駆逐艦「はるみ」の艦内にある部屋では、十八名の乗員が突入するための準備をしていた。
艦内で来ていた作業服から突入用の服に着替え、半長靴に履き替えた。そして、相手が銃火器を装備している可能性も踏まえ、防弾チョッキとヘルメット・ゴーグルを装着、武器は、9mm口径の自動拳銃と5.56mm口径の自動小銃とスタングレネードを装備した。使用している銃火器の弾丸は、特殊なゴム弾を使う事となった。
そして、榎本を含む突入部隊は、格納庫で待機していたSH-60に搭乗し、貨物船の救助に向かった。
はるみ乗員「艦長、突入部隊の第一陣が出発しました。第二陣は、数十分後に出発します」
京原「そう」
はるみ乗員「また、たかはぎからも増援部隊を発艦させたとの事です」
京原「了解、(あとは、頼みましたよ榎本副長)」
はるみ搭載のSH-60
榎本「いいか、我々の目的は、貨物船の乗員救助と海賊の制圧だ、到着後、激しい戦闘になる事が予測される各員、気を引き締めろ!」
突入部隊全員「了解!」
たかはぎ搭載のSH-60
たかはぎ乗員「もしも、貨物船の甲板又は艦橋のウィングに敵がいた場合は、狙撃しなければならないとは」
たかはぎ乗員「安心しろ、使用する弾丸は、特殊なゴム弾を装弾している、可能な限り、相手を殺傷せずに済む」
たかはぎ乗員「だといいのだが」
ブルーマーメイド艦「べんてん」
べんてん乗員「宗谷艦長、後方から高速で接近する機影を探知しました」
真冬「まさか、高速ボートか?」
べんてん乗員「いえ、それにしては早すぎます」
べんてん乗員「我が艦の真横を通過します」
聞いたことのない轟音が鳴り響きながらべんてんの真横を通過していくSH-60
真冬「何だ、先の飛んで行った物は・・・」
べんてん乗員「先、あの飛行物体の後ろに”日ノ出海軍”という文字がありました」
べんてん乗員「おそらく日ノ出側も突入部隊を送ったのでしょう」
真冬「負けてられないな」
真冬は、貨物船に向っていた日ノ出の突入部隊を見て、いい勝負になると感じた。
ヘリパイロット「まもなく貨物船に着きます!」
榎本「よし、全員、降下準備!」
貨物船
海賊「な、何だありゃ!?」
海賊「まさか、ブルーマーメイドの新装備か!」
海賊「とにかく撃ち墜とせ!」
海賊達は、携帯していたアサルトライフルで榎本が乗る第一陣のヘリに向かって発砲
突入隊員「海賊が撃て来ました!」
ヘリパイロット「危険なので銃弾が届かない高度まで上昇します!」
ヘリのパイロットは、これ以上の接近は、危険だと判断し、回避行動を始めた
榎本「突入支援ヘリ、聞こえるか?甲板上からの攻撃で降下する事が出来ない、敵勢力の排除してくれ」
たかはぎ乗員「了解、おい、仕事だ」
たかはぎ搭載の哨戒ヘリの扉が開き、隊員は、狙撃銃持ちいつでも発砲出来るの体制を執った。
たかはぎ乗員「狙撃準備完了」
榎本「発砲を許可する、やれ!」
榎本の合図と共に狙撃銃の引き金に指をかけ、撃った
海賊「ぐわ!」
一人撃つと、
海賊「のわ!」
また、一人撃つ、数十分で甲板上にいた海賊を排除した。
たかはぎ乗員「甲板上にいた脅威を排除しました」
榎本「了解、よし、皆、降下準備を始めろ」
はるみ搭載のヘリが甲板上の上空でホバリングし、ロープを下ろし、そのロープに隊員が両手で掴んだ。
榎本「準備はいいな!」
はるみ乗員「はい!」
榎本「よし、降下開始!」
合図と同時に降下した突入部隊第一陣は、甲板上で身動きが取れなくなった海賊の両腕に手錠をかけて拘束した。中には、抵抗をする者もいたが銃口を向けられると大人しくなった。そして、後を続いてきた第二陣が到着し、二陣に拘束した海賊を見張るように榎本が命じ、一陣は、船内に突入した。
はるみ突入隊員「うん?」
はるみ突入隊員「どうしたの?」
はるみ突入隊員「今いる場所から左に曲がると海賊6人、徘徊している」
はるみ突入隊員「スタングレネードを使用して、一気に制圧するか」
榎本「その必要はない」
はるみ突入隊員「え、榎本さん、何をする気ですか?」
榎本は、床に小銃(アサルトライフル)を置き、両手に格闘技で使うグローブを装着していた。その瞬間、海賊がいる方に飛び出した。
はるみ突入隊員「あ!榎本さん!」
海賊達が走って近づいてくる榎本を見て、
海賊「何だテメェは!」
海賊「構わねぇ!撃ち殺せ!」
海賊は、持っていた自動小銃で榎本に発砲したが中々当たらない。
海賊「何だ!こいつ!」
海賊「当たらねぇ!」
その瞬間、榎本がジャンプし、回し蹴りを喰らわせる。
海賊「ぐえ!」
海賊の一人目は、そのまま壁に顔を打ち、気絶した。
