昨夜〝
ちょうど昼を過ぎた辺りで、とりあえず昼食を取りつつカヤとモモカが作る敵対組織の説明が、ミョルマイルからグレンダに成されていたのであった。
「で、旦那。こちらが例のお二人ですかい?」
「うむ。こちらのお二方が、亜神のカヤ殿、モモカ殿だ」
「なるほどねぇ(見た目は十代後半位の亜神か……でも、アタイらとは明らかに何かが違う、これは用心しないと、ヤバイね)」
「カヤだ。よろしく」
「モモカです。よろしく」
「グレンダ・アトリー、よろしく」
「グレンダ、先程も言ったがお二人はヴェルドラ様の盟友であり、リムル様とも盟友になられた。後、ルミナス様とも懇意にされておる。そしてお二人は〝覚醒魔王級〟でもある。下手に喧嘩を売ると国ごと吹き飛ぶ故、手下の教育はしっかりな」
「ああ、わかってるさ旦那。エル様からも最初の接触時は構わないが、それ以降はお二方の事は記憶から消すように手下に厳命し、お二人には決して触らない。お二人の従えた暗殺組織については、こちらに敵対はする。しかし、その手綱はお二人にある。しかるべき時が来たらお二人はボスの座から手を引く。そういう事ですよね?」
「そうだ。表向きは〝
「怖いねえぇー 悪を狩る、悪かい。で、暗殺稼業は廃業させるのかい?」
「まさか、続けますよ。無作為に依頼を受けるのは認めないけども、他に要人警護や戦闘員派遣、小競り合いの後始末や紛争への人員派遣、色々しますよ。まあ、何でも屋みたいなものです。フフフ」
自己紹介が終わり詳細の説明を始めていく中、暗殺稼業は続けると言ったモモカの言葉に(なんて、楽しそうに言うんだ。マジに何もんだこの二人と)胸の内で毒づくも、元々テンペスト事態にとんでもない者ばかり集まってるので、まあそりゃそうだ、あの国だからねぇと納得し、自分もその一人だとは自覚はしてなかった。
そして打ち合わせが始まり、カヤが暗殺組織のアジトはどこにあったか聞いていく。
グレンダが、暗殺組織の頭は名がベゼットでかなり腕が立ち、冷酷でありながら冷静沈着な面も持ち合わせており、しかも自力で仙人まで上り詰めた豪傑でもあると言い、アジトはイングラシア王国にあり、今だ所在は掴めてないと言う。
「配下の者とのやり取りは、酒場でやってるみたいなんだが、二つの酒場までは絞れたんだけど、そのどちらでやってるのかは、まだ判ってないんだ」
「あぁそれ、二つの酒場って人の出入りは多くて賑わってるでしょ?」
「え!? よくわかったねー」
「そりゃー 小石隠すには砂利の中ってね。ウヒヒ」
「それらしい人物はどちらにも居たんだが、別段何もしてなくてねぇ。ハッキリ言って手詰まり状態なんだ。で、組織名はサイファーだ」
少し苦々しい顔で告げるグレンダにカヤは「上出来。そこまで分かってるなら、後はあたし達で見つけれるよ」にこやかに返し、「あぁ、頼むよ。地下に潜った組織など厄介極まりないからね」安堵した顔になり呟くように言葉を吐く。
「でね、その暗殺組織を掌握したら、そっちに挨拶にいくから。グレンダ、あんたは全力であたし達を殺しに来てね。手加減厳禁! あんたの能力はあたし達聞いてないから、不意打ち、数の暴力何でもござれよ。フフッ」
「それも、エル様から聞いてるけど、本当にいいんですかい? 命じられたからには、全力で殺しに行きますけど?」
「構わないわよ。殺せるなら殺してごらんなさいな、大金星よ。フフ」
「……御冗談を。そこらはアドリブと理解しましたけど。街ごと吹き飛ばすのは、勘弁してくださいよ」
「大丈夫だよ~ そんなことしたら、エル姉さんに怒られるから、やらないやらない」
