とあるフリーの科学術式   作:ジャックフロスト

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夜霧(妹)の設定が固まらない!!
ヤンとツン、どちらにすればいいんだ!!
どっちも魅力的すぎる!!


原作開始前・とある夜霧の国際便 Bパート

 クリフの炎剣は確実に夜霧の体を捉えた、自分が作った木のナイフ越しに伝わってくる感触にニヤリとクリフは整った顔には似合わない獰猛な笑みを浮かべた。木のナイフを媒介として出現したレーヴァテイン《炎剣》は摂氏三千度以上にもなり人間の体など瞬く間に蒸発してしまう例え炎剣が直撃する直前に何らかの霊装によって防御したとしてもレーヴァテインはそこら辺の霊装で防げるほど甘い種類の武器ではない、そこでクリフは今自分が考えている事と目の前の現象が食い違っていることに気がついた。

 

 

 炎剣が直撃したのならば炎剣越しに今も伝わってくるこの確かな手ごたえはなんなのか……!?

 

 

 

 クリフは恐る恐る炎剣の業火に包まれる夜霧を見た、自身が発動しているレーヴァテインの炎がまるでカーテンのように広がっており夜霧自体は見えないだが彼女は気づいた。炎剣の摂氏三千度以上の業火の中でモゾモゾと動くナニかを、まるで地獄の業火を用いても浄化しきれない悪魔が再び蘇ろうとするように、そしてクリフはほとんど反射的に炎剣を構えたまま頭一個分だけ真横へとズレたその瞬間。

 

 

 『あてにならねークソッたれな四大天使共、テメェらの順列は俺が決めてやる。だからテメェらは黙って俺に従いやがれ主たる俺の足元でな』

 

 

 天使を罵る言葉がクリフの耳に届いた瞬間、さっきまでクリフの頭があった場所を何かが通過していった。まるでそれは銃弾のようにも思えた。

 

 

 

 さきほどの夜霧による痛烈なカウンターを思い出したクリフは目の前の現象を頭で理解するも先にレーヴァテインの炎剣を胸の前で構え口元で術を紡ぎレーヴァテインを攻撃用から防御用に組み替えるとすぐに攻撃はやって来た。

 

 ダンダン!!コンクリートを思いっきり金属バットで殴りつけたような凶悪な衝撃がクリフの体に襲い掛かりニ、三歩後ろへ下がるがそれでもクリフは歯を食いしばり衝撃に耐えると真っ直ぐに正面を睨み付けた。

 

 そこには五体満足な夜霧がクリフへ向かって拳銃を向けてニヤリと笑っていた、その笑みはまるで鼠をいたぶり遊ぶ醜悪な猫の笑みのように見えた。

 

 

 「貴様ッ!!どうやって私のレーヴァテインの炎をやり過ごした!?あの瞬間確かに私のレーヴァテインは貴様に直撃したはず!!」

 

 夜霧はクリフの質問に対して言葉で返さず無言のままただ心底楽しそうな笑顔を浮かべるとそのままクリフの懐を目指して鋼鉄の床を蹴った。

 

 

 横幅が約四メートル程度しかないこの部屋では魔術よりも直接接近戦を仕掛けたほうが有利だと考えたのか夜霧は右手に構えていた拳銃を着ていたジャージの中へと仕舞いクリフへ短距離走のアスリート並みの早さで距離を縮める。クリフと夜霧の距離は約三メートル、魔術以外身を守る術を持たないクリフにとって夜霧との間合いが0になるということは彼女の負けを意味する。

 

 

 そして、それはただ単にクリフ個人の負けだけを意味するわけではない。

 

 

 「アイビス……私は負けない、必ずアンタを科学の街から引きずり出す。絶対に私達の元へ帰って来させる!!」

 

 

 「理想を語るだけで勝てたらなぁ、俺みたいな種類の人間は必要にならねぇんだよ。クソ三流がぁッ!!

 

 クリフは迫り来る夜霧に対して再度炎剣であるレーヴァテインを構えるが夜霧はダンッ!!と床を踏み潰す勢いで左足に体重を掛け体勢を低くすると同時に言葉を叫ぶ。

 

 『赤は青へと変わり、青は緑へと豹変をとげる』

 

 夜霧が言葉を叫んだ瞬間、クリフが今まで炎剣として使用していた木のナイフがバキッ!!と音をたてて独りでにナイフの腹から半分に折れてしまった。

クリフはそのナイフを見て何か夜霧に言おうとしたがクリフの言葉が夜霧に届くことはなかった。

 

 

 夜霧は唖然とするクリフの整った顔へと右足の靴底を叩き込むとクリフは空中でニ回転し、掃除用具入れに空中でノーバウンドで激突し中に入っていたバケツやモップを部屋中に撒き散らしクリフは動かなくなった。

 そして夜霧は用具室の隅っこに転がるクリフを見て満足そうに呟いた。

 

