もしもアニメのアズールレーンに指揮官が出てきたら〜2nd season 海上の誓い〜   作:白だし茶漬け

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いよいよ3月に入りました。もう少しでアズールレーンのアニメが再開します。よし、これ再開までに10話まで無理だな!w
さて、おかげさまでこの小説のUAが20000を越えて、もう少しで25000になります!ここまで来れるなんて感激です!
お気に入りも150まで行けて驚きです!これからもお願いします!


鍛錬と霧と予測と

第16話[鍛錬と霧と予測と]

 

_今からお前を一から鍛えることにした。

 

お日様が起きて明るくなった朝から高雄お姉ちゃんがそんなことを言い出した。なんか怖いよ...

 

鍛えるって...何を...?

 

_その弱腰な姿勢のままではこの先が危うくなるからな。だから鍛えるんだ。何はともあれまずは走り込みだ!ついてこい!

 

高雄お姉ちゃんは僕の手を掴みそのまま外にでた。

 

_あらあら、ちょっと心配ね...様子を見てこようかしら...?だったら今すぐ支度しないと...

 

 

高雄お姉ちゃんが連れてきた場所は何も無い広い草原だった。こんな場所があったなんて...

 

_まずはここで体力をつける。行くぞちゃんと付いてこい。ここを10周程するぞ。

 

高雄お姉ちゃんに言われて一緒に草原を走った。

 

...ちょっと疲れてきた...もうやだよ...

 

_足を止めるな!最後まで走れ!

 

うぅ...足が痛いよぉ...そう思うと足がもつれて転んでしまった。地面とぶつかり、膝と腕に痛みを感じた。見ると血が出ていた。あまりの痛さに泣いてしまった。

 

痛いよぉ...!ヒグ...もうやだよ...

 

立て!甘えるな!それでも男か!そんなことでは何も成長出来ないぞ!

 

うぅ...やだよ...ヒグ...僕...何か悪いことした...?

 

_お前はそのままでは駄目なんだ。立つんだ!何度でも転んでも立ちあがって自分の力で進むんだ。

 

立てと言われ続け、言う通りに立った。まだ涙は流れ続け、血が出た所もまだ痛い。こんなことをする理不尽さに腹を立てた怒りで僕は最後まで走った。

 

 

_よし、最後まで走ったな。では次は...

 

_ちょっと待って高雄ちゃん。

 

愛宕お姉ちゃんが来てくれた。僕は高雄お姉ちゃんから逃げるように愛宕お姉ちゃんの傍に行った。

 

_何の用だ、愛宕。まだ稽古は終わってない。

 

_邪魔はするつもりなないわ。でもこの子怪我してるみたいだからまずは治療させて。

 

愛宕お姉ちゃんは手に持ってる救急箱を開き慣れた手つきで僕を治療した。でも消毒液が傷口にしみて痛い。

 

それ嫌だ。痛いもん。

 

_ごめんね。でも少し我慢して...良し、もう大丈夫よ。

 

...うん。ありがとう...僕...もう帰る...

 

_まて!まだ鍛錬が....

 

高雄お姉ちゃんは僕のこと嫌いなんだ!もういいよ!高雄お姉ちゃんなんて嫌いだ!

 

僕はそのまま逃げ出すようにその場を去った。

 

_お、おい!待て...

 

_高雄ちゃん。ここは私に任せてここで待ってて。

 

_あ、あぁ...済まない...頼む...

 

_直ぐに戻るからね。

 

_......拙者は嫌われてもいい...だがあいつはあのままでは駄目だ。あんな何も無いような姿勢のままじゃ...

 

_そうね...確かにあんな空っぽのままじゃ駄目よね。でも、高雄ちゃんだけ嫌われるのは良くないわ。絶対仲直りしないと!

 

_では...あいつを頼む...。拙者はここで待っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近は妙に昔を思い出す...拉致された形になってしまったが重桜にいたせいか?いやでもその前にも思い出してたような...なんか体が少し肌寒い。やっぱり布団がないとキツイな...。

重いまぶたを開き、目を擦る。寝起きで少し頭がぼうっとするがそんなことを言ってる場合では無い。

 

「おはよう皆。今の状況はどうだ?」

 

「おはようございます。ご主人様。もう少し遅ければそのたるんだ顔ごと虫のように叩いてしまう所でした。」

 

え...怖。あと少し遅ければ俺の顔がやばかったのか...

