もしもアニメのアズールレーンに指揮官が出てきたら〜2nd season 海上の誓い〜   作:白だし茶漬け

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最近絵の練習をして指揮官君を描こうとしているが最終的に誰かに依頼しようかなと考えてる白だし茶漬けです。
ちょっと遅くなってしまいました。
今回のお話でアニメで占いをしていたエレバスのシーンを書きましたがその占いが自分はタロットカードを用いた占いだと私は思ったのでタロットカードの意味を調べたら遅くなってしまいました。
もしかしたら解釈違いがあるのかも知れませんが暖かい目でどうぞご覧くださいませm(_ _)m


日記と占いと運命と

第33話【日記と占いと運命と】

 

1つの日記帳を持ちながら石の階段を上り続ける。

小さい頃は途中で疲れて泣いてしまった時があったが今はそんなことは無く楽々と階段を上っていく。階段を上がる途中で大きな屋敷が見えた所で道を外れ、桜の木々の中へと進む。桜が舞う道無き道を進み、屋敷を回り込むように進む。そうして屋敷を囲む壁が見えそれに近づく。

 

よし、江風さんは居ないな...

 

壁の一部を力強く押すと一部が回転して屋敷に入る為の抜け道が出来た。それを使って屋敷に入った後、抜け穴を閉じて江風さんに見つからないように慎重に動く。足音を立てずに静かに屋敷に入り、目的の部屋へと進む。

極度の緊張感の中、ようやく目的の部屋を見つけて扉を開ける。

 

_あ!優海君ー!待ってたよー!

 

部屋から陸奥ちゃんが急に飛び出し来たが何度もこんな感じに出迎えてくれるので今日も容易に受け止められた。

 

_全く、お主も良く来るな...

 

_あれ?長門姉も優海君が来るの楽しみにしていたのに何でそんなこと言うの?

 

_こ、こら!そんな事言うのでは無い!

 

_えぇ〜本当の事なのに何で?

 

長門様は顔を隠し赤くして陸奥ちゃんに叱る。俺はその光景を見て少し笑ってしまう。何故なら長門様があんなに表情を出しているとなんてそうそう無いからだ。しかもいつも付けている艤装も今日は外していてた。何時もは重桜の代表としては威厳を保つ為とずっと艤装をしていた。俺はこうして昔からここに来ているが今回艤装外していたのは初めてだ。

 

_む、どうしたそんなに余の方を見つめて。

 

いや、今日は艤装をはずしているんだなと。

 

_そ、それはそなたが言ったからな。どうだろうか?

 

長門様は陸奥ちゃんとの口喧嘩を止め、綺麗に正座をしてこちらを見つめる。それはまるで初めて着た服の感想を聞く女性だった。

 

うん。かなり親しみやすくなったと思いますよ長門様。

 

俺は褒めたが長門様は何故か不機嫌になり頬を膨らませた。

何かおかしな事を言ったのか俺は謝る体制をとった。理由を聞こうと思うが長門様の威圧感で聞き出せない。

 

_親しみやすくなったのなら何故...その...あれだ。

 

長門様は下を向いて何か呟いていたが遠いので上手く聞き取れない。

俺は恐る恐る長門様に近づいて呟きを聞こうとしたその時。

 

_何故陸奥のように...ちゃん付けをしないのだ。

 

はい?

 

と言うとつまり...長門様は長門ちゃんと呼んでもらいたいのか?

恐る恐るその事を聞くと長門様は小さく頷いた。

 

_そう言えば優海君、長門姉の事様付けするよね。何で?

 

それは、一番偉い人だから...?

 

_私達と友達なのに?

 

んー確かに。長門様と陸奥ちゃんとは友達だった。確かにこれは友達に言うことでは無いなと思ったが長門様は重桜の代表...俺は長門様の方を見ると悲しそうな顔をしていた。その顔を見て深呼吸をして決意を決めた。

 

ごめんね長門ちゃん。

 

俺の謝罪に長門...ちゃんは顔を上げて悲しそうな顔をは消え去った。

 

_うむ...!良いぞ!もっと呼んでくれ。

 

俺は長門ちゃんと何度も呼び、言う度に長門ちゃんは嬉しそうだった。和やかな雰囲気になった所で俺は持っていた日記帳を長門ちゃんと陸奥ちゃんに見せる。

 

じゃあこれ、今日の交換日記ね。この日とかこんなのがあったんだよ。

 

俺は屋敷の中から出られない長門ちゃんの為に日記を書いていた。最初は中々上手く書けなかったが続けていく度に書き方が上手くなってその日は何をしたかどう思ったかのか思い通りに書くことが出来た。

 

_ほう。まさか赤城がこんな...

