※〝情報生命体〟、情報子とは転スラ書籍版最新刊19巻の中にある、原作の設定です。
ブラックホールが裂け、徐々に剥き出しになる特異点。
完全に剥き出しになった時に、新たな宇宙創成が始まる。
その起こってる現象にリムルとヒナタ、一部の者以外の者たちは、何が起こってるのかわからぬまま。
映し出される映像を、ただ茫然と見つめていた。
ルベリオスにいるルミナスが、横で青ざめた顔で何かをぶつぶつと言ってるヒナタに問うた。
「ヒナタよ、何が起こってるのかわかるのか?」
その問いにヒナタは、悲痛な言葉で返す。
「ルミナス様……世界が、宇宙が裂け――崩壊します」
「宇宙が裂ける!? 何だ、それは!?」
ギリッと唇を噛み締め、何とか次の言葉を振り絞った。
「今の世界ごと……現存する宇宙が、新しい宇宙へと創造されるの、です」
「と、言う事は?……今の世界も崩壊、消滅し――新たな世界が、生まれると……言う事なのか?」
「……はい。現存する生命体も、全て……消滅して、しまいます……」
「何と言う事じゃ……あれを防ぐ手立てはあるのか?」
「無理です……。あれはもう……神の領域です」
唇を噛み締めたままヒナタは……。
(お願いカヤ、モモカ。あなた達を信じてる……救って! この世界を……リムル達がいる、この世界を、みんなを!)
中継水晶球から映し出される映像に映るカヤ(モモカ)にヒナタは、心の内で叫んでいた。
テンペスト作戦室のモニターを見つめる面々は、口々にあれはなんだ? 何が起ころうとしてるんだ?など口にし。
それをラミリスが、分かり易いように説明するも。
皆、???を浮かべ。
ラミリスが「あぁーもう! なんて説明すればいいのよさ!」と半ギレを起こしていた。
「リムルよ。あれは、ちとマズくないか?」
「ああ……確かに、マズいな」
腕組みをしたまま右足の爪先で、床をトントンと叩きながらヴェルドラが言い。
リムルは思考を巡らせたまま、答えた。
そこへシエルが、状況の変化を伝えて来た。
《ありえません! ブラックホールが裂けるなど。このままだと、確実に……!? いけません、シュバルツシュルト面の崩壊を確認しました! まもなく……特異点が剥き出しになります》
『シエルさん。特異点が剥き出しになると、何が起きるんだ?』
《特異点が剥き出しになったあの領域では――あらゆる物理、魔法法則など、意味をなさなくなります》
『ははっ。まさしく、神の領域ってやつか……』
苦笑い気味に答えたリムルは……それでもカヤとモモカ、ヤエを信じていた。
根拠は無いが、三姉妹が何とかする――
そして、俺が三姉妹を助ける! と。
そう、思う事をやめなかった、諦めなかった。
しかし、無情にも――
完全に特異点が、剥き出しになった。
宇宙が白く輝く……それは、眩しくも無く、只々輝きを増していった。
《
シエルの言葉がリムルの耳に刺さるかの如く、響いた。
だがシエルは、打てる手を、一つだけ知っていた。
しかし、三姉妹がその手を使えば……三姉妹を助けられる確率は――
限りなくゼロになるのである。
ゼロではない――
それならば、シエルは絶対に諦めない。
ヤエが、カヤがモモカが、何とかする――
その事を信じてシエルは、百層の防壁破りを再開していく。
観測不可能領域。
そこは……あらゆる法則が通用しない、世界。
その領域にいるカヤ、モモカ、ヤエは一つの決意を胸に、全生命エネルギーを解放。
最終手段に出る。
まずヤエが、ビッグバンが起ころうとするこの領域を、一時的に多元宇宙内に隔離することを提案する。
そして、カヤ(モモカ)から、モモカ(カヤ)へとシフトする。
《いいですか、今から、アーカーシャの記録層にアクセスします。〝
アーカーシャの記録層。
宇宙誕生以来、全ての存在や事象、あらゆる情報が永遠に記録され続ける、神の領域。
モモカ(カヤ)はそこを見つけ出し、扉を――
開いた。
広大な次元空間の中を、尾を引きながら連綿と流れる光の粒子。
それは無限にも思える、光景だった。
モモカ(カヤ)はしばらく意識を張り巡らせ、そこから一つまみの光の粒子を掴む。
そして、そこに記録されている情報を読み取っていく。
そこに記録された膨大な情報を読み取るのに、膨大な時間を要したが……。
アーカーシャの記録層は、時間の概念が通用しない世界であり。
今この領域内は、時間が存在しない空間であったのだ。
モモカ(カヤ)がある情報から、一つの術式を構築。
それをヤエが完全制御し、術を発動した。
剥き出しになった特異点の真下に、半透明の蓮の花を模するものが現われ。
ゆっくりと特異点を包み込む様に、開いた花弁を閉じて行く。
完全に特異点を包み込むと……そこには漆黒の空間が広がるだけであった。
中継水晶の映像や、作戦室のモニターを見ていた面々は、一応に何が起こってるのかわからなかった。