「頼みますよ、ほんとに。ハアァ(クソッ! なんでこうも厄介な事ばかり回ってくるかね!……しかし、ポイントの為だ、やるしかない!)」
毎度の無茶ぶりには慣れてきたグレンダだったが、流石に今回は一つ間違うとヤバイ事に成りかねないので、胃が痛くなりそうな案件に長い溜息を吐くも、ポイントの為だといつものように割り切り、恐らくあの暗殺組織のバックに着くのはエル様だと確信する。
打ち合わせも終わり、その足でカヤとモモカはイングラシア王国へと飛翔し、快晴の空に音速突破の衝撃波と水蒸気の輪を残していく。
(頼みましたぞ。カヤ殿、モモカ殿)
二人の飛び立った空を見上げ、ミョルマイルは無事依頼達成が成される様、祈り呟いた。
イングラシア王国の酒場にカヤとモモカが出没するようになって七日目。
二人共人間に化けていて、猫耳も尻尾もなく年は二十歳位に見える様に変化していた。
カヤのいで立ちは白のTシャツに薄手の黒いブルゾンを着ていて、下はデニム生地に似たショートパンツを穿いて白いスポーツシューズを素足に履いていた。
一方モモカは、グレーのロングパーカーに下は黒のロングレギンスを穿いて、靴はカヤと同じく白のスポーツシューズを履いており、二人の服はシュナの工房製で最近では周辺諸国に流通していて、街中でも着ても目立たないと聞き、他の国にいく服が欲しいとシュナに頼み、用意してもらった服である。
もちろん依頼の件は伏せて在った。
これはリムルから絶対にシュナ達には秘密であり、洩らさないようにと言われていて、オトワの件で他国に情報を求めて行きたいと説明していたのである。
その際魔物の姿だと色々目立つので人間に化けると言い、少し大きめのサイズを貰っていた。
日が完全に沈み、イングラシア王国にある人気の酒場の一つに来ていた二人は、酒場に来ている客達の喧騒に包まれながら、焼き鳥を食べつつビールを飲んでいた。
「テンペストの食べ物や、お酒が結構出回ってるんだねぇ」
「最近はかなり流通するようになったって、シュナが言ってたわよ」
カヤは串に刺してある
「ねえ、カヤ。あんた、どうしてこっちの酒場にいると思ったの?」
「うーんとね。これ」
肉の無くなった串を口に咥えてピコピコさせ、これと言う。
「なるほどねぇ。あんたは串を使った符号と読んだわけね。確かにもう一つの酒場にも肉串はあったけど、ちょっと串が大きすぎるものね。こっちの酒場は焼き鳥用の小さな串があるから、目立たずやり取りは出来るわねぇ」
「うん。それに、モモカがあっちの酒場を張ってる時にさあ、ちと怪しい串の置き方をする奴がいたんだよ。こういう風に」
そう言いながら、焼き鳥が運ばれてきた皿に空の串を三本並べ、右端の串だけ少し頭を出して置き、五本の空串を串入れに入れると、縁に沿って五本並べて左二本だけ少し間を開けて並べ置く。
「ふ~ん……。これ、やってるわね。よく見つけたわねカヤ」
「いやー どんなに平民の振りをしても、一度でも人や魔物を斬った奴は、血の匂いは消せないからねえ。それに、冒険者とはあからさまに違う血の匂いがする男が、四人い
たんだよ。」
ここでカヤが言う血の匂いとは、服や肌に染み付いた血の匂いもあるが、暗殺者の持つ独特の気配を直感で見抜く才を、カヤは人間の頃から持っていたのだ。
そして、それを血の匂いと言っていたのである。
「それで、いたのね」
「そう。ちょうどここから斜め向こうの入り口近くに座ってる男がいてさ。他に三人匂う奴がいたけど、あそこにいた奴が一番血の匂いがしたんだよね。でさ、帰る時にそいつのテーブルをチラ見したら、串をこいう風に置いてたわけ」
