転生したらネコムスメなんだけどの件   作:にゃんころ缶

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 お待たせしました! 二十二話です。


二十二話 魔王リムル

 

 ヴェルドラに襟首を掴まれ、ぷらぷら揺れながらリムル達の所へ連れてこられ人型に戻ったヴェルドラが、ポスッと下に降ろす。

 

 そこへ、テテテテとラコルが駆け寄って来てハシッと抱きついた。

 

「カヤお姉ちゃん! よかった、怪我してなくて……」

 

 え? あぁぁ。うん……結構ボロボロなんだけど、まぁ無事かなとラコルの頭を優しくポフポフしながら、返す。

 

 すると、バッと体を離すと左手を腰にやり、右手でビッと指差して「ヴェルドラ様は、とてもお強いんだから、喧嘩しちゃ怪我ではすまないんだよ! めっ!」

「え?……」

 

 六歳の猫獣人女の子に怒られる、五百年以上生きてる猫亜神カヤ。

 

「違うの、喧嘩じゃないんだよ~、ちょっと遊んでただけなんだよそれにね、ヴェルドラとは友達になったから、もう仲良しなんだよ~だから喧嘩はしてないんだよ!」

「でもカヤお姉ちゃん〝ぶっ殺す〟とか言ってよね?」

「あ~ しまった獣人だから人間より耳がいいんだ……」

 

 ラコルのクリクリとした目で見詰められ、カヤの目はグリグリ泳いでヴェルドラを見るも笑いを堪えるようにそっぽを向かれる。

 

 ふぅっと溜息を吐きしゃがむと、ラコルの両ほっぺを掴んで、優しくムニムニしながら照れ臭そうに「心配してくれて、ありがと」と言うと「へへ~っ」と、とても嬉しそうにラコルは笑う。

 

 

 モモカもカヤの所へ来て、「おつかれさま。あんたね、もう少し力加減考えなさいな。全く、もう」ジト目でつらつらと言い放ち、後ろ手に組んだ手の人差し指で、自分の後ろに伸びた影を指差し「そろそろ、出てきてもいいんじゃないかしら」と影に潜む者に問いかける。

 

「あぁ。そういや、いつの間にか影に潜んで様子窺ってたよねぇ」カヤもモモカの言葉に続く。

 

 そこへ、リムルが「ソウエイ、ソーカ。もういいぞ。とりあえず危険はないから監視は、終わりだ」と告げる。

 

 モモカの影からソーカ、カヤの影からソウエイが、ズルリと出てくる。

 

「完全に気配を消してたのに気付かれてたとは、中々侮れない奴らだな」

「私ならともかく、ソウエイ様まで気付かれてたとは……」

 

 影から出てきた、ソウエイはそう言いながらベニマルの所へ行きなにやら一言二言話し、ソーカはカヤ達を見ながら私と少し恰好が似てるけどどこの魔物だろうと考えながらソウエイの一歩後ろに立つ。

 

 リムルはカヤとモモカの前まで来るとダコラ達を助けてくれたことに礼を述べ、自分の名を名乗った。

 

「まずは、ダコラ達を助けてくれたことに感謝する。ありがとう! そして、俺はここテンペストを治める、八星魔王(オクタグラム)一柱(ひとり)、魔王リムルだ」

「いえ、ダコラ達助けたのはたまたまですよ、魔王リムル様。丁寧なお言葉、ありがとう存じます。わたしはモモカ。ある人物を追ってここまで来ました。わたし達には敵対心など御座いません。できれば、しばらくの滞在を御許可頂けたら幸いです」

 

 跪きモモカも丁寧な言葉で返し、カヤもそれに倣い跪き名を改めて名乗る。

 

「あたしは、カヤ。ここに来た目的は姉、モモカと同じです。そして、お騒がせした事をここに、お詫び申し上げます」

 

