やっとリムルのいる世界に、ネコムスメ姉妹が行きます。
ヂヂヂヂヂヂ! ヂリッ!
「なんじゃ、全くこの鳴りやまぬ、不快な音は!」
鈴音は苛立ちながら言い、カヤを見るが依然泣いてるばかりであるのに、頭の中に響く不快な音に、ええい、忌々しいと声を荒げる。
『オトワ様、ご用心なされますように』
『うぬ、わかっておる、お前も抜かりなくな』
『仰せのままに』
何かを待つような、算段の会話を『思念伝達』でおこなう。
ヂリッ! ヂリッ!
「ふうむ、ちょうど今二千人分位かのう。上々じゃな、また培養してやろうぞゆるり、ゆるり、となぁ~ クカカカカ」
魂をゆっくりと集めながら、妖艶なる笑みを浮かべる。
ヂリッ、バツン!
『カ、ヤ、ダメ、ソ、ツカッ……ダ……』
『『!!』』
『ツッ…… 何がおきたのだえ?』
『これは、いったい』
鈴音達とジラは、いきなり頭の中で何かが弾けたような音に驚き、頭に手をやる。
「ぁぁぁああ。おまえら、ゆるさない! その存在事消し飛ばしてやる!」
カヤが叫んだ途端に、凄まじい魔素の乱流が巻き起こった。
《告
《警告 闇鏡静水 起動に足る
《告 全魔力及び生命力を、解放及び使用、限界突破します》
世界の言葉の後、荒れ狂ってた魔素の乱流が収まり、辺りの大気が凪いだ……。
足を肩幅より大きく広げ、両腕はだらりと下げ天を見居上げるカヤ。
「起きろ……闇鏡静水……ぁぁぁぁ、ぁぁぁ……うぁぁぁあああああああー」
雄たけびを上げると同時に、暴走した魔素と全生命力が唸りを上げ、カヤを中心に竜巻のように巻き起こり、天を突く激しいエネルギーが雲を円形状に突き抜け、赤黒い魔素の嵐が螺旋を描きカヤを包む。
「だめーーーー! カヤやめて! お願い、それは、使っちゃだめーー!」
モモカが叫びカヤのそばに行き、抱きしめるが黒くうねる、魔素の嵐に弾き飛ばされる。
「やめて! お願い!……カヤが消えてしまう……誰か、助け、て……」
地面に突っ伏し叫び呼びかけるが、一度起動した闇鏡静水を止めることは出来なかった。
スキル
『来ます、オトワ様』
『うむ』
二人は全開で予測演算をかけ、それを一つに纏める。
オトワに対し、右半身構えで腰を低く落とし、左手は鞘を掴み親指を鍔に押し当て、右手は軽く柄を握り、左足を少し後ろに引き、上半身を力をためるようにぐぐっと左に捻じる。
「――消えろ 〝闇鏡静水・絶無〟」
千鳥の鯉口を切るや抜刀し、右斜め上に振り抜いた直後、パキーンと激しい何かが裂ける音と共に、不可視の轟斬撃が大地を抉り、大気を割り、時空間を裂き、凄まじい斬撃が通り過ぎた後には……。
一直線状にとても長い空気の摩擦熱で轟炎の燃え盛る道ができ、裂けた大地は空よりも深く、底の見えない奈落の裂け目を作った。
大広場の神木と言える、大木が燃えながら崩れ落ち炎の中にカヤを映し出す。
「くぁ! 掠っただじゃと! ありえぬ、予測演算は完璧じゃったはずじゃ!」
左半身の三分の一を斬り飛ばされ、驚愕し、しかも再生がきかぬ、あり得ない状況に叫ぶ。
オトワは二人の予測演算を、疑似的に並列に繋ぎ完璧に斬撃の軌道を予測したが、カヤの権能の一つ予測演算妨害によって、ほんの数%程狂わされていたのである。
不快な音の正体、それはあらゆる演算を妨害する時に起こる、ノイズにも似た音だったのだ。
「オトワ様。後ろをご覧ください」
「ぬっ!? ぉぉ、おおおおおおおおおお! これは!!」
カヤの斬撃は時空間を裂き、別次元の空間まで斬っていた。
オトワの後ろに見える、次元の裂けめに見える、別世界。
「おおお、これが、これらが、我が夢見た別世界……」
空間歪曲をしながら、映る世界はまさしく別世界であった。
「ジラよ、お主の推測通りに、次元の裂け目ができたぞ!」
「やはり、カヤの斬撃は次元の壁すら、斬ることができましたね」
オトワは恍惚の表情を浮かべ、裂け目に映る世界を見ていた。
