転生したらネコムスメなんだけどの件   作:にゃんころ缶

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お待たせしました! 三十八です。


三十八話 三賢酔(リエガ)からの依頼

 

 

 深夜のテンペストに、夜遅くまで明かりの灯ってる一室があった。

 

 

 その一室には〝三賢酔(リエガ)〟の密談と言う細やかな飲み会が行われていたのである。

 

「ほ~ん。そう言う事なのね、リムっち」

「そんな所だね、エルっち」

「帝国との現状は概ね把握したわ。で、リムっち」

「何かな?」

「貴方の所にいる、亜神はどういう事かしら? ヴェルドラとやり合えるらしいじゃない。(チン)は聞いてないわよ?」

 

 単純に言い忘れただけだのリムルは言い訳を考えてみたものの、ここは素直に忘れてたと謝罪をいれ、一瞬訝し気にリムルを見たエルさんはグラスのお酒に手を伸ばすと、コクリと三分の一程残ってた林檎のブランデーを飲み干し、空になったグラスの氷が子気味よい音を響かせた。

 

「それで、原初の時も問うたけども、その亜神が暴走したらどうするつもりかしら?」

「ディアブロ達の時も言ったけど、あいつらが暴走したなら俺が止めるさ。それに、何かあったら、ヴェルドラが責任を持って止めると言ったしな」

「ほ~ん、ヴェルドラがねえ。やっぱりヴェルドラの友人となってたのは、本当だったのねえ~」

「エルさんも人が悪い。そこまで調べが付いてるなら、分かってるだろうに」

 

 少し酔いの回ったジト目で見るエルメシアさんは、苦笑いで答えるリムルにチラリ悪戯っぽい笑みを見せ、手に持ったグラスをゆらゆら手の中で揺らす。

 

「そうそう、ガドちゃん。〝四ヶ国通商連盟〟の方は軌道に乗ったみたいね」

「ええ。しかし姉御、あの小集団の暗殺者ギルドは、完全に地下に潜りましたわい」

「やっぱりね~ で、行方は掴めたの?」

「それが、さっぱりでして。ソウエイ殿にも頼んでいるも、見事に行方を晦ましたですな。グレンダも言ってのですが、あそこの(カシラ)は相当腕も立つしワシらの知らない符号を使いギルドメンバーとのやり取りをしてるらしく、実体の掴めない集団らしいですわ」

「なるほど。潰すにも完全に地下に潜ったなら、中々厄介よねえ……」

「そうだ! カヤとモモカに聞けば、何か分かるかも知れないな」

 

 ミョルマイルとエルメシアさんが、顔を突き合わせて唸ってるとこへリムルが、ポンと手を打って口を挟んできた。

 

 それにミョルマイルも「そうでした、失念してましたわい。お二人は暗殺者でしたな」と相槌を打つ。

 

 エルメシアさんは「それも、本当だったのね。全くリムっちの所には、何故こうも厄介な者が集まるのかしら。ねえ、ガドちゃん」呆れ顔で言うエルメシアに、ミョルマイルは「それは、リムル様だからですわい」とにこやかに答え、リムルは「そんなの、俺が聞きたいわ!」投げやりに言い放ちグラスの酒を(あお)った。

 

 そんなリムルにエルメシアさんは「今から呼べる?」そう聞くも「いやー 難しいかもなぁ」と返す。するとミョルマイルが「カヤ殿なら、〝エルフの夜のお店〟に居ますかもですな。最近よく出没するらしいですぞ」その発言にリムルは何やってんだカヤの奴、思考がオヤジ趣味に偏ってないかなど言いながら『思念伝達』でカヤを呼んでみたら、居た。

 

 〝夜のお店〟でエルフのお姉さん達と他愛もない話に盛り上がってる最中で、え!? 今から来い? モモカも連れて? なんで? 酔いも極まってたのか執拗に理由を尋ねてきて、いいから今からちょっと来てくれ、宥めつつカヤに来てくれることを取り付け、エルさんに今から来るそうだと、告げた。

 

 しばらくしてカヤがモモカを連れて、会合と言う飲み会の席にブシブシ文句を言いながらやって来る。

 

