転生したらネコムスメなんだけどの件   作:にゃんころ缶

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 お待たせしました! 十話です。


※ネコムスメ姉妹が着ている服装ですが、ps4,Switchで出てるゲーム天穂のサクナヒメ
の主人公サクナヒメが稲作りをする時に来てる服装がこれに当たります。
上が膝丈迄の小袖に下はハーフスパッツみたいな半股引(はんだこ)に、(すね)に巻いてる
のが脚絆で足に履いてる草鞋は足首をホールドするタイプの草鞋です。俗に旅草鞋とも
呼ばれてるみたいです。
 後、腕に手甲も付けてますが、ネコムスメ姉妹は手甲は付けてません。
 半股引はよく祭りで男性が履いてる物のことです。

 この服装はよく忍者マンガや、時代劇物で見られる恰好ですね。
 それと、くノ一の服装としてもよく使われてるみたいな感じ?なのかな。
 脚絆については、鬼滅の刃に出てくる禰豆子が脛に巻いてるのが脚絆ですね。

 モモカが着ている薄羽織も禰豆子が着ている物と同じような物です。

 ネコムスメ姉妹の服装はこのようなイメージで書いております。

 ※〝打刀〟
【挿絵表示】








転生編(フェイリュアワールド
十話 転生したら精霊獣? ネコムスメ?


 

 少し特殊な種族達が住まう隔絶された世界。

 

 そこに転生した、日ノ本の姉妹。

 

 

 姉モモカが、見守る中カヤが目覚めようとしていた。

 

「……ふぁ ふぁぁぁぁ……んん……ん、ぁぁぁ……? どこだここ?」

 

 目覚めると、見知らぬ家の布団で寝ていた……しかも素っ裸で。

 

「やっと、お目覚めね。カヤ、おはよう」

 

 二コリと微笑むモモカが、目の前にいるのにびっくりして飛び起きる。

 

 目の前のモモカは、髪型が少し違っていた、長さは生前と変わらないが、首後ろ辺りで束ね、緩い三つ編みで一つに纏め、髪先を赤い飾り紐で結んでいた。

 

 そして、モモカの後ろにいた猫女? 猫人? が、もう一人の御子が目覚めましたと、叫びながらバタバタと、どこかへ走り去った。

 

「だれ? モモカ? ……だよね? なんで猫耳が付いてるの? 化け猫?」

 

 違うわよと言い、カヤの頭の上辺りを指さす。

 

「あなたも、あるわよ猫耳」

「え?……」

 

 言われ自分の耳を探すが、普通ある所に耳がなく恐る恐る手を、頭の上辺りに持っていく……。

 

「うきゃぁぁぁ! 耳が、耳がぁぁぁ」

 

 更にお尻がモゾモゾすると言い、お尻に手を回して尻尾があるのを見つけ、猫じゃないかー! と叫んだところに、(うるさ)いとモモカのゲンコツが空気を割り、パンと音を立ててゴズンと頭に落ちた。

 

 二人の猫耳と尻尾は、髪の毛と一緒で黒色で、尻尾は短毛種猫の尻尾と同じ形をしていた。 

 

「あ~い~た~。モモカそれ死ぬよ! なに本気のゲンコツを落とすんだよ……ん?」

 

 痛くはなかった。

 不思議そうに頭を捻るも、カヤは何となくそれを理解した。

 

(今ゲンコツが響いたのは精神体(スピリチュア・ボディ)の方? え? 身体あるよね。ふぁ? 精神生命体? あぁぁぁ……)

 

 理解不能な現状に、思考がパンクし固まった

 

「もう、相変わらず仕方のない子ねぇ。」

 

 苦笑いしつつ、妹の目覚めを喜ぶモモカであった。

 

『ねぇ、聞こえる? カヤ』

『ほぇ? 頭に聞こえるよ声が』

『頭の中ね。まったくあんたは、少しは刀を振ること以外にもう少し、色々物事を覚えなさいね』

『しらん! そんなものなくても、生きていけるよ?』

 

