気がつけばそこは見知らぬ場所だった。
辺りには壊れたヤカンやランプ散らばり、他にも様々な物が置かれており倉庫なのかもしれない
いや、倉庫というよりは昔ながらの蔵といった方が良いか
「ここは一体…」
とそこで背後から人の気配がしたので振り返ってみると
「あなたが大師父が言ってた人ね」
そこに居たのは艶やかな黒髪をツインテールにした少女だった
なるほど、どうやらあの爺さんは本物の宝石翁だったみたいだ
何故なら…
「初めまして、私の名前は遠坂凛。そしてようこそ、あなたが来るのを待っていたわ」
これが俺と後に師匠となる赤い悪魔こと遠坂凛との出会いである
* * * * *
「朝から不幸だった…」
午前の授業も何事もなく(一部除く)終わり今は昼休み
朝から全力疾走をし、小萌先生からは補習を言い渡され心身ともに疲れきった上条当麻
これもよく見る光景で、周りの生徒達はお疲れ様と言う感じで見ていた
「そういえばカミやんはどうして幼女を救うことになったんだにゃ~?」
「そうそう聞いたでカミやん、僕の知らんところで幼女といちゃいちゃしてたって」
「うるさい、そもそも幼女趣味はないからありえないっての」
とそこへ土御門と青髪ピアスがニヤニヤしながら上条へと話しかける
「あら?私はてっきりそっちの趣味の人かと思ったんだけど?」
取りあえず面白そうだったとの理由でイリヤも会話に参入
「イリヤ、上条さんは犯罪者コースを辿る気はありません」
犯罪者になるのはこいつで十分だと上条から名指しされた某青髪な人が、違うんや!好きな子が偶然幼かっただけなんや!と叫ぶが三人は冷ややかな眼差しを向けるだけで無視をする
「へ~上条君はそんな事言うんだ。へ~」
「なんだよその言い方」
イリヤの勿体ぶった言い方に不満があるのか上条が突っかかる
しかし、それがいけなかった
「なら上条君?この写真の説明を求めるわ」
とイリヤはパパッと携帯を操作してある写真を皆に見せる
「説明って…げっ!?」
「おいおいカミやんやっぱり…」
「カミやん、これはうらやま…一体どういうことなんや?」
一人はその写真があることに苦言をもらし、二人はまさかあの上条がと驚いていた
若干一人は羨望が混ざっている気がするが
「待ってくださいイリヤさん!?どうしてあなた様がそのような写真を持っているんでしょうか!?」
「私はジャッジメントよ?日常業務で監視カメラを操作することもあるの。それで"偶然"、本当に"偶然"だけど見つけたのよ…上条君と幼女の不純異性交遊をね」
先程皆に見せた写真とは上条と幼女が道端で抱き合っているもの
詳しく言えば推定年齢8歳ほどの可愛いらしい女の子と上条が向かい合って抱き合うもので、こころなしか幼女の顔は赤く、照れているのが伝わってくる
ちなみにこの写真は本当に仕事中に"偶然"上条を監視カメラで見つけ、彼の特異体質から何か面白い事が起きそうだなぁと見ていたら撮れたものだ
そう、けっして妄想偶像を使って複数人に分裂して上条を監視していたからではない
「やっぱりカミやんはお姉さんキャラじゃなくて、ちっぱいな幼女が好きだったんやなぁ!」
「大丈夫だカミやん、そういう趣味の人が居るのはよ~~く知ってるにゃ~」
「そうそう、世の中にはそんなへんた…特殊な人もいるわよ」
「違うの!違うんだよ違うんです三段活用!ってかやっぱりってどういうこと!?あとイリヤは何言いかけた!?」
三者三様のフォローが入るがそのどれもがそっちの人だと認識された為のものであり、その後の上条の否定の言葉も三人の耳には入らない
「はっ!?もしかしてカミやんがイリやんと親しいのはイリやんが幼児たいけ「少し黙ってね青髪君?」イエスマム!」
「だ~!!違うんだ~!!」
青髪ピアスとイリヤがしょうもないコントをやっている間に上条のへんた…特殊性を聞いた周りのクラスメイトがひそひそと話し合っていた
