作中で使用させて頂いてる特殊フォントは、車道様作成の特殊フォントです。
ヴェルダナーヴァ が 愛した世界に迫る 終焉の時
ネコマタの 咆哮 が 世界を 覆う
大地は裂け
海は割れ
樹々は燃え
山々は抉られていき
星の
命を喰い荒らす〝憎念〟の塊に成りし生き物が
その 星を蹂躙する〝憎念〟の化け物共 を 喰らい
滅していく モモカ(カヤ)
それは
まさしく
〝
ネコマタの召喚術式の言霊が、世界に響く。
何も無い宇宙空間に、突如として表れた。直径二十キロに及ぶ隕石。
小惑星帯からの、隕石召喚術。
〝
大気の摩擦熱で真っ赤に燃え上がりながら、モモカ(カヤ)のいる大陸目掛けて落下して来る。
その落下して来る隕石に向かって手を翳し、言霊を紡ぐ。
〝超核撃魔法・
落下する隕石を包むほどの巨大な霊子の光が、荒れ狂う。
だが、ネコマタは。
「砕け、散り落ちよ!」
パンと短拍手を鳴らし、隕石を爆散させた。
完全に〝
無数に降り注ぐ隕石の破片群。
次々と大地に激突し、凄まじい火球と噴煙を巻き上げる。
一万メートル以上吹き上げられた噴煙は大気を覆い。
大陸全土に影を落とす。
モモカ(カヤ)は大陸全土を覆った噴煙を、片手を振っただけで消し飛ばした。
「埒が明かぬよのう。もたもたしてる内に、星の内部が、我が理に侵食されるぞ。モモカ(カヤ)よ」
「そうね。時間は、あまり無いわね」
ネコマタは兇気に満ちたを目を更に細め、吐き捨てるように言う。
その言葉にモモカ(カヤ)は事無げに返す。
右手に持った夜叉に魔力を込めながら、ゆっくりとモモカ(カヤ)に近づいていく。
モモカ(カヤ)は千鳥と一緒に角帯に差していた鈴蘭を抜こうとすると。
モモカとカヤに何者かが問う様に、声が聞こえて来た。
それは、ヴェルダナーヴァが生きていた頃の、古代神語だった。
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我を使いしものよ お前は 何者だ?
『なに? この声は……千鳥?』
その声にモモカ(カヤ)は、『思考加速』一億倍でカヤに語る。
『どうもこれは、あれだわね。鈴蘭……千鳥、いや、両方かしらね。カヤ、これはあんたの領分だわ』
『あぁ、確かに。あたしが、やるわ』
そうカヤは答えると。
モモカ(カヤ)からカヤ(モモカ)に変わる。
そして。同じ古代神語で、問い返す。
zgre wodj aumci
そう言う お前は 誰だ?
kiq fyu dktrbxp fyu
我は 魔剣 神をも殺す 魔剣
ああー めんどくせー お前の言葉難しすぎー
だから 今の世界の 言葉で いくわ
異論は 認めん!
よかろう して 再度 問う
お前は 何者だ?
何者ねぇ しいて 言えば ただの 魔物だ
魔物?…… これは 異なことを
お前の 魂…… いや 魂その物の変質は 魔物を超越せしもの
これを ただの 魔物とは 片腹痛いわ
なあ お前さぁ 自我あるのか?
自我? ふむ これは 俺を 作りし 名も無き魔人の残滓
その 魂の残滓が 問いかけて おるのよ
我を 使うに 値する 者かと な
へえー じゃあ さっさと あたしに 使われろよ 魔剣
……我を 使うに は 覚悟が いるぞ?
あぁ? なんの 覚悟が いるんだよ?
