蝶を守り抜く日輪   作:是非

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本誌はもう本当に悲惨な展開に……………

所変わっての此処「胡蝶しのぶが生きる世界線」の物語をお楽しみください。

修羅場真っ最中!!

因みにこの話に神崎アオイが、「水の呼吸」及び「蟲の呼吸」を会得していると言うオリジナル設定があることを最初にお知らせします。


第漆話 それぞれの決意表明

一緒に外を出たしのぶと炭治郎はアオイに小言を言われた。

 

「診察室で何をしていたんですか? 炭治郎の声が突然響きましたし………………」

 

アオイがジト目で二人の方を見ると炭治郎が狼狽して

 

「へっ、いや。」

 

其処へしのぶが炭治郎に頬を赤く染めた笑顔のままで

 

「炭治郎君、もう診察は終わりましたから、なほ、すみ、きよの手伝いをお願いします。」

 

「えっいやでもっ!」

 

炭治郎が尚も迷っていると今度はアオイが

 

「私からもお願いします。炭治郎、私はしのぶ様とお話があるので。」

 

「でも、俺のせいだからっ!」

 

炭治郎が自分のせいでこんな事になったから言うとしのぶとアオイが笑顔のままで

 

「お願いします、炭治郎君。」

 

「女子の会話に男子が割り込むものじゃないですよ。」

 

と言う言葉に炭治郎は渋々と廊下を歩いて行った。

それを見届けてアオイは再度しのぶに

 

「此処で何を?」

 

という問いにしのぶは笑顔のままで

 

「別に、ただ彼の怪我を見ていただけですよ。それとも他に何かあるとでも?」

 

とアオイに静かな圧をかけるが、アオイは動じずに毅然として睨み返した。

 

「御言葉ですが、診察だけだと言うのに部屋から炭治郎の大声が響いて何もないなどと誰が思うのでしょうか?」

 

アオイが生真面目な顔で返すとしのぶは笑顔のままでいたが、青筋を浮かべて反論した。

 

「柱として彼の怪我の手当てをしたと言っているでしょう? 神崎アオイ。私が此処で炭治郎君にどの様な診察をしようと、それを一介の隊士であるアオイにとやかく言われたくありませんっ! これ以上はこの件に関して詮索しない様に、これは上官命令です。」

 

しのぶの鬼殺隊の最高位である柱の命令は一隊士如きでは逆らう事など絶対に出来ない。

組織である以上、上下関係は絶対だった。

聞いたアオイは悔しげに

 

「分かりましたっ!………………」

 

言われたしのぶは、笑顔のままで

 

「それにアオイこそ、こんな所で何をしているんですか? 私が炭治郎君を診察している間にまさか盗み聞きでもしたんですか? 趣味が悪いですね。」

 

「いえいえっ! 滅相もありません。私はただ、業務が区切りをつけたので炭治郎の昨日の怪我の治療の手伝いをしにきました、私も蝶屋敷の薬師であり医者見習いですからね。それだけですよっ! そんな簡単なことを賢いしのぶ様ならすぐにわかるのでないですか?」

 

「何を言うのですか? 炭治郎君の怪我は元はと言えば私が傷つけたせいです。それを私が診察して治す。其処に何故アオイがでしゃばるのですか? 暇なんですか?」

 

「炭治郎は、我が蝶屋敷の一員も同然っ! その方の治療の手伝いをするのを何故咎められ無ければならないのですか? と言うか、しのぶ様こそ炭治郎の事を昨日の夕食時に人目のある所で抱きつく等という恥ずかしい事をしておいてよくいえますね?」

 

「あれは私に大切なことを気づかせてくれたお礼とお詫びの気持ちですよ。食事中に夫婦の話を持ち出すなどと言う事をしたアオイに言われたくありませんね。」

 

しのぶとアオイの口論は、もはや上官と部下、などという関係ではなくまるで姉妹喧嘩のように内心に怒りを蓄積させ合いながらしのぶは笑顔のままアオイは生真面目な顔のまま青筋を立てて激しく毒の混じった言葉の応酬を繰り広げる。

そして遂には

 

 