 

「おはようございます。指揮官。...うぅ...ちょっと寒い...」

 

エディンバラは小刻みに震えており、どこから出したのかティーセットを用意している。

 

「寒そうだな...大丈夫か?」

 

「い、いえいえ!大丈夫ですよ!」

 

「だと良いが...それよりも状況はどうだ?」

 

「正直最悪です。外に出て一度見回りに行きましたが、敵の偵察機がここを周回ていました。恐らく、ここに潜伏している事がバレたのでしょう。」

 

本当に最悪だった。まさか昨日今日でここを掴むとは...とんでもないな...

 

「にゃにゃ!?もうバレてるのにゃ!?どうするにゃ!このままじゃ明石は三味線にされるにゃ!」

 

「三味線...?どうして?」

 

「重桜にある楽器に三味線があるだろう?その胴の部分は猫の皮がつかわれているんだ。だから三味線にされるって言ってるんだろう。」

 

「止めるにゃ!聞きたくないにゃ!その口閉じるにゃ!」

 

「こ、これ返したら見逃して貰えますかね...?」

 

そう言ってエディンバラは少し涙目で黒箱をつんつんと触った。

...?あいつは触ってもなんともないのか?そう言えばシェフィールドも重桜であの黒箱を蹴って触れていたが何ともなかった。じゃあなんで俺だけ...?

 

「無駄に決まっているでしょう。」

 

無駄と悟り、エディンバラと明石は悲鳴をあげた。黒箱についての考えは止め、二人を落ち着かせる。

 

「まぁまぁ、落ち着けよ。だが、ベルファスト達も今ここに向かっているはずだ。恐らく戦闘になるだろう...」

 

俺達が救難信号を出したのは昨日の夕方ぐらいだったはず...夜で救出部隊を編成する時間はあるはず...

 

「あの...なんでアイツが来るって分かるのですか?」

 

アイツ...あぁベルファストのことか...エディンバラはベルファストのことをアイツと呼んでいるのか。まぁ、ベルファストが来る理由としては三つある。

 

「まずは地形かな...」

 

「地形...ですか?」

 

「ここの地形は建物が崩壊してるせいで所々が狭いし視界も悪い。しかも霧のせいで更に悪くなっている。だから小回りの聞く駆逐や軽巡を中心に編成してるはず...」

 

「成程...しかしアズールレーンにも軽巡は沢山います。ベルファストが来る理由としては根拠がないです。」

 

「そこで二つ目の理由だ。恐らく、重桜は二つの部隊に分けてる。俺達をここから逃がさない為と救出部隊の妨害の為の部隊で一つ。もう一つはここに潜入して直接捕まえる部隊で二つ目だ。」

 

たからそれに対抗して、こちらもこの島に入り直接救出する部隊とそれを援護する部隊で構成されてるはず...

 

「成程...それに対応する為にこちらも二つの部隊を...その一つの部隊長がベルファストだと?」

 

「そういうこと。家族が危機に晒されてるのに。待ってる事なんて出来ないはずだからな。これが三つ目。」

 

俺はエディンバラを見てそう言った。これが確信出来る理由。

 

「ベル...」

 

何か思うことがあるのだろう。それが嬉しさなのかはここからじゃちょっと分からないが。家族を助けるのに理由なんて要らない。大切な存在なのだから...まぁ、あっちも同じ考えだと思うがな...

 

「なぁ、あと一回通信を送ることって出来るか?」

 

「送るだけならあと一回は出来ますが...何をするつもりですか?」

 

これ以上どうするのだという目をこちらに向けるシェフィールド。

他の二人も同様の目をしている。

 

「送るだけなら充分だ。もしもベルファストが作戦を考えてるなら...ちょっとその作戦を一味加えるだけだ。」

 

「何を言ってるのですか...ベルファストが考えた作戦を知っているとでも...?」

 

「いや、知らないけど。まぁ、予想通りの作戦ならこの通信には意味が生まれるからさ。打たぬ鐘は鳴らぬだ。...それとあと一つ聞いて欲しいことがある...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中立海域 某島周辺 重桜追撃隊

 

「どうだ瑞鶴?奴らは見つけたか?」

 

「加賀さん...詳しい場所までは分かりません。この島にいる事は確かですけど...」

 

「それだけで充分だ。」

 

「だから私達が島に入って探すんでしょう?」

 

よりにもよってこんな奴と組むことになるとは思わなかった...鉄血のプリンツ・オイゲン...!