ただ、リムルとシエルだけは、予測が付いていた。
『なあ、シエルさん……今のは――』
《間違いなく、多元宇宙内に特異点を隔離したものと、推測します》
『だよなぁ。ほんと、SF映画まんまだな』
《ヤエ……あなたは……》
シエルの予測した手段を、三姉妹が取ったのを理解し。
百層の防壁の暗号鍵を検索し続けながら、最悪の想定に突き進んでるのを認めながらも。
打てる手は全て打とうと、『思考加速』を無限大にまで加速させる。
時間すら置き去りにする、シエルが放つ究極の『思考加速』
そして……。
多元宇宙内のモモカ(カヤ)
『さてと、どうすんの? ここから』
『そうねぇ……。まず、あれを、どうにかしないとね』
《ですね。いつまでも隔離は、出来ませんから》
三人は、『超思考加速』を掛けたまま意見を交えていく。
《まず、あれを――もう一つの特異点で、相殺しましょう》
『はえ? どこにあるんだよ、そんなもん』
『もう一つねぇ……。うーん……』
《あるじゃないですか。うふふ 二つも!》
『二つ? ほえぇ……?』
『二つ……二つ……あぁ!』
『え? えっ?』
察しの悪いカヤが、モモカとヤエに置いてきぼりを喰らう。
そこでヤエが、ここですよと、モモカ(カヤ)の手を使い、胸の辺りをトントンと指した。
『んん?……あぁあああああ!! これかあー!』
胸の辺りのとこで、ようやくカヤもその二つに気が付いた。
〝極・超魔力縮退炉術式〟である。
ここに二つの、マイクロブラックホールがあり。
その一つを割り、特異点を剥き出しにして、ネコマタが作り出した特異点にぶつけ相殺する。
これを今からやるために、モモカ(カヤ)は胸から、マイクロブラックホールを一つ抜き取った。
おもむろにそれを割り、特異点を取り出し――
ネコマタの特異点にぶつけた。
新たな宇宙を創造させる程の次元を超えた膨大なエネルギー同士がぶつかり、その力は相殺されていく。
凄まじい時空乱流が、多元宇宙内を駆け巡る。
だがそれも、次第に緩やかになり……多元宇宙内は、静けさを取り戻す。
ネコマタの置き土産。
………………
…………
……
宇宙をも崩壊させるそれは――
三姉妹の手によって、防がれた。
モモカ、カヤに残された、活動限界時間……残り十六分三十四秒。
ネコマタの脅威は取り除いた。
しかし、荒れた大地、汚染された大陸などは残っていた。
多元宇宙内から、リムルたちがいる宇宙を……モモカ(カヤ)は見ていた。
そこで、モモカがカヤに問い掛ける。
『カヤどうする? このまま、もう一つの特異点で、新しい世界でも、創る? フフ』
少し悪戯っぽく言い、クスリと笑う。
カヤは、穏やかな声でモモカに返した。
『いや……あるがままの、世界に戻そう』
その声は穏やかでありながら、覚悟が入った声でもあった。
『そう……じゃあ、残る最後の特異点を身代わりにしましようか。それでわたし達は、完全にどこにもいない、無かったものの存在になるのだけど……いいのね?』
『うん。お姉ちゃんたちと一緒なら、いいよ。待ってるみんなには……ごめんだけど』
『わたしも、カヤとヤエが一緒なら、いいわ』
《……わかりました。壊された世界を、あるべき姿に帰しましょう。〝闇鏡静水〟の権能を利用して、回帰の術式を創造します。最後にもう一度、聞きます……本当に、いいんですね? 特異点を二人の存在確定に、使う事も出来るんですよ?》
『うん、いいよ。リムルたちの世界が好きだし。あのジュラの大森林の風景が、みんなが――好きだもん!』
『今私たちにしか出来ないなら、迷うことは無いわ。わたしの好きだった世界を、あるべき姿に――戻すわよ!』
《カヤ、モモカ……。権能、〝闇鏡静水〟を解体……成功。今から、回帰の術式を創造します!》
三姉妹の決意が一つになり、新たな……一度きりの神の領域とも言える、術式の創造が始まる。
これもアーカーシャの記録層から、手に入れた情報からの応用。
高位生命体とも言える存在になったカヤとモモカだから、出来たのかも知れない。
《あらゆる事象を切断する力を、あらゆる事象を回帰させる力に改変……成功。次に、それを触媒に、事象回帰術式の構築に入ります……代償選択。全ての事象を元に戻す代償に――我らの存在記録全ての消滅を選択……承認。事象回帰術式の創造開始……失敗。再創造開始……失敗……エンドレス……エンドレス……エンドレス……》
神々が操るとされる術式……それは想像を絶する難度であった。
無限に繰り返されるとも思える、再創造を繰り返し……何とか、完成に至った。
《事象回帰術式――〝天回円舞〟……創造、成功です!》
活動限界時間――残り……十三分二十一秒
《出来ました! モモカ、カヤ》
『じゃあ、やろう!』
『ええ、やりましょう!』
パンッ!
