アオイとの添い寝からはカナヲとの触れ合い。
突然のアオイの言葉に炭治郎はボッとなった。
「えっ!アオイ…さん……?」
それを見たアオイは顔を赤くして
「返事はまだいいです。ですが、これから覚悟してくださいね。これから毎日アタックしますので!!」
アオイはそう宣言した。それに炭治郎がしどろもどろになりながら
「ど、どうして俺なんかを?」
アオイは頬を赤く染めて炭治郎を真っ直ぐに見て
「貴方が戦えない私の思いを戦いの場に連れてってくれると、もう私の思いは自分の一部だと言ってくださったからです。」
「えっ?!」
炭治郎が尚も顔を赤くしているとアオイは続けて
「私は両親を殺した鬼を倒そうとカナエ様としのぶ様から呼吸法を学び強くなりました。
ですが、最終選別では、鬼と相対した瞬間にあの時の恐怖が蘇り、戦えなくなりました。
……………それからは私は自分が情けない存在だと思い知りました。けれども、炭治郎さんがそんな私の思いを戦いの場に持って行ってくれると、もう俺の一部だからと言ってくださいました。
あの時から少しずつあなたのことが気になって、そして今日のしのぶ様との一件でようやく分かりました。私が貴方のことを好きだと。
……………本当はこの気持ちは貴方に伝えないつもりでした。」
アオイは炭治郎から顔を赤くして逸らしながら言っていたが、すぐに炭治郎に視線を戻し真剣な表情で
「……………ですが、昼間でのしのぶ様の覚悟を聞いてしのぶ様が死ぬつもりだと言うことと、そんなしのぶ様を炭治郎がしのぶ様を止めて救ってくれた。
そんなお二人を見て、私も微力ながら貴方達と共にと戦いたいと、大切な人達を守りたいと思いました。そして夕方のしのぶ様との一件もありますから。」
「聞いてたの?!」
アオイの言葉を聞いた炭治郎は驚愕した。
アオイは申し訳なさそうに苦笑して
「ごめんなさい。お二人の話を盗み聞きしてしまいました。あの時は本当に夕食ができたのでお二人を呼びに行ったんです。そしたら、あの時の会話を聞いてしまいました。………それでも貴方のことが好きなのは変わりません。」
アオイはそう言うと尚も炭治郎の体を抱きしめた後にアオイは
「今夜は、寒くなりますから炭治郎さんも私のことを抱きしめて下さいね。……………炭治郎さん、貴方になら私は……………」
羞恥心を含めた笑顔で耳元でアオイにそう囁かれて炭治郎は、ドキリとした。
「いや、でも……………」
炭治郎にアオイは悲しそう顔をして
「私じゃダメですか?」
と言われて炭治郎は
「そ、そんなことは……………」
炭治郎がそう言うもアオイはそのまま悲しみと不安の匂いを漂わせていた。
それを知った炭治郎は覚悟を決めてアオイを抱きしめた
瞬間に炭治郎はアオイの寝巻き越しからでも分かる豊満な乳房を自分の体から体温と共に自分の胸のあたりに感じて内心炭治郎は興奮した。
(アオイさん……大きいっ!)