 

「あら、そんな怖い顔してつれないわねぇ。」

 

そう言いながら私の顔に下品な手つきで触れようとした。私は即座に手をはねのた。そして威嚇するように顔を睨みつける。

 

「触るな...!それに何故お前らまでいるんだ。この作戦は重桜だけで充分だ!」

 

「良いじゃない別に。仲間は多い方が良いでしょう?だからこうして探そうとしてるじゃない。」

 

ちっ...もういっその事島の中に入った途端、空からの攻撃で即座に潰してやりたい所だ...だが、そういう訳にもいかない。こいつも同じ『レッドアクシズ』だ...下手な真似は出来ない。

 

「そ・れ・に。私もあの指揮官には興味があるのよね〜」

 

「何だと...!」

 

私の神経を逆撫でることばかりするやつだ。あいつを気にかけているだと...?ふざけるな。苛立ちが抑えきれない。お前なんかにあいつを...渡してなるものか...!

 

「そんなに怒っちゃって...そんなに弟の事が大好きなの?仲睦まじくて良いわね。」

 

「貴様みたいな者が分かってたまるか。」

 

「私にも素直じゃない姉がいるんでね。じゃあそろそろ私達は行くわ。」

 

そう吐き捨てて、彼女達の部隊は島に入り捜索を開始した。

...あんな奴に...あいつを渡してなるものか。必ず私の手で度助け出してやるからな...

 

「加賀先輩いつも以上に恐い顔してますね~...ねぇ瑞鶴、貴方確かあの人と会ったのでしょう?どんな人だった?」

 

「え?そうだね...変な人だったかな。敵なのに励ましたり、仲間の大切さとか教えてくれたりしたよ。」

 

「へぇ...何がしたいのかしら。それを言うと赤城先輩のこともだけど...あの人一体何を企んでいるの?私ああいう腹黒い人苦手なのよね。」

 

「し、翔鶴姉...加賀さんがいるから静かにした方が良いと思うよ...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拙者が至らぬばかりに敵を...あいつを取り逃してしまった。この汚名は何としてもそそがねば...

 

「もう高雄ちゃんってばまた難しい顔してる。」

 

「ひう!?」

 

不意に後ろから愛宕が拙者の頬を触れた。あまりにも不意だったので情けない声を出してしまった。

 

「愛宕!何をする!?」

 

「ほら、肩に力入りすぎてるわよ。綾波ちゃんもどうぞ?」

 

「いえ、遠慮するのです。」

 

肩だけではなく腕や腹回りを撫でるような手つきで這い寄る。

そして、その手は胸の所にまで近づいて...

 

「どこまで触っているんだ!」

 

「綾波ちゃんもどう?」

 

「いえ、綾波は大丈夫なのです。」

 

思わずそのまま引き離し一旦距離を取った。愛宕は残念そうな顔をしていた。こいつ...わざとあちこち触れていたな...

 

「全く...任務中だぞ。真面目にやれ。」

 

「分かっているわよ...あの子を絶対に連れ戻すのだから...真面目じゃない訳ないじゃない...」

 

一変して愛宕の顔が変わった...あいつのことになると普段からははっしない圧が押し寄せてくる。だからこそ愛宕は侮れない...

しかし、拙者も気持ちは同じだ。次こそあいつを連れ戻す...!

 

 

 

 

 

まだ、敵は動かないのです...暇があればつい考え事をしてため息がでるのです。

 

「あら、悩み事かしら?悩みならお姉さんが聞いてあげるわよ?ふふっ...」

 

そう言って愛宕さんは両手を広げてきたのです...あの時、高雄さんにしていたことを思い出したのです。綾波まであれをされるのは...ちょっと...そう思い後ろに下がった。

 

「綾波は大丈夫です。」

 

「そ、そんなに警戒しなくても...戦うのは気が進まない?」

 

まるで、綾波の考えている事が分かったかのように質問してきたのです...

 

「戦いは嫌いじゃないです。」

 

「好きでもないでしょう?夕立ちゃんみたいに。」

 

確かに好きでもないのです...でも...

 

「綾波は重桜の皆が好きです。大事な仲間なのです。でも...向こうも同じなのです。」

 

偵察に行った時のことを思い出すのです...基地にいた人達は当たり前のように笑いあったりして...あの丘の上の出来事も笑いかけて握手をも止めて...