お前の 魂を 我に よこせ
さすれば 神をも 殺す 力を くれて やろうぞ
魔剣が あたしの魂が 欲しいとか? くくくく
いいぞ 喰えるものなら 喰ってみな
カヤ(モモカ)はそう言うと千鳥の鞘に左手を掛け鍔に親指を乗せたまま、言い放つ。
その言葉に魔剣はカヤ(モモカ)の魂を喰らおうと、するが……。
なんだ この 魂は いや これは 魂と 呼べるのか……
なに……我を 我の 残滓を 喰らって いる?
おい お前さ ただの 魔剣に 成り下がるか
あたしに このまま 使われるか 選べ
時間は ないぞ 選べ お前の 主は 誰だ?
その声は低く、それでいて静かに、魔剣に残る魂の残滓に
魔剣に残る魂の残滓は、得体の知れないカヤ(モモカ)の殺気に触れ。
あのヴェルダナーヴァとの戦いでも感じたことの無い、異様な恐怖に――屈服した。
……
我の 名を 呼べ 主よ!
魔剣の声と共に、宙に白く輝く古代神語が浮かび上がる。
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我は狂なり 乱れ狂い あらゆる神を
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喰らうものなり
kitdvcyj syrnowud jvet
我が一太刀は 全てのものを 斬るなり
kiq fyu bzxvgod
我は 魔剣 ティルフィング
「来い、ティルフィング!」
カヤが魔剣の名を呼ぶと。
腰に差した千鳥と鈴蘭が一瞬にして、魔素粒子と化し。
カヤの眼前で渦巻きながら、形を成していく。
その光景を見ていたディアブロとギィは、口端を上げにやりと笑う。
「はははっ。あの魔剣が、帰って来たか。また、この世界に」
「忌み嫌われた魔剣。その魔剣を従えますか、カヤ。ククッ」
どこか嬉しそうでいて。
それは何かを、愉しむようでもあった。
カヤ(モモカ)の十メートルまで来たネコマタは、カヤ(モモカ)の眼前で何かが形を成していくのを、右眉をピクッと跳ねさせ凝視した。
その物体は。
長く、幅広く、凶悪な姿を。
表した。
完全に剣への形成を終えたティルフィングは、ドズンと重々しい音を響かせ大地に突き刺さった。
それは、両刃の大剣。
刃長 200cm
巾 25cm
厚さ 4cm
柄長 50cm
全長 250cm
その巨大な刀身の半分を地面に埋めたまま、異様な妖気を振り撒く魔剣。
「なんじゃ、その妙な大剣は?」
訝し気に問うネコマタに、カヤ(モモカ)は事無げに答える。
「最古の魔剣だよ。お前もさ、知ってるはずだけどな」
カヤ(モモカ)の返答に、すぐ察しがついたネコマタは、忌々し気に返す。
「ぬぅ……? 千鳥と、鈴蘭か! クククッ。そうかそうか、あの
ネコマタの返しに答えず、カヤ(モモカ)は、ティルフィングの柄に右手を掛け掴むと、軽々と地面から引き抜き。
両手で柄を握り、バットを握り構えるような、左半身の八双の構えを取る。
魔剣の重量で、カヤ(モモカ)の足元が地面にめり込み、土煙を上げた。
お互いの間合いギリギリまで来たネコマタは、左足を前に出し。
右足を後ろに引き、カヤ(モモカ)と同じ左半身になる。
そこから、腰だめに刃を後ろに向けた、下段の構えを取っていく。
周囲の燃え盛る木々から風に乗り。
流れる様に火の粉が二人の前で、舞い踊る。
舞い踊る火の粉が、二人の間でふわり舞い散ると――。
