入れるために人工精子でって……

 

「いかれてるだろこれ考えた奴…… 」

 

明らかに倫理観をガン無視した行為だ。テネリタスだけじゃない、他の人間にメンタルキューブを埋め込ませ、動物実験の様な記録を記されたファイルも多数ある。

 

いや、それよりも……何故このタイミングでメンタルキューブという言葉が出てきた……?メンタルキューブ、つまり、KAN-SEN達が造りたされたのは大体10数年前ぐらいだ。

 

テネリタスがどれだけ続いている家系は知らないが、ざっと100年以上前だと仮定すると、メンタルキューブは一世紀前に存在している事になる。

 

だとしたらおかしいだろ。セイレーンが現れたのは20年程前、そしてKAN-SENが造られたのがその10年程後の筈だ。それなのに、100年前からメンタルキューブが存在しているのはおかしい。

 

これじゃあまるで、最初からセイレーン以外の何かと戦う為にあるような気がしてならない。

 

「……やっべ、頭爆発しそうだ 」

 

難しく考え事をしたせいか頭が痛くなり、気休めでもう一度テネリタスに関するファイルを読もうと探った結果、ご丁寧に歴代事にまとめられていた。試しに6代目の事を読もうとした時、地面が揺れた。

 

激しい揺れは俺に立つことも許されず、徐々に振動が強くなっていく。おいおい……安全って言ったやつ誰だよ!ここ普通に崩壊しそうな勢いなんだが……!?

 

「どうなってんだこれ……!? 」

 

揺れを気にかけているこの部屋の機械類やモニターに何か文字が映し出された。

 

﹁Codename:compilerからの要請を確認。IKAROS起動シークエンス、開始 ﹂

 

「イカロス……? 」

 

モニターに映し出された名前は確かにそうだった。イカロスって確か、空を飛べる羽を作って最終的には太陽の熱で羽が溶けて墜落死したって奴の事か。

 

まぁどうであれろくなもんじゃねえとは思うが……

 

「無事でいてくれよ……皆 」

 

 

 

 

 

「……この程度だったか 」

 

「くそっ……! 」

 

刀に付着した血を振り払い、膝を付いた奴らに刀を向ける。戦いで膝を付くという事、それは敗北を意味をする。そして目の前にいる高雄と江風は当方との力の差を思い知り、膝を付いていた。

 

だが目から溢れ出る敵意は死んでおらず、油断すると飢えた獣のように噛みつかれそうな勢いだ。

 

「最後に言い残すことはないか 」

 

「それほどの慈悲が貴様にあったとはな…… 」

 

「勘違いするな。それが出来る余裕がある程当方には余裕がある。無ければここで貴殿らの首を飛ばす 」

 

今更首の1つや2つ飛ばすのに躊躇は無い。生前に幾度もの人を殺めた男だ。人の肉を着る重みや骨を経つ硬い感触、そして血に触れる生暖かさと臭いはもう慣れた。戸惑う事など無い。

 

刀の刃先を首元に添え、今まさに2人の首を切ろうとした瞬間、遠方から一発の榴弾が当方に向かうのを感知し、すかさず刀で斬り伏せた。

 

縦に斬られた榴弾は通り過ぎた後に爆発し、次の攻撃は来る事も無かった。

 

「何者だ 」

 

しかし当然ながら応答は無い。そればかりか高雄と江風を逃してしまった。

 

「むぅ……これでは皆の者に示しがつかないな 」

 

油断したつもりは無いが、僅かな隙で敵を逃がしてしまった。武人たるもの隙を見せてはならぬと言うのに……武士道という物は死してこの世に蘇ったとしても、まだ極みには到達出来ぬということか……

 

「さて、この辺りにもう敵は居ないようだな。アイツの元に合流するか……と、言うと思ったか 」

 

後ろから感じる気配に向けて海を抉る斬撃を飛ばし、割れた海の中で白い装甲が見え隠れした。

 

すかさず次の斬撃を飛ばし、海に隠れている者……恐らくはセイレーンであろう敵を切り裂くが、手応えが軽い。致命傷には至らなかったであろう、隠れていたセイレーンが姿を現した。

