アナキンの親友になろうとしたら暗黒面に落ちた件   作:紅乃 晴@小説アカ

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ジェダイ「シスは敵!抹殺!」

ログ「落ち着け!!パルパル倒したら銀河がやばい!!」

ジェダイ「シスを滅せれば平和になるから大丈夫!!」

ログ「大丈夫じゃねえよぶち転がすぞ(物理)」

ジェダイ「アウウン!!(バターン)」

パルパル「グッジョブ、ログ。ところでウチの弟子にならね?」

ログ「それよかフォースの探究で銀河に旅に出ない?」

パルパル「イイね!あとはパドメちゃんとかに押し付けて行方くらますか!!」

アナキン「えっ?」
オビ=ワン「えっ?」
パドメ「えっ?」



番外編
番外編 パルパルとログの愛の逃避行


 

 

アウター・リム・テリトリーのどこか。

 

「ログ、見ておくれ。これはまた素晴らしい発見だぞ」

 

高層ビル群の一角で見つけたフォースによって形成された異空間。その中へと踏み入ったパルパティーンこと、シディアス卿は出会した怪物の中から出た形成物を興味深そうに眺めてうっとりと目を光らせていた。

 

ライトセーバー二刀流による斬殺ショーを手早くこなした俺こと、ログ・ドゥーランもシディアス卿が手にする掌サイズのアンティーク調のものを見つめる。

 

不思議なフォースの感応波長だ。この空間そのものがフォースの感覚ではとても特殊なものであった。シディアス卿が行方をくらましたことで内部から崩壊した銀河共和国の追手を退け、銀河の果ての果てまでやってきた俺たちは、目にするもの全てが新鮮であり、新しい発見の毎日であった。

 

ジェダイやシスというしがらみもなく、シディアス卿も自分たちの銀河の誰もが踏破したことのない土地での探究に、その貪欲ともいえる知見をさらに深めている様子であった。

 

「ふむ、しかしログよ。ここは少しばかり甘ったるい空間よな」

 

「ええ、フォースを感じはしますが五感にも影響を与える作用が僅かにですが感じられます」

 

巨大な芋虫…見た目はコミカルで、芋虫に似合わないギラギラした歯が特徴的である原生生物をぶち殺したとはいえ、あたりには甘味類やお菓子、ケーキがべったりと散らばっているのが見える。

 

文明レベルではあまり進んでいない惑星ではあるが、この異空間もかなり特殊なものだった。フォースに導かれるまま、つまらない繁華街から裏道に入った俺たちを待っていたのは、このケーキ塗れの空間と、大きな口を開けて待っていた芋虫だった。

 

8等分ほどにスライスした死骸の傍ら、新しい発見にテンション爆上がりで周りが見えなくなってるシディアス卿を見つめる人影が3人。

 

やけにカラフルな髪色をした少女たちだ。

 

怪物の臓物を漁るシディアス卿にドン引きしている様子だが、これはまだマシぞ?この人、目を離すと普通に何が住んでるかわからない穴ぐらとかに入っていくからね?まぁシディアス卿の力があれば、ワンパンだろうが巨大生物だろうが一捻りでキャンと言わせれるだろうが。

 

かくいう俺がシディアス卿の後ろで腕を組みながら死骸やこの異空間を観察していると、その少女らの中で1番大人びている金髪の子が申し訳なさそうにこちらへ語りかけてきた。

 

「あ、あの…貴方たちは…その…魔法使い…なの?」

 

「ドウモ、ジェダイ=スレイヤーデス」

 

「アイエ!?」

 

「ログ、それを言うと冗談で済まないのでやめなさい」

 

やっべ、前世期ぶりに思い出したネタが通じてテンションが上がりかけたけど、フォースの感覚で察したパルパルに怒られちった。さすがはラスボス。察知能力はダンチだぜ。

 

「ところで、お嬢さん方はこんな場所でいかがなさったのかな?」

 

探究大好きおじいちゃんから、銀河のトップへ上り詰めた議長フェイスに切り替えたシディアス卿に、金髪の少女は何か言い淀んだ様子で言葉を選んでいる。はて、この容姿の子供…どこかで見たような気が…。どこだ、ウータパウあたりか?