 

_また山城がドジしちゃってる!相変わらずだな〜

 

俺を挟むように長門ちゃんと陸奥ちゃんが俺は日記を読み上げる。

一人扉の隙間から見ていることに気づかずに。

 

 

_良かったですね...神子様。

 

その人はただ一人俺たちに悟られる事ないように静かに笑みをこぼしながら涙を流す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

揺れる車内、そしてそれに合わせるようにイラストリアスとベルファストの胸が揺れる。

そんな俺は二人に挟まれるように座る。今の俺は両手に花ならぬ両手に山だ。その揺れる豊満な胸は山しかいいようがない。そしてその谷間が柔らかな感触と人肌が俺の両腕に当たって落ち着かない。

 

「指揮官様、どうかされましたか?」

 

「如何なさいましたかご主人様?」

 

「いえ...なんでもありません...」

 

落ち着かなさで何故か敬語になってしまった。何か気を逸らす様なものはないかと探り俺は外を見る。すると外にジャベリン、ラフィー、ユニコーン、綾波が歩いていた。

 

「あれはジャベリン達?」

 

俺がそう言うとイラストリアスも反応し外を見る。ジャベリン達も俺達のことに気づいたのかその場に立ち止まる。俺は運転手であるロンドンに止めてくれと頼む。車はジャベリン達の横に止まって、イラストリアスが車の窓を開ける。

 

「あら、ユニコーンまで。今日はどうしたのかしら?」

 

イラストリアスは窓から顔を出し、俺も窓を見るため体を前倒しして、外を見る。イラストリアスの質問にはラフィーが答えた。

 

「デート。」

 

「え?」

 

驚くジャベリン。

 

「へ?」

 

同じ驚く綾波。

 

「ふぇ?」

 

可愛らしく驚きながら戸惑うユニコーン。

 

そしてそれは俺も例外ではない。同じように驚くとこの後イラストリアスもとんでもないことを話す。

 

「あら、私達も指揮官様とデートなんですよ。」

 

それに合わせるようにベルファストもジャベリン達に見えるように体を前に傾けお辞儀をする。そして彼女達の戸惑いは重なる。

 

「え?ええええええええ!?」

 

ジャベリンの叫びがこの場を支配した。

 

 

そして時は数分が経った。

 

 

 

_数分後 アズールレーン 基地

 

ジャベリン達を車に乗せ一緒に基地で一番賑わっていた所に移動して今俺たちは車を降りてそこにいる。そして俺は今の状況がいまいち呑み込めず顔に手を置く。

 

「どうしてこうなった...」

 

「ダブルデートですわね。指揮官様。」

 

「こんな多対一のデートは知らない。」

 

ラフィーはデートと言ったがつまりは一緒に遊ぶ事だったらしい。

そしてイラストリアスのデート発言により、何故かユニコーンもデートすると言い出し、そこから連鎖するようにジャベリンもデートしたいと言い出す始末だ。流石に四人ともなると俺の心労が持たないのでジャベリンとユニコーンはまた時間を作ると言って流した。

勿論ラフィーと綾波も一緒にいる。

 

「しかしご主人様。少しはご自身が慕われるていることが分かったのでは無いでしょうか。」

 

「まぁな...」

 

ジャベリン達に関わらず、この基地にいるほとんどのKAN-SEN達は俺に対しての不信感は無い。それは俺を見る度に普段と変わらず挨拶したり、接したりしてるのがあるからだ。

 

「ま、これもどこかのメイドが俺の日記を勝手に見せびらかしたおかげかな?」

 

「その件につきましては誠に申し訳ございません。」

 