そしていつも鍛錬していたのであろう市井の娘にはない鍛えられた、されど女性らしさを損なっていない健康的で細身の美しい筋肉質の芳体と同時に抱き締めたら折れてしまいそうな括れた腰に手を回した時にアオイからも興奮の匂いが出たと同時に
「あっ……!」
という吐息が炭治郎の耳元に吹きかけられ、炭治郎は顔を更に熱くした。
「ありがとうございます。炭治郎さん。」
とアオイは炭治郎にお礼を言うとそのまま炭治郎の頬に口付けをした。
炭治郎はドキリっとした。
それを見てアオイはクスッと笑う。
そのまま二人はお互いの体温と体を感じ合って眠りについた。
ーーーーー
翌日……………早朝の皆が起きる時間帯に一人の少女が寝巻き姿で竈門炭治郎の部屋の前にいた。
右側のサイドポニーテールが特徴の少女の名は栗花落カナヲ。
鬼殺隊・蟲柱である胡蝶しのぶの継子であり新人隊士でありながら最も柱に近いと言われる天才美少女剣士。
そんな彼女は今竈門炭治郎部屋の前にて顔を赤くして体をモジモジとしていた。
カナヲは小さい頃から両親に虐待されてきたために心が壊れ、全く表情が変わらない何も感じることが出来なくなってしまった。
人買いに連れて行かれた時に胡蝶姉妹に救われたのだが、その自己判断出来ない指示待ちの性格は直らず、他人からの指示以外は、今は亡き元花柱・胡蝶カナエから渡された表裏の字が片面ずつ刻まれた銅貨による銅貨投げで全てを決めて行動することしか出来なかった。
そんなカナヲだったが、炭治郎との出会いが彼女の冷え切った心に激変を齎した。カナヲは部屋の前にてその時の様子を回想していた。
『この世にどうでもいいことなんて無いと思うよ きっと』
『よし!投げて決めよう!』
『カナヲがこれから自分の心の声を良く聞くこと!』
『表が出たらカナヲは心のままに生きる!』
『頑張れ!! 人は心が原動力だから 心はどこまでも強くなれる!!』
『偶然だよ それに裏が出ても表が出るまで何度でも投げ続けようと思ってたから』
あの時の事を思い出して、カナヲの心は熱を持ったように、陽の光が差し風が舞い込んだように温かく轟いた。
あの両親との地獄の日々で壊れた心は胡蝶姉妹により少しずつ動いていき、炭治郎との触れ合いにより光が差したのだ。自身の奥底に追いやっていた心はしっかり陽を浴びて花開いたのだ。
それ以降、カナヲは少しずつ変わり、見ても気づかないようなものであったが。どうでもいいと思ったことにも目を向けるようになり、特に炭治郎の事が何時も気になった。
それがつい先日のしのぶとの一件によりしのぶを含めた蝶屋敷を救ってくれた炭治郎のことを、いつかの胡蝶カナエの言葉の
「好きな人が出来れば、変わるわよ。」
この言葉を思い出し、一晩寝てようやく自分の気持ちに気づいた。
「私……………
そして朝早くから起きたカナヲは頬を赤く染めて決心した。
(炭治郎に好きって言う!!)
そうして、自身の興奮する心を落ち着かせるために息を整えて、ドアをノックしてからドアに手をかけると、鍵がかかっていなかった。
「……………えっ?!」
そうして部屋の中を見てみると、そこに炭治郎はいなかった。
「!!!」
驚愕したカナヲは瞬時に炭治郎がもう柱稽古に行っていると理解して、膝から崩れ落ちた。
「……………そんな……行かないでって言ったのに……………」
そうしてカナヲは呆然自失となってヨロヨロと歩いて廊下に出て自分の部屋に戻ろうとしていると
「カナヲっ!」
「どうかした?!」
自分を呼ぶ声を聞いて顔を向けるとそこには
「炭……治郎…………?………アオイ……………っ?」
「どうしたんだ? 顔が真っ青だぞ?!」
カナヲの思い人の炭治郎とアオイが居た。カナヲは、涙を流してすぐに炭治郎に抱きついて
「……………居たのっ……………」
「えっ?」
カナヲの突然の行動と言葉に炭治郎が戸惑っていると
「今までどこに居たのっ! 心配したんだからっ!」
カナヲから今まで聞いたことのない大声で炭治郎に泣きついた
「ご、ごめんなさい!! 昨日はアオイさんの部屋で一緒に寝ていたからっ!」
炭治郎はすぐに謝罪し、カナヲの疑問に答えた。
