日ノ出国、はいふり世界へ           作:冬吉

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第十四話

数時間後、泣き出してしまった福内を落ち着かせて、何に脅えてのかを彼女が言った。

 

秋沢「福内監察官、一体、何に脅えているんだ」

 

福内「あの戦闘が終わってから、毎日の様に悪夢に魘されているんです」

 

平賀「悪夢、一体、どんなような夢なの」

 

福内は、夢の中での光景を最後まで話した。自分の乗っている「みくら」が被弾し、その衝撃で気を失ってしまい、気がつけば、同僚の平賀や部下である寒川や志度が既に息を絶えていた他、僚艦の「みやけ」・「こうづ」・「はちじょう」が火柱を挙げて炎上していた。

 

平賀「私や寒川や志度が命を落して、僚艦が攻撃される・・・」

 

福内「私は、"あの人"が言っていた事がやっと分かったんです」

 

平賀「あの人ってのは、誰?」

 

福内「灘沢さんです」

 

秋沢「灘沢、あかぎの砲雷長か」

 

秋沢は、ここで初めて、平賀達と出会い、灘沢が敵を撃沈すべきと言った事に福内が異議を唱えて、口論となり、福内に向かって「おかしいって言えるのは、本当の戦争を経験がないから言えるんだ。そして、この国は、死傷者が出てからでは何も出来ないと言っていた事を覚えていた

 

福内「最初に会った10月の時は、理解できませんでしたが30日の戦闘でさくらが被弾し、多数の死傷者が出て、もし、私が判断が誤って、大切な仲間を失ったらと思う、自分は、もう・・・」

 

福内は、再び泣き出してしまった。平賀は、背中を摩って、落ち着かせる。

 

秋沢「ちょっと、すまん」

 

と言って、携帯を出して誰を呼び出した。

 

秋沢「ちょっと、用事出来た。すぐに戻る。副長、あとは、頼んだぞ」

 

磯口「了解」

 

そう言って、秋沢は、控え室から出ていった。

 

数時間後

 

磯口と平賀・福内が控え室で待っていると秋沢が戻ってきた。

 

秋沢「今、戻った」

 

磯口「司令、用事と言ってましたがどのような・・」

 

秋沢「あ、福内監察官に会わせておきたい人物だ」

 

磯口「なるほど」

 

秋沢「福内監察官」

 

福内「あ、はい」

 

秋沢「君に会いたい人物がいる」

 

福内「誰ですか?」

 

秋沢「入っていいぞ」

 

??「失礼します」

 

福内「え!?」

 

ドアを開けて、入ってきて福内は、驚きを隠せなかった。

 

??「お久しぶりですね。福内監察官」

 

福内「瀬川艦長!」

 

そこにいたのは、駆逐艦「さくら」艦長の瀬川だった。

 

彼女は、すぐに瀬川に駆け寄った

 

福内「瀬川艦長、もう大丈夫なんですか」

 

瀬川「まだ船が乗れんが体調も良くなって、普通に生活が出来るようになったからな」

 

福内「ごめんなさい、私のせいであなたの乗員5名の命を奪ってしまって・・・」

 

瀬川「私を含む、さくらの乗員は、あなたを恨んでなんかいません。それよりも役目を果たせたと考えています」

 

福内「役目・・・」

 

瀬川「我々が軍に入る際、宣誓書にこのような文章があります。強き責任をもって任務に遂行し、時には、危険を顧みず、身をもって責務を完遂し、国民の負託にこたえる事をここに誓うという文章です」

 

福内「は!」

 

福内は、ある事を思い出した。ブルーマーメイドは、海域の治安維持や救助などを行う組織。特に治安維持においては、武装した相手と戦うという事。つまり、任務遂行中に命を落してしまう事もある。だけど、死を恐れては、大切な人や居場所を守る事が出来ない。瀬川艦長が所属している日ノ出軍も同じく国防組織。

自分の大切な物は、自分で守る。

 

瀬川「それに30日の戦闘で戦死者の内の一人がこう言っていた」

 

11月30日 駆逐艦「さくら」艦内

 

被弾から数時間も経過し、重体を陥っていた5人の内、4名が息を引き取り、残る人も虫の息の状態であった。

 

瀬川自身も魚雷の衝撃はで頭をぶつけ、出血していたが応急手当をしたのち、重軽傷者の救助に当たった。

 

瀬川「おい、大丈夫か!しっかりしろ」

 

瀕死の乗員「艦長・・・みくらは、みくらは、どうりなりましたか・・・」

 

瀬川「大丈夫だ!みくらは、無事だ!」

 

瀕死の乗員「はぁ、はぁ、よかった、やっと、自分の、役目、を、は、たせ、た・・・」

 

瀬川「おい!しっかり、まだ死ぬんじゃねぇ!お前は、任務を終えたら、帰りを待つ家族の元に戻るじゃないのないのか!、おい、目を開けろ!」

 

しかし、瀕死の乗員は、息を吹き返す事はなかった。

 

瀬川「瀕死の彼が言った最後の言葉だ」

 

福内「うぅ・・・・」

 

彼女は、情けなかった。庇ってくれた自分達を心配してくれたのに恨んでいると考えてしまい、何って自分が情けないと思った。

 

瀬川「失われた命は、二度と帰って来ない。だが、福内監察官、君に出来る事は、一つある」

 

福内「え、それは一体・・・」

 

瀬川「亡くなった「さくら」の乗員の分を強く生きる事だ、これをする事で彼らの無念は、晴らされるだろう」

 

福内「!!」

 

そうだ、ここで逃げてしまった私達を守り、亡くなってしまった乗員の無念を晴らす事は、出来ない。自分を報いを受け、死を恐れない強き自分を創りあげなければいけない。

 

平賀「福内?」

 

福内「秋沢司令、磯口副長、そして瀬川艦長、私、もう逃げません。次こそ自分の大切な物を守ってみせます」

 

秋沢「あぁ、そのいきだ」

 

瀬川「どんな状況下に置かれても死を恐れずに任務に遂行出来る事を私からも期待する」

 

福内「はい!」

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