そして、そこから漏れ出る強大な魔力と、強大な魂の力をオトワは感じ取っていた。
そう、折しもヴェルグリンドとリムルが死闘を繰り広げてる真っ最中であり、繋がった次元の裂け目は、かなりそこからは離れてたが二人の溢れ出る魔力の嵐が、オトワを喚起させる。
「ははっ……だめだ、もう……指一つ、動かないや……」
絶無を放ったカヤは、全ての力を使い果たしゆっくりと、うつ伏せに倒れてゆく。
「カヤーーーー! カヤ、お願い、返事をして、カヤーー」
抱き起し声をかけるが、目を閉じたまま全身の力も抜けてだらりとなり、身体も少しづつ崩壊を始めていた。
「だめ! だめよ! 死んじゃだめーー!」
必死に、助ける手立てを考えるが、どれも助ける術には至らなかった。
「ジラよ、今一度我と一つになるが良い。今から進化の儀を行う」
「はい。仰せのままに」
オトワの言葉に、静かに頷き目を閉じると、一瞬でオトワの鈴に吸収されていく。
「かわいい奴じゃのう。今からあちらの世界で進化して、お前も新しい眷属として作り直してやろうぞ! クカカカカカ」
「オトワ…… 貴様、どうやって、あそこで存在する気だ?」
「うぬ~ 回収しきれぬ魂があるが、仕方なしか。? そうじゃのう、最後に教えてやるかのう」
ドウザンの問いに、最後の手向けに教えてやろうぞと話し出す。
「我は、
少し忌々し気に言葉を吐き続ける。
「これの権能はわれの存在を、〝原因〟とし、生きてると言う〝結果〟に、置き換えることができるのじゃよ。だから、何処にでも存在出来るという事じゃな、死んでも、無かった、と言う結果に置き換える事もできる。だから、我は死なぬのじゃよ。クカカカカカ」
「因果律を操作する、権能か…… とんでもない化け物だな、貴様は!」
「化け物? 違うな、それはこのスキルを持っていた、先代鈴音が化け物じゃよ。我はそれを奪い、有効活用してるだけにすぎぬ」
「先代鈴音様は、そのスキルを使わず隠してきたのに、お前に話したのだけが致命的な失態だな……」
下半身が消え、上半身も消えかかってるドウザンは、カヤとモモカの方に目を向け、すまぬと小さく呟く。
「さて、それでは」とオトワが言うと、世界の言葉が響く。
《告
「我が念願の思い、ここに成就せり! ジラよ、
オトワは高笑いしながら、次元の裂け目に身を投じる。
完全に次元の裂け目に消えた後には、カヤを抱き泣き崩れるモモカと、消えかかる上半身を腕だけで動かし、モモカの所へ這いよっていくドウザンだけであった。
辺りには、オトワが取り残した数百に及ぶ眷属の魂たちが、モモカとカヤの周りに漂っている。
「モモカ、聞け、まだ、望みは……ある」
「……何がある、というの…… もう構わないで、わたしもこの子と一緒に、
消え去るわ……もう、カヤと永劫に輪廻の輪を外れ、二人で漂っていく……」
モモカは分解消滅を始めた、カヤを抱いたまま力なく答える。
「すまぬ。いくら謝罪しても足りぬのは、承知で頼む……皆の仇を取ってくれ……」
「こんな、ありさまで、なにをしろと! 死にかけてる妹と、何をしろと!?」
声を荒げ、自分達の力がオトワに通用しない現実に、何があると詰め寄る。
「進化だ……モモカ、二人で進化すれば、カヤは助かる!」
「進化? 冗談でしょ、どうやって進化するのよ? ここには、十万もの魂はないのよ……」
もうこの会話を打ち切りたくて、少しでもカヤの消滅を遅らせようと
「……ある」
「!? どこに?……」
「俺達を喰え」
「わたし達が、ここの魂を喰らっても、一人分しか効果ないじゃない……」
モモカは、バカバカしいとドウザンに言い、カヤの頬に手を当て、そんな都合のいい事あるわけないじゃないと呟く。
ドウザンはそれでも食い下がり、モモカに訴えた。
「モモカ、お前達二人は、この世界では例外的な存在だ。だから、お前達二人には、
この世界の魂の効果が出るやもしれん」