 今までとは一転し、丁寧な態度に、その慣れた礼を尽くす姿は二人が過去に 権威ある主に仕えてた事を思わせるには十分様になってる挨拶であり、リムル達を驚かせた。

 

「カヤ。そう畏まるでない。我はリムルとは友達(盟友)故、カヤ、お前もリムルとは友になるのだぞ。おぉ、モモカよ。お前もカヤの姉だから、我とは友になるな! 敬称はいらぬぞ、ヴェルドラと呼ぶことをお前にも許そう!クァッハハハハ」

「あらま、そうなのね。わかったわ、ヴェルドラよろしくね」

「うむ! と言う事だ、リムルよ。こ奴らは我の客人だ、よかろう?」

「ヴェルドラ、お前なぁ。いつの間にカヤと友達になったんだよ!」

「さっきだ! フハハハハ」

 

 しょうがねぇな~ と頭をカシカシ搔き苦笑いを浮かべ、大体お前なぁとか、いや、リムルあれはこうだとか、言い合いカヤ達に向き直ると二人に立つように促し、「改めてよろしくな。俺の事もリムルと呼んでくれ。カヤ、モモカ」そう言うと、カヤに右手を差し出した。

 

 カヤは、差し出された手を見て「ん?……何かあげないといけないの?」と言いリムル達を驚かせ、リムルはカヤにもしや江戸時代、もしくは戦国時代の日本人かと尋ねる。

 

「江戸時代? 戦国時代? ん~ 知らない。あたしとモモカが人間だった頃は、戦乱が絶えない時代だったよ。元は日ノ本の人間だよ」

「そうか、なら戦国時代の日本人なら〝握手〟は知らないな…… ってちょっと待て! お前達、もしかして転生者か? 転生前の記憶をもってるのか?」

 

 リムルが更に驚き、カヤに聞くがカヤはモモカを見るとモモカが口を開く。

 

「〝転生者〟が何を指すのかわかりませんけども、リムルがそう言うのならそうなんでしょうね。転生前の記憶は全部持ってますよ。わたしもカヤも」

「そうなのか…… 俺と同じ〝界渡り〟してきたとは驚きだな」

 

 リムルはここではなんだから、場所を変えようと言いカヤとモモカを執務室にある応接室に案内するようシュナに頼む。

 

 自分もここの後始末をしたらすぐ行くと伝え、ゴブキュウは今日休日だったか? とリグルドに『思念伝達』で聞き、「はい。すぐお呼びしますか?」と問われ、いやいい、後日でいいので闘技場が半壊したから修復を頼むと伝えてくれと告げ、主な瓦礫などは〝魂暴喰〟で喰らい片付ける。

 

「じゃあねラコル。気を付けて帰るんだよ」

 

 カヤが小さく手を振り、モモカも気をつけてねと言い手を小さく振る。

 

「うん! 大丈夫~! お姉ちゃん達もまたね!」

「「うん、じゃあね」」

 

 シオンが私が送っていくので大丈夫ですよと、ラコルの手を引きその場を後にした。

 

 応接室に着くと、長椅子の方を進められ真ん中にカヤ、右にモモカ、何故か左にヴェルドラがドカッと腰を下ろし、カヤが何で横に座るの? と聞くも気にしないでよいと笑いポンポンとカヤの肩を叩く。

 

 シュナはお茶の用意をしますねと、お茶の準備に行こうとするとヴェルドラが、茶菓子は大盛でなと何やら注文を付けていた。

 

 それから、程なくリムル達も戻って来て、カヤとモモカが立とうとするのを座ってていいからそのままでと制す。

 

 真向かいのモモカ側の椅子に座りその隣の椅子にベニマルが座り、リムルの後ろ左右にディアブロとラコルを送ってきたシオンが立ち、ベニマルの後ろにソウエイとソーカが同じように立ちカヤ達の後ろはテスタロッサ達が立っていく。

 