「今日は来てるの?」
「いんや、来てないね。今のところ冒険者に平民に、あー あそこ。ちょうど人一人殺して来てるけど……あれは只の人殺しだわ。いないねぇ、今のところ」
「そう。じゃあ、ここで当たりという事でいいかしら」
「そだね、その内多分来るよ。どうもこの酒場は、来慣れてるみたいだからね」
その日は男が訪れず、イングラシア王国内に取ってある宿に帰り、酒場に通う事数日。
その間に酒場に来ていた客に何度か「俺達と飲まないか?」としつこく絡まれ、半切れしたカヤに、路地裏でぶっ飛ばされた馬鹿な男達が数人。
そしてその男が、酒場にやって来た。
『モモカ、来たよ。あの男だ』
『思念伝達』でモモカに伝え、カヤが酒場の奥に座る男に視線を移す。
『ふむ。 一見見ると普通の男にしか見えないけど、明らかに暗殺稼業に付いてる雰囲気を醸し出してるわね』
『でしょ。座る席も同じにならないように適当にしてるけど、暗殺者の
『あらま、ほんとによく見てるわね。何かお役目をしてる頃を思い出すわよね。フフ』
『ねえ~ 城下町に潜む暗殺者見つけ出して始末せよとか。成友の奴ほんと、無茶ぶりが酷かったよね。ウキキ』
表向きは普通に談笑してる風に見えて、『思念伝達』で物騒な会話をする二人。
トイレに行く振りをして、奥に座る男のテーブルを見てきたモモカがカヤが食べて、串入れに入れてる十本の串の内四本を皿に置き。串先が右上がりに成るように並べ、串入れに残った串を均等にぐるりと縁に沿って並べた。
『ほー 何伝えてるんだろうね。あいつ、つける?』
『ええ。間違い無さそうだから、さっさと片付けてしまいましょう』
しばらくして、酒場を出た男を、モモカが〝幻隠〟の呪符を発動させ二人で尾行していく。
「ところで、カヤ。あんた変化したことに
「いいんだよ、これは。もし二十歳になったら、これ位成長してるという事なんだからさ。そんな盛るとか、何言ってんの?」
程よく成長させた胸をポヨンと揺らし、他人事のように言葉を吐く。
「言うに事欠いてそれか、あんた……(こいつは後でシメる、絶対シメる!)」
「ほらほら、妖気を抑える。もう一人男が出てきたよ、モモカ」
モモカの額にピキピキ青筋が浮かび出ても構わずに、〝幻隠〟掛けててもそんなに妖気を漏らすとバレるよ、そう言い飲食街を歩く男から少し離れて付いて行く男が現れた事をモモカに言い、お構いなしにカヤは尾行を続ける。
だが、この一件が片付いた後、逃げる間もなく、ガッツリお話を喰らったのは言うまでもない。
二人になった男達は一軒の小さい飯屋に入っていく。
そこは三階建ての建物で、一二階は住居で、一階が飯屋になっていた。
飯屋の真向かいにある、二階建ての家の屋根に二人は腰を下ろし、しばらく出入りする客を観察する。
「あら、気配が消え、た?」
「うん、消えたね。店の者達は一般の民だけども、店の奥に微弱な魔力反応があるね」
右目の『
〝幻隠〟を掛けたまま店内に入り、裏口まで行くと。そこからも客が出入りしており、裏口を利用しても怪しまれない店であった。
「ふむふむ…… なるほどね。登録した者だけを飛ばす簡易転移陣ね。精々半径五キロ位かしらねぇ、飛ばせるのは。人間にしては割と出来る魔導師がいるみたいね。店の作りを利用して、密かに簡易転移陣を仕込んだのね」
「魔法に関しては流石モモカだねぇー 呪符使いの天才と呼ばれてただけあるよ」
「褒めても何もでないし。解析終わったから飛ぶわよ」
「あいよ(チッ! まだ怒ってるんか、さっきのこと! ヤバいな、これ終わったらどこかに隠れよう、ほとぼりが冷めるまで)」