ベルファストは深く頭を下げて謝罪した。ベルファストも俺の日記を勝手に見せたことは自分でも良くないことは分かっていたのだろう。

しかし俺の事を知れる唯一の方法がそれだったのだから無理はない。だからベルファストを責めないし悪くないと思う。

 

「ま、それのお陰でこうしていられる訳だから。責めることはないよ。」

 

「そうですわ。では手始めにまずはあの店に行ってみませんか?」

 

イラストリアスは饅頭が店番をしている屋台を指を指しながら俺の腕とベルファストの腕を掴む。ベルファストは考える事が馬鹿馬鹿しくなったのか暗い顔は無くなった。

俺たちが向かった店はアイス屋だった。俺とベルファストは遠慮しアイスをかったのはイラストリアスだけだ。

イラストリアスはソフトクリームを小さく舌を出して少しずつ味わいながら舐める。

 

「どう、甘い?」

 

俺はイラストリアスに「美味しい」では無く、「甘い」と味の感想をイラストリアスに求める。美味しい事はイラストリアスの顔でよく分かるから、俺はもう感じることの出来ない味覚だから詳しく味の事を知りたいと思った。

 

「そうですわね...とっても甘くてミルクのコクもまたたまりませんわ。指揮官様も如何ですか?」

 

イラストリアスは味の感想を詳しく述べたあと俺にソフトクリームの先を向ける。

最早味覚が死んでる俺には味なんて感じられるわけがない。その事にイラストリアスは知らない。だから悪びれもなく純粋に俺にソフトクリームを渡す。

イラストリアスを責めてる訳では無い。寧ろ分けてくれる事に嬉しさを感じる。

俺はソフトクリームを小さく一口食べる。ソフトクリームはまるで泥のような物だった。味のしないベタベタとしたものが口や下に纏わりついて吐き出してしまいそうだ。しかし、イラストリアスが言っていたミルクのコクな様なものを想像しながら俺は今まで食べて来たアイスの味を思い出しながら泥のようなアイスを食べる。

俺は表示を崩さないように平静に作り笑顔でそれを飲み込む。

 

「これ美味いな...また食べてみようかな。」

 

「ご主人様...」

 

俺の味覚の事を知っているベルファストは何も言わなかった。

 

「良かったですわ。また今度食べに行きましょう。」

 

イラストリアスは笑顔でまたソフトクリームを一口食べる。

その今度は何時になるか分からない。何故なら俺が味覚は治るかどうかさえ分からないのだから。まとわりつく味のない感覚を感じながら俺たちは次の店へと向かう。

俺たちが次に向かったのは何だか怪しげな雰囲気の店だった。店というよりは外はテント造りで色は紫じみた黒だ、見るからに怪しい。

その店の中からジャベリン達が出てきたので話を聞くことにした。

 

「あ、なぁジャベリン。この店何なんだ?見るからに怪しいけど...」

 

俺は恐る恐るその怪しい店の方を向く。

 

「あれは占い屋です。エレバスちゃんとテラーちゃんがやってますよ。」

 

どうやらあそこの店はロイヤルのエレバスと同じくテラーがやってるらしい。因みにその二人は姉妹艦だ。その二人とは面識があったのですぐに顔が思い浮かべた。あの二人は独特な雰囲気が印象的だったので占いをしてると言われればしてそうな気がしてきた。

 

「確かにそういうのしてそうな子だもんな。ジャベリン達は何を占ったの?」

 

「へ!?あ、それは...秘密です!内緒ですよー!」

 

俺はジャベリン達は店の中から出てきたから占って貰ったと考え、その占った内容が気になり、ジャベリンに質問するが急にジャベリンは顔を赤くして断固として内容を言ってくれなかった。

 

「そ、そうか。ユニコーンは何を占って貰ったの?」

 

「そ、それは...ダメ!お兄ちゃんにも内緒なの!」

 

ユニコーンもジャベリンと同じ反応だった。いつも持ち歩いているゆーちゃんで顔を隠してこちらの質問を頑なに拒む。

そんなに知られたくないなら俺も深くは聞かない事にした。

ジャベリン達とは後にして俺たちは店の中に入る。

中に入ると外の日差しは黒いテントで遮られあかりはただ蝋燭の日だけの薄暗い空間となった。そして間もなく、二人のKAN-SENが目に映る。

 