「しのぶ様、確かに先程の件は失礼しました。それに御言葉ですがそれを言うなら夕食直前に殿方に恋応募していた女に比べれば、私などまだまだ健全かと。」

 

しのぶはその言葉に、昨日の現場を見られたと思い顔を赤くして狼狽した。

 

「覗いていたんですかっ! アオイっ!」

 

それにアオイは申し訳なさそうに頭を下げて

 

「申し訳ありません。夕食ができたから、呼びに行ったら、たまたまあの時に遭遇しただけですよ。」

 

そう言われてしのぶも確信した。

あの時の炭治郎の言葉を遮ったのはわざとだと。

しのぶはアオイを睨みつけて

 

「趣味が悪いですね、確かにあの時の私達は夕食時だと忘れていましたが、それもとやかく言われる程………………」

 

しのぶが言葉を濁すとアオイは畳み掛ける様に

 

「御言葉ですが、夕食ができたから呼びに行くことに、何か問題でも?」

 

「うっ………」

 

アオイの正論にしのぶは、ぐうの音も出なかった。

そして、しのぶは目を逸らして、恥ずかしそうに呟いた。

 

「………なった……」

 

「? 何か?」

 

しのぶの声が小さいからアオイがもう一度促すとしのぶは頬を赤く染めて

 

「好きになったから、しょうがないでしょうっ!!」

 

言い放つ。これには聞いたアオイは面食らう。しのぶはその後にも

 

「ええっ! ええっ! そうですよっ! 私は炭治郎君が好きで堪らないっ! あんなに立派で素直で私のことを受け止めてくれると言った人を惚れるなっ! って言う方が無理でしょうっ! そもそも蝶屋敷に住んでもらった時から炭治郎は優しげで大人びたカッコいい人っ! あんな男の人は日本中探して見つかりませんっ! それ程に私は炭治郎君を愛していますっ!」

 

それを見てアオイは、目を一瞬逸らしてすぐに向き直り頬を赤く染めて

 

「それには、同感ですね。私自身、炭治郎の懐の深さと働き者な所やその他のいい所や悪い所を含めて私は本気で炭治郎を愛していますっ!!」

 

「!!!」

 

突然の生真面目な顔で頬を赤く染めたアオイの言葉にしのぶも驚愕した。

聞いたしのぶは真剣な表情で静かな圧をかける

 

「本気なんですね。」

 

「はいっ! 私は本気で炭治郎を愛していますっ!!!」

 

アオイの精一杯の宣戦布告にしのぶはアオイを睨みつけてアオイも挑む様に睨み返した。

 

「言うじゃないですか、アオイっ! 成長しましたね。流石は私と同じ恋する乙女ですねっ! 私も炭治郎君が好きですっ!……………だからこそ、私は負けませんっ!」

 

「私だって負けませんっ!」

 

そうして両者が睨み合う。

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

そんな状況を離れた場所で見ていたのは、同じく炭治郎に思いを寄せている栗花落カナヲ。

 

普段は生真面目な顔でいるアオイが、普段は笑顔でいるしのぶが、お互いに憤怒の形相で睨み合う姿を見てカナヲは戦慄して見ていた。

 

(二人とも、怖いっ!!……………でも、私だってっ!………………)

 

カナヲが恐怖しながらも二人の様子を見てみると事態が動いた。

火花を散らして睨み合うしのぶとアオイは、

 

「「ふんっ!」」

 

と言い合いすぐに背を向け合う。

 

「アオイ、覚悟しなさい。」

 

「しのぶ様こそ、負けませんからっ!」

 

と言い合いそのまま二人は背を向け合ったまま歩いて行った。それを見届けてカナヲ

決心し、呟いた。

 

「……………私だって負けないっ!!」

 

だがカナヲは同時にどうすればいいか悩んだ。

 

アオイは、家事全般が得意でいつもキリッとした美少女。

 

しのぶは、年上の大人の女性の医者。

 

そんな彼女達と対等に戦える自分の女としての武器は、戦うこと。

 

(どうしよう………………)

 

考えていると、其処に炭治郎の声が

 

「アオイっ! 布団はかけ終わったよっ! 何かやることはあるかい?」

 

それにアオイの声が

 

「でしたら炭治郎、お買い物に行くので手伝ってくださいますか?」

 