一際高い短拍手を、モモカ(カヤ)が一つ打つ
叩き合わせた手の平を少し離すと……そこには。
手の平の間に、黒く輝く最後の特異点が現われた。
三姉妹最後の術式が、今ここに――
紡がれていく。
ふるべ ゆらゆらと ふるべ 壊れた現世に 広がる幻世
ふるべ ゆらゆらと ふるべ 戻し 戻らぬ 現世なら
ふるべ ゆらゆらと ふるべ もとにかえろう この道を
変わらぬ 時に 帰りましょう
あるがまま そこに 変わらぬ 世界へと
帰りませい 帰りませい 帰りませい
夕日が 陰る 帰り道
事象回帰術式・〝天回円舞〟!!
パンッ!!
短拍手の音と共に、残る一つの特異点が――
両手の平に押し潰された。
モモカ(カヤ)を、時空間の嵐が包み込む。
多元宇宙内から……モモカ(カヤ)の姿が光に包まれ……消失していった。
宇宙が何重にもブレていく。
リムルたちがいる星も、何重にも重なる同じ星がぶつかり、重なり合っていく。
やがて、それらは一つとなり――
あるべき世界へと、回帰する。
静寂の中。
…………
……
まるで何事も無かったかのような、いつもの風景がそこにあった。
時間を巻き戻すでも無く、ただ、ただ、何事も無く過ぎた時間が……そこにあった。
〝憎念〟に呑み込まれ喰われた生命が、大陸が、海が、山々と樹々が、国が、村が、あるべき姿でそこに戻っていた。
〝天回円舞〟、変えられた事象を、ただあるべき姿に戻す術式。
ネコマタが居たと言う事象だけを消し去る――
究極の事象改変術式であった。
それは、三姉妹が居たという……事象も犠牲に。
何故なら、ネコマタの事象には、三姉妹の事象も重なっていたのだから。
シエルが施した対抗手段。
テンペストは全域に、その対抗手段を張り巡らせていた。
魔王達は自身の能力で抗い、それに打ち勝った。
ディアブロ達も、同様であった。
ドワルゴン、サリオン、イングラシア、ブルムンドは、シエルが、モモカの展開した結界を通じて。
主要人物だけに記憶保護の結界を、展開していた。
流石に離れた国ごとを包む結界は、いかなシエルといえども間に合わなかったのだ。
各国の眼前に広がる景色は、夕日が陰り、穏やかな秋風が吹く日常が、そこにあった。
ネコマタの陰謀は消え去り、その存在さえも……人々の記憶から、消え去っていた。
カヤとモモカは、消滅したかに思えたのだが……。
シエルは、まだ疑似魂の回廊が、辛うじて生きているのを確認して。
再度、深層意識階、百層の鍵を探そうとした時。
テンペスト近くの小高い丘に位置する所に、微かな
《これは……》
その覚えがある妖気は、カヤとモモカの妖気であった。
《
シエルが声を掛けると同時にリムルが、『空間転移』で飛んだ。
真っ赤に燃える夕日が揺れながら、存在の消えかかったカヤとモモカを。
淡く照らし出していた。
地面に座ったまま二人は、抱き合い。
残る少ない時間の中で、夕日に照らし出され、赤く映えるテンペストを見ていた。
足先から粒子化して、ゆっくりと体が崩壊していく、二人。
微かな声で、カヤがモモカの額に手を当て、呟くように言葉を綴る。
「モモカ、あの時の傷……浮かんでるね。記憶、いや魂に刻まれた、傷なのか、な」
「この傷は、大切な妹を――守った傷だもの。消えてもらったら、困るわよ。フフ」
モモカの額に当ててた、カヤの右手がストンと落ち。
そのままカヤは、地面に横倒しになる。
それをモモカが、優しく抱き起す。
「はは……また、あたしが……先にいっちゃうね。ありがとう、モモカ、ヤエ……たの……し……かっ……た…………よ……」
粒子化が腰までに達し、胸にまで押し寄せて来た。
モモカは何も言わずに、ただカヤを抱きしめて、いた。
「カヤ! モモカ!」
リムルが二人の前に転移して来た、が。
既に、消えかかっているカヤを見て、ギリッと歯を噛み締めた。
モモカも既に太腿までが、粒子化していた。
『シエルさん! 最後の暗号鍵は、わかったか?』
リムルがシエルに、百層の暗号鍵が解けたかを問う。
それに、シエルは。
《いえ。百層目の鍵は、強固にして予測不能……あらゆる暗号を想定して検索を掛けても、該当はありません。最後の鍵は十個の鍵が合わさり、一つの鍵なのです。推測ですが、お二人の古い記憶。もしくは、ヤエの人だった頃の記憶が鍵なのではと――》
『マジで厄介だな。くそっ、何か、何か、打つ手が……』