二人が動いた。
カヤ(モモカ)の上段振り降ろし切り。
武骨な魔剣が凄まじい勢いで、振り降ろされた。
轟音鳴り響き、大地を斬り走る斬撃。
その斬撃を、下から斬り上げて斬撃を弾く。
弾かれた斬撃はネコマタの右を抜け。
まるで見えない巨大な獣が地面を抉りながら進むかの如く、斬り走り。
山に激突しその山を二つに割った。
瞬時に間合いを詰め、神速の連撃を放つ。
襲い来る連撃を、カヤ(モモカ)は巨大な魔剣を同じ神速で振り回し、防いでいく。
ガギイィン ガギギィイィン けたたましい刃が弾き合う音が鳴り上がる。
「うらぁあああああ!」
ドンッとネコマタに振り降ろした魔剣が
すかさずカヤ(モモカ)は、魔剣の刃の横を蹴り飛ばし。
ネコマタ目掛け横に振り抜く。
「なにっ!」
とてつもなく重い横薙ぎを夜叉で受け止めたネコマタは、そのまま横に数百メートル吹き飛ばされ。
地面に踏ん張った両足の線を描きながら、止まった。
「信じられぬな……その魔剣、何ものじゃ!?」
あの千鳥、鈴蘭とは違う異質な物に、忌々し気に吐き捨てた。
数多の魔物を斬り、鍛えられてきた魔剣は、カヤ(モモカ)が真の所有者になったことで。
更なる進化を遂げようとしていた。
「おい、ティルフィング。どうにも南蛮の剣は、しっくりこないわ。お前、千鳥に戻れるか?」
《承知! 主よ! 我は主と一つに!》
魔剣ティルフィングは残された魂の残滓を使い、千鳥の姿へと自身を再構成した。
カヤの差しだした左手に、漆で黒塗りされたかのような綺麗な鞘が具現化し。
宙に浮かぶ魔素粒子が、刀身の形を成していき、千鳥の姿を現す。
刃文が虹色に蠢き、白刃が青白い魔素粒子を漂わせる。
スーッと静かに鞘に収まると、チンッと軽やかな鍔鳴りの音を響かせた。
その光景を見ていたネコマタは、何故か一歩も動けずにいた。
(なんじゃ……なんじゃ、この胸の内に沸き上がる。我を斬り裂くような、冷たいものは……)
ネコマタは自身を苛む冷たいものに、困惑していた。
冷たいもの。
それは、カヤ(モモカ)と魔剣ティルフィングから放たれる殺意にも似た、
千鳥の姿に戻った魔剣ティルフィングに、カヤ(モモカ)は愛おしく語り掛ける。
「おかえり、千鳥。って、もう千鳥じゃないな。う~ん……そうだな、新しい名をくれてやるよ」
『あら、新しい名前を付けるの? いい名前を頼むわよ』
『え? 一緒に考えてくれないの?』
『だって、もう一振りの打刀だもの。それは、カヤ。あなたの剣よ!』
モモカの声にカヤはわかったと答え、千鳥を鞘から半分抜き、刀身を眺めていた。
虹色に輝き蠢く波紋は、まるで小さい花弁が動いてるようにも見えていた。
そして、軽く頷くと。
「あんたは、これから魔剣じゃなく――妖刀、桜華だ!」
カヤ(モモカ)が声を発した途端、千鳥は眩いばかりの光を放ち。
残った魂の残滓が、カヤ(モモカ)に喰われ一体化する。
最高潮に達した輝きが、一瞬で霧散した。
もう魔剣の声は聞こえなくなり。
そこには……。
更なる進化を遂げた――
妖刀・桜華が、あった。
その魔剣をモニター越しにリムルと共に見ていたシエルが、呟くように言った。
《あれは……
この世界に数える程も無い、神が持つとも言える剣。
(クッ……クカカカカ。ありえぬ、ありえぬぞ! 剣が進化するなど! あ奴らめ、何をしよったのか……くっ、わからぬな。まあ、よい。後少しで地脈に、我が術が辿り着く。そうなれば、我の勝ちよ!!)
