秋沢と磯口を乗せた内火艇は、ブルーマーメイド所属の「みくら」に到着した。
艦長の秋沢が目にしたものは、VLSであった。そもそもLCSは、沿岸部を出没する小型の高速ボートからの攻撃に対抗するために建造された船であり、装備もどの軍艦よりも艤装が少ない。だが、このみくらを含む艦艇には、VLSが装備されている事から自分たちが知っているLCSとは、異なると感じた。
そう考えているとみくらの乗員である2人が敬礼し、名乗った。
???「海上安全整備局、安全監督室情報調査隊所属、福内典子です」
???「同じく平賀倫子です」
そうして、秋沢達も敬礼し、自らを名乗った。
秋沢「日ノ出国海軍 第509即応機動艦隊 旗艦「あかぎ」艦長の秋沢吾妻です」
磯口「同じく副長の磯口和樹です」
そして、秋沢達は、福内と平賀に連れられて艦内の部屋に入り、そこで会談が行われた。
平賀「まず、秋沢艦長は、国籍を教えてください」
秋沢「私は、日ノ出国の人間です」
福内「申し訳ないのですが、我々が持つ情報には、日ノ出国に関する情報がありません」
秋沢「そうですか、あのお聞きしたい事があるのですが」
平賀「何でしょうか?」
秋沢「あなた方の国籍は、何処ですか」
福内「我々は、日本国ですが、それがどうしましたか」
秋沢「実は、言うと我々の情報には、"日本"という国家が存在しません」
福内・平賀「え!?」
これには、二人とも驚いた。
自分達は、日ノ出国という国を知らないと同時に秋沢達も日本という国も知らないという。
平賀「それは、一体どういう事ですか?私達の国を知らないなんて・・・」
秋沢「福内さん、今、何年何月ですか?」
福内「え、2015年10月25日ですが、それが何か?」
秋沢「やっぱりか」
磯口「艦長、どうしましたか?」
秋沢「平賀さんと福内さん、聞いて驚かないでください。我々がいた日ノ出国では、"2020年12月25日なのですが」
平賀・福内「!?」
二人は、驚きを隠せずにいた。何と秋沢達がいた日ノ出国の時間は、5年後のクリスマスである事から今、目の前にいるのは、未来の人間、しかも別世界の人間である事だけ。
平賀「でも、それだけでは、あなた方が未来の人間という証拠には」
秋沢「もう一つは、あなた方を目視する以前、レーダーには、一つも飛行物体が確認できないなかったのですが、この世界には、航空機と呼ばれる乗り物は、ありますか?」
福内「航空機とは、どのような物でしょうか、我々が知っているのは飛行船又は気球ぐらいでしか」
秋沢は、二人が航空機という言葉すら、知らないという事に驚いた。
秋沢「では、我々が未来の人間、しかも別世界の人間である証拠をお見せします」
そう言って、四人は、部屋を出て艦橋に向かった。
平賀「何も起きませんが・・・」
と言った時であった。
ブルマー隊員「レーダーに反応!高速で本艦の横を通過します!」
その瞬間、みくらが激しい揺れに襲われた。
平賀達は、正体を確認するため外に出て、空を見上げるとそこには、航空母艦「あかぎ」の艦載機が飛行していた。彼女達は、衝撃的だった。
福内「秋沢艦長、あれは、何ですか?」
秋沢「あれは、我が空母あかぎに搭載されているF-25という戦闘機です」
平賀「あれが航空機、ヘリウムガスを使わない空を飛ぶ乗り物」
秋沢「これで我々が別世界の人間である事が証明されましたかな?」
福内「はい、あれを見せられたら、認めざるを得ません」
平賀「でも、これを安全監督室に何と言えば」
秋沢「そろそろ、我々も報告をするため、あかぎへ戻ります」
平賀「何処に報告するのですか?」
秋沢「我が国にある省庁、国防省です」
平賀・福内「国防省!?」
続く