いい加減スターウォーズの二次が読みたいから書いたスーパースターデストロイヤーチート母艦をもらったはいいものの使い道のない商人系主人公の話   作:虚ろな星屑

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ディズニーに喧嘩売る気はないけど経済考えろとはいいたい。

「この宇宙で最も力を持っている者は何か」

 

Chapter A01

資本主義の導き手

 

世は混沌の時代、全銀河に共和国の威光が輝き、そして陰りゆく時代。

徐々に悪化する経済と金利という環境の中、商人たちが少ないパイを奪い合った時代。

 

彼女は生まれ落ちた。

240の銀河通商団体と7つの私有星系をまたにかける交易商人の下で生まれた彼女は家庭を顧みない父親とブランド品と宝石にしか興味のない母親とは引き離され、祖父母とその使用人たちの下ですくすくと育っていた。タブンキットメイビー。

 

そして銀河のスケールでは本当にわずかな時が過ぎ、彼女は共和国首都星、コルサントに私有する衛星リゾートからの帰りに銀河海賊によって攫われ、銀河の辺境、タトゥ星系まで輸送された。

 

そのころ、ジェダイの騎士2人とナブーの女王が船の損傷によりタトゥ星系に向かっていたのだった。

 

(やらかしましたわね)

襲撃中侍女と入れ替わることに成功した私は、輸送船の中で暇を潰していた。

死んでも死なないような使用人集団の中でも随一の実力者と成り代わったのはいいが、逃げ込んだ先が不味かった。

 

賊の輸送船の中。見つかった私は拘束され、おとなしく輸送されることとなった。

薄暗い部屋で違法薬物と我が家の運営する豪華宇宙客船からの略奪品に囲まれ、腕を縛られている。

殺さなくてよかったわ。

 

「追跡を輸送船の探知圏外から行ってはいます、お嬢様、どうかご無事で」

常に身に着けている通信機の通信可能範囲内である超銀河団5つ分の直径よりは離れていないが、それであってもかなりの距離を置いているのだろう、表示される遅延がひどい。

「ありがとうメア、とはいえどうしたものかしらね」

メアは私の最高機密。

それはそれとして今後を考える。

 

軌道の逆算を終えているので目的地は知っている。

タトゥ星系、銀河の辺境。有人の惑星は1つしかなく、銀河共和国の影響もほぼ及ばない。

そしてその有人惑星タトゥイーン。コレがこの船の目的地。

通称、秩序なき犯罪者と貧民の星の中で57番目の星。

密輸、奴隷売買、殺人、こんなものは序の口なのだろう。

 

銀河の犯罪はその99%が辺境で行われるという言説にはとても説得力があるものの、そもそも辺境自体が銀河の99.999%を占めているのだから当たり前の話ではある。

といっても、共和国首都星ことコルサントは人口比でいえば全銀河の0.5%なので一概に言えたものではないが。

もうちょい土地安くして欲しいところですわ。

文字通り星の数ほどある星々に棄民しろほんと。

もちろんどの星も難民はNGでしょうけど。

 

まあそもそも、共和国千年の間に、もはやありとあらゆる星で種族間の軋轢が存在する訳ですが。

いったいどんな衆愚政治をしたらこんなことになるのやら。

 

こんなどうでもいいことを並行して考えていましたけれど。

実際のところ地上に降りることができたならあとはどうにでもなるのですわ。

いくつかのシークエンスを確認しながら計画と照らし合わせる。

まあ、おおむね事前の回収計画通りに進んでいるとみていいでしょう。

 

「お嬢様、A01事態になりました」

A01事態、当初の回収計画に重大な問題が発生したという暗号。

 

「どうしたのです、メア」

すさまじく嫌な予感を感じつつ報告を受ける。

 

「ジェダイです」

 

ジェダイ、銀河共和国で1000年も護廷十三隊やってるヤベー奴ら。

 

「はぁ!?ってヤバ」

急いで通信機を隠す。

あまりの情報に大声を出してしまった。

「おいガキ、何を騒いでやがる」

 