「それで? わたし達に同族殺し、いえ、同族の魂を喰らえというの?」
「そうだ、俺達の魂を喰らってくれ! アタラは……もう心核を砕かれたから再生復活はできない……頼む! 仇を、眷属達の……アタラの仇を取ってくれ!」
涙を流し懇願するドウザンに、少し考えを向けてみるモモカ。
すると、一つの小さな魂の光が、カヤの胸近くで止まり明滅する。
「……モモ、カ……トク爺が、喰らえって、言ってる……」
「カヤ! 気が付いたのね。よかった……でもトク爺の心核は、砕けてるはずじゃ?」
「うん…… でもね、聞こえるんだ……死ぬなカヤ、わし達を喰ろうて生きろってね。そう、言ってるんだよ」
「そんな、事があり得るの? 心核はないのよ!」
モモカは、カヤがあまりの事に、気が触れたのではと一瞬思ったが、カヤのしっかりとした眼差しを見て、次元の裂け目に目を向けそろそろ裂け目が閉じるわねと思い決断する。
「ドウザン、いいわ、その願い……いや依頼として受けるわ。でも、二百人もの魂は、どうするの? 今、漂ってる魂を無理やりにはできないし、それはいやよ」
「ああ、大丈夫だ、既にお前たちに魂を捧げる、志願者はいる。この俺を含めてな」
ドウザンがそう口にすると、モモカ達の周りに二百もの魂が集う。
「それと、効果が無かった時は……いいわよね?」
「ああ、その時は好きにしてくれていいさ、では、頼む、モモカ! カヤ!」
しかし、一つ問題があった。いかに進化しても、こちらの
そして、一つの手がモモカの頭に浮かんだ。
それは、生前に自分達にかけた魂の糸、お互いに繋がり冥界でもお互いを見つけられるようにとかけた、呪符術……。
これを呪いに変換し、お互いの存在をあちらの世界の
これには、魂の力を使うので、時限式の術になるという事にモモカはドウザンに告げる。
「そうか、いいさ、それでも行ってくれるなら、喜んで差し出そう我らの魂を!」
「カヤ、ごめんね、何時切れるか分からない、術になるわ……」
「うん、いいよ、モモカとなら、どんなとこでもいくよ。たとえ期限があってもね」
「ねぇ、カヤ。これで、ほんとうに最後かもね」
「うん、いいよ。これで、終わりにしよう」
二人は覚悟を決め、見つめ合ったまま静かに頷く。
「ジラ。〝目的〟ができたよ……トク爺の仇を取り、あんたらの存在を、消すことだ!」
静かに囁きカヤは長年見せなかった、暗殺者の顔をあらわにした。
抜かれた刃を構える姿に慈悲は無い、無情なるもの、
「ドウザン。この依頼、乱破ノ者モモカとカヤが、確かに引き受けたわ」
「そうか……それが転生前の、お前達なんだな……あとは、た、の、む」
「ええ。乱破ノ者の暗殺者だった、わたし達よ」
答えながら、世界の言葉を聞き、自信の呪符術を発動させる。
そして、ドウザンも魂だけの存在になり、モモカのそばにゆく。
モモカはヒュッと目の前の空中に九字を切る。
「臨・兵・闘・者・皆・陳・烈・在・前」
パンッと短拍手を一つ打ち、
我たちは、ここにはいない、しかしここにはいる
はかなくもみなもにうつる、ふたえのあわきひかり
たがいにうつし、げんせにあらわせ
しばれふたえのたましい、さすれば我たちは、どこにでもいる
たがいにうつしあわせよ、さすれば、いかいのちに、我たちは、あらわれん
〝鍵言霊〟を紡ぎ終えると、モモカとカヤの周りを渦巻く黒い炎の
ふるべ ゆらふらと ふるべ つなげ ふたつの 魂
ふるべ ゆらふらと ふるべ うつせ たがいの 魂
ふるべ ゆらふらと ふるべ あらわせ ことなる 世に
ふるべ ゆらふらと ふるべ あらわせ ふたつの 魂
ふるべ ゆらふらと ふるべ 我たちは ここには いない
ふるべ ゆらふらと ふるべ しかし そこに 我たちはいる
ふるべ ゆらふらと ふるべ さすれば いかなるばへとも あらわれん
「呪言
パンッと短拍手が鳴り響き、モモカの呪符術が完成する。