カヤ(モモカ)の
更に内なる〝憎念〟を燃え上がらせ、カヤ(モモカ)と妖刀から放たれる
「魔剣がなにするものぞ! 喰われ噛み砕かれてしまえばよいわ!」
ネコマタが言うや。
カヤ(モモカ)の足元に巨大な牙を生やした口が現われ、喰った。
そのままその巨大な口は体を地面から、持ち上げていく。
蛇にも似たその影獣は、頭はコブラの様に横に広がっていた。
高さ三百メートルに及ぶ体揺らしながら、黒く細長い舌を出しながらシューッと空気が抜けるような音を出していた。
そこへ。
頭頂部に、白刃が付き出て来た。
そして、縦横無尽に刃が走ると。
細切れになった頭が、宙に舞い散った。
頭の無くなった体を、まるで紙を切るように真下に白刃が走り降りた。
真っ二つになった影蛇の体が左右に、ズズンと音を響かせながら土煙を巻き上げ倒れる。
その中央にカヤ(モモカ)が、桜華を右下に振りながら鞘に刃を納めていた。
「全くもって、忌々しい奴じゃのう。どんなに死にかけても、抗いおって。終いには、我に匹敵する力を手に入れよってからに――」
「先に喧嘩を売ったのは、お前だろ? ネコマタ」
「ふん。小娘が生意気な口を、利きおる」
「その小娘に追い込まれるなんて、どんな気持ちだ? ネコマタ」
「クカカッ その口を利けなくしてやろうぞ!」
カヤ(モモカ)の挑発にネコマタは、両目を吊り上げ夜叉を振るっていく。
金属の塊をぶつけあうような音が響き合い。
その度に火花を散らしていく。
ネコマタの一太刀が、カヤ(モモカ)の左腕を斬り飛ばせば。
カヤ(モモカ)の一太刀は、ネコマタの首を斬り飛ばす。
その度にお互い神速再生で修復し、刃を振るう。
ネコマタの連撃に、カヤ(モモカ)の連撃が返って来る。
だが、その連撃の合間にカヤ(モモカ)の殺気が消え……た。
ネコマタが一瞬カヤ(モモカ)の動きを、読めなくなった。
煌めく一閃。
何かが砕け折れる音が響いた。
〝闇夜影千流 口伝最終奥義・
殺気を消し偽ったカヤ(モモカ)の動きを読めず、夜叉の峰上から斬り砕かれ。
真ん中から折れた刀身はその凄まじい斬撃の衝撃で、砕け散っていた。
斬り折られた夜叉を呆然と見つめ。
ネコマタは、信じられないと言った言葉を吐く。
「なんじゃと……夜叉を折るなど。その、魔剣は……一体なんなのじゃ!?」
想定外の事が起こり続け、ネコマタは声を荒げ問う。
「妖刀・桜華。
「
想定外の連続にネコマタは、一億倍『思考加速』を掛け、思考を巡らせる。
(創世級に進化するなど、ありえん話じゃ、が。こう続くと、受け入れねば、なるまい。久しぶりに味おうた、この何とも言えぬ気持ち……あれ以来じゃのう。闇夜 彌恵の異界送りの術を喰らった時か……。我としたことが、少し取り乱したのう。何を恐れる事があると、言うのじゃ。しょせん、あ奴らには理は、操作出来ぬ。そろそろ地脈に辿り着く、のう。クカッ そうじゃ、勝機は我にあり! しょせん、創世級の魔剣など、恐れるに足りぬ。我が理のなかでは、な)
冷静さを取り戻したネコマタは『思考加速』を解除し、カヤ(モモカ)に不敵な笑みを見せる。
「カヤ、モモカよ。地脈への侵食が、もうまもなく始まるぞえ。ここまで頑張ったが、無駄になったのう。クカカカカ」
〝破幻ノ理・天壊兇想《テンカイキョウソウ》〟が星の表層を侵食し終え。
その侵食の手を、地脈へと伸ばし始める。
「まもなくじゃ! この世界、いやこの星ごと我が
天に向かって両手を広げ、兇気に溢れた嗤い声を響かせる。
それを見ずに、カヤ(モモカ)は……。
俯いたまま。
口端を上げ。
凍り付くような、笑みを浮かべる。
九十話を読んで頂き、ありがとうございます!
次回の更新も読んで頂けたら、幸いです。