「あら、指揮官じゃない。いらっしゃい。」

 

椅子に座っている彼女は髪は白く、目は赤い。黒い猫のような耳がある頭巾に黒で裏地は赤のマントに白と黒を基調としてゴスロリ衣装でスカートには逆さ向きの十字架が描かれていてた服を着た彼女はロイヤルのエレバスだ。

 

「いらっしゃい...指揮官。」

 

エレバスの後ろにいるのはテラーだ。額、足に繋ぎ目や頭のネジが特徴的で髪と瞳の色はエレバスと同じで白と赤。服も若干エレバスと似ているがマントは羽織ってない。

 

「まぁ、これはまた随分不思議な場所ですわ。占いして貰えるのでしょうか?」

 

「ええ。このカードで貴方たちの未来を占うわ。」

 

イラストリアスは興味津々で彼女達の話を聞く。

話を聞く所によると占いで使うのはタロットカードでそれで近い将来を占うと言う。

タロットカードは全部で78枚あるが、エレバスが使うのは大アルカナと呼ばれる22枚のタロットだけで占うらしい。

 

 

「では、まずは私から占ってもらいますわ。」

 

まず占ってもらうのはイラストリアスだ。エレバスはタロットカードをテーブルの上に裏向きで広げて向きをバラすようにカードを混ぜる。充分に混ざり終えた後カードを集め、一番上のカードをめくる。

 

「...星の正位置、貴方らしいわね。」

 

エレバスはタロットカードをイラストリアスに見せた。

タロットカードには水を汲んでいる女性に星空が描かれていた。

 

「貴方の未来は光満ち溢れているわ。でも、光が強すぎるとその影も強くなる...それに注意ね。」

 

「んーもう少し詳しくお願い出来ますか?」

 

「それを今から占うのよ。」

 

エレバスはそう言ってもう一枚カードをめくる。

どうやら二枚目のカードが一枚目のカードに対して具体的な事を示すらしい。

まとめるとこうだ。

まず一枚目のカードはその人の未来の大概の事を表して二枚目はその具体的な事を示しているという事だ。

エレバスは積まれたカードの一番上のめくる。

 

「月の逆位置、その光に迷うこと無くただ従う。それが影だと気付かずにね。注意することね。」

 

出てきたのは月に吠える狼のカードが逆さ向きに描かれていた。

この月のアルカナのカードは正位置だと迷いがあるという意味合いの物だった。つまりイラストリアスは近い将来、光に迷うこと無く従う事でそれが災いをもたらすらしい...

 

「まぁ、それは怖いですわね...」

 

「では、次は私を占っては貰いませんでしょうか?」

 

後ろについていたベルファストが自分を占って欲しいとかってでた。

少々意外で驚いた。てっきりやらないとばかり思ったのだから。

ベルファストは俺の顔に気づいたのか少しからかうような表情でこちらを見る。

 

「メインディッシュは最高のタイミングでお出しする物です。」

 

なるほど...つまり俺は皆のお楽しみという訳だ。ベルファストはイラストリアスの座っていた椅子に座り、エレバスに会釈する。

エレバスは先程と同じようにカードをシャッフルしてその後カードを集め、一番上のカードをめくる。

 

「...刑死者の正位置、献身的でひたすら相手に尽くす。」

 

「うん、メイドの貴方らしい。」

 

エレバスとテラーはこのタロットカードに納得した表情をした。

彼女達に限らず、ベルファスト本人以外もこのカードに納得する。

しかし、気になるのは二枚目のカードだ。果たしてベルファストの献身的な奉仕がこの先どうなるのか...エレバスは二枚目のカードをめくる。

 

「節制の逆位置、貴方のその奉仕のやりすぎは人を堕落させるわ。程々にすることね。」

 

「左様でございますか...ですが私はメイドでございます。皆様に最高の奉仕を提供するのが務めでございます。」

 

「それが貴方自身をも壊すことになるわよ。」

 

「ううん、悪い事未来しか無いなぁ。いい未来とか占え無いの?」

 

ここまで悪い未来ばかりなので少し気が滅入る。

イラストリアスとベルファストも悪い未来で少し気が滅入ったのか暗そうな顔をする。

しかし、そこでエレバスの後ろにいたテラーが動き出す。

 