二人の魂を繋いでた、細い光の紐が
《告
世界の言葉を聞き、カヤもよろよろと立ち上がり、二人で次元の裂け目に向かって歩き出す。
「トク爺……ごめんね、もらうよトク爺の魂……仇は絶対に取るからね」
「ドウザン……もらうわよあなた達の魂……依頼は必ず果たすわ」
裂け目の前に来ると、二人は抱き合ったままで倒れるように、次元の裂け目に入っていく。
もう一つの裂け目に映る世界に落ちながら、二人の進化が始まった。
「……ねむい ああ、これ、やばい……?」
「大丈夫よ、先に隠蔽認識阻害の呪符を、お互いに展開させてるから多分、大丈夫かな?」
「あ、モモカ、影の子がまた……おねむだって」
「フフフ、そうね……わたし達も、しばらくは眠るとしましょう」
「う、ん……」
二人はゆっくりとジュラの大森林に落下してゆき、モモカは薄れる意識の中、眼前に映る大森林に向けて手を伸ばし夢で見たリムルあなたはそこにいるのねと、囁き深き眠りに落ちた。
次々と世界の言葉が告げられていく。
《確認しました。種族:猫神族・亜種から猫亜神精神体への超進化……成功しました。全ての身体能力が隠蔽封印解除、大幅に能力上昇しました。
更に、世界の言葉が続く。
《告 以前より申請していたスキル獲得がUnKnownから了承を得ました。これより分裂隠蔽されてたスキルを統合進化させます。……成功しました。 斬伏者、無名者、狂乱者を消費統合し、『
二人の隠され封印されていたスキルが解放され、この世界で最高峰の
《告 権能、闇鏡静水はUnKnownにより厳重封印を確認しました》
『モウ……コ……ツ……ダ……』
揺らいでいた、次元の裂け目が完全に閉じ、ジュラの大森林の奥深くに身を横たえる姉妹。
その身を守るように、幾つもの呪符が赤黒く光る
モモカが夢で見た、リムルが住む
ジュラの大森林にある
ジュラ・テンペスト
穏やかで心地よい風が森林の木々を優しく揺らし、向き合い横たわり眠る姉妹の繭を撫でるように風が通り抜けていく。
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※能力の細かい修正はあるかもです。
カヤ(夏夜)
EP: 834万(真狂乱舞・ハイブースト時、834万~8340万+千鳥200万)
種族: 猫亜神(物理体を有した、精神生命体)
加護: 姉の呪符
称号: 乱破ノ者
固有スキル: 万能感知 思念伝達 猫化 神速再生 魔王覇気 多次元結界
思考加速
アルティメットスキル:
空間支配 重力支配 一隻眼(相手の能力を見抜く)
時空間操作 並列演算 ????
予測演算妨害 未来予知妨害 確率操作妨害 法則操作妨害
時間操作妨害 並列演算妨害 解析鑑定妨害
時空間操作妨害
真狂乱舞・時間限定、全能力ハイブースト<リミット120秒>
闇鏡静水・特定条件でのみ、森羅万象切断が使用可能
<厳重封印状態により使用不可>
絶対暴力・能力ブースト時に付与される純粋に破壊だけ求めた権能
????
耐性: 物理攻撃無効 状態異常無効 精神攻撃無効 自然影響無効
聖魔攻撃耐性 痛覚無効
モモカ(百佳)
EP: 834万
種族: 猫亜神(物理体を有した、精神生命体)
加護: 妹の呪符
称号: 乱破ノ者
魔法: 元素魔法 呪符魔法
固有スキル: 万能感知 思念伝達 猫化 神速再生 魔王覇気
思考加速
アルティメットスキル:
森羅万象 呪符多次元結界 詠唱破棄
黒炎核支配 重力支配 空間支配 時空間操作
物質変換・改変 融合・分離
解析鑑定 法則操作・改変 審美眼(相手の持ってる本性を見抜く)
並列演算 ????
耐性: 物理攻撃無効 状態異常無効 精神攻撃無効 自然影響無効
聖魔攻撃耐性 痛覚無効
ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます!
引き続き、読んで頂けると嬉しいです。