 

「痛い…… 」

 

海から巨大な身を包むほどの艤装が表れ、その中央に白髪の少女が気だるげに鎮座していた。艤装からは無数の触手が伸び、上部から下部に渡って包むようにバリアが形成されていた。

 

「その姿は確かマーレから聞いたな。名をなんと言ったか。……コンペイトウだったか?先程の攻撃は貴殿か 」

 

「コンパイラーよ。舐めているの? 」

 

「すまない。当方は名を覚えるのが苦手でな 」

 

「名前を覚えるのが苦手な人は、他人に興味が無い人って言う。貴方もその口かしら 」

 

「貴殿は道端の小石の事を気にするのか? 」

 

「……興味無いって事ね 」

 

「これ以上の言葉は要らない。貴殿がセイレーンなら今ここで…… 」

 

切り伏せると告げると思った矢先、海が揺れ始めた。地震では無い。何か大きな衝撃が街の方向からこちらへ続いた揺れだ。何かあったのか?

 

「どうやら起動したみたい 」

 

「なにかしたのか 」

 

「敵に情報を送るバカはいない 」

 

「ならすぐ確かめるまでだ 」

 

街の方に足を歩めようとしたが、その間前方から強烈な圧を感じ、海中から山のように巨大な艤装を背負ったセイレーンがまた表れた。

 

「デカイな 」

 

「クヒヒ……強いテキ……! 」

 

まるでサメが獲物を見つけたかのような鋭い目と歯を見せ、間髪入れずにセイレーンは攻撃を仕掛けた。

 

セイレーンは艤装を前面に展開させて突撃をかけたが動き自体は単調だ。足を1歩右に移動するだけで簡単に避けられた。すかさず刀を抜いて艤装をバラバラに斬り伏せようとしたが……艤装には傷一つ無い様子だった。

 

「硬いな…… 」

 

「ギシシ……!やっぱりコイツ強いヤツ! 」

 

「どうやらただのセイレーンでは無さそうだな。噂のアビータと言うやつか 」

 

「そう。この子はアビータ:Ⅶ Chariot。見ての通り好戦的だから貴方にピッタリ 」

 

「……当方は戦闘狂という訳ではないのだが 」

 

「ヒヒ、違う。アンタ、私と同じで力に飢えてる。同じ匂いする! 」

 

「……力に飢えてるか 」

 

生前、確かに力を求めていたな。力があれば何もかも手に入る。

 

土地も、食も、民も、富も、名声も、……命さえも。

 

だが……それは幻想だった。その結果あの末路だ。どこで間違ったのか、何をしたら良かったのか今となっては後の祭りだが、このような輩と一緒にするのは気のいい物では無い。

 

「当方は飢えているのでは無い。探しているのだ。武士道……その極みを 」

「ヒヒ!じゃあやろう!殺し合おう!戦おう!死ぬまで! 」

 

チャリオットはその名の通り戦車の如く止まらない砲弾を打ちながら突撃、当方もその嵐の戦車に向かって突撃した。

 

 

 

 

 

 

人には悩む時間が誰しも絶対にある。何を選ぶか、どうするか、誰を選ぶのかさえ迫られる事がある。俺の前にいるエンタープライズは、そんなある選択を迫られていた。

 

「私は…… 」

 

「何を迷っているんだ。テネリタスは敵だ。でないと指揮官が……! 」

 

エンタープライズは俯いていた。本来ならコードGの誘いに乗って俺を倒せば良いのに何故かしないのは、コードGに対して少なからずの不信感を抱いているという事だろう。

 

まあそりゃあそうだ。同じ顔で俺たちに攻撃をしかけ、あまつさえ協力する理由さえ告げないんだ。そりゃあ迷うに決まっている。これは長丁場になりそうだなおい。

 

「おーい、話すのは良いがなんか飛んできてるぞー 」

 

「……! 」

 

コードGは傍からきた攻撃に気づいて回避運動を取り、攻撃を仕掛けたKAN-SENがすぐ様現れた。

 

「エンタープライズ!怪我は無い!? 」

 