「そこでテラーの出番よ。テラー、あなたの番よ。」

 

名前を呼ばれたテラーはエレバスと入れ替わりに席を座る。

テラーはエレバスが使っていたカードとは別のカードを出す。

カード裏の模様が若干違ったのと枚数が明らかに多い。

山札の厚みからして56枚程であることからこれは小アルカナのカードではないかと俺は考える。

 

「そのカードってもしかして小アルカナ?」

 

「正解。指揮官凄い...よく分かりましたね。」

 

テラーは喋りながらも今日にカードをシャッフルする。

大体シャッフルした後、山札の1番上のカードを二枚めくり裏向きでベルファストとイラストリアスに渡す。

 

「さあ、どうぞ。カードをめくってください。」

 

イラストリアスとベルファストは一旦顔を見合わせると渡されたカードの向きを変えないようにカードを表に向けた。

イラストリアスには10個の聖杯が虹のように輝きアーチを描いていて、ベルファストにはステンドグラスに飾られた教会で男性が祈るように横たわったカードがあった。二人とも逆さ向きでは無いことからどちらのカードも正位置だ。

 

「イラストリアスさんはカップの10の正位置。確かに光は輝きを増すと眩しいですが、光は光。人を導くのは間違いでは無いので例え眩しくても影が強くとも前に進めばきっと行きたい場所へとたどり着きます。」

 

「まぁ!嬉しいですわ!」

 

イラストリアスは両手を合わせ、先程の暗い顔とは対称的な笑顔を見せた。

 

「ベルファストさんはソードの4の正位置、休息の意味ですね。たまには休むことをおすすめします。」

 

「まぁ、これはご主人様にも当てはまるのでは?」

 

「うっ、痛い所つくな...」

 

ベルファストが言っている事は俺の勤務の事だ、俺はベルファストから度々執務に没頭し過ぎで注意されている。しかもKAN-SEN達との交流も断る事無く接しているのでそれも相まってだ。

俺は痛い所をつかれて頭を抱えた。それを見てベルファストは少し笑っていたように見えた。

 

「さて、最後は皆のお楽しみの指揮官よ。座って。」

 

俺はベルファストと入れ替わりに席に座る。腰を下げて椅子に座ると目の前にはエレバスとテラーだけが映る。

 

「じゃあ貴方の未来を占うわ。」

 

エレバスは先程と同じようにカードをシャッフルしてある程度シャッフルしてからカードを集める。そしてカードを重ねて一番上のカードをめくる。

 

「世界の逆位置...これは意外ね。」

 

俺に出せれたカードは女性の周りに輪があった。カードの隅には人や動物がいた。そして向きは上下逆さだった。

 

「この意味は未完成という意味よ。何か一つ欠けているみたいなものね。」

 

「欠けてるねぇ...」

 

むしろ俺は欠けてるものが沢山ある。味覚は勿論その他沢山だ。欠けてるどころか無くなってるものもある。

 

「そして二枚目...」

 

エレバスは二枚目をめくると向きは正位置、馬に乗って旗を持った骸骨の騎士とその道に人が倒れていた描写だった。正位置なので何かいい意味なのかと思ったがその期待は裏切られた。

 

「死の正位置、これも意外...と言うより最悪かしら。」

 

「まじか...」

 

というか死のカードを出されてこっちも相当ショックを受けてる。

 

「これは正位置で悪い意味を持つ物よ。意味は衰退や変化...さっき世界の逆位置で欠けているから...このままだとまた何もかも無くなるかもしれないわね。」

 

「...そうか。」

 

立て続けに最悪な未来を予知されて...まぁ当たるかどうかは分からないがそれでも気が滅入る。

 

「指揮官...まだテラーの占いが残っているわ。」

 

テラーは俺の隣に来てカードを一枚めくる。

カードをめくる音が気のせいかさっきより大きく聞こえる。カード同士が擦れ合う音がした後テラーはカードを見る。

 

「...カップの5、正位置です...」

 

テラーの暗い表情から良いことではない事が分かった。

実際テラーも結果を言うのを拒んでいる。

 

「遠慮なく言って良いよ。」

 

俺はそう言いながら小さく頷く。テラーは重い唇を開ける。

 

「...これは、喪失の意味を持つカードです。つまり無くし続ける事...