 部屋に入るなり「ねえ、なに用?」カヤが言うもリムルは、まあ座ってくれこちらの方をお前らに紹介するからと二人に席を勧め、カヤとモモカは席に着く。

 

 エルさんの紹介が終わり、二人も自己紹介をし、カヤがダルそうに言葉を吐きグラスに注がれた酒を一気に飲んだ。

 

「へえぇー 魔導王朝サリオンの皇帝陛下が、なんでここにいるの?」

 

 皇帝陛下と聞いても態度は変わらず、逆に何で国家の象徴たる皇帝陛下がこんな所で酒飲んでんの? と聞く始末で、リムルは他言無用(・・・・)という事で〝三賢酔(リエガ)〟の事の説明と、地下に潜った暗殺者組織の説明を二人にした。

 

「なるほどね。それで、その暗殺者達がどういう符号を使ってるのか、わたし達に意見を聞きたいと、言う事ですね?」

「そうなのよ~ 貴女達、何か参考になる意見はないかしらねえ」

「一つ聞いてもよろしいかしら、エルメシア陛下」

「何かしら?」

「話を聞く限り、御三方は表、裏組織を同時に牛耳り、今まで悪事を働いていた者達の意識改革をすると、言う事なのですか?」 

 

 モモカの問いにミョルマイルが口を開き、説明を始めていく。

 

「そうですな。これからは無法者集団ではなく、弱い者を助け強きを挫く、いわゆる〝侠客(きょうかく)〟を目指して行くと、そう言う事ですな」

「ですか……。まあ、確かにその理念は素晴らしいと思いますけど。それ、緩やかに弱体する危険性はありますよ。悪はどこまで行っても悪。牙を取った悪など別の悪が出てきたら、あっさりやられますよ?」

「だからその為の〝三賢酔〟で、表と裏で上手くバランスを取っていこうとやってるんだよ」

 

 モモカの意外な反論にリムルは口を挟み、これから〝三賢酔〟のやろうとしてる事を語り聞かせた。モモカとカヤは静かにリムルの話に耳を傾け、自分達の意見を述べていった。

 

「ふーん。そう言う事ができるなら凄い事なんだろうけど。あたしは、真の悪は残して置いた方がいいと思うな。マッチポンプやるなら徹底的にやらないとね」

「ほ~ん。地下に潜った暗殺者組織は見逃せと?」

「いいえ、違いますよエルメシア陛下。カヤの言ってる事は〝三賢酔〟の納める裏社会以外にもう一つというか、ガチの悪を作れと言ってるんですよ。悪はそれ以下でも以上でもなく、只の悪。いずれどこかで綻びが出るやも知れない、そう言ってるのですよカヤは」

「まあ、それは俺達も想定はしてるんだが、それも含めて地下に潜った組織は放っては置けない。一般の民に被害が出るのは俺達の望む所ではないからな」

「悪をやるなら徹底的にやればいいんだよ。同じ組織内では、いずれ緩んでくると思うよ。完全なる敵対組織、命のやり取りをする緊張感は大事だと思うんだよね。これから先どんな敵が出るかも分からないし、〝三賢酔〟に楯突く組織が一つ位あってもいいじゃん」

「そうね、そんな組織があってもいいかもね。ごめんなさいね、リムル、エルメシア陛下、ミョルマイルさん。わたしとカヤも本質は悪なので、ちょっと思うところがあったもので、つい反論じみたこと言ってしまったの、ごめんなさいね。私達は流れ者だから差し出口だったわ」

「いや、いいさ。俺もお前達の本質を忘れてて、こんな話を聞かせたんだ。だから気にしないでくれ」

 

 つい反論して、色々自分達の関係ない意見を言ったことに対しモモカは謝罪をし、リムルもそれに笑顔で返した。

 

「で、話を戻すが、何か参考になる意見はあるか?」

「フフ。もうやってるわよ、リムル」

「「「え!!」」」

 

 三人が驚き二人を見るも、どこも変わった様子がなくカヤとモモカも交互に見るも、全く何をしたか判らなかったが、エルさんがある場所を差して言う。

 

「それかしらねえ」

 