海賊「この野郎!」
二人目は、パンチをしたが躱され、逆に榎本の強烈なパンチが腹に命中。
海賊「ぐ、オエー」
あまりのパンチの強さに嘔吐してしまい、その場で行動が不能となった。
海賊「舐めるな!このアマ!」
三人目は、逆上し、殴り掛かるが榎本が前蹴りをし、男性の弱点に命中、
海賊「ぐぉぉぉぉぉ」
その瞬間に回し蹴りが頭に当たった後、勢いに余って顔面が壁に直撃し、その場で気絶
海賊「いい気になってんじゃねぇぞ!」
四人目は、サバイバルナイフを取り出して、襲い掛かるが肘打ちされた挙句、背負い投げされ、体を強く打ち身動きが取れなくなった。
海賊「こ、この野郎!!」
五人目は、そのまま殴り掛かるが榎本に顔面を殴れ、ノックアウト。
海賊「ひぃ!た、頼む!命だけ取らないでくれ!」
六人目は、榎本のあまりの強さにびびってしまい、降伏すると言ったが
榎本「少し寝てろ」と拳の一発を頭に食らわせた。
海賊「うっ」
六人目は、その場で気絶した。
はるみ突入隊員「う、嘘でしょ・・・」
はるみ突入隊員「六人をたった一人で制圧してしまう何って・・・」
榎本「何、立ち止まっているんだよ、早くしないと海賊が抵抗しだすぞ」
はるみ突入隊員「あ、はい」
突入隊員は、すぐに海賊六人の腕に手錠をかけた。
榎本「ところでこの部隊からの連絡は、来ているか?」
突入隊員「いえ、今のところは、」
無線「bチームからαチームへ、応答願います。」
突入隊員「αチーム、どうしたの」
無線「捜索中に抵抗勢力(海賊)と交戦し、これを鎮圧、同時に扉の見張りをしていた船室内に当該船舶の乗員を発見しました」
突入隊員「了解、周囲を警戒しつつ、避難誘導に従事せよ」
無線「了解」
突入隊員「榎本さん、bチームから連絡で抵抗勢力を鎮圧と同時に人質となっていた貨物船乗組員を発見し、保護したようです、現在、避難誘導を従事しています」
榎本「よし、私たちは、このまま海賊の制圧を続けるぞ」
bチーム
はるみ突入隊員「もうすぐ、船外に出ます!」
貨物船員「でも、どうやって我々を脱出させるんですか?」
はるみ突入隊員「すぐに分かります!」
貨物船の船外に出るとそこには、日ノ出軍のSH-60三機がエンジンを止めずに待機していた。
貨物船員「あの、これは・・・」
はるみ突入隊員「時間がありません!急いで乗ってください!」
船員達は、急いでヘリに乗った。
ヘリ乗員「これで全員ですか?」
貨物船員「はい!全員です!」
ヘリ乗員「了解しました!少し揺れますので気をつけてください!」
ヘリは、出力を全開にし、飛び立った。
貨物船員「う、嘘だろ!」
貨物船員「これ、空を飛んでいるぞ!」
今まで空を飛ぶ乗り物は、飛行船か気球ぐらいだけだと思っていた船員達にとって、驚愕なものであった。
海賊「おい!、まだ連絡が来ねぇのか!」
海賊「何度に呼び掛けているが、応答がねぇんだよ!」
海賊「こうなったら、俺たちが直接、行くしかないな」
部屋の外、
突入隊員「榎本さん、海賊の残党とリーダーと思わしき人物がいます。」
榎本「よし、一気に畳みかけるぞ、スタングレネード用意」
突入隊員「了解」
突入隊員の一人がスタングレネードを取り出し、安全ピンを抜き、部屋内に放り投げた。
海賊「何だ、これ?」
その瞬間
パーン!
海賊「ぐわぁぁぁ」
海賊「目が!目が!」
海賊「耳がいてぇぇぇ!!」
海賊達が怯んだ所を見過ごさず、榎本達が突入し、海賊に向け、発砲。
海賊「おい、大丈夫か?、!?」
スタングレネードの効果が切れるとリーダー以外が手錠を掛けられていた。それ同時に貨物船の救助部隊と思われる人々に銃火器を向けられ、包囲されていた。すると榎本が海賊のリーダー格に近づき、
海賊「何だ、テェめらは、ぐぁ!」
榎本は、海賊の口に銃口を咥えさせ、こう言った
榎本「既にてめぇの仲間は、拘束しておいた、あとはお前だけだ、抵抗するならお前の脳髄を撃ち抜くぞ」
海賊「わ、分かった、こ、降伏する・・・」
リーダー格は、あまりの殺気に怯え、降伏した。
ブルーマーメイド艦「べんてん」
べんてん乗員「宗谷艦長、はるみの突入部隊からの連絡です」
真冬「読んでくれ」
べんてん乗員「貨物船を占拠していた海賊を全員、拘束、貨物船の乗組員は我が艦と僚艦「たかはぎ」に退避させたとの事です」
真冬「はぁ、結局、べんてんの出番は、なかったか・・・」
べんてん乗員「そう言う事ですね」
真冬は、自分達の艦が活躍できなかった事を不満気に感じた。
その後、福内の艦隊と合流し、海賊の引き渡しを行い、任務は完了した。
続く