『思考加速』無限大でリムルも一緒に、暗号鍵の解読に乗り出した。
そこへシエルが、ヤエに呼び掛ける。
もう、残された時間が十分を切ってるのを確認して、ヤエに――
掛けた。
《ヤエ。このままで本当にいいのですか? ヤエ、声は届いているのでしょう?》
《シ……エル。もう、わ……》
《ヤエ! 聞きなさい、ヤエ!》
《……》
《ヤエ! 主の命を救わずして――何の〝
その声は、怒りにも似た強い口調で、ヤエの心を揺さぶった。
《シエル……わ、たしは……わたしは……》
《ヤエ、時間がありません。最後の暗号鍵を、教えなさい!》
『ヤエ、頼む! 助けたいんだ、お前たちを!!』
リムルが割り込んできて、ヤエに助けたいと訴えた。
ヤエは……。
それに、答えた。
《シ……エル。そ、れが。最後の……暗号鍵です。お願い、カヤを、モモカを……助けて! 二人は……満足しきってるの……もう、私の……声は、届かないの……》
泣いていた。
ヤエは、助ける手段を全て失い、全てを受け入れても。
姉として妹たちを助けたい……。
しかし、カヤもモモカも、全てを受け入れ――満足しきっていた。
そう、後は存在が全て消えるのを、静かに待っていたのだ。
だが、リムルもシエルもそれを、よしとしなかった。
助けられる可能性が、ゼロでない限り――
諦めないのだ!
ヤエから託された暗号鍵で、シエルは一気に百層の突破を試みる。
《……なるほど。これが、最後の暗号鍵ですか。解読できないわけです。呪歌にした、暗号鍵だったとは》
シエルが唄う様に、鍵を開けていく。
おさとのおそらは
カキッ 第一の鍵が外れた。
まっかっか
パキン 第二の鍵が開いた。
お山のカラスは
カチッ 第三の鍵が開く。
カアカアと
カチン 第四の鍵が弾けた。
ねぐらにかえるよあかのそら
カチャ 第五の鍵が開いた。
ゆれるゆうひに
ガチャ 第六の鍵が開いていった。
こだぬきが
カキキ 第七の鍵も開いていく。
トンボにせかされ
ガチャン 第八の鍵が弾ける。
おうちにいそぐよ
ガキンッ 第九の鍵が、開く。
あかのそら
ギキンッ 第十の鍵が開くと同時に。
百層の扉が開いていき、深層意識の一番深い領域を露わにする。
シエルはすぐさま百層の探索を開始しようとした時に。
声が聞こえて来た。
だれ?
あたしの記憶を 覗くのは だれ?
シエルはその声が、カヤのものだと判断し。
ある事を、リムルに頼んだ。
《主様。意識体になり、百層の探索をお願い出来ますか? ナビゲートは、私がします》
『ん? わかった、急ごう!』
リムルは、躊躇せずにシエルの頼みを聞き入れる。
存在消滅まで……残り、八分四十七秒。
リムルは意識体と言う、精神体で構成された器に自分の意識だけを移し。
カヤの深層意識層、百層の記憶を、シエルのナビの元駆け巡る。
目まぐるしく変わる、カヤの記憶。
三歳の頃に。乱破ノ里に来た記憶。
四歳、五歳、六歳と、幼いながらも訓練に明け暮れる日々の記憶。
リムルは記憶の海を泳ぎ、カヤとモモカの思いの原点を探る。
七歳、モモカが額に傷を負った、あの時の記憶。
『つっ! 何だ……この痛みは……』
意識体であるリムルの胸に突き刺すような感覚が、襲った。
心の痛み、カヤが泣いている、痛み。
《
『大丈夫だよ、シエルさん』
凄まじい感情の揺れがリムルを襲ったのを感知して、シエルが声を掛けるも。
リムルは「大丈夫」と返し、更に百層の奥深い処へ潜っていく。
八歳、九歳、十歳……十三歳の成人の儀の記憶。
そこからは、刺客姉妹として生きる日々の記憶。
それは凄惨であり、過酷でもあり、今のリムルなら受け止め直視できても。
三上悟であれば、到底受け入れらない記憶の光景だった。
奥へ奥へと潜るリムルの受け取るイメージ映像が、次第に周囲の明かりが暗くなり。
光の届かぬ深海の底みたいに、一切の光が消えた。
漆黒の闇が広がる、奥底へと辿り着く。
だが、漆黒の闇に力なく、か細い光を放つ記憶の玉が、ぽつんと宙に浮かんでいた。
その玉の近くまで行き、リムルはそっと両の手の平で柔らかく包み込んだ。
カヤ――
十六の時の記憶。
リムルの意識層に飛び込んでくる、カヤの記憶。
少し蒸し暑い夜の静寂。
ふわりふわり、飛び交う蛍の群れの光りに、時折映し出される人影がいた。
蛍の光と月明かりに浮かんだ影は、カヤとモモカだった。