 カヤの口答えに、はぁぁ……あんたは、相変わらずねと続ける。

 

『これは、『思念伝達』というスキルよ』

『しね? でんぞう?』

『……はぁ~ ハハハッ』

 

 何この子の猫耳は、機能不全? 飾り? とか思いながら乾いた笑いを漏らす。

 

『頭の中で会話出来ると言うことだよね? でんぞうは?』

『ねぇ。それ、わざと? やめないと、まじに燃やすわよ』

『――ごめんなさい』

 

 大人しくなったカヤに、モモカは順序立てて会話だけでなく、見た記憶の映像も伝えることが出来て便利なのよ『思念伝達』はと、説明する。

 

 精霊獣が住む世界に転生して、そこの一人猫神族率いる、猫神鈴音の御子としてこの地に生まれい出、先にモモカが目覚めカヤは、一年もの間目覚めなかったと。

 

 本来は眷属らしいのだけど、鈴音様いわく、眷属ならぬ非常に特殊な猫神亜種なのだと淡々と説明をしたが、カヤは??? を並べモモカを呆れさせた。

 

『ねぇ、転生したのは分かるけど、なんで死んだ時の姿? ってかさ、これ死んだ時点の年齢の姿だよね?』

『あぁ、この世界では、子作りとかの概念は無いのよ。猫神様が眷属を生み出すと言う方が適切かな。 でね、死んだ時の一番記憶が強い頃の姿で、転生したのよ。わかる?』

『わかんない!』

『はぁぁぁ。あんたは、相変わらずね。いい? まず、寿命というものがこの世界にはない。そして、わたし達は精神生命体でありながら、物質体を持つ特殊な種族というか、この世界の住人は皆そう』

 

 説明しながら、カヤを見ると猫耳をピコピコさせて、尻尾も左右にワサワサ動かしてるのを見て、絶対この子何にも解ってないわと、心の中で頭を抱える。

 

『そして、この身体は魔素と言う物を物質変換して身体を作ったの。わたし達はごく自然に、魔素を扱えるのよ』

 

 いよいよもって、カヤの頭は混乱し、知識への拒否反応でショート寸前である。

 

 なんだそれ! 地獄の閻魔様の嫌がらせかとか、まだ地獄にいて変な夢見せられてるんじゃないかとか、もう完全に軽いパニックを起こしていた。

 

 モモカはカヤの騒ぐ様子を眺めつつ、素知らぬ顔でお茶を飲み、幾分か落ち着きを取り戻したカヤを見て、説明を再開する。

 

 この間、思考を軽く二千倍に加速させ会話しており、現実では時間はほぼ立っていなかったが、『思考加速』を解除して通常会話に戻す。

 

「なんか、頭の中で会話するとか変な感じだよね」

「そうね、今も思考加速しての会話って分かってる?」

「うん、なんとなくわかった」

「スキルは、追い追い慣れていけばいいわ。もう、わたし達には寿命とかないものね」

「ねぇ、とりあえず、モモカが一歳ということになるの?」

「そうね。この姿でもそうなるわね。ただ、わたし達は前世の記憶を、そのまま残さず

持ってるという事以外はね……」

 

 そこまで言うと少し真剣な顔付をして、すぐに表情を和らげた。

 

 モモカの懸念は、なぜ前世の記憶を引き継いだのかと言う事と、命が燃え尽きる寸前に見た、小さい頃見た夢の人〝リムル〟と言う名の記憶。 

 

 しかし、この世界には居なかったわねと呟くと、カヤが「なに?」と問うも何でもないと流した。

 

 それに猫というより生前のわたし達に、猫耳と尻尾生やしたみたいな亜人? 獣人? 目覚めて一年だが、猫神族、他の種族達も(おおむね)ねそんな感じなので、 なんとも、ふざけた世界だと思っていた。

 

 

 そこへ、先程の猫女が鈴音(すずね)を伴いやってきた。

 