「ヨークタウン姉さん……あ、あぁ。私は大丈夫だ 」

 

ヨークタウンの後にホーネットも到着し、なんか後ろの方にもKAN-SEN達が続々と集まってきだした。

 

「エンタープライズ先輩ー!やっと追いつきました!」

 

「エセックス達か!無事だったんだな 」

 

「はい!指揮官は!? 」

 

「カービスなら大丈夫だ。さーてと、俺も中に入ろうかn 」

と思った矢先、塔の天辺から何かの黒い光が霧を貫く様に伸び、同時に塔周辺の地面が揺れ始めた。

 

「な、何だこれは!?セイド、お前か!? 」

 

「な訳ねぇだろバカ。……なんなんだこれ 」

 

こんなの聞いてねぇぞ。塔自体は何とも無いから中にいるカービスは無事だとは思うが、それでも気がかりだ。

 

まぁ、こっから先はちょっとばかし他人を気遣う余裕は無さそうだけどな……。

 

揺れがどんどん強くなり始め、海もその揺れと連動するように波が大きくなり始め、KAN-SEN達もたまらず艦載機を出して空中へと逃げる。この中で唯一の軽巡と補給艦であるヘレナとヴェスタルはエンタープライズの艦載機に乗り、何とか難を逃れた。

 

「見てください皆さん! 」

 

ヘレナが塔の近くに指を指すと、その地点の地面が大きく盛り上がり、中から何かが出る気満々だった。地面が抉れると最初に出てきたのは黒い機械で出来た羽の様な物であり、その羽が一つ羽ばたくと地面が完全に壊れ、全体像が見えるようになった。

 

鋭い鉤爪のような足に、何枚もの鋭いパーツに重ねられた羽……あの姿、間違いなくイーグル、いわゆる隼だった。

 

『クォォォォォォォォォ!!!! 』

 

隼が地面から抜き出し、咆哮と共に空高く飛び回った。

全長は50m越えにも関わらずとんでもない速さだ。それでいて鳥のように変則的な動き……今の技術力じゃ作れない所から見れば……この街の防衛手段という事か。

 

というかなんで今更起動したんだ?俺ら悪いことやってねぇつうの。

 

「……!皆さん、あの鳥から高エネルギー反応!攻撃来ます! 」

 

「何だって!? 」

 

ヘレナの言う通りあの鳥野郎の口から紫色の光が集まり、いかにもやべー攻撃が仕掛けようとしていた。流石に止めるかとスナイパーライフルを構え、鳥野郎の口元に弾丸をお見舞いしようと撃ち込んだが、鳥野郎は羽の一部を切り離し、切り離した羽が意志を持ったかのように弾丸を受け止めて防御した。

 

「はぁ!? 」

 

そんなのありかよと言う前に鳥野郎は口から巨大ビームを俺たちに向けて、発射準備は完了している様子だ。あんなヤバい雰囲気を醸し出している。

 

「ちっ、お前らはさっさと離れろ!あれ当たるとまじやべーぞ! 」

 

「そのようだな。各自散開! 」

 

KAN-SEN達はそれぞれの方向に飛び散り、後は俺が離れれば被害は出ない。さっさとずらかろうとしたその矢先、黒い矢が俺の進行方向を遮るように飛んできた。この攻撃を仕掛けるのはコードG、奴しかいない。

 

「うおっと、あぶねっ……! 」

 

だが動きを止めた瞬間鳥野郎のビームが俺に真っ直ぐと飛んできた。飛んでもなくデカイビームは防御不可、回避だって間に合わない。

 

「やべっ、流石にこれはし……」

 

最後の言葉を言う前に、俺はビームに巻き込まれた。

どのテネリタスが好き?

  • ロリママ創造者の2代目 ラハム
  • 人類最強の天然3代目 アトラト
  • 食いしん坊な絶対守護者4代目 シーア
  • 武士道と極める騎士5代目 ロドン
  • 風のように自由なガンマン6代目 セイド
  • 完璧で究極のアイドル7代目 マリン
  • おっとり包容力で全知全能の8代目 ミーア
  • 元人間のセイレーン 10代目マーレ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。