 

「...変な感じなのです...」

 

考えが今のような霧みたいでモヤモヤが渦巻いているのです...

 

_綾波は何がしたいだ?

 

綾波は...皆を守りたい...でも...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現時刻 某島周辺 アズールレーン救出部隊

 

「小さな島なのに建物が多いね。」

 

オクラホマがモニターで島の中を見ていた。モニターは霧の中でも分かるぐらい崩壊した建物ばかりを映していた。

 

「昔はかなり多くの住人が暮らしていたみたいね。」

 

「うわぁすっごいボロボロ。」

 

「それに、ここはセイレーンの襲撃で放棄された島なの...」

 

「え...?その時の住民は...?」

 

「全滅...したらしいわ...」

 

その場にいたサンディエゴとオクラホマが息を飲んだ。セイレーンが残した傷跡はまだまだある...これはその一つに過ぎない...

 

 

 

 

 

「...敵は他所にいるってにのさ。」

 

「え?ど、どうしました?レパルスさん?」

 

「人類同士で何やってるのかなって。」

 

人類の敵はセイレーンなのに...今では『アズールレーン』と『レッドアクシズ』に別れて戦っている...本当に何やってるのかな...

 

 

 

 

 

 

 

「随分と冷静なんだな。」

 

「はい?」

 

「心配ではないのか?島にいるのは貴方の同僚と、、貴方の姉のはずだ。」

 

私の隣にいることがさも当然のようにいる彼女は姉が危機に晒さているにもかかわらず顔色一つ変えずにいる。少々薄情なメイドだ。

 

「そうでございますね。同じ女王陛下に使えるメイドであり、唯一無二の姉でございます。」

 

「なら何故そんなに冷静なんだ。」

 

「強いて言うなら、ご主人様がいるからでしょうか。ご主人様は私達の作戦を見事当て、修正や追加を指示されました。きっと安心でしょう。」

 

「随分と信頼しているんだな。貴方は普段の指揮官して見てないだろうが知らないと思うが、指揮を行う時の指揮官は容赦が無い。」

 

事実そうだ。私は二度、指揮官の指揮を受けてきた。まるで未来予知のような予測能力、状況判断能力...間違いなく彼は最高の指揮官だ。

そして、私達を道具のように扱うあの冷徹さ。私が望んだ指揮官だ。

 

「それは存じております。ご主人様と少々お話しました故。ですが、ご主人様は仰りました。それでも自分を受け入れると。」

 

「どういう事だ?」

 

「ご主人様の指揮をするお姿は確かに私はまだ見ておりません。ですが、ご主人様は決して私達を道具のように切り捨てることはありません。あの時の目を、決意を私は信じます。」

 

「我々は戦うために生まれてきたんだ。指揮官だって私達を道具のように使っている。」

 

「では、普段のご主人様は道具のように私達をお使いしておりますか?」

 

「それは...」

 

普段の指揮官はいつも誰かに接していた。私達を道具や兵器ではなく...まるで...

 

「我々を...まるで人間のように接していた...」

 

「同じですよ。人も艦も違いはありません。等しく心持つ命でございます。決して道具なのではございません。」

 

道具という言葉を聞き、指揮官と衝突したあの時を思い出した。

_私達は有り体に言えば道具なのにか?

私はあの時そう言った。指揮官はそれに激怒した。戦闘の時と同じような覇気でふざけるなと言った。しかし、我々が生まれてきた理由は変わらない。敵を倒す為に生まれてきたのが我々KAN-SENなのだから。

 

「だが、我々は戦うために生まれてきたんだ。敵を倒すことが我々にとっての使命であり、責務だ。」

 

「それだけでは足りません。私達は証明しなければならないのです。」

 

「証明...?」

 

戦うこと以外に何が証明出来るんだ?敵を倒し己の生まれてきた理由を証明するのが...

