ソウル的世界に行った結果wwww   作:ズブロッカ

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がんばれよ


哀れな男 その2

 さて、例の岩場の見通しの悪い道を進むわけだが。

 経験上、伏兵がいることは間違いない。釣って各個撃破だ。この剣の錆にしてくれる。そうやって心を奮い立たせ、剣を構えながら慎重に歩く。用心深く歩いたせいもあるが、半刻ほどの時間を歩き、視界の悪い岩場に差し掛かる。篝火からはこの岩場まで随分と距離があるようだ。道が岩場に挟まれ、ちょうど曲がり角のようになり、先が見通せない。来るとしたらここだろう。

 

 一歩分だけ体を出し、素早く下がる。下がったと同時に、今いた胴の位置に矢が飛来し、目の前の岩にぶつかる。呆けている間もなく、複数の足音がこちらに近づいてくる。心臓が早鐘を打つ。足音が段々と大きくなってくる。俺は剣を握りなおした。ガントレットの中ではひどい手汗だろうが。目の前に茶色い人影が躍り出ると同時に剣を振り下ろす。何とも言えない嫌な感触が手に残るが、そんな感傷に浸っている場合ではない。叫びながら―これを絶叫というのだろう―何度も剣を振り続けた。手がしびれてくるまで振り続け、次第に肩で息をし始めたあたりになってようやく我に返った。相手はすでに事切れていた。慌ててあたりを見まわしたが、草を踏みつける足音は聞こえない。ただ遠くの方で波打つ音が小さく聞こえるだけだった。

 

 どうやらここは一体だけのようだ。無我夢中で剣を振っていたせいか、ゲームのように青白い煙が立ち上っているところは見なかった。ソウルは手に入ったのだろうか。流石にリアルプレイでレベル1縛りはやりたくない。ソウルの行く先をあれこれ考えているうちにふとあることに気付いた。死体が消えていない。先ほどぶち転がした死体がそのままになっているが、死体あさりはできるのだろうか。ゲームでは死体あさりが出来ずドロップがあったが、ここではどうなのだろか。死体をよく見れば小さな弓が落ちていてた。 とりあえず死体を蹴ってみる。ふむ。蹴れるようだ。少なくとも干渉は出来ると。お待ちかねの死体漁りだ。

 

 このミイラのような死体はチョッキとも言えぬような襤褸布の切れ端を着ており、腰には襤褸布で巻いた腰巻があるだけだった。しけてやがる。まあいい。本命はこっちだ。こいつは仰向けになって倒れているため、お目当ての小さな弓が腰の下敷きになっているのが一つと、手には中ほどで折れた剣、シリーズではお馴染みの、折れた直剣を持っていた。襤褸布はともかく二つの武器は回収させてもらう。拍子抜けだったが、問題なく死体漁りは完了した。まるでスカイリムのようだと、愚にもつかないことを考えた。

 

 さて、死体漁りをできるとなると、別の問題が発生する。所持重量、と言えば聞こえはいいが、鞄でもない限り持てる物には限りがある。人は二本の手しかないのである。弓一つに剣二本。襲われる危険性がある以上、これらを両手では抱えきれない。ゲームの世界の主人公たちはどうやってあの量の武器を持ち歩いていたのだろうか。ソウルシリーズでは武器をソウルの中にしまっているという説を聞いたことがあったが。

 

 収納だとか、メニューだとか思いつく限りのことは呟いてみたが、武器が仕舞われることはなかった。現実準拠かよ。ふと腰に手を当てる。ゲームでは武器の入れ替えを腰に手を当てるだけで行っていることを思い出したのだ。腰にはちょうど手の当たるところにポーチがついていた。

 

 何の気なしにポーチの蓋を開け、折れた直剣を入れてみる。入りやがった。抵抗もなくするりと入り込んでいきやがった。四次元ポケットかよ。ポーチの中に手を突っ込む。見かけ上はあるはずのポーチの底がない。先ほどと同じように抵抗もなく深い水の中に腕を入れたように際限なく腕がずぶずぶと入っていく。底のない袋に恐怖を抱きつつ、直剣どこだよと思っていると、手の中に棒状の物があることがわかった。そのまま引きぬくと折れた直剣が出てきた。俺は無言で直剣をしまった。ついでに弓もしまった。ポーチの口より明らかに大きかったが、そんなもん関係ねぇと言わんばかりに袋の口がにまるで生き物かのように大きく開き弓を飲み込んだ。この世のものとは思えないものを見た俺は1d6のSAN値が削れた。SAN値チェックは自動失敗だよちくしょう。

 

 体が重くなった気もしない。所持重量については考えずに済んだようだぜ。今のところは。そこ、現実逃避とか言わない。お前も自分の腰に訳のわからんものがついててみろ、泣きたくなるだろうがよ・・・・っ!

 

 

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