 

「あ、あの。私たちからすると、なんで貴方たちがここにという感じでして」

 

「ああ、すまない。私はパルパティーンだ。なに、少しばかり歴史や貴重な遺産の探究が趣味でね。あちこちをこちらのログと共に旅をしてるんだ」

 

だいたい1星系あたりでフラフラと旅をしてるんだけどね。この星に来たのも食料の調達が主な目的だったけれど、シディアス卿が引き寄せられるようにこの場所を見つけたから。

 

「大丈夫さ、すぐに引き上げるとも。なにも心配はいらないさ」

 

フォースの感覚を隆起させてシディアス卿が手を振るって金髪の少女に暗示めいた言葉を送る。ジェダイでも交渉でよくやることで、読心術と相手の思考をフォースで流れを変えるという側面を持つその技は、意志がないものや年端が若ければよく効くものだ。

 

だが、その金髪の少女は俺たちの予想を遥かに上回る意志を持っている子供であった。

 

「誤魔化すのは効きません。あなた方が〝魔女〟を倒した以上、魔法少女として見逃すわけには…」

 

「ちょっと待ってくれ、魔女?魔女だって?ナイトシスターズの親戚か?」

 

「ナ、ないと…?」

 

「落ち着きなさい、ログ。いいかね?この星系はとても興味深いものが多くある。ナイトシスターズのような独特なフォースの形態を保って、フォースの深淵へ挑んでいるかも知れんぞ?迂闊に結論を急ぐではないぞ?」

 

「あ、あの…」

 

「わかっていますよ、シディアス卿。しかしこれが魔女と言われてもしっくりは来ませんな。それなら前に行った外縁惑星の原生生物のほうがよっぽど魔女らしい」

 

「えっと…」

 

「あの空間は不思議なものであった。四人の生贄が延々と殺人鬼に襲われ続ける異空間。その輪廻に巻き込まれたときは、流石の私も肝を冷やしたな」

 

「なに言ってるんですか、悠々と攻撃を避けてライトセーバーで首をぶった切ってたくせに」

 

「異空間から脱する方法を知るものを探すために四肢を達磨にして首筋にライトセーバーを当てて尋問をしていた君には言われたくないな。あの時の君の暗黒面は少々ぶるったぞ?」

 

「はっはっは、あの程度はまだまだですよ。フォースで爪を剥がすとかしてないですし」

 

「相変わらず、ストイックなことだ」

 

「ちょっと!!!!」

 

会話が弾んできた俺たちの間に割って入ってきたのは、淡い青い髪色をした少女だった。ふと、金髪の少女を見ると、無視されていたのか置いてけぼりにされたのか、涙目でたたずんでいるのが見える。

 

「マミさんの話を無視して盛り上がらないでよ!!アンタたちは何者なの?!」

 

その悲鳴のような荒げられた声に、俺とシディアス卿はお互いに顔を見合わせてからはっきりとした口調で答えた。

 

「フォースの探求者さ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにこれ」

 

その光景を遠目に見ていた少女、暁美ほむら。これは二人のシスとジェダイが、星を救う物語である…そうなるかもしれないお話。

 

「すごいぞ!!!!ログ!!!!まったく感知することができない箇所から物体を錬成するとは!!!!一体どういう技術なのか!!!!もっと詳しく見せておくれ!!!!」

 

「落ち着けぇ!!パルパル!!!」

 

「いやあああああああ!!!」

 

「マミさぁああああん!!!?」

 

…むしろ、タガが外れたパルパルの冒険譚かもしれない。

 

 

 

end

 

 






きゅうべぇ「げぇ!!?ジェダイとシス!?」

さやか「私ってほんとバカ」

パルパル「暗黒面は素晴らしいぞぉさやかぁ」

マミ「もう死ぬしかないじゃない!」

ログ「喝!!その程度ではフォースへの道は開けんぞ、バダワンよ!」

杏子「くっそ!逃げ場がねえ!!」

ほむら「なにこれ」

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