それに耐えきれなくなった上条は叫びながら教室から去っていった
「「さて、カミやん弄りはここまでにしといて、結局は?」」
それから数十秒後上条が完全に教室を去ってからイリヤは二人から真相を尋ねられた
「そんな風に声を揃えられると少し気持ち悪いんだけど。ってやっぱり気付いてた?」
「当たり前だぜい、カミやんがあそこまで大胆になるはずないにゃ~」
「そうやね、まぁ僕はそんなシチュエーションがあったら喜んでするけど」
なんやかんや言っても上条がそんなことしないと分かっているらしく、ならなんでさっき否定しなかったのかと言われれば、フラグ体質で良い思いをしているだろう上条に対する些細な復讐だ
あと、お巡りさんこいつです
「そう、ならネタバレするとね、女の子が背中に虫がくっ付いているから取って欲しいって上条君にお願いしたの」
写真には幼女の近くにショウウィンドウがあるからそれで自分の背中に何かいるって気付いたのだろう
「なるほどにゃ~、でもそれだけじゃ抱き合う形にはならないぜ?」
そう、背中を向いてもらって虫を取ってはい終了!となるはずだが、ここはフラグ建築士故のものなのかそれだけでは終わらなかった
「で、女の子がジタバタしてるから上手く取れなくて業を煮やした上条君が抱き寄せて虫を取ったのよ」
あまりに気が動転していたからなのか女の子はじっと出来なかった
そこで上条は動かないようにするために抱き寄せた
もちろん上条は幼女に欲情していたからではなく、少しでも早く安心させるための行動だ
「背中の虫は取れたけど抱き寄せられていることに気づいて女の子が恥ずかしくて赤くなっているわけね」
とまぁこれだけ説明すればロリコン疑惑もなくなるわけだが
とりあえずはあわれ上条と述べておく
「イリやんってドSやね」
「そうかしら?それよりもいじ…仲良くしていたらお昼休みも残り半分じゃない」
「おっと、カミやんをいじ…楽しく会話してたらこんな時間だにゃ~」
「ほんまやね、カミやんを弄っていたら食事の時間が少なくなってもうたわ~」
「コラコラ青髪君?せっかく私と土御門君が言い直したのにそれは無いでしょ?」
あっはっはっとあからさまな笑いで上条をネタにした話を終わらせ、三人は各々の弁当を取り出す
「おおぅ、いつもイリやんのお弁当は美味しそうやな」
イリヤの今日の弁当はサンドウィッチ
色鮮やかな野菜をミミを切った食パンに載せ、和辛子を少し混ぜた特製マヨネーズさっとかけた後にハムを載せて、最後に食パンをもう一枚載せて完成
所用時間15分ほどで作ったそれを青髪ピアスはもの欲しそうに見ていた…別に女の子の手料理だから反応していたわけではない…多分
「そうかしら?私のよりも土御門君の方が凄いわよ?」
「な、なんのことかにゃ~…」
土御門の方に話を振ると何故か狼狽える土御門
「今日の朝方に妹さんに会ったわよ?」
その一言で青髪ピアスは気付いたようで今まで土御門が隠していた弁当箱を取り上げた
「ちょ!おい!」
土御門が必死に取り返そうとするが無駄に終わり、弁当箱が開けられる
「凄いわね、土御門君の好物が沢山入っているじゃない。栄養バランスも考えられているみたいだしね」
さすがエリートメイドを育成する繚乱家政女学校の生徒ねとイリヤが褒めているが、土御門はそれどころではない
「わいにもそのおかずよこせ~!」
「嫌ぜよ!」
弁当箱を持って逃げる土御門、箸を構えてそれを追う青髪ピアス
埃が舞うから廊下でやってなさいよと言いつつサンドウィッチを頬張るイリヤ
一体誰の所為ぜよ!?と文句が返ってくるがそれを右から左へと流しつつイリヤは上条の机を見て思った
(あいつの昼飯ここにあるけどどうすんだろう?)
その時とある高校の一角でしまった!昼飯教室だ!不幸だ~!と叫びが聞こえたとか聞こえなかったとか