ヒュヒュッ
カシン! ガッ!
アルコの『
「くそおぉ! 何で俺の姿が見えるんだ! このガキがぁあああああああ!」
常人には捉えられない速度で動いてるはずなのに、背後に回って首を落とそうとククリナイフを繰り出しても、繰り出した瞬間には斬撃が防がれ、
「アルコ。あんたが動けば空気は動き、音が響き、付けてる香水の匂いでどこから来るかわかるんだ。まだ、ジュラの大森林奥にいる魔獣の方が、遥かに手強いよ」
この言葉にアルコが完全に切れ、狂気の殺意をぶつけて来る。
「お前は、楽には殺さねえぞ! 手足斬り落として、お前のボスの前で斬り刻んでテーブルに並べてやるわ!」
一瞬で間合いを詰めククリナイフをトリアスの右腕付け根上部に振り降ろすが、それを股関節を使い腰を右に回して、ダガーナイフでククリナイフを受けると同時にカランビットナイフを外側に引く様に手首をホールドして、右肘の内側にある
「いぎゃああああああ! 腕があああああああ、いだぁああああああ!」
火箸を突っ込まれたかのような激痛と、凄まじい電撃が当てられたかのような痺れが右腕に走り、握っていたククリナイフを落とし両膝を付きブルブル震える右腕を左手で押さえた。
「アルコ。ナイフを拾って、まだ終わってないんだよ」
淡々と言いながら、落ちたククリナイフをアルコの前に軽く蹴る。
「あぁぁ……ガキがぶち殺してくれるわあぁーー!」
逆上したアルコは左手にククリナイフを持つと、『加速スル者』を使い、トリアスの左側面を取る。
動く速度に付いてこれるはずがない、その筈なのに左側面を取った瞬間には、トリアスがアルコの現れる方向に向いていたのだ。
今ままで、このような状況に陥った事がないアルコは、トリアスに怒り狂った感情をぶつけ捲っていく。
「くそガキがぁあ! ちょろちょろ動くんじゃねえ! あがっーー! 何故だ! なんで俺の姿を捉えられるんだあああっ! いでえぇえ!」
最小限の動きでアルコの斬撃を
「ねえ、カヤ姉さん。何でトリアスは、アルコの動きが見えてるんです?」
「んや? あーそれね。動体視力の強化もあるけど、魔獣と遊ぶときはそれ以外の感覚も鍛えないと死ぬもの。それに、アルコのユニークスキルは、技量を磨けばかなり厄介なスキルなんだけどぉ。現状、格下には有効なんだけど、同等、格上だと割ときついんじゃないかなぁ。ようするに、今まで楽な相手しか殺して来なかったから、うーんと……あれだ、修行が足りん! だね。しっかし、このワインまっず! 熟成が足りんぞ! この肉もスパイス効かせ過ぎだし!」
(ほんと、魔獣と遊ぶとか……どんな死と隣り合わせの遊びなんだろう。 それに、敵のアジトで料理食べながら文句を付けるなんて、相変わらず自由猫娘ですこと、カヤ姉さんは。ふふ)
アネーロの問いに説明をしながら骨付き牛鹿の肉に齧り付き、ワインに文句を言いつつ料理をパク付いてるカヤを眺め、遊びで訓練ってどんな発想だろうと、思わず笑みを漏らしていた。
(そう言えば……。イリアが言ってた魔獣と遊ぶ時、いつも獣人の子? か誰かが一緒に遊んでると言ってたけど……。カヤ姉さんの知り合いだよね? 弟子? いや、弟子は取らん! って言ってたから違うわよねぇ。でも、イリアがその子には勝てないと言ってたのが、気になるわねぇ。カヤ姉さんと同じ剣術を、使ってたって……)
ふとイリアが前に口にした事を思い出し、思案してみるもカヤが言わないと言う事は、今のところは知る必要が無いと言う事ねと、思案を打ち切りトリアスに目を移すと。
