アナキンの親友になろうとしたら暗黒面に落ちた件   作:紅乃 晴@小説アカ

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エンドアの戦い 2

 

 

 

エンドアの軌道上で、反乱軍と帝国軍の激しい戦闘が繰り広げられる中、エンドアのエネルギーシールド発生装置施設でも、ブラスターの光弾が飛び交う戦闘状況が発生していた。

 

施設にたどり着いたハン達。ローグ・ワンが仕掛けた撹乱作戦で施設の守りは手薄になると考えていたが、その施設の防衛を任されていた相手が悪すぎた。

 

真っ赤な光剣を下げて、ハンや反乱軍達のブラスターを弾き返すのは、エネルギーシールド発生器を守護するために配置された尋問官だった。

 

「ノコノコとやってきたな?反乱軍ども。撹乱作戦は褒めてやろう。だが、この発生装置を抜けれると思うなよ?」

 

「くっそ!!尋問官か!!厄介な!!」

 

たった3名の尋問官。トルーパーの数も多くはない。だが、それが致命的な戦略差となってしまっていた。ブラスターの波状攻撃を加えても、彼らは難なく光弾の雨を弾き返す。

 

トルーパーもジェダイ狩に特化したパージ・トルーパーだ。ガトリング式のブラスターをお返しと言わんばかりに撃ち放ち、反乱軍を一切寄せ付けない。

 

ハンが身を乗り出してブラスターを放つが、その鉄壁の防衛戦を崩すには戦力が足りなすぎた。

 

「俺が相手だ、シス・ストーカーめ」

 

ハンがその声に気がついたのは、隣にいたボバ・フェットが背中に備えるジェットパックで飛び立った後だった。火を吹きながら空を飛ぶボバは、先抜けにガトリングを好き勝手撃ってくるパージトルーパーへ、手首に備わる小型のリストミサイルを放った。

 

吹き飛ばされたトルーパーたちの真上にたどり着くと、もう片方の手に備える火炎放射器で迎え撃とうとしたトルーパーを火達磨にしてゆく。

 

「ハッ!!たかが賞金稼ぎに何ができる!!」

 

尋問官の一人が言葉と共に投げた回転式ダブルブレード・ライトセーバーを、ボバは身を翻してひらりと躱し、銃口を向けた。

 

「何でもできるさ!!」

 

寸分違わずに放たれたブラスターは、無防備な尋問官のもとへと迸るが、相手はフォースの力で投擲したライトセーバーを引き戻し、アクロバティックな挙動でボバの精密な射撃を容易く回避する。

 

わかっていたさ…!着地するボバは身を翻して躱した尋問官たちへすでに照準を定めていた。ジェットパックに備わる最大火力であるミサイルを、身をかがめて発射した。

 

着弾と共に広がる爆風で、尋問官の体が乱れる。今だとリストからワイヤーを射出し、高圧的であった尋問官の一人を拘束する。

 

「小癪な!!」

 

そのまま空に飛んで引きずってやる!飛び上がろうとしたボバに、拘束される尋問官の隣にいた他の尋問官が、フォース・ライトニングをボバへと放った。

 

「がはっ!!」

 

飛び上がろうとしていたボバの体は稲妻の痛みに苛まれ、過電流で暴走したジェットパックに身を振るわれたボバは、そのまま巨木へと体を叩きつけられる。

 

「ボバ!!」

 

「貴様は愚かものだ、帝国に従順に従っていればよかったものを!!ここで反乱軍共々死ぬがいい!!」

 

レイアの悲鳴のような声が聞こえる中、目の前で尋問官が真っ赤なライトセーバーを振り上げているのが見えた。他の反乱軍も残りの敵との交戦で手が離せられない。

 

まだだ…!俺はまだ…!!振り下ろされる真っ赤な光刃を前にしてもボバは諦めなかった。溶断されるとわかっていながらも、長年愛用したブラスターを盾にするように眼前に構える。

 

その時だった。

 

ボバの視線の先。尋問官たちの背後へ、〝何か〟が降り立った。

 

「なんだ!?」

 

降り立った衝撃は、フォースの波動へ変換され、パージ・トルーパーや尋問官たちを吹き飛ばしてゆく。着地した地点が軽いクレーターとなってる中、膝を折っていた〝何か〟はゆっくりと立ち上がる。

 

「反乱軍の手助けをすることは癪ではあるが…今は同じ目的を掲げる者達だ」

 

真っ黒な外套と独特な仮面を被るのは、帝国軍きってのレン騎士団の筆頭騎士の側近、サー・マレックであった。

 

「貴様は…レン騎士団のギャレン・マレック…!!」

 

尋問官の驚愕した声と共に、着地した騎士マレックの背後から、幾人の「クローントルーパー」たちが姿を見せた。間違いない、彼らはクーデター派閥の帝国兵たちであった。

 

彼らも反乱軍と同じく、エンドアに物資を届けるため向かう貨物船に偽造し、森の月へと潜入していたのだ。

 

「ご名答。騎士マレック、推して参る!!」

 

ライトセーバーを二本。両の手に携えたマレックが口上と共に構えると、整列したクローントルーパーの姿をした兵士たちも、武器を構えて交戦を開始する。

 

ボバが空を飛び二丁のブラスターを放ち、ハンがレイアと共に銃撃戦を制し、ストームトルーパーと、クローントルーパーが銃撃戦を繰り広げる。

 

イウォークたちの援護もある中、おなじ赤い光刃を出現させたサー・マレックは、三人の尋問官との剣戟を開始して行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「スローン大提督、反乱軍の艦隊はデス・スターの攻撃で混乱しています。どうなされますか?」

 

スーパー級スター・デストロイヤーである《エグゼクター》のブリッジで、艦の指揮を取るファーマス・ピエットが、艦隊の総指揮を取るスローンへと疑問を投げかける。彼は外で反乱軍が窮地に立たされてゆく様子を見つめながら、ピエットへ言葉を返した。

 

「座して待とうではないか、ピエット提督。彼らの目的はデス・スターの破壊。だが、肝心の目的はエネルギーシールドによって阻まれ、さらにはスーパーレーザー砲が飛んでくるのだ」

 

デス・スターの砲台がパッと光った瞬間、反乱軍の船一隻が跡形もなく消滅した。スーパーレーザー砲はすでに完成している。このまま手をこまねいていたら、反乱軍の全滅も時間の問題だろう。

 

「となれば、次に彼らの取る行動はこちらの大艦隊への肉薄だろう。デス・スターの攻撃を避けるか…あるいは道連れにして自滅するか。どちらにしろ、数でも質でも、圧倒的に勝る我々の勝利に揺るぎはない」

 

まるで反乱軍など眼中にない物言いをするスローンへ、ピエットは視線を細めながら、彼が気がかりするもう一つの要素を問いかける。

 

「…彼らは仕掛けてくるでしょうか?」

 

その言葉に、スローンは表情をやや険しくしながら頷いた。忌々しい〝ノーバディ〟たち。誰でもあり、誰でもないと謳いながら、こちらの邪魔をしてくる組織だ。彼らが反乱軍の一大反抗作戦を指を銜えて見ているはずがない。

 

「来るだろう。それを見越して我々は準備をしてきたのだからな」

 

そう言ってスローンはブリッジの奥を見つめる。そこには二つの愛剣を見つめるダークサイドの戦士、タロン・マリコスが静かに佇んでいるのだった。

 

 

 

シナリオを練り直すのを許せるか?

  • 細かい描写も見たい
  • ログの心の移り変わりを見たい
  • とりあえずエンディングまで突っ走れ

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