「すまない、待たせたな。言い忘れたが俺の本当の姿は、スライムだ」

 

 ポフッ。

 

 リムルは、スライムの姿に戻るとポヨンと床で跳ね椅子に戻り、それを見たカヤが、

「も ――オゴッ」餅と言いかけたとこでモモカにゲンコツを落とされ頭を抱え唸る。

 

 それを見たリムルは、便宜上こっちのほうが都合がいいので普段はこれだと笑い、人型に戻った。

 

 そうこうしてる内にシュナとハルナさんが、紅茶とお茶菓子を乗せたワゴンを押して入ってきた。

 

 シュナがリムル達にカップを配り、クッキーを入れた大皿をテーブルの真ん中に置き、シュナ、ハルナさんが、丁寧に紅茶を注いで回る。

 

「おぉ! 今日は、しっとりサクサククッキーか、これはバターが効いていて 中々に美味いぞ!」 

 

 カヤとモモカにリムルはクッキーを勧めてカップを手に取ると、香りを楽しむように飲み、クッキーを一枚手にし美味そうに食べた。

 

 カヤは紅茶の赤味がかった色に、猫耳をピコピコ激しく動かしモモカは訝し気に匂いを嗅いだり、二人共ジーッと見て飲もうとしなかった。

 

 シュナが微笑みながら、こちらのミルクと砂糖を適量入れて飲むと良いのですよとカヤのカップとモモカのカップに、ミルクと砂糖を入れてどうぞと勧め、二人共おそるおそるカップを両手で持つと、ズズッと音を立て一口飲んだ。

 

「「あ。甘くておいしい」」

 

 カヤもモモカも、こんなに甘くて美味しいの初めてだと、一気に飲み干しシュナに御代わりを頼む。

 

 御代わりを注ぎながら、シュナは優しくこの紅茶は音を立てて飲むのではなく片手でカップを持ちこういう風に飲むんですよと教える。

 

 カヤは、へぇ~そうなんだと今度は自分でミルクと砂糖を入れ始め、モモカは少し顔を赤らめて周りを見るが。

 

 誰も気にするでもなく、テスタロッサ達はちゃっかり椅子を自分の配下に準備させ、いつの間にか同じ様にお茶をしていた。

 

 モモカは、こういう時普通笑われたりどことなくニヤニヤされたりするのだけどここの者達は、他者の失敗を笑ったりしないんだ……そう思うとホッと小さく息を吐き自分のカップにミルクと砂糖を入れ飲む。

 

 その横で砂糖を入れすぎて「甘すぎ!」と言いながらウゴッーと変な声を上げ飲んでいたのを、「入れすぎですよ」シュナがにこやかに言いながら、新しいカップと交換していく。

 

 カヤは、クッキーが余程気に入ったのか、ヴェルドラとクッキー攻防戦を始め、「ちょっと待て! カヤ食べるの早すぎであろう!」、「ヴェルドラこそ早いよね? あ! 何一掴みで持っていくんだよ!」とお互いに火花を散らし始める。

 

 リムルは「何やってんだよ、二人とも」と笑いながら言い、おもむろに先程の続きをモモカに聞く。

 

「なぁ、モモカ。さっきの続きなんだが、お前達は一緒に死んで転生してきたのか?」

「ええ。わたしとカヤは元は乱破(らっぱ)ノ者です。わたし達は乱破(らっぱ)ノ者が住む。巴ノ里で育ち、乱破ノ者として生き、そして死んで転生したのですよ」

「乱破ノ者って、忍者なのか?」

「忍者?……いえ、忍者と言う呼び名は無かったですねぇ。乱破、素破(すっぱ)

草、根来(ねごろ)、風魔、甲賀、伊賀、鉄砲集団・雑賀など住む里によって呼び方が、違っていましたけども」

 

 リムルは、ほう乱破かぁ……忍者っていつから呼ばれ始めたんだっけかなと、考えて、更にモモカに問いかける。

 