もう、決着が着いていた。
トリアスの喉を突こうと突き出したククリナイフを右に躱し、カランビットナイフで左手首を引っ掛ける様に斬り裂きながらアルコの左手首を斬り落とし、左膝関節にダガーナイフを突き立てた。
「ぐぎゃわああああ! てえええぇ、俺のひだりてぇええええ! ひざあああああぁ!」
その場に両膝を付いたまま前のめりに倒れ頭を床に付け、両腕を抱えるみたいにして完全に動きを止め、呻き声だけが口から洩れていた。
「あら~ 勝負付いたねぇ。トリアス、これかけてやりな~」
カヤが
「アルコ~ まず一敗だね」
「あぁ、わかってる! くそっ――なんなんだあのガキは……」
カヤから言われた言葉に、元通りに治った左手を開いたり握ったりしながら、忌々し気に返した。
「よし。次はどっちがいくかにゃ?」
「んっ!」
横に座っていたメイムが勢いよく手を上げる。
「お! メイムいくか~ じゃあ、ちょっとこっち来てみて。アルコちと待ってろ」
「ああぁ! 好きにしな!」
アルコに待ってろと言い、それに苛立たし気に答えるアルコを余所目に、席を立ちメイムを呼ぶカヤ。
「メイム。ここ、ちょっとコツンしてごらん」
石床を指差し言うと、メイムはちょこんと腰を下ろし右拳で「えいっ」と床を軽く殴った。
ベギッ。鈍い音が響き、殴った個所が浅くへこみ無数の亀裂が走っていた。
「うーん。骨、皮膚、筋力、ここまで強化されてるかぁ。もう手が凶器だね。フヒヒ」
メイムの右拳をまじまじと見てカヤは、いいよ無手でいきなーと送り出した。
「いってきま、す」とメイムはアルコの前に立ち、右半身の構えで両掌は軽く開き、右手は眼前近くに上げ、左手は胸辺りに構える様に置く。
「しかし、メイムの喋り方さぁ。フォスと似てて、最初兄妹かと思ったよ」
「あぁ、確かにですね。でも、メイムって無手が得意なのですか?」
「うん。得物使うより、無手の体術の方が覚えが早いみたいよ」
「……なるほど。だから、訓練の時短剣を奪っても使わなかったんですね」
「そゆこと~。まあ、カランビットナイフとかも練習はしてるみたいなんだけどねぇ」
そんな話をしてる間に、メイムとアルコの戦いは始まっていた。
今度のアルコは慎重な動きで『加速スル者』を使い、見えない動きでメイムの周りを回り様子を伺っていた。
(気味が悪いな、こいつも。見えてるのか、見えてないのか……フェイントを仕掛けてみるか)
背後に回ると見せかけて、前に回りからの更に背後、そこから右横に回り延髄目掛けククリナイフを横に振るう。
残像を残す程の速度で動く、延髄への斬撃。
「みえてる、の」――ガシッ!
「なっ!」
確実に首を落とした、そう確信したアルコだった。
しかし、刃が延髄に当たる瞬間メイムが消え、その代わり自分が床にうつ伏せ状態で床に倒れていた。
メイムはアルコの殺気を読み五感を研ぎ澄ませ、匂い、空気の流れ、音、床に伝わる振動などを感じ取り、また目でも残像を残しながら動くアルコを捉えていてアルコの最終攻撃地点を読み、殺気が右横に来たと同時に身を屈め、床に両手を付いた形で海老蹴りを繰り出し、右足踵でアルコの右膝を蹴り抜いていたのだ。
(ちくしょうがあぁ……そうかそうか、俺の姿は見えてると言うわけか。ちっ、膝が蹴り砕かれてやがる。ああ、あいつはガキじゃねえ。もう油断はしねえ、全力で殺しにいってやるぜ!)