「おおぉ。カヤ、ようやく目覚めたか! 気分はどうじゃ? 身体の固定は大丈夫か?」

 

 矢継ぎ早に捲し立てる鈴音に、カヤは、あぁ多分大丈夫だよと、答えるとモモカから鈴音様に、失礼な言葉を使ったら駄目と怒られる。

 

 鈴音は、肩甲骨辺りまでの長い髪で、色は薄い茶色をしており、顔付は妖艶なる美女という感じであり、尻尾は長毛でファサ、ファサと、優雅に振っていた。

 

「よいよい、モモカ。其方もカヤが、いつ迄経っても目覚めぬもので、ヤキモキしておったではないか。ホホホホ」

 

 鈴音は、そうモモカを笑いながら話しを続ける。

 

 まず猫神一族とは、猫の亜人みたいな精神生命体だと言い、他にも犬神、獅子神、狼神等、様々な種族がいると教えてくれた。

 

 自分は猫神であり、一族を束ねる者鈴音だと言い、もう長きに渡り生きており、どれだけ時が過ぎたか、覚えておらぬと笑い飛ばす。

 

 それから、この世界は隔絶された世界であり、物質世界と精神世界の狭間にあり、ここから他の世界へは行けぬと、もし他の世界へ行くとこの世界の理から外れ、魂は心核ごと消え失せ無に帰し、完全なる消滅に至ると言う。

 

 ただし、こちらにはどの世界からも来れるとも言い、それを迷い者と言った。

 

 来れると言っても、たまに同じ狭間に生きる蟲魔族(インセクタ―)が迷い来るぐらいだとも言うが、悪魔族や、人間種も迷い来る事もあると言う。

 

 迷い者はこちらでも生きていけるが、なぜ我らだけこの世界でしか、生きていけぬのかのうと、長きに渡り研鑽を重ねたが、今だ答えは出ぬなと静かに言った。

 

 

 カヤは、難しい話に目を開けたまま、眠れないかと考えたが一向に眠くならない事に、睡眠はもしやいらないの? と呟くと鈴音がうむ、睡眠とかそんなもの我らに必要ないぞと言うと、「ふぇっ?」 と変な声を出しモモカに睨まれる。

 

「睡眠も食事もいらぬが、寝ようとすれば意識を睡眠状態に出来るし、食事も身体はあるからできるぞ」と鈴音が言うと、カヤは即座にお肉ある? お肉食べれる? と聞くとあるぞよと鈴音が答える。

 

 カヤの目が輝き今にも狩に行こうとするのを、モモカが動いたら燃やすよ? と思念伝達で伝えると、〝はい、いきません〟、と即答する。

 

 

 小さい動物もいるから、それを狩って食べるといいと言い、食べたものは百%魔素に還元されると説明した。

 

 基本大気中の魔素で補えるので、食事は趣味の範囲しか無いと言うが、割と皆食事をしているという。

 

 長く生きてると何故か、そういう行為をしたくなるのだと、鈴音が説明する。

 

 そして色々話した後、鈴音はこの世界の種族は、互いに理由なき争いをしてると。

 

「この世界の種族は、戦う事が生き甲斐みたいな面を持っておってな、そうさな……たまに迷い込んで来る、悪魔族の理念に近いかも知れぬなぁ」

 

 そう言いながら腕を組み、感慨深い顔付になる。

 

「力こそ全て、そんな感じかのう」

 

 大体が小競り合いが主で、本格的な(いくさ)は無いとも答えた。

 

「それとな方法はわからぬが、何処にでも居れる存在になれる方法が、あると聞いた事はある…… そう、別の世界でも生きて行けるとな」

 

 我らはこの世界なら死んでも、時間をおけば復活再生できるからのう。

 

 種族もめったに生みださぬから、数もこの猫神の種族で里に三千位しかいないし、他種族もそんなに数は変わらんと鈴音は言う。

 