 モモカは、リムルの問いに答えながら乱破ノ里が襲撃で滅びその時に二人共死に、共に転生したのだと説明し、転生先が精霊獣界だった事も話そうとするやいきなり応接室の扉がバーンと開き、ラミリスがベレッタを伴い飛び込んできた。

 

「リムル! そいつらは危険よ! あんたら、どこの魔物なのよさ!! まさかフェイリュアワールドとか言わないわよね!?」

 

「カヤはなんだ? それ」と構わずにクッキーを食べ、モモカは「フェイリュアワールド? 精霊獣界と言う所から、来ましたけども」と返す。

 ラミリスは口を開けたまま絶句し、ディアブロは少し口端を上げニヤリとし、テスタロッサはあらまと手を口にしてリムルがラミリスにどう言う事か説明しろと迫る。

 

 気を取り直したラミリスは、クッキーを入れた皿の前に座り両手でクッキーを掴むとカリカリ食べ始め、ベレッタからラミリス専用のカップを受け取り紅茶を一口飲むとカップをテーブルの上に置き、パタパタとそこから浮かびカヤとモモカを見据える。

 

 コホンと小さく咳をすると、ラミリスは二人を指差し単刀直入に言うけどもと、一泊置いて話し出していく。

 

「あんた達は精霊獣と言われてるけど本当は、妖獣(ようじゅう)、アパリションと言われてたのよさ」と言い話を続けていく。

 

 時空間の狭間に生まれた、もしくは異界から来た、突然変異の精神体魔物大妖獣ネコマタとその眷属十二妖獣……規格外の能力を持ち生まれたネコマタは、あらゆる世界に猛威をふるったと話す。

 

「まぁ、その力が何なのかは判らないんだけどね。でもそれを危険視したヴェルダナーヴァが激闘の末、時空間の狭間にある、あらゆる時間が交差し時の流れはめちゃくちゃで入る事はできても出ることはできない、時空間世界に閉じ込めたというワケ……」

 

 そこまで言うとパタパタとテーブルに降り自分のカップを手に取ると、グッと飲み一息入れ、更に話しを続けていく。

 

「その時に手を貸したのが妖魔王フェルドウェイと言われてるのよさ……で、その隔離された世界に隔離された者は何故かその世界独特の理に支配され、二度と別の世界では生きてはいけなくなる……もし、別の世界に行ったら魂も心核ごと消滅して無の存在へと成り果てるのよさ……(いびつ)(ひず)んだ世界……正常に造られなかった世界、それで失敗した世界〝フェイリュアワールド〟と呼ばれるようになったワケよ。だから、あんた達は、何でこの世界に存在出来るのよさ!!」

 

 ビシッと指差し二人に問うた。

 

 モモカはラミリスの問いに、自分達はあちらの世界の猫神ノ里を納める猫神が自ら里を滅ぼしその得た魂で、進化してこちらの世界に来たと言い。

 

 また、自分らも進化してこちらの世界に適合させてその猫神を追って来たと説明するが、無理やり呪符術でこちらの世界の理に合わせたのは、伏せて言わなかった。

 

「進化って、それでそっちの(ことわり)を捻じ曲げて、こっちの理に合わせたと言うワケ? デタラメすぎるでしょうがぁー!!」

「おい! 落ち着けラミリス。この二人がこの世界に居るという事は進化でそうできたんだろう。それに嘘をついてるようには見えないしな」

 

 両手をブンブンさせて喚くラミリスを宥めつつ、まだ詳しい事をききたいと言うと、「あ~ 成長するとまだ詳しいこと思い出すと思うけど、今は無理ねこの姿だと。所々記憶が曖昧になるのよさ」そう言いながら紅茶をまた一口飲む。

 