右足を引き摺りながら立ち上がると、腰のポーチからハイポーションを取り出しグイっと一気に飲み空になった小瓶を床に投げ捨て、小瓶が乾いた音を立て砕け割れた。
「ああ! カヤ姉さん、反則ですよ、反則! 自前のポーション使ってますよ!」
「いいよいいいよ、そのくらい。自前ったってそんなに持てるわけないし、精々が二、三本でしょ? どうせすぐに使いきるよ。フヒヒ」
アネーロの指摘に構わないと一蹴し、ワインの入ったグラスを手の中でゆらゆら揺らす。
砕かれた右膝の骨が再生しその場で軽くトントンと跳ね、ククリナイフの切っ先を右半身で構えるメイムに向け、刃を横に向ける。
それを見たメイムは構えを右半身から、両手を開いたまま眼前近くに持っていき、腹部を敢えて晒す構えを取り、小さく何かを呟いていく。
闇は光に、光は闇に、ワたしは闇すらも喰らうもの
ワたしは 闇夜よりいづる
無慈悲なる ものなの
ピシッ。
言い終わった瞬間に、大気を裂く感覚と共にメイムを纏う気が変わった。
「そうかいそうかい。お前もガキじゃない、何者かになるのか!? ほほぉ~敢えてそこを開けるか――面白い! 俺の突きとお前の躱す速度、何方が早いか勝負ってか? いいぜぇー 乗ってやるよ。『加速スル者』を発動したままで攻撃は、そのスピードに振り回されかねないが、やるしかないわなあー 心臓を抉り取ってやるぜ!」
バンッと床を蹴る音と共に、アルコの姿が消えた――。
「やあっ!」
凄まじい打撃音が響き、アルコは後ろにあるダートの執務室に激突していた。
(どうなった……何故俺が、ゴハッ……吹き飛んだんだ)
霞む目でメイムを見ると、右拳を縦拳にして繰り出した状態で、左肘の内側にククリナイフの刃部分を挟み取っていたのを見て「冗談だろ」と声を出し、ポーチからハイ・ポーションの小瓶を取り飲み干していく。
そう闇夜影千流の短刀や刃渡りの短い得物用の
(へぇー あれも練習してたんだ。モモカとの組手で見せただけなのに、子供はほんと物覚えが早いよねぇ。なんかそろそろ……闇夜影千流に付いては、考えないとダメなのかもな。弟子かぁ……。やっぱり一番弟子はラコルだよねぇ。いっそ、開き直って、ラコルに暗殺術仕込むかなぁ。でも、ラナ怒るよな、ダコラも……。あぁ、めんどい。けど、ラコルは、あたしの弟子になるのを諦めてないんだよなぁ。なんなんだろうね、あの頑固さは。ククッ)
教えない代わりに時々モモカとの実戦組手や自分の鍛錬を見せてただけなのに、そこから一生懸命に技を体得しようとするメイム達やラコルの姿を見て、カヤの絶対に教えないと言う心情にも、僅かではあるが変化が起き始めていた。
回復が終わったアルコが胸を擦りながら立ち上がるのを見てメイムは、奪い取ったククリナイフを石床に突き刺し、更に、柄頭をガンッと踏み刃部分全部を床に押し刺した。
それを見たアルコは舌打ちをし、ボクサースタイルに似た構えを取り、『加速スル者』を使いメイムの間合いに入ると同時に、メイムの右足脛横を狙いカーフキックを放つ。
「へし折ってやるわ! うがあっ!」
『加速スル者』を発動したままのカーフキックだったのに、それはあえなくメイムの放った右足踵のカウンターで迎撃され、ブーツの上からでも響く衝撃に顏を
蹴りのカウンターを警戒しパンチ攻撃に切り替え、素早いジャブからの『加速スル者』を使った右ストレートを、残像すらも残さない速度でメイムの顔面目掛け叩き込む。
「おそいの――」
バシッと何かを重く叩く音が鳴り響き、アルコが大勢を崩し前屈みになっていた。
「おごっ……どう、して、かはっ」
〝闇夜影千流 柔術 掌打・天墜〟の派生技、アルコの右ストレートを振り上げた両掌を重ね合わせ、脱力から一気に真下に振り落としてアルコの右ストレートを叩き落とし、振り降ろした勢いでしゃがみ込むような姿勢から、伸びあがるように体を起こし、鞭のように腕をしならせた右裏手刀でアルコの喉を潰したのである。
「カヤ姉さんを、けったの、ダメなの。ワたしは、おこって、るの」
喉を抑えながら前屈み気味になるアルコの前に来たメイムは、両掌の真ん中を少し
パーーーンッ!