それに炭治郎は元気よく

「うん、いいよっ!」

 

という声が聞こえた後にしのぶも

 

「アオイは、蝶屋敷の業務をお願いします。さあ、炭治郎君、一緒にいきましょう。」

 

それにアオイが

 

「しのぶ様、怪我があるのに無理をしてはいけませんよ。」

 

「それを言うなら炭治郎君は怪我人ですから、アオイが一人で行くべきじゃないですか?」

 

という口論に炭治郎は元気よく

 

「しのぶさん、俺がやりたいから大丈夫ですよっ! それよりもしのぶさんはどうぞ休んでくださいっ!」

 

「炭治郎の言う通りですよっ! しのぶ様?」

 

炭治郎の思いやりのある言葉とそれに乗っかるアオイの言葉にしのぶは、笑顔だが青筋を浮かべて

 

「……………分かりました。」

と言ったが其処に急いでカナヲも

 

「わ、私も一緒に行くっ!」

 

その後にも揉めたが、炭治郎の

 

「みんなで行こうっ!」

 

と言う言葉で渋々と三人で行く事にした。

 

買い物を終えた後にもカナヲは、悩んだ。アオイとしのぶに戦えて勝てる自分の女としての武器はなんなのか?

 

 

「…………………………………………!! そうだっ!」

 

とカナヲは名案を思いついた。

 

 

ーーーーー

 

カナヲは、早速炭治郎を探していると、炭治郎は、アオイに小言を言われている最中だった。

 

「鍛錬しないでくださいっ! ベッドで安静にっ! と言いましたよねっ!」

 

「ごめんなさい。」

 

素直に炭治郎が謝るのでアオイもそれ以上言わずにそのまま生真面目な顔を赤く染めて

 

「鍛錬なら全快した後にて私が付き合いますからっ!」

 

と言うアオイの言葉に炭治郎は俯いた顔から嬉しくなり

 

「ありがとうっ! アオイっ!」

 

そして、そのまま少しの小言を言われてアオイが去った後にいる炭治郎にカナヲは

 

「………………あ、あの………………」

 

「ん!? 何だいカナヲ?!」

 

それに炭治郎がキョトンとしているとカナヲは、今度ははっきりと

 

「時間あるなら炭治郎、私の鍛錬に付き合ってっ!」

 

と言う言葉に炭治郎は面食らいながらも、頷いた。

 

そして場所を移動するとそこは炭治郎達が初めて機能回復訓練で使用した、または炭治郎としのぶの決闘で使用された訓練場であった。訓練場にあった木刀をカナヲは持つと、緊張しながらも炭治郎に

 

「さ、参考になるかはわからないけど、今から花の呼吸を見せてあげるねっ!」

 

「うんっ! 分かったっ!」

 

そうしてカナヲが深呼吸してから技を放つ

 

花の呼吸 弐ノ型  御影梅(みかげうめ)

 

自身の周りを囲うように斬撃を放つ。

 

花の呼吸 肆ノ型  紅花衣(べにはなごろも)

 

下から上にかけて捻れる特殊な軌道をした斬撃。刀の軌跡が紅花のように見える。

 

花の呼吸 伍ノ型  徒の芍薬(あだのしゃくやく)

 

一瞬のうちに九連撃を叩き込む。その刀の軌跡が芍薬の花のように見える。

 

花の呼吸 陸ノ型  渦桃(うずもも)

 

宙で体を捻りながら繰り出す斬撃。

 

実際に花の呼吸を初めてみた炭治郎はただただ見惚れていた。

そんな炭治郎の姿を見て心配したカナヲは途中で花の呼吸をやめて

 

「炭治郎? 気に入らない?」

 

不安で心配そうに言うカナヲに炭治郎は、赤く染めた顔で

 

「ううんっ! 綺麗すぎて見惚れていただけだよっ! 凄いなぁ! カナヲっ! 技の一つ一つが綺麗でカッコよくてまるで花が舞っているように見えるし、体幹も柔らかくて技がそんな風に空中で出せるんだっ! 驚いちゃったよっ!」

 

炭治郎があまりにも褒めるのでカナヲが照れてしまい顔を赤く染めて、恥ずかしがって、そのまま顔を両手で覆い、炭治郎から離れた。

 