 

「どんな過酷な世界であっても人は気高く生きることが出来るのだと。迷える人々の模範となるために、私達は優雅でなければならないのです。優雅な人生の手助けをする。それがメイドの仕事でございます。」

 

「ユニオンとは違う考えなんだな。」

 

ユニオンは科学と自由を重んし、己の能力や長所を尊重する。優雅とは縁もゆかりも無い。

 

「当然です。だからこそ手を取り合うのです。ロイヤル、ユニオン、さらに東煌、アイリス、北方連合...」

 

「鉄血、重桜もだ。かつてはな。」

 

どちらもかつてはアズールレーンに所属した。しかし、突然として離反、今ではこうして戦い続けている。

 

「そろそろ作戦の開始時刻でございます。エンタープライズ様。どうかよろしくお願いします。」

 

「あぁ、分かっている。」

 

彼女は霧に包まれた崩壊した街を目指した。私は自分の艦を艤装に変え、準備を行った。

直後、味方の戦艦の砲撃が開始した。荒れ狂う砲撃が一帯を包む。砲撃は敵の部隊を襲う。

 

「頼んだぞ、ホーネット。」

 

「任せてよ!指揮官のこと、よろしくね。」

 

ホーネットは艦載機を出し、敵の部隊に向けて放った。それに合わせ、私は別行動で街の中へと向かい、霧の中へと消えた。

 

 

 

 

 

 

 

「...正気ですか?」

 

「そうですよ!自分を犠牲にするなんて!」

 

「いやいや、命まで賭けないから。ただ、敵の目的は俺だ。だからこの作戦は効く。」

 

「随分と自惚れてますね...敵の狙いはその黒箱ではなくてですか?」

 

「俺なんだ。間違いなく。」

 

ここに加賀が来ていたら間違いなく狙いは俺を連れ戻すことだ。つまり、俺自身に何かあれば敵も思うようには動けないはず...

 

「で、でも...指揮官は戦闘モードの時は性格が豹変するにゃ...そこはどうするにゃ...?」

 

最もらしい意見だ。だが、性格が変わっていても俺の意識だけは残っている。つまり、逆もあるはずだ。だから聞いてくれよ...頼むから。

 

「そこはどうにかする。だから、もう一つの自爆ボートの爆薬を使うんだ。」

 

「...はぁ、分かりました。害虫がどうなろうと私には関係がありませんですし。好きにしてください。」

 

溜息をつき、そのまま諦めたシェフィールド。

 

「好きにするさ。もう一人の俺がな。あ、でも指示はちゃんと聞いてくれよ?ちょっとキツイけど。」

 

「そ、それは身をもって存じております...」

 

重桜の基地から脱出した時のことを思い出し顔が強ばったエディンバラ。まぁ、あの時は相当酷かったな...

 

「じゃ、頼むわ。」

 

戦闘になれば今の俺ではなく。厳しい俺に変わる。俺が出来るのはここまでだ。あとは頼むぞ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_現時刻 某島周辺

 

「...は...じま...った」

 

砲撃の音、艦載機の飛行音、火薬の匂い、仮面越しにでも分かる戦闘が始まっている証拠だ。

 

「これなら充分追い込むことが出来るんじゃない?それに、貴方の力を試せることだって出来るでしょう?」

 

「あ...ぁ...」

 

これで戦うのは3回目だ...今回は数が多いからかなりの戦術が試せることだって出来る。

別に戦闘に対する燻りも楽しさも、嬉しさも、そんな物は無い。さらに言えば戦うことは手段としか考えてない。人は多くの物を掴んできた。科学の知恵がいい例だ。戦争によって科学技術は進歩し今では機械に支配されても言ってもいいぐらいの進歩だ。

 

「.....い...く...か」

 

「あんまりあの子たちを虐めないでね?」

 

「...ころ...さ...な...い...いや、...ご...うち...ん......させな...い」

 

俺は戦いの場へと進んだ。俺は目的の為の手段を行う為にまた戦う。

 




◽︎月✕日
今日はいい日だった。食堂でご飯を食べようとすると決まって俺は一人だった。寄せ付けないオーラがあるのか、体術訓練の時に性格が豹変するからか身分のせいで近寄れないのか...無理もない貴族がこんな所にいるなんて前代未聞だからだ。
しかし、そんな時に一人の男が前に座ってきた。彼はユニオンの出身らしく俺の事は知らないだろうと思ったが、知っているとの事だった。彼の名前はジン。俺と同じぐらいの歳だった。確かに彼も成績は上のクラスだったはずだ。彼は、空いてる席がここしか無かったからと前に座った。彼はもしも指揮官になったらと話した。どんな人がいるのかなとか、可愛い女の子が沢山だからぜひ皆と仲良くしたいなとか言っていた。
久しぶりに楽しい食事だった。しばらくすると彼の知り合いである女性が申し訳なさそうに謝罪しジンと一緒に席を離れてしまった。
少し寂しさを感じたが、あの時だけでもいい日だと思えた。

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