 そして、我らの魂は、ちょっと他の世界とは違う性質を持っていると言い、この世界の住人の魂の価値は、別世界の魂一人一個の価値に対して、一人の魂で千人分に値するとも言った。

 

 これは、悪魔族が迷い込んだ時に、故合ってしばらく鈴音が面倒をみることになり、共に戦った時になんだこれは魂一個で、千人分の価値があるじゃねぇかとの声を、鈴音がはっきり聞いたと言った。

 

 後、我らがこの世界の魂を喰らっても一人一個の効果しかないと、そして外からの異世界者にしかその効果はないとも付け加えた。

 

「このような、いびつな世界の理でしか我らは生きていけぬが、我は時々思うのじゃよ。この世界は創造神の、失敗作だった世界ではないかとな…… もしくは、見捨てられた世界かもなと、これは我の勝手な憶測じゃがな。クカカカカ」

 

 そこまで話すと笑いながらカヤの頭を撫でながら、前世の記憶を持つ二人同時の転生などありえぬから、これも創造神のいたずらかもなと言い笑う。

 

「我ら精霊獣族に、生前の記憶を持った転生者が生まれ来るなど、無いからのう。眷属の者達は、御子様が御生誕したとか騒いでおるが……」

 

 なんともなぁと言うように、話しを続けた。

 

「我の眷属は皆魂の回廊で繋がっておるのじゃが、お主ら二人は繋がっておらぬのじゃよ。何故にそのような事になっておるかは、流石に我でもわからぬでなぁ」

 

 思案気味に目を(つむ)り、しばし話しを止める。

 

「お主ら二人は、眷属というより猫神の種族、亜種じゃな。理由はわからぬが。まぁ、ゆっくりと考えるといい」

 

 モモカとカヤはわかりましたと返事を返し、後は二人でゆっくりと話すが良いと、鈴音はその場を後にした。

 

 

 二人になってからは、カヤの質問攻めが始まった。

 

 ねぇ、なんで家とか作りがあたし達のいた世界と似てるのとか、なんで、その着てる着物死んだ時に着てた格好だよねとか、二人同時に転生したのに、何であたしだけ一年後?とかなどモモカがちょっと落ち着けと、怒りだすまで「なんで? なんで?」 が続いた。

 

「ここの文化は概ね、わたし達のいた日ノ本に似てはいるけども、他の種族は南蛮風の町と文化に、似てるらしいわよ」

「なに、それ、猫種族でも笑えるのに、もういったい、なんなんだよここは……」

「憶測だけど、文化というより魂の記憶じゃないかしらね。ここ一年色々調べてはいたけれども、とりあえずの仮説なんだけど、ここって輪廻の輪を外れた、魂の集う世界だったりしてね」

 

 急に突拍子もない事を口にしたモモカを、カヤがジト目で見る。

 

「な、なによ! あんたね、目覚めたばかりだから、わたしが懇切丁寧に説明してるのに、そんな目で見る? いいわよ、後は自分で考えなさいな――」

「――ごめんなさい」

「わかればよろしい」

 

 少し不機嫌を装って言いながら、しょうがない子ねぇと話を続ける。

 

「それでね、この着物は魔素で作れるのよ。とりあえず自分が生前着てた着物を思い描くように作るの。わかる? そのすっぽんぽんを早くなんとかなさい!」

 

 カヤは言われた通りに思い描いてみた…… すると周りの魔素が渦を巻くようにカヤの周りに集まり生前に着てた小袖に脚絆、半股引(はんだこ)に脚絆と形を成していく。

 

「おおぉ! なんだこれ、便利すぎ!」

「その魔素で作った着物は、防御力も割と高いのよ」

 

 モモカが小さい炎の球をカヤの着物目掛け撃つと、着物は燃えず炎だけ掻き消えた。

 

 カヤは「すごい、すごい」と自分の着物をマジマジと見ていた。

 