「カナヲ? どうかした?」

 

炭治郎がカナヲが顔を赤く染めて離れていくので心配していると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鍛錬でしたら私がお付き合いしますと言ったはずですが?」

 

そこには生真面目な顔で不機嫌な様子のアオイがいた。

振り向いた炭治郎とカナヲは慌てて

 

「ご、ごめんっ! アオイっ!」

 

「炭治郎には、何もさせてないからっ! ただ私の''花の呼吸''を見せただけでっ!………」

 

という炭治郎とカナヲに目もくれずはアオイは訓練所の木刀を一本掴んで

 

「仕方ありませんね。では次に私からもお見せします。」

 

と言った直後に炭治郎とカナヲが面食らうもアオイがそのまま

 

 

壱ノ型 水面斬り

クロスさせた両腕から勢い良く水平に刀を振るう。

 

弐ノ型 水車

垂直方向に身体ごと一回転しながら斬りつけた。

 

水平方向に一回転した横水車も魅せた。

 

参ノ型 流流舞い(りゅうりゅうまい)

水流のごとく流れるような足運びによる、回避と攻撃を合わせた技。

 

肆ノ型 打ち潮

淀みない動きで斬撃を繋げる技を魅せた。

 

伍ノ型 干天の慈雨

相手が自ら頸を差し出して来た時のみ使う慈悲の剣撃。斬られた者に殆ど苦痛を与えない技も魅せた。

 

陸ノ型 ねじれ渦

上半身と下半身強くをねじった状態から、勢いを伴って繰り出す斬撃。水中でこそ本領を発揮でき、発生させた渦は鋭い水刃となって周囲全てを切り裂いた。

 

漆ノ型 雫波紋突き

全ての水の呼吸の技の中で最速の突き。

 

漆ノ型 

雫波紋突き・曲

斜め上から弧を描く様に突き下ろす技

 

捌ノ型 滝壷

怒涛の勢いと共に上段から打ち下ろす技を魅せた。

 

玖ノ型 水流飛沫・乱

動作中の着地時間・着地面積を最小限にし、縦横無尽に駆け巡る事を可能とする歩法を魅せた。

 

拾ノ型 生生流転(せいせいるてん)

うねる龍の如く刃を回転させながらの連撃を魅せた。

 

 

蝶ノ舞 戯れ

複数の練撃を放つ。

 

蜂牙の舞い 真靡き

突きの威力に特化した刺突技。

 

蜻蛉の舞い 複眼六角

敵の複数箇所に高速で撃ち込む技。

 

蜈蚣の舞い 百足蛇腹(ごこうのまい ひゃくそくじゃばら)

一瞬の怒涛の勢いの踏み込みから繰り出される、四方八方にうねる変則的な足運びを魅せた。

 

それに炭治郎とカナヲが驚愕していると不意にアオイは、静かに語る。

 

「………………()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「!!!」

 

突然の言葉に炭治郎とカナヲは更に驚愕した。

 

「遊郭から炭治郎が帰ってくれた時にボロボロになっていた時から、自身がどれほど情けなさに打ちひしがれました。

だから()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そして、アオイは決意のこもった表情のまま恋敵のカナヲを睨んで木刀を向けて、

 

「カナヲ、貴女に決闘を申し込みますっ!」

 

それにカナヲはびっくりしながらも、同じく恋敵であるアオイを睨み返して木刀を構えて

 

「望むところっ!」

 

それに炭治郎が二人に

 

「いやっ! ちょっと待って二人とも、落ち着いてっ!」

 

炭治郎が言うも、

其処に

 

「いいじゃないですか、炭治郎君。他の人の戦いを見て学ぶこともありますよ」

 

しのぶが笑顔で来て炭治郎にそう言った。炭治郎はそのまま渋々という感じで訓練所の隅にしのぶと二人で並んで座る。

 

そうしてカナヲとアオイは、お互いに構えて、目を閉じて深呼吸してから、瞬間

 

「カナヲっ!」    「アオイっ!」

 

 

 

 

二人の恋する乙女は激突した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




色々と追加しました。
ですが、後悔はありません。


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