案の定気密ハッチが開き、賊の一人が出てきた。

「い、違法薬物が」

 

震えながら薄暗い部屋に積まれた箱の1つを指さす。

これはおしとやかな侍女そのものですわ。ウチにも欲しい。切実に。

「あ?おい積み荷開けるなよ、売り物にならなくなるじゃねえか」

 

そもそも腕縛られてるんで、あけるのは不可能なんですが。

というか箱入りの侍女が違法薬物のマーク知ってるのはスルーですかそうですか。

あ、でもウチのはみんな知ってそうですわね。今度聞いてみましょう。

 

「いえ、あの、マークが」

「マークだぁ?ああコレただの箱だから、中身食料だから」

 

マジでか。

あれ再利用するのか。税関で見つかったら一発アウトだぞ。

まあ記憶上税関チェック受けてないからすり抜けられるんだろうけど。

 

「え?まさかこれ食料なんです、か?」

おっと、やっべお嬢様言葉出掛けましたわ。ちょっと間を置いてごまかしたけど。

 

「いや、半分は本物だけどさぁ」

お兄さん。生憎なんだけど、その顔で凄んでもちっとも怖くないんだ。ごめんあそばせ。

 

「ひっ、いやあああ」

まあ乗るのですけれど。

 

「だから騒ぐなっての、全くガキはこれだから、ま、同情はしてやるがな。フフ」

というかあなた結構嬉しそうにしてますわね、笑いこらえきれてないし。

これは恐がられた経験のない三下特有の喜びとみた。

どんだけ普段から悪になり切れてないんですの。

日ごろからお嬢様なり切ってる私を見習うべきではなくて?

絶対違法薬物の運び屋の性格じゃないですわ。

まあそのおかげで命拾いしたからいいけど。

 

「さて、ほら、少し早いが食事だ、じっとしてろ」

運び屋のお兄さんが軍用携帯食料らしきものをそのへんの違法薬物の箱に置く。

お兄さんは食事のため腕の縄を解いてしまった。いいのだろうか。

 

「あ、ありがとうございます」

というか大丈夫?変じゃないかしらこの応対?

『絶対できる!侍女になりすまして無事に捕虜になるための108の方法』に載ってたやり方だけど。

あまりに展開が一致していて怖くなってきましたわ。

ほんと共和国の出版界は何でも売ってますわね。お世話になっております。

 

「じゃあな。おとなしくして、あんまり騒ぐなよ」

どこまでもダークサイド堕ちに向いてないですわね。なんですのその陽キャスマイル。

そのおかげで怪しまれていないようだからいいけど。

 

気密ハッチが閉められて数十秒。

 

「.........いったか」

お嬢様はため息を吐くわけにはいかない。

 

「見事な演技でございます、お嬢様」

隠しただけで繋がってはいたので会話を再開する。ちょっと小声で。

 

「で、ジェダイがどうしたというのです?」

ジェダイ、銀河共和国の長い歴史の中で、その存在は常に語られてきた。

 

聞くところによると戦艦のブラスターキャノンを跳ね返すとか、大陸を引っ張ったとかいう逸話があるらしい。

いや、ねーですわ、(人間じゃ)ねーですわ。

まあこの宇宙、文明を構築するレベルの知的生命体は人間だけじゃないけれど。

 

「先日、共和国ネットワークから現在我らのライバルである通商連合によって経済封鎖を受けている惑星ナブーにジェダイが派遣されたという未確認情報がありました」

ライバルである通商連合の気持ちもわからなくない、でもあいつら搾取しかしないのですから、まあ自業自得の因果応報ではなくて?

