「んんッ〜…おはよーケント」
何時も通りの朝。
俺は何時もの様に六花の家でカフェの調理場を借り昼食の弁当と朝食を作り終え、エプロンを外すのとほぼ同時に寝ぼけ眼を擦りながら六花が起きてくる。
「おはよ六花、お母さんは?」
「ん〜起こしたけどまだ寝てる…」
「起きなかったか…仕方ないしまっておくか、朝ごはん出来たばかりだから冷めないうちに食べちゃって」
「はーい、頂きまーす」
カウンター席に座り上品に朝食を食べ始める六花をしばらく見つめ、そのまま自分の左手首に付けられたウェブダイバーの証。グランモバイラーに目を移す。
怪獣が現れ俺が怪獣と戦うヒーロー、ウェブダイバーになって二週間、まだ謎は多いが分かった事も幾つかある。
まずは、怪獣が破壊した物はその怪獣を倒すと次の日には綺麗に元通りになっている。
怪獣の目撃情報も怪獣を倒せば次の日には俺以外誰もその事を覚えていない。
最後は怪獣によって死んだ人間は存在を忘れられ、事故等の別な形でなくなっていることになる。
「本当…馬鹿げてるよな…」
「ん、何か言った?」
「何か飲むって聞いただけさ」
「ん〜…オレンジジュースで」
「分かった」
六花を上手いこと誤魔化し持参したオレンジジュースが入ったボトルを冷蔵庫から取り出し、グラスに注ぐ。
「ありがと、出た!やたら大きいオレンジジュース、ケント本当にそれ好きだよね」
「美味いからいいだろ?コスト〇でしか取り扱ってないから買い貯めしてあんの!」
「まぁ確かに美味しいよね…ふぅ…ご馳走様でした」
「お粗末さま、食器は洗っておくから学校の支度してきな」
「はーい」
六花が部屋に戻り、洗い物を始めると左手首のグランモバイラーにいる彼が口を開いた。
「本当に君と六花は仲がいいんだな?」
「あぁ…謎がもう一個あったわ…」
グランモバイラーのディスプレーに映る西洋の騎士の甲冑を纏った様な見た目のロボグラディオン、怪獣達と同じくらい謎多き存在だ。
「まぁな、幼馴染みで彼女だから…それに」
「君の守りたい存在…か?」
「そうだ、なぁグラディオン…」
「なんだケント?」
「お待たせーケント、学校いける?」
「あぁちょうど終わった所だ、…すまんグラディオンまた後で話す…」
「分かった」
グラディオンとの会話を中断し、高校へ向かった。
13日前
「叫べ…我が名は…」
「ウェブダイブ!!…グラディオン!!」
光の巨人の名を叫ぶと彼の体に吸い込まれ光が弾け、神々しい騎士の風貌のボディーが現れた。
「な…なんだ?…ここは…」
眩い光がはけると、SF映画に出てくる宇宙船のコックピットの様な空間に六花を抱く形で佇んでいた。
「ここは私の中だ」
「グラディオンの?…」
「そうだ、共に戦おう!」
「アイツを…六花を傷つけたアイツを…倒す!」
六花を横たわらせ、目の前で暴れ回る怪獣に向かっていく。
「ケント!グランブレードを使え!一気に決めるんだ!!」
「グランブレード!!」
グラディオンに言われるがまま、叫ぶと自分とグラディオンの手に同じ形をした剣が握られていた。
「いいねぇ剣か、久しぶりの剣道だ!!」
「ブレイクザーンだ!ケント」
「必殺技か?行くぜ!ブレイクザーン!!」
怪獣との間合いを詰めるが炎を吐き抵抗するが、グランブレードで炎ごと怪獣を両断した。
「なんか…ノリと勢いでやっちまったけど…スゲーな…」