聞いたカナヲはアオイに顔を向けるとアオイは顔を赤くして目を逸らして
「ごめんなさい。」
アオイも謝罪するがカナヲは、少し怒ったようにジト目を向けて
「何で?」
炭治郎がすぐさまにアオイを庇おうと、しどろもどろになりながらも言おうとするがそこにアオイが
「
アオイがいつもの生真面目な顔で頬を赤く染めて言い放つ。いつもなら絶対に言わないが、炭治郎に対するカナヲの好意を前々から知っていたために先手を打とうと思い口に出した。
「ちょっ?! アオイさん!!」
「……………えっ?!」
炭治郎が慌てるとカナヲが驚愕した。アオイは尚も
「
言い放つと炭治郎が顔を赤くして狼狽して
「えっ!!!」
カナヲも顔を赤くしていた。それを見てもアオイは冷静に
「それだけですよ、カナヲ。では私はそろそろ朝食の準備に行きますので。」
アオイが行った後にカナヲは炭治郎をすぐ様に問い詰めた。
「炭治郎、どういうこと?!」
「ご、ごめん。すぐに話すよ。」
カナヲに炭治郎は、昨夜のアオイから悲しみの匂いがしたこととアオイはもう自分の一部だと言いながら、アオイに心配をかけてしまった事を謝り、その後に眠れないアオイを心配して一緒に添い寝をしたことを話した。
流石にアオイから告白されたことは黙っていたが、聞いたカナヲは顔を赤くしながらも最後まで聞いた後に悲しそうに
「……………炭治郎、私の思いは貴方の一部じゃないの?」
「何言ってるんだ? もちろんカナヲの思いも俺の一部だよ。」
炭治郎がキョトンとして言うとカナヲは尚も
「じゃあ、何で、私じゃなくてアオイのところに行ったの?」
それに炭治郎は
「あの時は、アオイさんの方があの場に居たみんなよりも悲しみの匂いが強かったから……」
聞いたカナヲは炭治郎は自分ではなくアオイを選んだと勘違いして悲しそうに
「……………そうなんだ……………」
その後にカナヲはシュンとしてそのまま部屋に戻ろうとしていると炭治郎はすぐにカナヲの腕を掴んで
「ど、どうしたんだカナヲ?! 俺何かまずいことを言ったのかい?! そんな悲しみの匂いを漂わせて……………」
炭治郎が慌てるとカナヲは悲しそうに笑って
「何でもないよ……………」
と言いそのまま部屋に戻ろうとするが、炭治郎は考え、不意に理解した。
(そうか、あの時にはカナヲもしのぶさんのことで悩んでたのか!! それなのに俺はカナヲを強いと勘違いして蔑ろにしてしまった!!……………カナヲも女の子なのに!!)
そして炭治郎はすぐにカナヲの腕を引っ張った。
「えっ?!」
カナヲはびっくりしていると炭治郎はそのまま抱き寄せた。それにカナヲが混乱と羞恥心で赤くなっていると炭治郎は
「ごめんな、カナヲ。君のことを蔑ろにしてしまって………」
炭治郎の謝罪を聞いてカナヲは混乱して
「い、いや、もう別に良いって! どうでも「どうでも良くないっ!」えっ?!」
カナヲの言葉を遮った炭治郎はそのまま真剣な顔つきでカナヲと向き合って、
「この世にどうでもいいことなんて無いと思うよ。きっと」
その言葉を聞いたカナヲは硬直した。炭治郎は、真剣な顔から優しげな顔をして
「前にも言ったこの言葉を覚えていてくれたんだな。ありがとう、カナヲ。」
その言葉を聞いたカナヲは嬉しくなり
「………こちらこそ覚えていてくれたんだね。炭治郎。」
そのままカナヲも抱きついた。それを受けた炭治郎はカナヲを抱いたまま撫でて
「カナヲ、前より心の声を聞いてくれたんだな。俺も嬉しいよ。これからカナヲの心の赴くままにいてくれ。俺が受け止めるから。」
その言葉を聞いたカナヲは先程よりも嬉しくなって、
「受け止めてくれる?」
「ああ、受け止めるよ!!」
カナヲの言葉を聞いた炭治郎がそのまま了承すると、カナヲは少し離れて炭治郎の頬に両手を添えて
口付けをした。
「??!」
炭治郎が突然のことで動揺しているとカナヲは笑顔で
「炭治郎、大好きっ!」
と言い抱きついた。
それを廊下の角でしのぶが寝巻き姿で驚愕して見ていた。
「ライバルが増えた!!」
そうしてここから胡蝶しのぶと神崎アオイと栗花落カナヲによる炭治郎争奪戦が始まった!!!
これにて遂に蝶屋敷の炭治郎を巡る修羅場勃発!!
ではまた次回で!!