とか思ってましたわね。

 

バカめ。なぜ私にもあの厄介者集団が降りかかってくると想定して無かったんですの。

 

「知っているわ、リゾートのスパの最中に報告を受けたもの」

あれは気持ちよかったなぁ。今度またいこう。

 

「現在我が艦に補足されている艦船の1つがそのナブーのロイヤルスターシップです。しかも、護衛機がありません」

米国エアフォースワンの事例に倣い、国家の代表船というのは基本直掩が付くのです。

しかも国家の中でも凄腕の護衛が。通常は。それを連れていないということは。

 

「ああ、なるほど。おおかた王女様でも連れている途中なのね、こんなルートを通るなんて逃亡中にしても奇妙だけど」

逃避行かぁ。

最終目的地はまあ、私がついこないだまでいたコルサントですわよね。

議会の構成員だったはずですし。

 

「おそらく、しかし行先はお嬢様と同じく惑星タトゥイーンであると推察されます。航路がほぼ直線コースですので」

とんだ寄り道ですわね。

この宙域で直線コース?なら既に追手は撒いているのだろう。

 

「なぜ?ハイパードライブでもぶっ壊れたのかしら」

周辺の諸惑星に包囲網は敷かれてるからここで手に入れるしかないって感じですか。めんどくさいなぁもう。

 

厄介事のあるところジェダイあり、銀河商人として最初に叩き込まれる言葉である。

そしてそれは何かしらの意図を持って派遣されるヤツらは厄介事を引き連れる集団になり果てるということと等しいのですわ。

 

「その推測はほぼ正しいと思われます」

船の修理にはカネがかかる、駆け出しの銀河商人が直面するお約束の問題。

カネといってもタトゥイーンは共和国を構成してる星ではないからろくに通貨も使えないはずだけど、どうする気なんだろう。

 

マジで統一されてない統一通貨とかいう制度滅んでほしいですわ。滅ぼす気はないけれど。

 

「はぁ、とんでもない厄介ごとに巻き込まれるんじゃないかしら」

というか揉め事抱えてるとすれば通商連合でしょう。

万一にもその手の連中に身柄を確保させて差し上げるわけにはいきませんわね。

 

「星単位であればそこまで言い切れないかと思いますが、お嬢様の勘はよく当たります」

星なんて狭いものよ、特に商人にとってはね。

 

「仕方ないわ、先月建造を完了したアレを用意しておいて」

使わないにこしたことはないけれど。

これ以上の想定外は許容して差し上げられませんの。

 

「よろしいのですか?」

ああ、お披露目セレモニーで盛大に祝ってあげるつもりだったのに。

今後通商連合向けの取引それなりに邪魔してやりますわ。

 

「ほかにどうしろというのよ。その旗艦で出撃する気?」

こんなことにあなたの力をふるうわけないじゃない。

 

「それで構わないと思いますが」

メア、あなたはいつもそうなのよね。

 

「私は困るのです。なんせ商人が持つには過ぎた力なのだから」

今回出撃させる船もそれはそれで過ぎた力ではあるけれど。

まあ、1つくらい増えても問題ないものだし。

 

「そのまま全宇宙を支配なさればよろしいのでは?」

もう、あなたはそうあれと生まれたわけではないのだから、もう少し自由を学ぶべきね。

 

「イヤよ、メア、あの共和国を見なさい。こんな政府とその人民を率いるのはゴメンだわ」

ドロドロの政治劇なんて大っ嫌いですわ。

まだ商人の鎬合いの方がずっとマシ。

もちろん、昼ドラは好きですわ。

 

「気に食わないものをすべて粛清すれば」

というかこの子ちょっとバイオレンスに寄りすぎではなくて!?

 

「もっとイヤよ、非経済的だわ」

もし仮にやるとしたら、タトゥイーンみたいな貧しい星を封鎖しつつ死ぬまで強制労働よ。

あんな奴らのために私たちが手を汚すなんてもってのほかでしょう?

 

「お嬢様、そこまで無理してお嬢様言葉を使わなくとも。正直、お似合いになっておりません」

 前言を撤回しますわ。この子普通に自由ね。

 

「フフフ、おだまりあそばせ?」

んなことはとっくのむかしからわかっておりますわ。

 

お母様が五月蠅いのよ。




ヒント:超銀河団5つ分の直径
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