カヤの褒め言葉に淡々と返し、取っ手に触れ転移していきカヤもブツブツ言いながら、それに続く。
二人が転移してきたのは商人達が使う倉庫街で、大小様々な倉庫が立ち並んでいた。
カヤとモモカは、辺りを見回しながら歩き一つの大きな倉庫の前に立つ。
「ここね。地下から人の気配が多数するわね」
モモカは右手の人差し指を立て、その指の上では一枚の呪符がクルクルと回っていた。
「だね。『万能感知』にも引っ掛かったよ。ふ~ん、一応隠蔽の結界を張ってるけど、人間にしてはまあまあの結界だねぇ。お! 地下入り口に見張り二人いるわ。殺す?」
「んーーバカならいいわ。多少なりともこっちの実力を見極めようとするなら、八分殺しでいいかな」
「あいよ。じゃあ変化解くね」
右手をサッと振リ、ポワッと光るとピョコリ猫耳が出てきて、尻尾がショートパンツの後ろを『空間支配』で疑似的に穴開けながら伸びてくる。
同じくモモカも変化を解いたので体格が元に戻り服が少しブカブカになったので、二人は袖を捲り上げていく。
入り口に掛けてある魔法鍵をいとも簡単に解除し、中に入り奥の大きな荷箱の前で立ち止まると、音も無く二つの影が二人の前に立ち塞がる。
「「…………」」
「へえぇ~。余計な事を口にしない辺り、いいね~ 取り合えず合格かな」
カヤがおちゃらけた物言いで言うと同時に、二つの影は動いた。
一つ目の影はカヤの胸を狙い右手に握った短剣を繰り出す。
それを右手の甲で捌き、そのまま手の甲を返し掌底突きを顔面に叩き込む。グシャリと肉の潰れるような音がし、床に影が崩れ落ちた。
もう一つの影はモモカを狙い、眼前で姿を消したかのように身を沈め、クルリと回転し左逆手に持った短剣の切っ先を横腹目掛け振り抜くも。
モモカは既にふわりと飛び、空中で側転をし影の後方に降り立つと、両手で髪をガシリと掴み右膝を延髄に叩き込んだ。
グエッ、声にならない声を上げその影も床に倒れ伏す。
「二人共男かぁ、攻撃が素直過ぎだわ」
「ねぇー 虚と実の使い方が、全然ダメだね」
「フフッ。じゃあ、行きましようか」
荷箱を開けると地下への入り口が在り、カヤとモモカは散歩でもするようにスタスタと降りて行った。長めの階段を降り地下のアジトに着くと。
そこは何部屋かに別れていて奥の大広間と思える一室からは、男八人女六人の気配があり、カヤ達が立つ隣の部屋からは、小さな気配が三つ感知できた。
「どうする? ここ先にいく?」
「そうねぇ……面倒だから先に片付けましょう」
そう言うとモモカはドアに〝幻隠〟の呪符を張り付け、部屋を認識阻害の結界で包み、おもむろにドアを開け部屋に入る。
いきなり部屋に入ってきた二人に子供たちは驚きもせず、遅めの夕食を取ってたのか皆長方形のテーブルに座っていた。カヤとモモカを見た子供達は無言で席を立ち、スーッと壁や柱など背にして腰に差した短剣を抜き、眼前に構える。
「へえ~ 後ろに回られないように壁や柱を背にするか。中々仕込まれてるね~」
「それに、思った以上に枷が外れてるわね」
「うん。あの子だけもう人殺してるわ、モモカ」
「はぁっ。早すぎるってーの。なんで、こう急いで仕込むかなぁ」
あれやこれや話してるカヤ達に、子供達の中で一番の歳上になる女の子、髪はブロンド、肩下位の長さで、将来は中々の美人になる顔付のイリアが、短剣を構えたまま、子供ながら鋭い目付きで口を開く。
「あなた達、誰!?」
(ふーん。上着は黒いチュニックに、下はロングパンツ、その上にレザーアーマーか。ふむ、レザーアーマーには一応防御結界が付与されてるな。他の二人も一緒か)