お役目を終え、小さな小川で返り血を洗い流している、二人。
返り血を洗い終わった二人の会話が、聞こえてくる。
『もう、消えちゃおうか、二人で』
『百佳と一緒なら、いいよ』
そっと抱き合う、二人の姿。
小さく聞こえてくる――
次の言葉。
おまじないを掛けようか? とモモカがカヤに問い掛ける。
カヤは「うん」と答え。
モモカが二枚の符を取り出し、
『わたし達は、ここにいるけど、ここにはいない、でもあなたとは、ここにいる、たとえ輪廻の輪を外れようと、あなたとわたしは共にいる、幾千幾万越えようとも共に居たい、そしてここにいたい』
符から、小さい薄紫の光る玉が現れ二人の間で二つに分かれていき。
細い揺らめく光の紐で、繋がっていった。
一つはモモカの胸に、消えるように入り。
同じくもう一つはカヤの胸に、入っていき。
二人が揺らめく光の紐で繋がったように見えた瞬間、霧散して掻き消えた。
《!? これ……は、見つけましたよ!
カヤとモモカが魂で繋がり、共に生き、共に消えたいと願った思い。
その原点の術式が、ここに存在していた。
二人の強い思いが互いを結び、縛り付けた術式……。
すぐさまシエルは、その記憶に存在する術式を回収。
凄まじい速度でリムルと共に、現実世界に帰還する。
そして、シエルは持てる全能力を解放した。
凄まじい速さで回収した原点の術式を解体。
此方側の魔法式と組み合わせ、シエル独自の術式を構築し始める。
存在消滅まで……残り、五分二十五秒。
『思考加速』無限大を掛けたリムルとシエルとは別に、別の時間枠を構築した呪いは、無情にも命の時間を刻んでいく。
シエルは、この理の外にある時間軸に接触する為に、無限大にまで加速させた思考で、その領域に無理やりに自分達を接続していたのだ。
そう、この方式でないと、カヤの深層意識層には触れられないからだ。
たとえて言うなら、あの世とこの世の境目にあるのがカヤの深層意識であり、その領域を形成しているのが、二人に掛けられた呪いでもあった。
矛盾する時間の流れ。
この呪いは、リムルとシエルの『思考加速』ですら、強制的に現実世界の時間とリンクさせていたのだ。
だからシエルは、『思考加速』無限大を使いながら、思考加速をリセットされ現実世界の時間とリンクさせられた瞬間に、『思考加速』無限大を停止、再起動させていた。
これらを繰り返し、疑似的にほんの少しづつ時間を遅らせていたのだ。
時間との闘い。
そう呼ぶに相応しい、呪いとの戦いであった。
そして。
《
『わかった! まかせろ、シエルさん!!』
シエルの言葉にリムルは力強く答え、カヤとモモカとの関係が深い者達に『念話』を飛ばす。
『急な報告ですまない。ネコマタの脅威は、二人が退けた! でだ、二人の存在が今、消滅しかかってるんだ。時間が無い、何でもいい、カヤとモモカに呼び掛けてくれ! 頼む、二人を救いたいんだ。みんな、力を貸してくれ!!』
リムルは胸まで消消滅したカヤを、腰まで消滅したモモカが、満足げな表情で抱きしめてるのを見て、「いくな! まだいくんじゃない!」と叫んだ。
『念話』中継の接続を二人に済ませたら、すぐに最初の声が届いた。
『カヤちゃ~ん。あの契約はまだ、途中なのよぉ。分かってるわよねぇ? 千年位は待ってあげるから、ちゃんと帰って来るのよぉ~』
エル姉さんの声に、カヤの閉じられた瞼が、ピクリと動く。
『モモカ。注文されたドレスの、仮縫いが終わりましたよ。一度合わせてみたいから、工房に来てくださいね。お待ちしてますよ』
シュナの優しい言葉が届く。
モモカのカヤを抱きしめる、右手の指が、ピクリと跳ねる。
『モモカ。あなた私に貸しがあるのを、忘れてないわよね? 冥界だろうと、異世界であろうと、きっちり回収にいくわよ』
テスタロッサの言葉が届く。
極寒の冷気が刺さるかの如く言葉であったが、その言葉に恐怖は微塵も含まれてはいなかった。
『ククク。あなた達、何しているのですか? 殺しますよ? 我が眷属の子、醜態を晒すような真似は、許しませんよ』
カヤの眉毛がピクンと跳ね動く。
『ほんと、ディアブロは辛辣だねぇ。あぁ、そうそう。君達、魔王にならないならそれはそれで、いいんだがよ。一度オレのとこで、それについて話そうか。バックれんじゃねえぞ!』
ギィの有無を言わさない言葉。