 最後に、ネコマタはあっちこっちに喧嘩を売って回ってたから 妖魔族(ファントム)蟲魔族(インセクター)幻獣族(クリプテッド)に恨み買ってただろうし、総掛かりでボコボコにされたのかもねぇ、とラミリスは締めくくり、クッキーをパク付き始める。

 

 更に他に知ってる事があれば教えてくれないかと頼み、モモカはそれを了承し、精霊獣界は猫神、鼠神、牛神、虎神、兎神、熊神、猿神、馬神、狐神、犬神、猪神、鳥神、(いたち)神、(たぬき)神、の十三神族がおり亜人の種族と獣人の種族に分かれていて、自分達は亜人の方だと言う。

 

 他の神族とは争っていて、それでいて大規模な争いには発展しなかったし、そして猫神族は他の神族より、頭一つ抜き出ていたとも付け加えた。

 

「なるほど……ラミリスの言う事がほんとなら、その猫神がネコマタなのか、その成れの果てなのか判らないが。隔離された世界だからこその娯楽と言う争いをさせてたとも、思えるな」

「そうですね、今思うとそう言う雰囲気があったと思えるわねぇ……それに、時間軸がバラバラと言うか……反映される文化が日ノ本に似ていたり南蛮風の文化をもつ神族や、カラクリじみた神族もいたし、おそらく眷属に使う魂は、輪廻の輪を外れた魂を呼び寄せ使ってたと思いますね。それも過去、現在未来の魂を糧に眷属を作り、その魂に残った記憶の残滓という事かも知れません。これはわたしが、五百年以上掛けて見てきた推論なのですけども」

「ほほう~ 眷属を生み出すのに魂を使うのか、珍しいな……」

 

 眷属を生み出す方法を聞くと、リムルは腕を組みしばし思案する。

 

 モモカはそこで一拍を置き、こちらの世界に来れたのは猫神のオトワとの戦いで偶然に開いた時空の裂け目から来たと言い、カヤの森羅万象切断は隠し、お互いの力と力とのぶつかり合いで出来たと説明をした。

 

 その説明を聞きながらシエル先生が、リムルに情報が少ないのでもう少しモモカから聞き出してほしいと言われ、特に時空間が裂けるような攻撃について〝詳しく〟と注文が飛んできて、リムルが時空間を避ける程の攻撃は何かと聞く。

 

 モモカは本当に偶然裂けたので何が作用したのか判らないと言い、思い出したらまた話すと一旦その話しは終え、リムル、モモカは一息つく。

 

 不意に訪れた静寂に、ベニマルが預かった刀と槍の穂先を返すとカヤに差し出すとリムルが刀を見せてくれるかと尋ねカヤはいいよ~ でも抜けなかっても怒らないでねと口をモゴモゴさせて言い。

 

 モモカに全部食べてからしゃべれと怒られ、カヤは口を押えてリムルに刀を渡す。

 

 千鳥を受け取ると鞘の作りや鍔を見て、反りのある打刀かとそう呟きながら左手の親指で鍔をグッと押すと、スラーッと刀身が鞘から抜け。それを見たカヤとモモカは目を見開き驚きで一瞬固まり、カヤが千鳥を抜けるなんてあんた何者だーと指差して言うや。

 

 モモカが「リムルを指差すのは、失礼よ!」 とカヤの人差し指をポキッと折り、指を押さえて「あきゃぁぁ」と騒ぐ、カヤに「煩い痛くないでしょ。すぐ治るし大袈裟」と言い放つのをヴェルドラが「お前の姉も、容赦がないな」とカヤの肩をポフポフと叩き慰めて、カヤもあんたも姉さんいるんだよねと言い、「「姉は、理不尽だよね」」と二人頷き合う。

 

 何やってんだと、笑いながら右手で千鳥を立て刃文を見て、ほほう三本杉の綺麗な刃文だなとしばしじっくりと見ていると、シエルさんから鑑定結果が少なくとも神話級(ゴッズ)で、材質も究極の金属(ヒヒイロカネ)で出来ていますと報告が来て、カヤに誰が作ったのか聞くも、「知らない、一万年前とか聞いた」と言い。