 「まぁ、アンタが何をしようとしていたかは大体想像がつくぜお姉さん。ウチの妹を使って愉快で素敵な交渉をしようとしていたみたいだけどにゃ、ちょっと見立てが甘かったな」

 

 もぞり、床に倒れているクリフの体が芋虫が葉の上を這いつくばって移動するような動きを見せたどうやらまだ意識はあるらしい。

 あ~女の子だから手加減しちまったかなぁ~よしきちんと潰そう、と夜霧は笑顔のまま極めてプロらしい思考回路を働かせてクリフへと近づき彼女の数歩手前で立ち止まった。よく見てみればクリフは飛行機の床に無様に這いつくばりながらも顔だけは頭上から見下ろす夜霧を睨みつけていた、どうやら体を動かすほどの体力は残っていないが自分を蹴り倒した相手へ言葉をぶつけるだけの体力は残っているようだ。

 

 

 「貴様……な…ぜ、私の邪魔を……した」

 

 「にゃ?そりゃあお前、勝手に人の妹を交渉材料にしようとしたからだよ三流。プランも三流ならそいつを立てた人間も三流だなオイ」

 

 

 貴様……クリフは怒りを含んだ声色で夜霧を威嚇するが、今の彼女に出来るのは本当にそれくらいだった。

 

 

 

 「大体にゃあ、さっき戦っていた時の感じから推測するにアンタの妹さんが助けてくれって言ってないのにアンタ勝手に妹さんを学園都市から連れ出そうとしている感じだったな?なんでこんなことしようと思ったんだよ」

 

 「き…まっている。私と一緒に居た方が…………アイツは…幸せに決まっている、科学などこの世界には必要無いものなのだ、アイビスは魔術を知らず…に学園都市へと………行ってしまった、だから正しい魔術という知識を教えるために学園都市からアイツを連れ戻す………それだけだ」

 

 夜霧は少しだけ黙り、床に這いつくばりながらも必死に夜霧を睨みつけ自分の戦う理由を吐露した少女を見つめた。

 

 

 そして無言のままさっき仕舞った黒光りする拳銃を取り出して彼女の頭に狙いを定めた。

 

 「最後にこれだけ言っておく、人の幸せなんて他人が決めていいもんじゃない。ましてや自分の幸せの基準点を他人に押し付けてもいけない、アンタの妹さんは科学を選んだアンタは魔術を選んだ、ただそれだけの違いだ」

 

 「黙れ!!何も知らずに我が物顔でいい加減なことを抜かすな!!」

 

 「いいや、言わせてもらうぜなんてたってウチの妹は超能力者だが俺は今の今まで彼女の力を否定したことはない」

 

 

 

 

 

 

 最後にそう言うと夜霧は拳銃の引き金を引いた、拳銃の発砲音に良く似た音が用具室の中にこだまして彼女はそれを最後に意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ~あ、金にならねぇ仕事をしちまったにゃ。ていうか俺も一歩間違えたらあんな風になっていたのかもな」

 

 夜霧は用具室の中から出てくるとまず最初にそこで戦う前に用具室前の通路に置いていった単語帳の一ページを回収した、このページには発光しているルーン文字で『人払い』と書かれておりクリフと夜霧が用具室の中でどんちゃん騒ぎをしても誰も駆けつけてこなかったのはこの魔術のおかげだ。

 

 単語帳に魔術的意味合いを持つページを作っておき使いたい時に単語帳を束ねるリングから引き千切るというのは彼の元同僚のアイディアだが細かいことは気にしないのだ勝てば官軍負ければ賊軍みたいな感覚で夜霧は世界中の魔術師の魔術の知識を少しずつ拝借している。

 

 拝借すると言えば聞こえはいいがようはパクッているのだ。

 

 夜霧はとりあえず自分の席に戻ることに決めたおそらく戦うまえに飲んでいた気の抜けた炭酸からさらに炭酸が抜けているだろう、うぉお!そんなの飲みたくねぇでも飲まないのもなんかもったいない的な良心の呵責に苦しみながら通路を歩いていると誰かとぶつかってしまった。

 

 「きゃ!?」

 

 「うおっ、とゴメン」

 

 ぶつかってしまった日本人の茶髪で短髪な少女に手を合わせて平謝りすると少女は気さくな笑顔を浮かべて、

 

 「あ、いえいえ。私も前を見ていなかったですし、気にしないでください」

 

 なんて笑顔で返された夜霧はもう一度平謝りをすると自分の座席へと戻っていった。

 すると座席に座ったタイミングでポーン、という柔らかい電子音のあとに女性の声のアナウンスが聞こえてきた。

 窓の外を見ればそこには数十年分科学が発達した街、科学サイドを治める総本山、学園都市の風景が広がっていた。 

 

 

 

 そして夜霧アズマの妹、夜霧灯夏が居る世界に夜霧は静かに足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに夜霧の魔術の仕組みは追々説明します(多分、おそらく、もしくは……)
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