 モモカのグラスが置かれたコースターの右端に寄せて置かれており、それを差して言うとモモカが「正解です」ニコリと微笑み告げる。

 

「わたし達が人間だった頃、お役目で仲間との接触に使ってたやり方ですの。本来は

湯吞みを乗せる茶托(ちゃたく)でしたけど、この置き方は今この土地に来た、仲間を待つという意味で。カヤがコースターの左端に寄せてるのは、よく来た付いて来いという意味です。これは茶屋か団子屋でよく使った符号なんです。湯吞みなら蓋もあったので、蓋の置き方と合わせて色々な符号を使ってましたね」

「あとね、団子屋食べた串の置き方でも色々符号あったんだよ」

 

 カヤが家に帰って食べる用の肉串を出し、三本食べて串二本を並べて置くと先の方だけ交差させて置き、三本目を二本の真ん中辺りに斜めに置く。

 

「これはね、〝危険が迫ってる〟という符号で、すぐに逃げるようにとの意味なんだよ。こうやって身近なものでやり取りをしてたんだ。まあ、世界は違えどそうやってる事は違わないと思うけどね」

「ほ~ん、符号を使ってると分かれば、見抜けると?」

「う~ん、どうだろう。結構難しいかもねえ。いくら符号を使ってるって言っても、見抜くのは至難の業だよ。まあ、あたしなら匂いで分かるけどね。ウヒヒ」

「わたしとカヤは暗殺者でありながら、敵対暗殺者も狩ってましたから。フフ」

「なるほど。じゃあお前達なら見抜けると、そういうことだな?」

「カヤ殿、モモカ殿。ぜひお力を貸して頂けますか? あの組織は親を失った子供達や人買いから買った子供達を、暗殺者に仕立てているのですぞ!」

「え? 別に殺すわけでもなく、ご飯食べれて生きていけるならいいじゃん。変態ジジイ共の慰み者になるより、よっぽどましだと思うけど。子供は一人では生きていけないしねぇ」

「しかしですな、子供達を――」

「――ガドちゃん」

 

 子供達を暗殺者に仕立てるということにカヤが肯定したものだから、ミョルマイルは思わず人としての倫理を説こうとして、それをエルさんに止められる。

 

「リムっちから聞いてたけど、本当に思考は善ではないわね。むしろ原初、いやディアブロ達と同じ思考をしてるかしら。テスタロッサ達と仲良くしてるというのも、頷けるわね。ガドちゃん。この娘達は元人間でも、本質は悪魔族に近いものがあるわよ。そして、今は魔物なのよ。分かるでしょ、ガドちゃん」

「……そうでしたな、姉御。ワシもつい失念してましたわい。すみませんでした、カヤ殿。でもこの事をよしとしないのも、ワシら〝三賢酔〟の理念なのです」

「あ、いやいやこっちこそごめんね。無神経に言い過ぎたね、ミョルマイルさん」

「しかし、お前達は本当に戦国時代に生きてきた暗殺者なんだな。話を聞くたびに驚かされるな、ほんと。ハハハッ」

「ほんとってなんだよ! 戦国時代の生き証人なんだぞ、あたしとモモカは! ウヒヒ」

 

 一瞬張り詰めた空気に包まれた一同だが、エルさんの言葉とリムルの一言で打ち消された。

 

 カヤは笑いながら酒を呷り、ミョルマイルさんにはお世話になってるからねえと言い、カヤ殿にさん付けで呼ばれるのはむず痒いですわい。敬称無しでお願いしますぞと言うも、逆にじゃあ、あたしのこともカヤと呼んでくれる? そう返すと、「いやそれは流石にまずいですわい」頭を掻きながら少し困った表情を浮かべる。

 

 それを悪戯小僧みたくなんで? どして? ニヤニヤしながら言ってると「やめい」モモカがゲンコツをカヤの頭に落とし、テーブルに突っ伏したカヤが「だから、やる前に言えと……」震えた声でモモカに言い、それを見たエルさんは「ほんに、可笑しな姉妹だわねえ」と、クスリと笑い、つられて皆の笑い声が部屋に響き渡っていた。

 