『ギィよ、そんな事はどうでもいいのだ! カヤ、モモカよまた手合わせして、遊ぶのだ!』
ギィの言葉に茶々を入れながら、ミリムが天真爛漫な声で呼び掛ける。
『モモカ、カヤ。
時折ルミナスの所へ、遊びに来てた二人。
その時に、人間の頃の話をよく話していた。
二人の話しにルミナスは、自分の生きて来たこれまでの話や、体験談を二人によく聞かせ、教えていたのだ。
『ねえ、カヤ。あなたにまた体術の教えを請いたいと、若い騎士団員が言ってるのよ。お願いするわね。モモカ、あなたに小剣の手解きを願う者が多いのよ。今度、頼めるかしら? じゃあ、待ってるわね』
ヒナタは、さも日常的に交わす言葉で語り掛ける。
二人に深く関わった者達からの言葉も最後を、迎えようとしていた。
ネコマンマ商会からは、ラコルが代表で言葉を送って来た。
『カヤお姉ちゃん、モモカお姉ちゃん。お家掃除して、待ってるからね。ネコマンマ商会のみんなも、帰りを待ってるって! イリアも、メイムも順調に進化の眠りについてるよ。それとね、トリアスがね。今度二人に話があるんだって、聞いてあげてね! それとね、それとね、いなくなっちゃ嫌だからね! 捜しに行くんだからね! どこまでも……どこまでも、いくんだからね!!』
最後は涙混じりの鼻声で言うも、ラコルは言い切った。
『あんたたち、早く帰って来なさいよね。色々と話したいことが、あるのよさ。あの宇宙で起こった事とか。あんたらが使った、術式とか、詳しく聞きたいのよさ。お茶を用意して待ってるからね!』
ラミリスが照れ隠しに、起こった事の説明が聞きたいと誤魔化し言う。
残るは――
腕を組んだまま、じっとモニターを見ているヴェルドラを、作戦室にいるベニマル達が見ていた。
その視線に気づいた、ヴェルドラは。
「わ、我?」
自分を指差し、問うと――
皆が一応に頷いていた。
「ぬ……うむぅ……」
まさか、自分も言うとは思ってなかったヴェルドラは、頭を捻り。
何と言うか、迷いに迷っていた。
(……こういう時は、何を言ったらよいのだ? 思いつかぬ……ぬう……まあ、また手合わせをとか? いや、違うな。ぬぅ)
そこへリムルから、『思念伝達』が飛んで来た。
『ヴェルドラ。お前が思ったことを、言えばいいのさ。簡単だろ? ククッ』
『そうは言うがな、リムルよ。……思ったこと……か』
そう言われて、ヴェルドラは、『空間転移』でカヤとモモカがいる、丘へ飛んだ。
リムルの横に立つと、腰を降ろし片膝を付くと、消えかかっているカヤに、言葉を……掛けた。
「カヤよ、あの時言ったな。我ならば、共に歩き共に戦う者が良い、と。ならば――我の横に並び立ち、共に歩き、共に戦うことを許す……いや、共に行こうではないか。この、テンペストの未来を、共に見ていこうぞ!」
立ち昇る魔素粒子の中、カヤが閉じた目を開け。
少し笑った顔で、唇を動かした。
何と言ったかは、他の者には判らなかったが、ヴェルドラはそれを見て、にかっと笑い立ち上がると、リムルの横に並び立った。
最後にリムルが二人に、言葉を投げ掛ける。
「カヤ、モモカ。帰ってこい、みんな――待ってるぞ!」
すると、モモカが顔を上げ、口を開いた。
「ありがとう、リムル。でも、テンペストの未来は、この世界の未来は……救えたから。もう、満足なの。刺客姉妹だった、わたしとカヤが。こんな凄い事、出来たんだもの。未練は、ないの」
「未練? そんな事どうでいいんだよ。他人の犠牲の上に、テンペストの未来は――あってはならないんだよ!」
「フフ。優しいのね、リムルは……皆が、あなたを、慕うはずだわ。わたしとカヤは、あの日……この世から消える事を望んだの。それが……やっと、叶うの。だから、リムル……わたしは、満足なのよ」
モモカの言葉にリムルが何か言おうとしたら、カヤが最後の力を振り絞り、口を開く。
「リムル。あんたが見た、あの記憶。あれが、あたしとモモカが、本当に望んだ願いなんだ。もう、いいんだよ、これで。ありがとう、ね。リムル」
穏やかな微笑みで、言葉を投げた。
それにリムルは……一度大きく息を吐き、すっと穏やかながらも、威厳のある魔王の顔付になる。
「ああ、お前の記憶層で見て来たから、知ってるよ。だが、それがなんだ? 人間の頃も含めて、今のお前たちがあるんだろう? 今のお前たちには、何物にも代えられないものができたろ? だから、 ここに、居ていいんだ! この世界が、テンペストが今のお前たちの――居場所なんだよ!」