ごめんなさい。私は手助けする役割なのに...」

 

「気にしなくて良いよ。...無くすのには慣れてるから。」

 

「...え?」

 

「あ、いや。何でもない。」

 

俺は独り言を無かったことにしてテラーに隠す。

テラーはこれ以上踏み込まずまたエレバスの後ろに下がる。

 

「ごめんなさい。こんな最悪な未来を占ったのは初めてだから。少し困惑したわ。...悪い気分させたからお代は良いわ。」

 

「いや...それは近い将来なんだろ?」

 

俺はエレバスに断りを入れてタロットの山札を拝借してカードをシャッフルする。

 

「でも遠い未来はもしかしたらいい事があるかもしれない。」

 

カードをシャッフルした後に山札をテーブルにおいて一番上のカードをめくらずそのままテーブル投げるように置く。

 

「俺はそれを信じて前に進むよ。じゃ、俺たちはこれで。」

 

俺が店から出るとイラストリアスとベルファストもこの店から出た。

店の中にはエレバスとテラーの2人となった。

 

「姉さん...そのカードの結果は?」

 

テラーに言われ、エレバスは指揮官が投げたカードをめくる。

そこには世界のアルカナの正位置がめくられた。

 

「...ふふ。やっぱり変わった人ね。指揮官は。」

 

世界のアルカナの意味は完成や成熟、エレバスはもしかしたらと思い滅多に見せない微笑みをカードで口を隠して微笑む。

 

 

 

 

 

 

 

_現時刻 重桜

 

白い狐のような耳と髪をした一人の女性が虚ろ目で過去を思い出すかのように閉まっていたものを取り出す。

そして一人の男の名前を絶えずにそれでも一字一字丁寧に呟く。

 

「優海...優海...今お前はどうなってる?悪い奴らに何かされてないか...?だが心配無い。もうすぐ私が助けに行くからな...」

 

加賀は取り出した箱の中から一つの万華鏡を取り出す。

箱の中身は全て優海の私物だった。あの時優海が居なくなった時から無くさないように赤城が大事に閉まっていたのだ。その中には、赤城から貰った万華鏡や優海が小さい頃から書いていた日記帳があった。

加賀はその中から赤城との思い出もある万華鏡を取り出す。

 

「私は赤城姉様の願いを繋ぐ...そしてお前を救い...またあの時のようにずっと...ずっと...」

 

加賀は服の裾から一つの白い桜の花の形をした首飾りを取り出す。

赤城が優海を連れ戻した時に優海に渡すつもりだったものだ。戦闘の時に落とさないように重桜に置いていたのだ。それは最早叶わぬ願いとなってしまったが。

 

「だから待っていてくれ....私が...必ず...」

 

加賀は次に日記を取り出し一字一字丁寧に見て夜まで優海が書いていた日記を見返した...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_現時刻 アズールレーン基地

 

「尊い!」

 

「アーク・ロイヤル様..鼻血が。」

 

「おっと失敬。」

 

アーク・ロイヤルはポケットからハンカチを取り出し鼻血を吹くが吹いてもまた鼻血は水のようにまた吹きでる。原因は俺たちの先にいるジャベリン達だ。最も彼女達に罪はない。ジャベリン達の微笑ましい日常にアーク・ロイヤルが勝手に興奮しただけだ。彼女達は今、美味しそうにパンケーキを食べている。

...綾波のパンケーキのトッピングのストロベリーをラフィーが食べたせいで綾波とラフィーがフォークでバトルしているが問題は無いだろう。

 

「お前また通報させられたいか?」

 

俺はアーク・ロイヤルとは初めて会った時アーク・ロイヤルが明らかな駆逐艦たちの盗撮紛いな事をしていたので俺が通報した事がきっかけだ。あれが初めての出会いにはしたくなかったが。

 

「いやいや指揮官!私は駆逐艦たちを純粋に愛しているんだ!そこにはなんの罪もあるまい!」

 

アーク・ロイヤルは立ち上がり俺に抗議する。しかし、立ち上がった為、俺はアーク・ロイヤルが持っていたカメラに注目出来た。

 

「じゃあ隠し待ってるそのカメラは何だ。」

 

「あぁ!私の兵装がぁ!」

 

「何が兵装だ!全く....」

 

俺はアーク・ロイヤルからカメラを取り上げた。カメラが捉えていたのは全て駆逐艦たちの写真だった。しかも盗撮だ。

こいつ懲りずにまた駆逐艦たちを盗撮してやがる...!