「それでね、モモカ、二人同時転生だから、おなじ年だよね?」

「ちがうわよ。あなたは、一年後に目覚めたから一つしたよ」

「いやいや、同じ時にここに転生したから――」

「――ちがうわよ」

「即、否定って……そんなにお姉ちゃんを、やりたいの?」

「カヤ、何を言っているのかしら? フフフ」

「いや――はい、妹でいいです!」

 

 モモカはクスクスと笑いながら、理由を教えてあげる。

 

「あんたはね、わたしが目覚めた時には、全然意識の反応がなかったのよ。そうね、心というより心核が休眠状態だったの」

 

 う~んと腕を組み首を少し傾げ、思案気味に少し考え続けた。

 

「で、全く反応がないから、仮死状態みたいな感じかしらねぇ。目覚める半月位前から、あなたの意識覚醒の反応が、わたしに伝わった訳なのよ。だから、実質一年遅れの転生みたいなものね」

 

 なら仕方ないとあっさり納得したカヤに、「あらま」と拍子抜けしたモモカだった。

 

「う~ん、それは分かった。しかし由々しき問題が一つあるよ。とても切実な……」

「どうしたの? カヤ? もしかして何か精神体(スピリチュアボディ)に問題でも!?」

 

 カヤは、深刻な顔付で吐露する。

 

「胸が……」

 

 自分の胸を両側から、ムニムニしながら続ける。

 

「胸?」

 

「胸がね……」

 

「むね?」

 

「胸が育ってない! 寧ろ育ちが退化してるよ! なんでー!」

「退化するか! バカたれがー!」

 

 わたしの心配した気持ちを返せと、モモカが音速ゲンコツを入れる、物凄い音と共にカヤが、頭を抱え転げ回った。

 

 あんたの記憶の身体だから、正真正銘あんたの胸でしょうがと怒鳴るが、懲りずにカヤは、「モモカの胸ずるい! 小梅の暴れ乳程ではなく、絶妙にその大きさ小細工で盛ってるでしょう!」と、人差し指をモモカの胸の谷間に刺した瞬間、モモカ大激怒!

 

「うらぁー! 誰が小細工で盛ってるって!? あ゛あ゛! 核撃魔法ぶち込むわよ!」

 

 激怒のモモカを見て頭から布団を被り、ごめんごめんと早口で謝る。

 

 カヤは猫耳を後ろ気味に伏せ、尻尾はボワッと毛が逆立っていた。

 

 そこを、首根っこをガッと掴みニッコリと微笑みながら、〝盛ってる〟? と、静かに問い掛ける。

 

「い、い、いや、ごめんなさい。冗談です、本当に冗談です」

 

 プルプルと震えながら謝るカヤだった。

 

「質の悪い冗談? ねぇ、盛ってる?」

「い゛や……も゛っでな゛いです……く、ぐ、ぐるし……」

「盛ってないわよね? フフフ」

「ばい……ぼん……どに……ごめんなさい……」

「一度きちんと、お・は・な・し、しましょうか。フフフ」

「まじ……ご、ご、ごめんなさい……それは、かんべんして……」

 

 カヤは涙声で必死にモモカに謝り、これから始まるおはなしという御説教に

恐怖していた。

 

 容赦なく続くモモカのおはなしに、カヤの耳はうな垂れ、尻尾は毛が逆立ったままであった。

 

 モモカは盛ってる発言の怒りが収まった所で、真剣な顔付になりカヤと自分の周りに結界を張った。

 

 完全に情報遮断状態にして、カヤに生前に聞こえたあの声は今でも感じるか聞いた。

 

「あの時の声かな? う~ん、聞こえない、というか完全におねむしてる?」

「なに、自分で疑問形してるのよ! まぁ、いいわ。あんたと魂の回廊で繋がってるから、わたしにもその存在は感じるのよ」

「え? わかるんだ、あの子の存在」

「ええ、ユニークスキルなのに権能が凄すぎるのよ。ほんと冗談みたいなスキルだわね」

 