全てを受け入れ、それでもいていいと言った、リムルの言葉。
カヤとモモカを縛る、最後の鎖。
それは、魂を縛る、〝呪鎖〟。
縛られた者は願いが成就すると、抗うことなく、全てを受け入れる呪い。
それがリムルの言葉により、断ち切られた。
カヤとモモカの魂を縛る〝呪鎖〟が、音も無く崩れる様に消え去っていった。
溢れる涙。
カヤとモモカの頬に大粒の涙が溢れ、落ちて来る。
「なあ、カヤ、モモカ……帰ろう、テンペストに!」
夕日がジュラの大森林を染め上げ、心地よい秋風が吹き抜ける。
水色の長い髪が秋風に、ふわりと舞い踊り。
金色に輝く優しい瞳で両手を広げ、カヤとモモカに微笑みながら、リムルはそっと言葉を送った。
その姿は……。
〝幼き頃に見た、予知夢の光景〟が――
ここにあった。
モモカは涙を流しながら、リムルに向かって手を伸ばし。
カヤもまた、流れ出る涙もそのままに、残った右手をリムルに向かって差し出す。
「「リムル――ここに、いたい!」」
「おう! まってろ」
カヤとモモカの意識が、此方側に向いた。
同時にシエルの声が、リムルに飛び込む。
《
『おう! やるぞ、シエルさん!』
ヴェルドラは、何かを察し。
リムルから少し離れた位置に、体を動かす。
シエルから、送られてくる術式をリムルが発動する。
巨大な魔法陣が地面に浮き上がり。
その中心でリムルがパンと短拍手を一つ鳴らすと、魔法陣を囲むように、赤い鳥居が虚空から現れる。
《二人の存在情報は、もう――この世界、この領域には存在していません。ですが、アーカーシャの記録層にアクセスした痕跡が、まだ残っています。それを辿ります》
『アーカーシャの記録層だと……? もしや、アカシックレコードのことか!?』
《はい、それで間違いありません。神の領域である、アーカーシャの記録層の記録までは、
神の領域である、アーカーシャの記録層がその扉に到る痕跡の一切合切を消しに掛かった。
だが、シエルは――。
《見つけました! 転写開始……成功しました。
『まかせろ!』
リムルが言霊を紡ぎ始める。
フルベ ユラユラト フルベ 幻世に在りし 二つの
フルベ ユラユラト フルベ なんじは ここには いない
フルベ ユラユラト フルベ しかし そこにはいる
フルベ ユラユラト フルベ されど どこにもいない
うつろい たゆたう 記憶の
我は願う 汝らの 姿を 強く 強く
我は祈る 汝らの 記憶が 現世に在る ことを
我は知る 汝らは ここに いると
そこにはいるが どこにもいない されど 我が手は 汝の手を掴む
かくして 汝は ここへ もどる
フルベ ユラユラト フルベ 二つの 御魂を 今ここに!
パンッパンッ!
短拍手が二つ、鳴り響く。
「存在確定術式・〝転写天翔〟」
術式名を声高らかに、読み上げる。
パンッ! 短拍手一つが鳴り、地面にある魔法陣と対を成す魔法陣が上空に現れ。
上空にある魔法陣は徐々に高度を下げ。
やがて、地面の魔法陣と重なり合った。
世界の言葉が響き渡る。
《〝情報生命体〟個体名 カヤ、モモカ両名の存在が固定されました》
《これにより、情報生命体としての個体は消失》
《〝
《再登録完了確認……今より転生の為、輪廻の輪へと転送……拒否されました》
《再転送……拒否されました》
《再……拒否……拒否……拒否……再……拒否……拒否……》
ヤエが世界の言葉に抵抗して……・
《個体名・カヤ、モモカの魂は、輪廻の輪外周で待機……承認》
カヤとモモカは、存在確定して、この世界の新たな生命となった。
その為に一度輪廻の輪へ送られ、再び転生して来るのだが。
二人はそれを拒否して、何故か輪廻の輪の外で待機と言う形を取った。
何故なら、以前クロエが言った、やっと辿り付いた未来軸と言った言葉。
ヤエが、もしこのまま再転生して、ミカエルとの戦いに手を貸したら。
テンペストの未来が変わるかもと、二人に言い。
カヤとモモカも、それに同意した。
それでなくとも、干渉してきたのだから、ここは一度様子を見ようと。
三姉妹は、決断したのだ。
それにヤエが、リムルが近い内に時空をも操れる存在になると言い。
その時に、冥界に流れる輪廻の輪へ迎えに来てもらえばいいと、言ったのだ。
