この先、悲しみがあるぞ
死体漁りも終わった。さて、ここからどうしようか。俺には今選択肢が2つある。そう、進むべきか戻るべきか、それが問題だ。いやまあ戻るんですがね。命を大事に。ビビりだの臆病者だと罵られようと安全第一だ。
篝火に戻った。火の前に座る。燃える篝火を見ていると自然と心が落ち着いてくる。具体的に言えば先ほど削れたSAN値が回復した。あれはかなり動揺した。初めての亡者との戦闘だの手に残る肉を切った感触だのの感慨が、思い出すも悍ましいあれで全部吹き飛びやがった。もう少し感傷に浸って、人をはじめて切ってショックを受ける主人公ムーブとかしたかった。
アホなことを考えながら篝火に当たっていると、脳内に今あるソウルの量が浮かび上がった。どうやらステ振りはできるらしい。ホッとしたぜ。リアル初期レベル縛りは拷問だからな。ステ振りの項目を確認してみる。シリーズ毎に微妙に異なるからな。まずは体力とスタミナだな。最序盤はとりあえずこれだけ振っておけばなんとかなるからな。ゲームに慣れてきてボスも何体か倒していくと段々ソウルに余裕ができると、どうステ振りするか悩むんだよなあ。カッコいい武器とかも手に入ってステ振りも装備できるようにその武器に寄せたりしてな。中盤あたりが一番ワクワクしていたなあ。
うん。おかしいな。さっきから何度も見直しているんだが、どうも項目が少ないみたいだ。まあ、シリーズが違うからね、多少は少なくなっているんだろうね。うん。どっからどうみても二つしかない。おいおいおい。俺死んだわ。項目は体力と魔力の二つのみで、筋力だの信仰だの技量だの見慣れた項目が見つからない。なんでだよ。というか理力じゃなくて魔力なんだな。やはりソウルシリーズとは少し違うのか?そんなことを考えながら、項目を注視すると説明が頭に浮かんでくる。
体力:体に関するステータス。
魔力:魔術に関するステータス。
以上である。もう一度言う。以上である。何もわからない。こんな「これはペンですみたい」な説明文をつけるくらいならない方がよっぽどマシである。説明する気がないならつけないでくれ…。ついでに言うとさっきの亡者一人ではレベルが上げられないことが分かった。そしてレベルを上げるのにどれくらいいるのかも分からない。というかレベルの上げ方も分からない。ステ振りとかレベルを上げる項目がねえ。分かるのは魂の蓄積と書いてある項目のみ。さっきの亡者のしょっぱいソウル量が記載されている。というか魂の蓄積ってなんだよ。総ソウル取得量じゃ駄目なのか。フロムに怒られそうだからこんな半端なことになっているのか…。あァァァんまりだァァアァ。そうそう、ステータスは体力が1で魔力が0でした。分かりやすいね!
自分が初期ステータスであり、この世界がステータスが二つしかない推定クソゲーであることを改めて確認したところで、もう一度先ほどの岩場に行こうと思う。何度戦うかわからないが、ソウルシリーズに似た世界とはいえ、せっかく異世界に来たのだからレベルアップくらいはしたい。そう。マラソンだ。体力か魔力を1上げるまで何度もあの亡者を殺すつもりだ。一度死ねば終わりだとは思わないが、安全策は第一に取っていく。死ぬまでは命を大事にしていきたい。