俺は呆れて何も言わずに脱力しながらカメラをアーク・ロイヤルに返す。...カメラの中のデータを全て消してから。それにアーク・ロイヤルは気づいた時には遅く、カメラにはもう駆逐艦たちの写真は無い。

アーク・ロイヤルはこれまでに無いほど落ち込んだ。

 

「ところで指揮官はもう体の方は大丈夫なのか?」

 

「え?ま、まぁな。」

 

アーク・ロイヤルの切り替えの早さには少し困惑して素直に話した。

いきなりそんな凛々しい顔したら困るよ...だってさっき鼻血出てたんだよ?

 

「ふ、それは何よりだ。ところで話は変わるが指揮官は駆逐艦なのかな?」

 

「は?」

 

いきなり俺は駆逐艦かとアーク・ロイヤルが質問するが、意図が分からず困惑するその事がアーク・ロイヤルにも伝わったのかアーク・ロイヤルが捕捉をする。

 

「あぁ、いや指揮官の艤装の分類が知りたくてね。私は駆逐艦だと予想するぞ。何故なら指揮官の艤装を見た時から何故か謎の興奮が...はぁはぁ...!」

 

まるで蛇に睨まれた蛙のような寒気を感じた。アーク・ロイヤルからまた滝のような鼻血が吹き出てきた。ハンカチが白から赤色へと変わり、呆れたの通り越して出血しすぎて心配になる領域だ。

というかこいつは駆逐艦なら誰でも良いのか...!?

しかし、自分の艤装の分類か...火力面からして戦艦にも引けは取らないと思うが、戦艦と言うには俺の艤装は少し小ぶりだ。

 

「こればかりは明石に調べてもらわないと分からないな。」

 

俺たちはこの話を切り上げてジャベリン達の方を向く。

 

「あ、ジャベリンの口にクリーム付いてる。」

 

しかし、ジャベリンはそれに気づかずにパンケーキを頬張る。

その姿が少し微笑ましく俺は小さく笑う。

本当に美味しそうに食べるなぁ...

その時、俺の電話から着信音が鳴る。俺はポケットから電話を取り出す。番号からして...ジンか?

 

「もしもし、ジンか?どうしたんだ。」

 

『あ、マーレか?ちょっと話したいんだが良いか?』

 

電話からジンの声がした。何やら困ってるような気がするが?

 

『あのさ...俺達がお前の話を聞くのは今から二日だよな?』

 

「あ、ああ。そうだかどうしたんだ?」

 

俺は確かにジンたちに電話した時三日後に来てくれと言った。

そしてそれから一日経っているので確かに二日後だ。ジンはそれ確認してきた。

 

『あーやっぱりかぁ...』

 

「え?どうしたんだ?」

 

『あー今俺達...今からそっちに向かうんだ。』

 

「は?」

 

いくら何でも早すぎる、早くてもここから一日ぐらいで着く。

つまりジン達は俺が約束した一日早くここに来ることになる。

 

「どうしてそうなるんだ。お前が間違ったのか?」

 

『いやいや!間違ったのお前のお父さんだよ!俺だっておかしいと思ったんだけどあの人、上層部の人だから言い出せないからさ...』

 

「あー...あの人そういう所あるからなぁ。」

 

俺の義父のオセアンさんはどうもおっちょこちょいの所がある。

普段は貫禄があるにも親しみやすい人だが少しドジな所もある。

どうしてそれで上層部になったのか俺たちの間の不思議の一つでもある。

 

「兎に角こっちに来るのは明日で良いのか?」

 

『そう言う事だ、悪いな。』

 

「良いよ良いよ。じゃ前に話した通り、メイド達のお出迎えを準備して待ってるよ。」

 

「まじか!?ヒャッホーイ!」

 