 モモカはカヤの持つユニークスキルが究極能力(アルティメットスキル)にも劣らない権能を持ってると言い、あらゆる予測、予知、確率、演算の妨害、あまつさえ時間操作妨害などと言う、ふざけたものまであると付け加えた。

 

 それから、究極能力には究極能力でしか対抗できないとも言い、おそらくこのスキルも例外ではなく究極能力持ちには妨害効果は発揮しないだろうと結論付けたが、もしかしたら、ほんのすこしだけなら効果があるかもねと、たとえ1%でも妨害できたら、それはそれでデタラメだけどもと、少し笑いながら言葉を続けた。

 

 

「カヤいい? あんたのこのスキルは、誰にも言ってはだめよ! 鈴音様でもだめよ!」

「え? 鈴音様にも?」

「そう、絶対に誰にも言っては駄目。 あんたのそのスキルはね、半休眠状態でも完全に隠蔽されてるのよ。多分究極能力(アルティメットスキル)持ちでも見抜くのは無理かもね。わたしのスキルまで、影響受けて一部隠蔽されてるの。そして完全に封印されてるあんたの権能の一つ森羅万象切断、これはほんと何の冗談なのかしらね」

 

 そこまで話すとモモカは下を向いたまま、何かぶつぶつと呟いていた。

 

(なんであそこまで、強力なスキルが……いや、そもそもあの子が身に付けた闇夜影千流の自分の気を偽り隠し、相手を翻弄し斬り伏せるの発展形? それにしても、時間操作妨害なんて、そんな時間操作スキルが存在するのか……。いや、そんな反則級なスキルはこの世界の精霊獣神ですら、もってない……ならなんで……う~ん、わからないことだらけね)

 

 カヤを放置し、独り()ちを続けるモモカ。

 

 そんなモモカにカヤが口を開く。

 

「ねぇ、モモカ。なにぶつぶつ言ってるの?」

「んっ? ああ、ごめんごめん。ちょっとね、色々考えてたのよ」

「もしかして、スキル発言の時のあの子の声、モモカにも聞こえてた?」

「うん、聞こえてたのよ。意思を持ったスキルなんてあるわけないし、世界の声の一部かとも思ってたんだけどね」

「世界の声?」

「うん、スキル会得の時に聞こえてたでしょ? あれよ」

「あぁ~ あれか、閻魔様の声かと思ってたよ」

 

 そんなのあるわけないでしょと、モモカがパシ―ンと頭を軽く叩き、カヤが目覚める前に悪魔族の一人が迷い込んできて、偶然モモカと接触してモモカを見るなり〝真なる魔王〟に匹敵する魔素量を持つものよ、お前は何者だと問われた言い、真なる魔王とはなんなの? と聞き返す暇もなく、不安定な空間の歪に飲まれたと説明した。

 

 

「ねぇ? その魔素量(エネルギー)ってなに?」

 

 カヤは聞きなれない言葉の連続でなんだそれは、と聞き返した。

 

「あ、う~ん、わたし達の蓄えた扱える魔素の量かしらね。そうね……お腹すいたらご飯食べて、お腹満腹にするわよね。そして、次お腹すくまで動ける力ということかしらね。わかる?」

「なんとなくわかるかな。ようするに力の源だよね?」

「そうそう、そんな感じね。で、どうもね、あたし達はここに生まれてというか、みんな、その位の魔素量を持ってるのよ。ここの獣人達はね」

「へぇ~ 凄いねそれ」

「そうね、これだけでもここの世界の精霊獣達は、とんでもないという事かもね」

 

 ここまで言うと、ふと鈴音の言った言葉が気になった。

 

(〝真なる魔王〟と言うのが何を指すかはわからないけども、あの悪魔族の世界では多分に頂点に立つものかしらね……それならわたし達が、この世界でしか生存できないのも納得がいくわね)

 

 そう、ほいほいと他所の世界に現れたら、迷惑千万だわね……とまた、ぶつぶつと独り言ちを始める。

 