「――がっぁ…………」
乾いた音が鳴り響くとアルコの両耳、目、鼻、口から、ダラダラ血が流れ落ち、そのまま床に倒れ伏してしまう。
メイム模倣技〝闇夜影千流 柔術 殺技・双破掌〟
「あらら。また、やばいもん使ったねぇ。死んだかな? うーん、二度位しか見てない筈なのに覚えたとは、子供は怖いね~」
カヤがひょうひょうと言いながらアルコの所へ行き、ツンツンと生きてるか確かめる様に突くと僅かに体が動き、「ギリ生きてるじゃん。アルコくんタフだね~」と言い、
「メイムの勝ち~」
「エヘヘ。がんばった、の」
メイムの右手を持ち、上に上げメイムの勝ちを宣言すると、はにかむ様に笑顔を浮かべポフッとカヤにしがみ付き、そのままカヤが座るテーブルまで付いて行く。
回復したアルコはその場に立ち尽くしたまま、下を向き「何で俺様がガキ如きに。何で俺様がガキ如きに」を繰り返し呟いていた。
「アルコ、降参か? それとも、まだやるかい?」
カヤの問い掛けにアルコは、「ああ、やるさ」とだけ言い床に刺さっているククリナイフを、引き抜いていく。
「じゃあ。最後、イリアいってきな~」
「カヤ姉さん。あれ、使っていいですか?」
「あれかぁ……いいよ。但し、殺しちゃダメだよ」
「はい」
カヤの了承を得て、テーブルに立掛けていた布袋の口紐を解き、中から
クロベエが打った一振りの
腰に巻いた角帯の二つ目と三つ目の間に打刀を差し、アルコと対峙するイリア。
鞘に左手を当て、鞘を帯から少し前に出し鯉口を切る。
スッと腰を少し落とし右足を前に出し、柄に軽く右手を添え抜刀体勢を取り、アルコを静かに見据えて行く。
「この世界は俺に取って、楽園だったんだがな。どんなに人を殺しても強ければ、正義だからなあ~。前の世界では、マフィアのボスの言われる通りに殺しまくったんだが、やり過ぎだって言ってな、今度は逆に俺を殺しに来やがった! そんな時だ――この世界に〝召喚〟されたんだよ。わかるか? 前の世界とは違う、この世界のすばらしさがガキのお前にわかるか? ユニークスキルすら持たないゴミ共は、俺に殺されてもなあ! 文句言えねえんだよ! ぐひゃひゃひゃひゃ! 死ねやあああっ! うげげげげ」
絶対に殺せると言う自信が砕け、元から壊れている心に住み着いていた自分の狂気に完全に心を喰われ、狂った殺戮者に成り果て、崩れ嗤うアルコの表情は、狂気そのものだった。
アルコは『加速スル者』で背後を取った――
が、その時には眼前のイリアは振り向かず、打刀の切っ先だけが向けられていた。
「あぁあぁ?」
「アルコ。あなたはとっくに喰われてたんだね、もう一人の自分に。あなたの狂気など、カヤ姉さんの殺意にすら及ばないよ。本当の闇、狂気、殺気、そして何者も飲み込もうとする殺意。あなたはその片鱗すら、知らないんだね。私の殺意は遠くそれに及ばないけども。でもね、そのほんの一部なら、見せてあげられる(いこう、もう一人の私!)」
闇は光に、光は闇に、私たちは闇すらも喰らうもの
私たちは 闇夜よりいづる
無慈悲なる もの
パキーンッ。
闇の
アルコの目には、イリアの体から湧き出た黒い人型をした霧がイリアと重なり、一つに成ったように見えていた。
「何だお前、バケモノだったのか? こりゃいい、お前も俺と同じムジナじゃねえか! しゃげげげ」
