STRIKEWITCHES 04 THE GREAT GAME 作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将
ラウ・ル・クルーゼ 元帥 逝去
本日未明 東京都 護国寺前交差点にて散歩中だったラウ・ル・クルーゼ元帥が信号無視した乗用車に轢かれ 午前9時20分頃 駆け付けた救急隊員によって死亡が確認された。
読売新聞 U.C.0008 5月6日 号外 より抜粋
おわりのはじまり
U.C.0011 8月某日 北極点付近
「閣下。」敬礼
「お疲れ様静夏ちゃん。北極研究所は奪還できた?」答礼
「はい。多少の重軽傷はありましたが死者はでませんでした。ですが・・・。」
「?」
「宮藤閣下が直接御確認されるべきかと。ご案内します。」
北極点付近 地下 地球連邦軍北極研究所
「こちらの部屋に重傷で死亡寸前ですが治療を拒むこの施設を占拠していたテロリストの首領を隔離してあります。尚、首領以外のテロリストは全員自決しました。」
「話せる?」
「おそらくまだ大丈夫かと。」
「私は地球連邦宇宙軍所属、宮藤芳佳です。」
「久しぶり・・・ですな・・・宮藤大将・・・血だらけで判別・・・できない・・・かもしれんが・・・私が誰か・・・わかるか?」
「その声は・・・アンナちゃん?」
「そう・・・だ。」
そんな!? 何でちょっと前に退役したばかりのアンナちゃんが反連邦テロリストなんかに?
「私はあの方に・・・救われた・・・私は・・・あの方の為に・・・げふっ」吐血
「アンナちゃん、しっかり!」
治癒魔法をかけないと。このままじゃアンナちゃんが多量出血で死んじゃう!
「・・・」バンッ 宮藤の手を払う
「やめろ。私は・・・あの方以外の・・・慈悲は受けん。我が予言を聞け者共!」
「「「!?」」」
「新しい世界への門は開かれた 我が魂は風となり その門へといざなう
眠りし王の目覚めるとき 私の肉体も蘇るだろう 」 ガクッ
「・・・。」
「軍医!脈を確認!」
「・・・駄目です服部准将。テロリスト首領の死亡を確認。」
「・・・閣下、『眠りし王』とは一体・・・。」
「・・・王の正体が何であれ、宇宙軍参謀本部に研究所奪還の報告と統合参謀本部に全軍に対する臨戦態勢への移行の要請はしておいて。静夏ちゃん。」
「なんでしょう。」
「研究所に元々あって今は無い物がないか確認急いで。私達が来る前に無許可で小型シャトルが飛び立ってる。行き先はわかってない。何が盗られたか調べないと。」
「わかりました。直ちに。」
「閣下、貯蔵庫のウラン238がありません!」
「・・・敵の目的は何なんだろう静夏ちゃん?」
「・・・核兵器の製造。」
「見事にセオリー通り。連邦軍指揮幕僚大学のペーパーテストなら、98点はつけられる回答だけど、多分違うよ。」
「?」
「答え合わせは今度にしよう静夏ちゃん・・・帰ろう。もうここには何も無い。」
「はっ。」
「戦う理由は見つかったか?相棒。」
「不死身のエースってのは戦場に長くいた奴の過信だ・・・君のことだよ相棒。」
「もう君の言葉は僕の心には届かない。君は残念に思ってくれるだろうが、思う必要は無いよ。元より想って貰う資格が無い。」
「相棒、皮肉なもんだ。決着が所属隊員全員が大陸戦争で最高の英雄と讃えられたメビウス同士とはな。最初のメビウスと最強のメビウス、どちらが強いかが今 わかる。」
「神よ、今は亡き盟友達よ。我が地獄への船出に祝福を!」
「君と僕は鏡のようなものだ。向き合って初めて本当の自分に気付く。似てはいるが、正反対だな。」
「撃て 臆病者! 撃てぇッ!」
「ごめん芳佳・・・そして、愛してくれてありがとう・・・夢を叶えてくれてありがとう相棒。さらばだ・・・友よ。」
「坂本君、準備は整った。始めよう、“グレート ゲーム”を。」
「はっ。」
「賭けるボールは人類の未来。ディーラーは私。賭けるは彼女達。舞台はルーレット。さあ芳佳、君は何色に賭ける?」