「お~い、モモカその独りごちはやめない? 聞こえてる? 盛っ」

 

 ――バゴーーんとカヤの頭にゲンコツが落ちる。

 

「な、な……きこえて、るじゃ……な、い」

 

 声にならない声で呻き、頭を抱えて布団に伏せて、ポンポン、ゲンコツするな! バカになったらどうする? いくらモモカでも怒るよ? いいの? と切れ気味に文句を言うと、モモカが黙って呪符を出し、目の前に投げて二コリと微笑む。

 

「それ、しまってください! お姉ちゃん、話を続けてね。ウフ」

 

 即イモを引き、身の安全を確保するカヤ!

 

 一通り思案して、要点を纏め伝える。

 

「いい? これから〝無名者〟(ナモナキモノ)このスキルは、絶対に他言無用! いいわね! 

それとあんたと魂の回廊で、繋がってる事もね!」

「うん、わかった」

「とにかく今言ったことは、何百年経とうとも、二人だけの秘密よ」

「うん、絶対に言わないよ!」

「いい子ね、カヤ」

 

 そしてモモカはカヤの頭を撫でながら、今のスキルの確認と使い方など説明を始め夜がふけやがて朝が来るまで、二人でああだこうだと話を続けていた。

 

 

 この不可思議な世界で生きるには、信じれるのはカヤだけ……。

 

 もう二度とあんな事はごめんだと、モモカはカヤを見ながら、今度は何が起きても、二人で絶対に生き延びてやると密かに誓った。

 

 

 生前の記憶を持ちなぜ転生したのか、神の気まぐれ?

 

 

 今度、カヤとわたしに仇名す者がいれば……。

 

 

 遠慮せずに殺してやるわよ。

 

 

 徹底的にね、魂すら残さず燃やし尽くしてやる。

 

 

 二度とカヤを、殺させはしない……。  

 

 

 

 

 

 

============================================

 ※二人のステータス

 

 

カヤ(夏夜) 

 

種族: 精霊獣・猫神族・亜種

 

加護: 姉の護符

 

称号: 狂乱猫

 

固有スキル: 魔力感知 思念伝達 猫化 神速再生

 

 

ユニークスキル: 斬伏者(キリフセルモノ)

         空間操作 重力操作 一隻眼(相手の能力を見抜く)

        

         無名者(ナモナキモノ)

         予測演算妨害 未来予知妨害 確率操作妨害 法則操作妨害

         時間操作妨害 並列演算妨害 解析鑑定 多重結界 思考加速

         

 

         狂乱者(クルイミダレルモノ)

         狂乱舞・時間限定全能力ブースト<リミット180秒>

        

         リミット中、5秒間だけ、森羅万象切断が発動使用可能

         <現在は封印状態により使用不可>

          

耐性: 物理攻撃無効 状態異常無効 精神攻撃耐性 自然影響無効         

    聖魔攻撃耐性 痛覚無効

 

 

 

 

 

モモカ(百佳) 

 

種族: 精霊獣 猫神族・亜種

 

加護: 妹の護符

 

称号: 戦乱猫

 

魔法: 元素魔法 呪符魔法 核撃魔法

 

固有スキル: 魔力感知 思念伝達 猫化 神速再生 

 

 

ユニークスキル: 呪符者(フヲツカウモノ)

         森羅万象 思考加速 呪符多重結界 詠唱破棄 

         黒炎核操作 重力操作 空間操作

 

         幻想者(オモイウミダスモノ)

         物質変換・改変 融合・分離

 

         知得者(シリエルモノ)

         解析鑑定 法則操作・改変 審美眼(相手の持ってる善悪を見抜く) 

         予測演算

 

耐性: 物理攻撃無効 状態異常無効 精神攻撃耐性 自然影響無効         

    聖魔攻撃耐性 痛覚無効

 

 




 ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます!

 次回も引き続き読んで頂ければ幸いです!
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