しばらく、三人の子供達を見て、その問いにカヤが返す。
「あたしら? そだね~ この組織を貰いに来たと言うところかな」
「〝
「ほおー そこまで聞かされてるって事は、一応状況把握は出来てるみたいだね」
「私達は、犬にはならない!」
「はぁ? 犬? あたし達が欲しいのは獲物を狩る、猟犬だ。従順な犬は要らないんだよねぇ」
「なにを――えっ!」
イリアが何をと言った瞬間に、カヤがほんの少し子供達に向けて、殺意を放ちぶつけた。
カヤのほんの少しの殺意でも子供達は耐えきれず、床にぺたりと腰を落としてしまう。
イリアだけは、辛うじて立っていたが膝がガクガクと震えていたが、それでも握った短剣を離さずにカヤに向けていた。
「ねえ、あなた歳はいくつなの?」
モモカが静かにイリアに話しかける。
「じゅ、十一」
「そう、十一才なのね。今まで何人殺したの?」
「七人」
「七人か、そっちの子とその子の歳は?」
「メイムは、十才。トリアスも十才よ」
「そう。取り合えず短剣を仕舞いなさいな。悪いようにはしないから、席に着きなさい」
モモカの優しいようで有無を言わせない言葉に、子供達は大人しく従い席に着く。
「えらいわね。よく、相手の力量を見極めて仕掛けなかったわね」
「お、お頭が、無闇に仕掛けては、ダ、ダメって、言われてたから」
「見た感じから、俺じゃ殺されると思った。あんたら、亜人?」
「亜神よ」
長めの黒髪を三つ編みツインテールにした、おっとり顔のメイムはおどおどしながら答え、ブロンド短髪ザンギリ頭で、目が細く少しキツイ顔のトリアスはぶっきらぼうに答えた。
そこへイリアが亜神と聞いて、不安そうに言葉を吐いていく。
「私達どうなるの? 殺されるの?」
「いえ。わたしとカヤがこの組織を貰いに来たと言ったでしょ。組織はこのまま存続するけど、在り様は少しばかり変わるかもねえ。あなた達はこのまま組織に残ってもらうし、そうね無作為な暗殺は禁止にするから、今までのような暗殺組織では、無くなるわね」
「じゃあ、もう暗殺はしなくてもいいの?」
「無作為って言ったのよ、無くなるわけではないわ。まあ、暗殺以外の事もやらせるつもりだし、そう不安になりなさんな」
「……わかったわ」
「わ、かった」
「飯が食えれば、俺はどっちでもいい」
「いい子ね。それじゃ、今からお頭とやらをシメてくるから、ここで大人しくしてなさい」
モモカは子供達に告げると、カヤと部屋を出て子供達が部屋から出ないように、呪符で鍵を掛ける。
「モモカ、あの子ら最後の枷を外すだけだけど、メイムとトリアスはいいとして、イリアは少し様子を見る? ちと最後の枷を外す前に、殺し過ぎだよ」
「ダメよ。外し損ねた者がどうなったか、乱破ノ里で散々見てきたでしょ」
「だよねぇ。あー もう、面倒なことだよー まさか、この世界で乱破ノ里でやってきた枷の外し方を、あたし達がやるなんてさ! 報酬値上げしようかな」
「やめなさい、エル姉さん怒るわよ。それに子供達も任せろと言ったのはわたし達だし」
「言ったけどもさー まさか、あそこまで枷外してるとは思わなかったしねぇ。ほんと、あほんだらどもが!」
「受けた依頼はきっちり果たしてきたでしょ、乱破ノ者だった頃は。世界が変わっても変わらないわよ。カヤ」
「あーうん、そうだね、モモカ。それじゃあ、いこうか、あほんだらどもをシメに!」
奥の大広間の前に来て、カヤはドアの取っ手に手を掛ける。
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