 

 リムルが驚いて、いやいやいくら何でも一万年前はないだろうと返すと。ラミリスが、「だからあそこは時間軸が交差してて、めちゃくちゃって言ったよのさ」とジト目で言うや、リムルは一万年前とか聞くとびっくりして一瞬忘れたわと笑って誤魔化し、シエルさんが他の世界より、異常に時間の流れが速いのでしょうと補足してくれた。

 

 という事はカヤとモモカは五百年以上生きてるけど、実際は千年以上時間が経ってるという事に……うん、これは言わないでおこう。

 

 特に長生きしてる女性には禁句なのだ……。

 

 千鳥を返し、モモカの(なかご)剥き出しの槍の穂先も見せてもらい、シエルさんの鑑定結果は千鳥と同じであった。モモカに修復するのかと尋ね、出来れば打ち直しをしたいと言われ、後で鍛冶師のクロベエを紹介すると約束をする。

 

 とりあえずダコラ達を助けてくれたお礼がしたいので二人に御馳走をするから、先に温泉でも行くかと言うと風呂好きの二人は温泉があると聞いて、特にカヤが「いく! 早く行こう!」と立ち上がるのをそう慌てるなとリムルが止めて、シュナとハルナさんに宴会の準備を頼み皆で温泉に向かう事になるのであった。

 

「モモカ、温泉なんて、人間の頃以来だよ!」

「そうね、まさかまた温泉に入れるとは思わなかったわね。フフフ」

 

 嬉しそうに二人が話してると、ラミリスがカヤの前に飛んできて話しかけてくる。

 

「ねぇ、カヤと言ってたわね。なんで師匠をヴェルドラって、呼ぶのよさ?」

「え? んー 友達になった」 

「マジなの!?」

「そうだぞ、ラミリス。我とカヤは友達になったのだ。姉のモモカもな」

「へ、へぇ~ じゃ、じゃあ、アタシとも友達になるワケね!」

「そうだな、ラミリスよ。あ! カヤ、これでもラミリスも魔王の一柱(ひとり)なのだぞ」

 

 ラミリスはパタパタとカヤの周りを飛び回り、「師匠! これでもはないんじゃない!? ちょっとヒドクない?」ギャアギャア文句を言い始め、そこへカヤが、「へえぇ~ こんなにちっこいのに?」と言うと「ちっこい言うな!! あんたね、アタシの四十八の必殺技をお見舞いするわよ!」とファイティングポーズを取り、シュッ、シュッとパンチを打つマネをすると、カヤがガッとラミリスを捕まえ、それ見せてとニヤリと笑い、やめなさいとモモカに(はた)かれる。

 

「離しなさいよ! あんたね、ギィに鉄拳制裁してもらうわよ!」

 

 手の中から、抜けだしたラミリスはドロップキックを見舞ったりして、それをヒョイヒョイと躱される姿に、「ミリムにやってる事と、変わらぬな」とヴェルドラが、やれやれと言った風に言い放つ。 

 

「ねぇ、リムル。お肉ある?」

「ん? あるぞ、霜降りのいい肉があるぞ」

「おおぉ! 霜降りはよくわからないけども、やったね、お肉だー!」

「なんだカヤ、お前肉好きなのか。肉もいいがそれよりもお前たちが食べたことない、とびきり美味い物御馳走してやるよ!」

 

「やったね! モモカなんだろうね食べたことない御馳走って!」

 

 ウキウキとモモカに話しかけ、皆と一緒に温泉がある大浴場へと向かうことになるのであった。

 

 

 

 

 




 いつも読んで頂き、ありがとうございます!

 次回更新まで、しばらくお待ち下さい。

 引き続きご愛読の程、よろしくお願いします!




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