電話越しからでも分かるジンの喜びが見えるようで想像したら笑ってしまう。俺たちは電話を切ってベルファストに旨を伝える。

 

「ベルファスト、悪いけど明日客が来るんだけど...」

 

「かしこまりました。では、私はその為の準備をして参りますのでごゆっくりして下さいませ。」

 

ベルファストは電話の音が聞こえたのかこの場を後にして明日の準備の為に動いた。

 

「よく働くな。」

 

「指揮官様もですよ?」

 

「そうだった。」

 

俺とイラストリアスは談笑に入り、話題は尽きなかった。

 

「おや、デート中だったのか。ならば私はお邪魔なようだな。」

 

アーク・ロイヤルは場を察して華麗にこの場を去る。普段と駆逐艦達への態度の落差が激しすぎて見間違える程だ。普段からそうしてればいいのに...

 

「ふふっ...指揮官様、二人きりですね?」

 

そう言いながらイラストリアスは俺の肩にもたれる。二人きりと意識するとあの夜の事を思い出す。あの夜とはイラストリアスと抱き合った夜の事だ。

 

「お、おい昼間だぞ!」

 

「夜なら良いんですか?」

 

「いやそうじゃなくて...」

 

イラストリアスは小悪魔みたいな雰囲気を醸し出しながらまた密着してくる。またあの時のようにイラストリアスの豊満な胸が腕どころか俺の右上半身に当たる最早俺の理性は蒸発しそうだった。

しかし、それを遮るようにいきなり俺たちの間にゆーちゃんが割り込んできた。ゆーちゃん自信が割り込んできたのでは無く、ユニコーンがゆーちゃんを使って俺達の間を割り込んできたのだ。

 

「い、イラストリアスお姉ちゃん!何してるの?」

 

ユニコーンは顔を真っ赤にしながら焦点の合わない目を動かしながらイラストリアスに質問する。漫画ならグルグルしてる渦巻き目をしてるだろう。

 

「あら、ユニコーンも指揮官に抱きつく?あの時のように。」

 

「あ、あの時のように...!」

 

何だか嫌な予感がする。その予感が来るようにユニコーンはゆらゆらと俺の方に近寄ってくる。そしてイラストリアスは俺の右腕をユニコーンは俺の左腕に抱きついてきた。

 

「ちょ!?何やってるの二人とも!?」

 

無理やり振り解く訳にはいかず俺はなすがままに二人に拘束される。

 

「し、指揮官!エッチなのはいけませんよ!」

 

ジャベリンはそういいながら俺に突撃してきた。突撃と言うより、俺に抱きつくような力加減で俺の前に飛びついてきた。

 

「きゃ〜!指揮官に抱きついちゃった...!」

 

「お前もかジャベリン!?」

 

「じゃ、ラフィーはおんぶ...」

 

「ラフィーまで...あ、もう寝てる!?」

 

前はジャベリンに抱きつかられ左右はユニコーンとイラストリアスが、そして背中にラフィーがすやすやと寝息をたてながら寝てる。

八方塞がりとはこの事か?俺はこの四人で身動きは取れない。

そしてそれを綾波はじっと見つめる。

 

「指揮官、モテモテなのです。」

 

「とりあえず何とかしてくれるかな?」

 

「綾波には無理なのです。面白そうなのでこのまま見てるのです。」

 

それどういう公開処刑?なんか他の子達がこっち見てるんですけど。

待ってくれ誤解しないでくれ。頼むから。

この日は俺は色んなことがありながらも楽しい一日を過ごした。

そしてこの日は初めて綾波が笑っている所が初めて見れた良かったと思った。




この日の夜はエレバスとテラーと言うKAN-SENに会った。
見た目も中身も個性的で印象的だった。
特にテラーは頭刺さっているネジがとても印象的だ。
話を聞くと二人は姉妹艦らしく、占いをやっているらしい。
機会があれば占ってもらおう。
この日一番に驚いた事があった。それはテラーの腕が取れた事だ。
俺はその時頭が真っ白になり固まってしまった。
テラーの腕は取れる物らしいが心臓に悪い...
本人によれば頭も取れるらしいが、考えたくも無い。冗談だと言ってくれ...今日はよく寝られるのだろうか....

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