「で、どうなんだ。今回だけでも手を貸してくれるか?」

「う~ん。どうしょうかねぇ……」

「そうねぇ……」

 

 リムルからの要請に二人は顔を見合わせ頷くと、カヤが返事を返す。

 

「いいよ。ただし、その組織はちょっとあたし達に預けてくれるかな? そこにいる子供達も同様。〝三賢酔〟に抗う組織としてお膳立てはあたし達に任せて欲しい。きっちり、ちゃんとした暗殺者組織に仕立てて見せるよ。そうだねえ、組織の掟を作り無秩序な暗殺はさせないから、そこは安心してほしいかな。でも悪は悪だ、そこは曲げないよ?」

「いいでしょう。必要悪、そこの観点からも〝三賢酔〟に敵対する組織ってのも面白いわねえ。それで、子供達はどうするのかしら?」

「そのまま、組織に置きます。一度暗殺者に仕立てられたら、普通に過ごすのは無理があります。仮にですけど、記憶を消して一般社会に復帰させますか? わたしは、賛成できませんけども。望む望まないに関わらず、その子の人生の一部なんです。飲み込み克服しないといずれ精神は崩壊しますし、真の心の自由はないですね」

 

 そう語るモモカの言葉には重みがあり、リムル達は反論の言葉を返すこともせず黙ってその言葉を聞いていた。

 

 ただエルさんだけはその言葉の意味を理解しており、今その子供であったカヤとモモカがいて、普通にこうして話をしてるの見て胸の内でポソリ(戦乱の世を生きてきた子供、それがあの()達)呟く。

 

「しかしですな、そこは手厚く保護をしてこちらで面倒を見るという事も出来ますし、何よりテンペストには学校もありますからな。そこを考慮してもいいのではないかと思うのですが、いかがですかな」

「そうね。でも心の(かせ)が外れてた場合、記憶を操作しても無意識に身体に染みついた暗殺技が出た場合、その子の心は間違いなく壊れますよ。記憶は消せても体に刻み込まれた技の数々は消せない。外れた枷は、二度と戻せないもの」

「それは、お前達の経験からなのか?」

「「そう」」

 

 ミョルマイルの提案に丁寧に駄目な理由を説明をして、リムルが経験からなのかとの問いに二人はそうよと返した顔はいつもの顔ではなく、完全に表情の抜けた無機質な暗者者の顔であった。

 

 それは絶対に見せてはいけない顔、シュナやシオン達、親しい者には見せてはいけない、真の顔。

 

 しかし、二人はリムル達三人に、あえてその顔を晒した。

 何故そうしたのか、カヤとモモカにもわからなかった。

 

 ただ……乱破ノ者として育ち、殺人術を叩き込まれた幼少時代。

 

 そんな二人が自分達と似た境遇の子供達の話を聞き、良心の枷を外していく段階で一つでも外していたら、後戻りが出来ないのは誰よりも知っていたのだ。

 

 だからこそ、何処まで行っても自分達は暗殺者なのだと、そう思った時に自然にでた顔であったかもしれない。

 

 底冷えのする禍々しい殺気を放ち、カヤとモモカは口端に薄い笑いを浮かべる。

 

 その殺気を受けたミョルマイルは、辛うじて表情は崩さなかったが、長袖の中の腕には鳥肌が一面に立ち、猛烈な寒気を感じていた。

 

 リムルは片眉を少しピクリとさせ(凄まじいな、この殺気は)心の中で思う。

 

 エルさんは平然とした顔で受け流し、皇帝ではなく、一人の女としてカヤとモモカの目を見つめ返す。

 

(この娘達、転生する前の十数年は……想像も出来ない程の人生だったのでしょうね。ほんとに飽きないわね、リムっちと出会ってからは。でも、あの顔は…… 何故か恐怖より哀しそうに見えるのは、何故かしらねえ…… 後悔もなく、境遇を憎むでもなく、まるで死を、受け入れている顔だわねえ。ああいう顔をしたものはいずれ、死んでいってしまう。何かありそうね、二人には誰にも言えない、何かが……)

 

 何かを思い返したように短く息を吐くと、グラスの酒を一口飲み、エルさんが口を開く。

 