「そうなんだ。あなたには、これが見えるのね」
「ぐひゃひゃひゃー 最高だぜーーお前も、この世界もよおおおおぉ!」
歪な嗤い声を上げ、『加速スル者』をフル発動させてイリアに襲い掛かる。
心が完全に壊れた為、皮肉にも『加速スル者』を完全発動させることが出来、そして魂への負荷によりユニークスキルの技量が磨かれ、より洗練されたユニークスキルへと変わり、アルコの動く速度が明らかに増していた。
残像を纏うアルコが振るうククリナイフの斬撃を、イリアは的確に弾き躱していく。
イリアの抜刀も余りの速さに時折、チンッ、チンッと鍔鳴りの音だけが響いていた。
だが、それでも凄まじい速度で動くアルコの刃が、イリアの刃とぶつかり火花を散らしながら、徐々にイリアの頬や、手の甲を薄く傷つけていった。
「カヤ姉さ――」
アネーロが、イリアの頬から細い血が滴り落ちてるのを見て声を上げるのを、カヤは黙ったまま手で制し、口に右人差し指を当て黙って見てろと促す。
それを見たアネーロは、言いかけた言葉を飲み込み、そのままイリアに目を戻した。
トリアスからの戦いを見ていたダートは、椅子に座ったまま口をあんぐりと開け、完全に呆けた置物と化していた。
「ぐひゃひゃひゃ」嗤い声だけをその場に残し、残像が揺れイリアを斬り刻まんとアルコが迫る。
(どんなに早く動いても、あなたの動きに実も虚もない。カヤ姉さんの、神速の打ち込みに比べたら遅いわ)
イリアは刃を上に向けて腰に差した打刀を角帯の中でひっくり返し、刃を下にした形にし、鞘を左手で握り鍔に親指を掛けたまま目を閉じた。
頬をかすめる大気に突き刺さる剥き出しの殺気を感じ取り、イリアはアルコが殺そうと来るであろう方向を読んでいき、スーッと左足を引き右膝を軽く折り、短く息を吸い目を開けると――弾かれたバネの様に一気に前に飛び込んだ。
「そこっ!」
「ごえぇっ……」
イリアの前方から首を薙ごうと飛び込んだ瞬間、それより早くイリアが飛び込んで来て、鞘に刃を納めたまま角帯から打刀を突き出し、柄頭でアルコの鳩尾を突いていた。
「ぐがぁ……くそ忌々しい、ガキめぇー」
「あなたの狂気は、私が持ってた狂気より幼く、弱いわ。これはカヤ姉さんを、蹴った分よ」
言うや右逆手で柄を握り、前に出した鞘を引き抜く様に角帯に戻し抜刀、同時に刃の峰に左掌を当てそのまま上に押し上げる様に斬り上げた。
「ぐぎゃあああああ……」
けたたましい声を上げ、右胸から右肩までを斬り裂かれ、仰向けに倒れて行った。
イリア模倣技〝闇夜影千流 抜刀術 打突斬・
カヤが伊吹時政の奥義・轟龍を参考に編み出した技であり、イリアは何度か見たこの技を何度も模倣し、練習していたのだ。
イリアは無表情で倒れてるアルコを見下ろし、微かに息をして今にも息が途切れそうなアルコに、一瞬止めを刺そうと刃を突き立てようとするが……。
「はぁーっ」と長く息を吐くと、カヤの座るテーブルに行き
カヤのいるテーブルに戻り、椅子に座ると一気に気が抜けたのか、カヤにニーッと笑顔を見せた。
その笑顔にカヤが、「よく、鍛錬したね」と、笑顔で返す。
此処にアルコとの真剣勝負に挑んだ、イリア達の決着が付いた。
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