理由は――
ヤエが、カヤの体を借りてる時に見た、予知夢だった。
その旨をリムルに話すと、リムルは笑いながら快く了承した。
「そうか……。なら、その時に迎えに行くから。しばらく、待ってろ」
「うん、待ってる。輪廻の輪の外で」
「ええ、待ってるわ」
段々と体が薄れて、魂だけの姿になりつつある、カヤとモモカ。
「でね、一つ頼みがあるんだけど、いい?」
「なんだ、カヤ?」
「あたしとモモカの依り代になる、体を作ってほしいんだけど、いいかな?」
「ああ、お安い御用だ! とびっきりの依り代の体を作ってやるよ!」
「やったー! でね、骨格は
「カヤ――盛ったら、殺すわよ」
「えっ?」
「はははっ。わかったわかった。なるべく、体形はご期待に沿うよう作るよ」
そんな話をしてると、二人の体が完全に消滅し、魂だけの姿になる。
宙に漂う、薄紫色の小さな小さな、二つの魂。
『ヴェルドラ、えーとね……またね!』
『うむ。またな! おぉ、そうだ。トク爺とやらが作ったドブロクは、まだ残してあるぞ。帰ってきたら、一緒に飲もう!』
『うん、飲もう!』
『リムル、本当にありがとう。わたしたちの居場所、テンペスト……帰れる場所を、作ってくれて――ありがとう! それじゃあ、またね!』
『おう、またな!』
ゆっくりと、天に向かって二つの魂は昇り始めていく。
《シエル、本当にありがとう。この恩は、いずれ――》
《ええ、帰還したら。色々と手伝ってもらいますよ。それでは――その時まで》
カヤとモモカが、輪廻の輪へと至る前にラコルへ『念話』を送る。
『ラコル。家の掃除頼むね。それから、桜華はラコルが預かっててな。ちゃんと桜華に言い聞かせてるから、大丈夫だよ』
『はい、カヤお姉ちゃん。帰るのを待ってるね!』
『ラコル、みんなへ『念話』の中継をお願い』
『はい、モモカお姉ちゃん……出来たよ!』
『みんな、しばらく留守にするから、よろしくね。ベゼット、あなたがしっかり皆をみてね。頼むわよ。それから……』
モモカの皆への言伝が終わると、最後にラコルが締めくくった。
『ではネコマンマ商会一同から、姉さん方へ。いってらっしやませ! 早きのお帰りを、お待ちしています!』
『『いってくる』』
その言葉を合図に、二つの魂は虚空に消え。
輪廻の輪の外へと、辿り着く。
ふわりふわり、漂いながらカヤが欠伸の真似をする。
ふあぁあー 疲れた ちょっと 寝るよ
ええ わたしも すこし 寝ようかな
ふふ じゃあ、私も寝ようかな
輪廻の輪の外を二つの魂が、寄り添いながら、淡く、淡く、点滅していた。
その光は、優しくて、温かくて、仄かな光り。
ここにカヤとモモカ、ヤエの時空を超えた一つの旅は終わった。
しばらく休んだ後――
また新たな旅が始まる。
その時まで、三姉妹は寄り添いながら……静かに眠る。
カヤとモモカが輪廻の輪の外へと昇った、数日後のテンペスト。
ミカエルが本格的に動き出した情報がリムルの元へ、届いていた。
ラミリスの研究室にある、二つのポッド。
その中は、液体に満たされ。
二体の人型の依り代人形が入っていた。
「リムル、これ。カヤが騒ぐわよ。胸が小さいって」
「いいんだよ、これで。ちゃんとカヤの記憶に基づいたサイズだからな。くくっ」
リムルは笑いながらポッドに手を翳すと、低い機械音を立てながら、二つのポッドが床へと収納されていった。
「さてと、いくか」
「リムル、気を付けるのよさ」
「ああ、わかってるさ。ラミリス」
そう答えると、キッとなった顔付で研究室を後にして。
ミカエルとの戦いに赴いていった。
ミカエルとの戦いに、勝利し。
新たなる敵をも、打ち倒し――リムルは、全ての戦いに勝利した。
そして……時空を超えて、リムルが二人を迎えに行く日が来る。
ここら先の未来は誰にもわからない。
それは今から、カヤとモモカ、ヤエがまた……新たに紡いでいくのだから。
テンペストにまた、秋が来て、心地よい風に髪を揺らす、ネコムスメ姉妹。
モモカ、ヤエ、いこうか!
ええ、いこう カヤ、ヤエ!
いきましょう! カヤ、モモカ!
f i n
これでネコムスメ姉妹の物語は、お終いです。
二年に渡る連載を読んで頂きました読者の皆様に、感謝の念を。
今までのご愛読、本当にありがとうございました!!
それでは皆様。
次回作もまた、読んで頂ければ幸いです!