「わかったわ。その暗殺者組織については、子供達を含めて貴女達に全て任せましょう。見事〝三賢酔〟に抗う抵抗組織に仕立てて見せなさい!」

 

エルさんはピシャリ言い告げると、リムルもミョルマイルも異論がない様に頷き報酬の話し合いに変わる。

 

「前金、金貨五百枚。成功報酬金貨五百枚の二人分で計金貨二千枚。びた一文まからんよ!」

「一人金貨千枚って、ちょっ! カヤそれ高過ぎじゃないか!?」

「そうですぞ、もう少し何とかなりませんか!?」

「駄目よ。仮にも一介の暗殺組織をマッチポンプといえ、そちらの敵対組織に仕上げ、一時的に子供達の面倒を見るのですもの、これでも安い位だわね。それに仕上げたら暗殺組織の頭には、テスタロッサ達の配下の誰かに頼むつもりだし、そこでわたし達は手を引くわ。お膳立てまでがわたし達の仕事だけど、そこには必要経費も含まれてるの」

「ほ~ん。そこまで考えておったか。悪魔族は感情が入る事もなく、暗殺組織の頭には打って付けだわねぇ。それは貴女達にも言える事なんだけど、フフフ。いいわ、カヤちゃん、モモカちゃん、その報酬金貨二千枚、私が用立てましょう」

「「ちゃん!?」」

 

 いきなり、ちゃん付けで呼ばれ面くらった二人はしばし呆然として、エルさんを見るも〝三賢酔〟では愛称で呼ぶことにしてるから、貴女達も陛下と呼ばず、エルさん、エルっち、姉御、好きなので呼びなさいと言われる。

 

 そこで二人は、エル姉さんと呼ぶことにした。

 

 口には出さないけど、自分達より遥かに長く生きてるのは分かったので、大人しく従うことにするも、カヤが口を滑らし掛けてオと言いかけた瞬間、電光石火のゲンコツがモモカより放たれ阻止されたのは言うまでもない。

 

「あいたたた。受けた依頼は必ずやりとげるから、安心してよエル姉さん」

「ええ。期待に添える敵対組織にして見せるわ。エル姉さん」

「うむ。任せたわよ、カヤちゃん、モモカちゃん。あ、ガドちゃん。グレンダに〝三賢酔〟の敵対組織を一つ作るからよろしくと伝えてちょうだいね。詳細は後日という事で」

「了解です、姉御。カヤ殿、モモカ殿。一度、表向きは〝三賢酔〟のボスをしておるグレンダに会って頂けますかな。お二人を紹介しますので」

「ええ、わかりましたわ」

「へえー 女のボスなのかぁ~ 強いの?」

「中々の女傑ですぞ」

「ほおー そりゃ楽しみだ。ウヒヒッ」

 

 女傑と聞いてカヤは嬉しそうに笑みを浮かべ、モモカもどんな人なのかしらと、同じく笑みを浮かべていた。

 

 それから細かい打ち合わせを明け方まで行い、グレンダに会ってからカヤとモモカは行動を起こすことにした。 

 

 会合の場を後にし、徒歩で家路に向かう中建物の影から昇ってきた朝日が差し、モモカの顔を照らし眩しそうに目を細め手を翳す。カヤは「あーあ おてんとうさんが上がってしまったねえ」と歩きながら大きく伸びをして空を見上げ、何かを思い出す。

 

「あ! 朝練さぼってしまったー。ラコル見に来たよねえ。来なかったから怒るかな? うにゃ~、吉田さんとこのケーキでも御馳走しようかな。うん、そうしよう」

 

 ブツブツ言ってるとモモカが、苦笑いしながら言う。

 

「呪符を飛ばして、起きたらわたしの思念波で今日は用事があるから来れないと、伝える様にしてたから大丈夫よ」

 

 それを聞きカヤは、流石お姉ちゃん気が利くねえ~ ニャハハと笑い褒める。

 

 

 さて、どうやって暗殺組織を従わせようかとあれやこれやと話しながら、まだ人通りもまばらな朝日の差すテンペストの通りを二人は、歩いていく。

 

 

 

 




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